WHO(世界保健機関)が1988年にエイズのまん延防止及び患者・感染者に対する差別偏見の解消を図ることを目的として,12月1日を「世界エイズデー」と定めエイズに関する啓発活動などの実施を提唱しました。広島県においても,その趣旨に賛同し12月1日を中心にエイズに関する正しい知識などについての啓発活動を推進します。
今年度の「世界エイズデー」キャンペーンテーマは,「知ってる!?HIVとエイズの違い」です。「知ってる!?」という問いかけを通じて,一人でも多くの人がHIV/エイズを自分のこととして考え,「HIVとエイズの違い」をはじめ,検査や治療,支援などHIV/エイズに関する知識を身につけるための契機とします。
令和2年度世界エイズデーキャンペーンポスター
エイズは,HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによっておこる病気ですが,HIV感染=エイズということではありません。
HIVは免疫のしくみの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染します。そして,からだを病気から守っている免疫力を低下させていきます。
HIVに感染すると,通常6~8週間経過して,血液中にHIV抗体が検出されます。感染から数週間以内にインフルエンザに似た症状が出ることがありますが,この症状からはHIV感染をしているかどうかを確認することはできません。HIV検査を受けることではじめて感染の有無を確認することができるのです。
HIV感染後,自覚症状のない時期(無症候期)が数年続き,さらに進行すると,病気とたたかう抵抗力(免疫)が低下し,本来なら自分の力で抑えることのできる病気(日和見感染症とよばれる)などを発症するようになってしまいます。
このようにして,抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち,代表的な23の指標となる疾患が決められており,これらを発症した時点でエイズ発症と診断されます。現在はさまざまな治療薬が出ており,きちんと服薬することでエイズ発症を予防することが可能になっています。
〇出典(API-Net エイズ予防情報ネット)
“レッドリボン(赤いリボン)”は、もともとヨーロッパに古くから伝承される風習のひとつで、病気や事故で人生を全うできなかった人々への追悼の気持ちを表すものでした。
この“レッドリボン”がエイズのために使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な問題となってきた1980年代の終わりごろでした。このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨークのアーティスト達にもエイズがひろがり、エイズに倒れて死亡するアーティスト達が増えていきました。
そうした仲間達に対する追悼の気持ちとエイズに苦しむ人々への理解と支援の意思を示すため、“赤いリボン”をシンボルにした運動が始まりました。
この運動は、その考えに共感した人々によって国境を越えた世界的な運動として発展し、Unaids(国連合同エイズ計画)のシンボルマークにも採用されています。レッドリボンは、あなたがエイズに関して偏見をもっていない、エイズとともに生きる人々を差別しないというメッセージです。
このレッドリボンの意味を知り、レッドリボンを身につけることによって、エイズをみんなで考えましょう。
県内の保健所・保健センターなどで相談・検査ができます。検査をご希望の場合は,事前に電話予約をしてください。
日程等はエイズ(HIV)検査・相談ができるところをご覧ください。
世界エイズデーにあわせ,検査時間を延長する保健所等もあります。