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現在地ひろしまたてものがたり

たてもの情報(10)|広島市現代美術館


印刷用ページを表示する 掲載日:2017年9月13日

広島市現代美術館/Hiroshima City Museum of Contemporary Art

現代美術を通し広島を見つめ、発信。
現代から未来へと繋ぐ美術館


 広島市現代美術館 

様々なジャンルの表現と作品形態を扱う現代美術に本格的に取り組む全国初の公立現代美術館として、約2年の工期の末に、広島市市制100周年、広島城築城400周年にあたる平成元年(1989)に開館。比治山公園全体を芸術公園として設計する計画として生まれ、設計は黒川紀章氏が担当、建物は三つの特徴が挙げられます。

一つ目は自然の景観との調和です。豊かに茂る木々に囲まれた都心の憩いの場という比治山のイメージから、山の斜面の樹木を最大限に保存することを考え、建物の高さと周囲の樹木の調和に配慮。階層を地上だけでなく地下へ重ねることで、建物の総床面積の60%以上を地下に埋めた低い建物としています。建築は周りの樹木の中に隠れ、自然と建物が共生する景観が作り出されています。

二つ目は、使われている素材です。建物を下から上へいくにしたがって自然石、タイル、アルミ…と人工的なものに素材が変化。複数の素材を組み合わせることで現代美術館としての先駆性を表現するほか、過去から未来への文明の発展や時間の流れを表現しています。

三つ目は、文化の融合です。屋根は江戸の蔵をイメージさせる切妻屋根、さらに建物中央には円形の広場があり古代ヨーロッパを思わせるなど、様々な文化の要素を融合しています。建物中央部に位置する円形広場にはそれを取り巻くように柱廊が配置され、それを媒介する形で建物右側の展示室と、左側の展示室が広がっています。また円形広場正面に位置する広場(通称:ムーアの広場)には、ヘンリー・ムーアの巨大な彫刻作品「アーチ」が設置され、広島市街と爆心地方向を見つめています。

建物自体が作品ともいえる空間の中で、現代美術の多彩な魅力に触れることのできる美術館。美術を通して広島を見つめ、現代から未来へと繋げる稀有な役割を果たす施設として、建築および展覧会ともに、広島だけでなく国内外様々な人々から愛されています。


設計者/広島市都市整備局、黒川紀章建築・都市設計事務所
階数/地上2階、地下2階
建物高さ/12.925m
敷地面積/約7,500平米
建築面積/3,710平米
延床面積/9,291平米
構造/鉄筋コンクリート造(一部鉄骨鉄筋コンクリート造)
用途/美術館
住所/広島市南区比治山公園1-1
問合せ先/082-264-1121
交通アクセス/JR広島駅から広島電鉄「比治山下」電停から徒歩10分
入館料/無料(展示室への入場は有料)
撮影/OK(展示室は不可)
HP/http://www.hiroshima-moca.jp/


写真データダウンロード(御自由にお使いください。)

 広島市現代美術館2

アプローチプラザの屋根は1ヵ所カットしてあるが,その方向は爆心地を示している。 (その他のファイル)(9.74MB)

広島市現代美術館3 

エントランスホールから,コレクション展示室へと続く回廊 (その他のファイル)(10.4MB)

広島市現代美術館4 

江戸時代の蔵をイメージさせる切妻屋根 (その他のファイル)(9.53MB)

 広島市現代美術館5

井上武吉による階段モニュメント (その他のファイル)(7.59MB)

 


今回ご紹介した建物は11月10日(金)に建物の解説を受けながら見学をすることができます!
詳しくは「たてものがたりフェスタ2017」のページをご覧下さい!

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