家庭の省エネルギーを進めるうえで,重要な要素である冷暖房エネルギーを少なくするためには,機器の使い方(設定温度や扇風機による空気循環など)や省エネ性能の高い機器を選択することと並んで,住宅そのものを断熱化し,省エネ住宅にすることで,大きな効果を得ることができます。
家庭の温室効果ガス(二酸化炭素)排出量の約20%を占めているのが冷暖房です。冷暖房は,冷気や暖気を外に逃がさないこと,太陽の日射しによる熱が入ってこないようにすることなどにより,効率を高めることができます。
そこで,住宅による省エネが重要になります。省エネ性能の高い住宅とは,この冷暖房のエネルギー消費を抑えることのできる住宅です。
省エネ住宅には,次のようなメリットがあります。
1 快適さ | 真冬でも暖かく,真夏で涼しく,場所による温度ムラがなく,過ごしやすい |
2 経済的 | 効率よくエアコンが効くため,光熱費が節約できる。 |
3 健康的 | 結露によるカビなどの発生が抑制でき,お風呂などにおける急激な温度変化によるヒートショックのストレスが少なくなる。 |
4 耐久性 | 結露が防止できるため,建材などの劣化が抑制される。 |
省エネ住宅の中でも,太陽光発電パネルの設置などにより,1年間で消費する住宅のエネルギー量の収支がおおむねゼロになる「ZEH(ゼッチ:ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)」と呼ばれるものも出てきています。
ZEHとは,住宅の断熱化や日射遮蔽と省エネルギー設備機器により消費エネルギーを減らしつつ,太陽光発電等によりエネルギーをつくることで、1年間で消費する住宅のエネルギー量の収支がおおむねゼロとなる住宅のことです。
ZEHは,省エネ住宅のメリットがある他,太陽光発電設備等の再生可能エネルギーにより,晴天日の日中は停電時でも電力が使用可能なため,災害に強いことも特徴です。
国では,経済産業省,国土交通省,環境省が連携して,ZEHへの支援を実施しています。
<参考>ZEHに関する情報公開について(経済産業省資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index03.html
ZEHビルダー/プランナーについては,(一社)環境共創イニシアチブにより,検索することができます。
<参考>ZEHビルダー/プランナー一覧検索((一社)環境共創イニシアチブ)
https://sii.or.jp/zeh/builder/search
家庭の省エネルギーには,省エネ家電を選択していくことも有効です。
家電製品の省エネ技術は年々進化していて,壊れるまで使用する場合に比べて電気代が削減でき,地球温暖化防止にも貢献することができます。
例えば,冷蔵庫の場合,10年前の製品に比べて,電気代が約半額になると試算できます。
家電製品の省エネ性能は,省エネ法で定めた省エネ性能の向上を促すための目標基準(トップランナー基準)の達成度合いを表示する「省エネラベル」により,比較することができます。
省エネラベルは,カタログや製品本体,包装など,見やすいところに表示されます。
<参考>省エネ家電の選び方(経済産業省資源エネルギー庁)
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/replacement/enelabel/
また,環境省が,省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」を提供しています。これを使って,省エネ製品への買換えによるCO2削減効果や電気代節約効果などを調べることができます。
<参考>省エネ製品買換ナビゲーション「しんきゅうさん」
環境省の公的資格を有する「うちエコ診断士」が,ご家庭の光熱水費などの情報をもとに,専用ソフトを用いて,それぞれの家庭のライフスタイルに合わせた省エネ対策を提案します。
うちエコ診断について詳しくは下記ページをご覧ください。
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