【目次】
心血管疾患には、脈の乱れを起こす病気(不整脈)や先天性の心臓病、心筋や心膜の病気などさまざまなものがあります。その中で生活習慣が原因のものが虚血性心疾患です。
虚血性心疾患は、冠状動脈が動脈硬化のために細くなってしまい、心臓を動かしている心筋に酸素や栄養が十分に行き渡らなくなることが原因です。
そのため、心筋が一時的に血液不足になって胸に痛みを引き起こしたり(狭心症)、完全に血管が詰まってしまい胸に激烈な痛みを生じたりといった症状があります(心筋梗塞)。
なお、高齢者や糖尿病患者などでは、狭心症や心筋梗塞を発症しても痛みを感じない場合もあり、原因不明の不整脈や倦怠感などを訴える人もいます。
心血管疾患について、一般社団法人日本循環器協会(※)のホームページにおいて、「暮らす:日々の暮らしで予防する方法」、「知る:循環器病についての説明」、「取り組み:日本循環器協会の取り組み」などの情報が掲載されています。
医療者だけではなく、すでに心血管疾患をお持ちで治療中の方、心血管疾患を予防したい方、自治体や企業など心血管疾患予防の啓発を行いたい方に役立つ情報が載っています。
(※)一般社団法人日本循環器協会とは、循環器病患者・家族、自治体や企業との連携を基盤として循環器病診療と研究のプラットフォームの役割を担う新組織です。
ア 暮らす(日本循環器協会HPへリンク)
イ 知る(日本循環器協会HPへリンク)
ウ 取り組み
普段は無症状なのに、冠状動脈が細いため、運動やストレスがかかったときなど心筋の酸素消費量が高まったときに必要な血液が得られず、虚血性の痛みが出現するのを狭心症といいます。また、動脈硬化ではなく、冠状動脈のけいれんによって起こるタイプもあります。しかし、安静にしていると自然に痛みは消失し、普通は15分以上続くことはありません。
突然、冠状動脈が閉塞して激烈な痛みが30分以上続くと心筋梗塞が疑われます。
これはすぐに救急搬送しないと即、命に関わる病気であり、突然死の最大の原因として考えられています。なお、心筋梗塞の発症以前に狭心症の既往歴を有している場合もありますが、いきなり心筋梗塞を発症することもあります。
【出典】スマート・ライフ・プロジェクト(厚生労働省)
「心不全とは、心臓が悪いために、息切れやむくみがおこり、だんだん悪くなり、生命を縮める病気です」。これは2016年に日本循環器学会と日本心不全学会が発表した心不全の定義です。
一方で、心不全は“病気”の名前ではなくあらゆる心疾患の終末像の“状態”であるともいわれます。
さて、どちらが正しいのでしょうか?
その答えは「両方正しい」。医学的には病気というよりは病状とされていますが、これではわかりにくいため、日本循環器協会のホームページでは病気の1つとして上記の「定義」を紐とく形で説明がされています。
心不全の原因となる心臓の病気には、上記の狭心症や心筋梗塞の他にも、心筋症、心臓弁膜症、不整脈などがあります。原因となる病気をきちんと検査し、治療していくことが大切です。
心不全は完全に治るものではないため、症状が良くなったり悪くなったりを繰り返し、ステージがA→B→C→Dと一方通行で進行してきます。上手に付き合い、それ以上進まないようにすることが重要です。後戻りはできなくともその場で止めることはできるのです。
【出典】日本循環器協会ホームページ
心房細動、心不全に関する内容が動画にわかりやすくまとめられています。
心臓病をよく知ろう~専門医によるビデオ講座~(日本心臓財団ホームページ)