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オピニオンリーダーからの改革メッセージ

  

ムダな制度や仕組みはすぐにでもやめる。それもリーダーシップ。

カルビー株式会社 代表取締役会長 兼 CEO 松本 晃氏

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企業の存続を支える人材を確保するための環境づくりを。

働き方改革に着手する際は、常識と事実のギャップを知ることが大切です。例えば、日本の女性が企業を辞める理由は、保育や介護よりも仕事への不満や行き詰りによるものが多いこと。社会的なインフラを整えることも大切ですが、女性のモチベーションを高める企業内環境を整備することが大切です。「女性の取締役が3名以上いる企業の方が0名より収益性が上がる」、「女性の就業率が高い方が出生率も高い」など、データにも現れています。これらの事実をきちんと把握して「働き方改革」や「女性活躍」に取り組むべきです。企業の成長を支えるのは人。企業を存続させるための資源も人です。だからこそ企業は、良い人材が集まる環境づくりを常に考えていかなければならないのです。

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ゴールドマン・サックス証券株式会社副会長/グローバル・マクロ調査部アジア部門統括/チーフ日本株ストラテジスト キャシー 松井氏

改革を阻むのは社会常識。違った視点で見直すことが大事。

サービス産業の中で生産性を上げるためにライフネット生命で創業時から意識しているのは、豊かな感性の育成とムダな時間を省くこと。有給休暇とは別に3年前にリフレッシュ休暇を導入。会議は30分または1時間という上限を設けています。改革を阻むのは社会常識です。当社では、大事なプロジェクトには、全く関係のない分野の人材を参加させます。お客さま目線での提案が生まれるのです。また、いわゆる「ホウ・レン・ソウ」という言葉は、上司を戒める言葉だと思います。上司は自ら現場に出向き、社員が元気に働けるように配慮しなければいけません。そして、女性が活躍するためには、ロールモデルも必要です。創業時から女性管理職30%以上を掲げ、生命保険業界初の女性取締役が当社から誕生したのは、それらの成果の表れです。

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ライフネット生命保険株式会社 創業者 出口 治明氏

面白く楽しく生きるには、現状に満足せず新しく挑戦。

今の日本は豊かですが、あまり幸せを感じられない社会です。昭和の仕組や考え方にとらわれているからでしょう。私はそこから脱却し、元気よく自信を持って、面白く楽しく生きていける企業や社会に変えるべく、ダイバーシティに取組んでいます。例えば、役員室をなくして社員と同じフロアにし、社員全員が「ロートネーム」というニックネームや「さん」付けで呼び合うなど、不必要な上下関係を取り払いました。働き方改革において改革を阻むのは「これでいいや」という気持ちやプライドです。全ての企業が同じことをする必要はありません。模範的な優等生ではなく、「わが道を行く」発想が企業の個性を引き出し、トップがそうあればこそ社員も挑戦し続けるのです。

10月

ロート製薬株式会社 代表取締役会長 兼 CEO 山田 邦雄氏

トップが本気になり道をつくると、社員の意欲が高まり動き出す。

環境や仕組みを整備すれば女性活躍につながると考えられがちですが、女性が「ずっと仕事を続けたい」と思えることが重要。かつて、女性が管理職になりたがらなかったため、「ブレッドマスター」という制度を導入し、通常の管理職とは別に、専門職としてキャリアアップする道をつくりました。パンの販売のプロとしての知識や技術を身に付けることで、社員のやりがいと責任ある仕事への意欲が高まり、全店で1人だけだった女性店長が二桁になり、女性管理職の増加につながりました。また、女性が働きやすいよう「見える化」した時間管理システムを構築し、トップ自らが現場に出向き改善されているかをチェックしました。改革を実現するには、その会社の理念、風土にあった制度を作ること、トップの本気度を見せることが大切です。

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株式会社アンデルセン・パン生活文化研究所 前代表取締役社長 吉田 正子氏

(平成29年9月)