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瀬戸内ひろしまレモン

広島県でレモンが有名なのはどうして?

ひろしまを学ぶ |

最近、広島駅や県内の観光スポットなどには、レモンを使ったお土産品がズラリと並んでいるのをご存知ですか?ここ10年で見られるようになったのですが、一体何が起こったのでしょうか?今回はその謎に迫ります!

瀬戸内ひろしまレモン

瀬戸内ひろしまレモン せとうちひろしまレモン

広島県で生産されたレモンのこと。呉市、尾道市、大崎上島町などの島しょ部を中心に栽培され、レモン生産量は全国一である。

広島県は国内レモンの生産量日本一

広島県は、国産レモンの生産量が全国1位で、全国シェアは50.4% (2018年 特産果樹生産動態等調査)。県内主要産地の1つ、尾道市瀬戸田町には街路樹にレモンが植えてあったりと、広島県民にとってレモンは身近な果物なんです。

県庁に植えられているレモンの木

広島県が日本一のレモン産地というのは、今では全国的にもよく知られていますが、10年ほど前までは県内でもあまり知られていませんでした。そこで、広島県と広島県果実農業協同組合連合会 (JA広島果実連) や関係するJA、市町、広島県農業共済組合が連携して、「広島レモン振興協議会」を設立し、広島県産レモンのブランド化に取り組むことになったんです。

「広島県産レモン」ブランド化の具体的な取組って?

知名度を上げる取組み

ブランド化で目指したのは、「レモンといえば、広島」「広島といえば、レモン」 と連想してもらえること。具体的には、「おしい!広島県」観光キャンペーンの中で「日本一なのに知らなかった、おしい!」と展開したり、

おしい!広島レモン ポスター

県とカゴメ株式会社の間で「瀬戸内レモン協定」を結んで、「野菜生活100瀬戸内レモンミックス」を発売し、製品パッケージの側面で、広島県のレモン生産などについて紹介してもらったりしました。

瀬戸内レモンミックス

瀬戸内レモンミックスは初めて販売した年だけでも、1,600万本も売れたそうなんです。全国の方がこのジュースを飲む度に、広島県とレモンのことを目にする機会となりました。

他にも、

  • 県とサッポロホールディングス株式会社・ポッカサッポロフード&ビバレッジ株式会社との「『瀬戸内 広島レモン』パートナーシップに関する協定」を締結して「ポッカ広島レモン」「瀬戸内レモンウォーター」を発売
  • 有名なシェフにお願いして、レモンを使った鍋レシピを考案

など、知名度をアップさせるための色々な取組が行われました。

レモン鍋

特に、2013年に広島市で開催された全国菓子大博覧会をきっかけに、レモン関連のスイーツやお土産品などの商品開発が活発化したようです。

また、県だけではなく、県立広島大学でレモンが健康に与える影響などを研究したり、JA広島果実連がAKB48、NMB48の元メンバー市川美織さんを「広島レモン大使」に任命して若者へのPR活動を展開したりと、関係者が一丸となって知名度を上げる取組を進めていきました。

販売と生産の拡大に向けた取組み

いろいろな取り組みによって「広島県といえば、レモン」が定着していきました。ただ、知名度を上げるということだけではなく、販売と生産がバランスよく拡大していくことも大切で、レモンの生果 (絞った果汁ではなく生のレモン) の販路を開拓し、需要を伸ばすことにも取り組んでいます。

また、生産拡大のために、例えば大崎上島では田んぼをレモン栽培地に変えるなど、レモン生産への新規参入や栽培面積の拡大を図りました。このことは、主に島しょ部の農業振興に大きく役立っているようです。

ホワイトビールと瀬戸内ひろしまレモン

ブランド化の取組を通じて、広島県産レモンのブランド力は向上し、以前にはあまり見られなかった県産レモンを使った様々なお菓子や、お酒などが生産されるように。レモンを利用した商品やレシピ、サービスなどをよく目にするようになったのも、こういった取り組みにより流れができたからなんですね。

さらに、「広島県といえば、レモン」というイメージの定着によって、レモンのさわやかなイメージが広島県のブランドイメージの向上にも大きく役立っています。こうした自慢できる産品があることは県民としても誇らしい気持ちになりますね。「広島県といえば○○」がどんどん増えていくことを期待しましょう!