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現在地ひろしまたてものがたり

たてもの情報(9)|其阿弥美術館


印刷用ページを表示する 掲載日:2017年10月5日

其阿弥美術館 /Goami Museum


 其阿見美術館

  東広島市の郷土画家・其阿弥赫土の絵画を展示するために、4年の歳月を費やし設計施工された美術館。日本画家として数々の賞を受賞した其阿弥赫土の代表作は日本の伝統的な神秘性や幽玄性などを具象化した作品が特徴です。彼の代表作でもある「淨韻」や「慈光」をテーマにした400号を超える大作を目の前にして、その精神性の深さに圧倒され、心を静かに癒されます。建物は、黒瀬町の田園風景に馴染むように奇抜ではあるがシンプルな外観、美術館壁面に多くの絵画が飾れるように壁構造の設計を採用しています。精神性の高い絵画を損なわないように、木目の浮き出たコンクリートと木材を建材として重厚感を演出。スリット窓、ガラス板を用いた壁模様や天井のトップライトから散乱光を取り入れて、館内はまるでやわらかな木漏れ日が差し込んでいるようになっています。晴れ、曇り、雨、雪、そして朝、昼、晩と季節や時間を感じ、天候によって微妙に変化する絵画の表情を楽しむことができます。

 また日本画は岩絵具や膠の自然の素材を使います。膠は乾燥に弱くヒビ割れして保存が難しいので、日本風土特有の多湿の風を館内に取り入れて、保湿性の高いコンクリート材と木材で館内の湿度を保ち、絵画を保護しながらの常設展示を可能にしています。「自然の光と風の入り込む美術館」は、絵を飾るだけでなく、日本画を保存する最適な空間です。建物は照明や空調によって照度や温度が厳格にコントロールされた非日常的な空間ではなく、自然の環境で絵を楽しむ空間を提供しています。壁の隅のスリット窓からは周囲の田園風景や小庭園が見えて、四季の味わいを楽しめます。夜間はガラス板やスリット窓から照明が外に漏れ、建物が模様を描く姿は幻想的。絵画と建物の自然の光が作り出す神秘的な建物空間のなかでの、伝統的日本画の精神の深さを体感したい。


設計者/ナフ・アーキテクトアンドデザイン(中薗 哲也)
住所/東広島市黒瀬町楢原276-7
問合せ先/0823-82-8241
交通アクセス/要確認
公開情報/見学可能(月曜~土曜9:00~19:00、木曜・土曜は午後閉館)
入館料/無料
撮影/OK(展示室は不可)
HP/http://www10.plala.or.jp/goami8241/


写真データダウンロード(御自由にお使いください。)

外観1

其阿弥美術館(1) 外観 (その他のファイル)(11.68MB)

其阿見美術館2

其阿弥美術館(2) 入口 (その他のファイル)(12.31MB)

其阿見美術館3

其阿弥美術館(3) 1階ホール (その他のファイル)(6.44MB)

其阿見美術館4

其阿弥美術館(4) 2階ホール (その他のファイル)(6.41MB)

其阿見美術館5

其阿弥美術館(5) 2階ホールから天井を見上げる (その他のファイル)(8.05MB)


今回ご紹介した建物は11月1日(水)に特別展示が,11月3日(金)スケッチ大会が開催されます!
詳しくは「たてものがたりフェスタ2017」のページをご覧下さい!

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