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eスポーツ交流会の様子

ゲームで就活!? eスポーツが仲介役

ひろしまで暮らす |

コントローラーを高速で操り、技をぶつけ合う。複数の画面の前で、熱い対戦を繰り広げているプレーヤーたち。これは真剣勝負のゲーム大会…ではなく、eスポーツを活用し、大学生と企業をつなげる交流会!

この一風変わった交流会、広島県が企画したものなんです!一体どういったイベントだったのでしょうか。

学生×企業 eスポーツでコミュニケーション

対戦ゲームをプレイする学生と企業の社員
「ストリートファイター6」CAPCOM

「学生×企業 eスポーツ交流会」は、6月初旬に広島工業大 (広島市佐伯区) で開かれました。

大学生約110人や、地元の6企業と広島県から約20人が参加。各企業のブースに分かれて格闘ゲーム「ストリートファイター6」をプレーし、親睦を深めました。

垣根を越えて親睦深まる

ゲームしながら談笑する様子

学生が席につくと、対戦相手の社員がにこやかにお出迎え。自己紹介をした後、「ゲームはよくするの?」「学科ではどんな勉強を?」と会話を弾ませ、学生の緊張もほぐれました。

打ち解けたところでゲーム開始。「危ない!」「いけ!」。笑みがこぼれたり、悔しさがにじんだり。表情豊かに画面と向き合うプレーヤーたち。必殺技を駆使する様子が、大型画面に映し出され、熱気あふれる空間となりました。

フリートークで本音トーク

フリースペースで話している様子

対戦が終われば、すっかり和やかな雰囲気に。社員が「仕事や生活のこと、何でも聞いて」と優しく問い掛けます。「身近な先輩」のような感覚で、学生は社員自身の就職活動の経験ややりがいなど、ざっくばらんな話に耳を傾けていました。

会社のPRをし、パンフレットなどを配布するブースもありました。インターンシップに誘われたり、採用試験の流れを聞いたり、就職先の候補を広げる場にもなりました。

eスポーツが仲介役?企業を知るチャンス!

交流会に参加している企業ブース

eスポーツは、いまや世界的な盛り上がりを見せ、市場規模、競技者や観客の数はどんどん増えています。広島県は、今回、注目が高まるeスポーツを活用し、新たな試みとして交流会を企画しました。

交流会の狙い

日山千彰さん

交流会の発起人、広島県商工労働局自動車・新産業課の日山千彰さんに聞きました。

開催の目的は。

就職に伴う人口の県外流出が課題となる中、若者の人材確保が急務となります。広島には魅力的な企業があり、学んだことを生かせる場があるということを知ってもらい、就職促進につなげていきたいです。

eスポーツを用いた狙いは。

生活に身近なゲームはコミュニケーションツールの一つ。学生の関心も高く、eスポーツを活用すれば、企業と学生が気軽に何でも話せる場になると考えました。企業は職種や働きがいをPRして、学生は普段の聞けないことを聞ける、双方にメリットのある場になったと思います。

交流会を終えて

運営に携わった広島工業大学の「e‐sports愛好会」の部長、高田大輝さんと、交流会に参加したヒロマツホールディングス総務人事部の大島菜々穂さんにお話を伺いました。

「社員さんの本音が聞ける貴重な場」

高田大輝さん
広島工業大学 「e‐sports愛好会」部長 高田大輝さん

「この企業のことは知らなかったけど、興味がわいた」という声をたくさん聞きました。僕も入社後のギャップについて質問し、良いことも悪いことも本音の声を聞けてよかったです。

「学生との接点は新鮮。企業のPRもできた」

大島菜々穂さん
ヒロマツホールディングス総務人事部 大島菜々穂さん

事業内容や魅力をしっかり伝えられました。フランクなイベントだからこそ、学生たちが積極的に話してくれて、通常の就職説明会では出ないような質問も出ました。

このように学生と気軽に話せる場はなかなかありません。学生の考えも知ることができ、幅広い人たちと出会う満足度の高いイベントになりました。

今後について

交流会は、和気あいあいとした中、企業の認知度を高め、就職促進を図る狙いで広島県が初めて開催しました。企業や学生から多くの好評の声が届いています。

eスポーツは学生に関心を持ってもらうための1つの手段。今後も企業の魅力を高めるとともに、学生からの注目を集めることができるようなユニークな取組を検討していきます。

(参考) 広島工業大学 esportsを通じた新たな企業説明会「esports交流会」を開催