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竹原火力発電所新1号機設備更新計画に係る環境影響評価準備書に対する知事意見

印刷用ページを表示する掲載日2013年10月25日

1 全体的事項

 (1) 発電所と住居が近いことを十分に考慮し,必要な環境保全措置を講じること。また,工事中及び供用後において,予め予測し得なかった環境影響が生じた場合には,速やかに原因の究明を図り,適切な措置を講じること。

(2) 工事中及び供用後において,積極的に環境監視結果等を公表すること等により,関係する住民,漁業者及び行政機関等との情報交換を密にし,事業による環境影響の把握及び必要な対策に努めること。

(3) 準備書に記載されている環境保全措置を確実に実施し,環境への負荷をできる限り回避,低減するための適切な運転管理を行うこと。また,運用の改善や最新技術の導入の検討など,供用後も引き続き環境への負荷の低減に努めること。

(4) 石炭種の変更やその他の運転状況の変更に当たって,使用予定の石炭種に含まれる重金属等の微量物質を予め測定するなど,事前に十分な確認を行い,運用条件の変更により環境に支障を及ぼすことが予想される場合には,適切な措置を講じること。

2 個別的事項

(1) 大気環境

ア 予測に用いた現地調査による年間気象観測結果について,異常年検定の結果を示し,当該観測結果を用いた妥当性を説明すること。

イ 県内地域において,光化学オキシダントが継続的に環境基準を達成していない状況であることを踏まえ,一層のばい煙排出抑制に努めること。

ウ 現地で塗装作業を行う場合には,低VOC(揮発性有機化合物)塗料を優先的に使用すること。

エ 有害大気汚染物質に該当する可能性がある物質として選定された物質のうち,優先取組物質(重金属類)について,可能な限り,排出抑制対策を講じること。

(2) 水環境

ア 造成等の施工による一時的な影響に対する環境保全措置について,仮設処理設備で行われる処理方法及び管理方法をより具体的に示すこと。
 

イ 施設の稼動(排水)に伴う水質の環境影響評価について,既設排水処理施設で行われる処理方法,排出諸元(処理前・処理後の水質(重金属等の微量物質を含む。),水量,排出方法等)及び管理方法をより具体的に示すこと。

ウ 既設排水処理設備出口(冷却水混合前の水質測定箇所)において,COD,窒素及びりん以外の項目についても関連法令に定める排水基準値以下に処理することを明記すること。

エ 排出水が協定値以下又は排水基準値以下であれば,周辺海域の水質に及ぼす影響は少ないと判断するに至った理由を明らかにすること。

(3) 動物・植物及び生態系

 工事中及び供用後において,対象事業実施区域及びその周辺で新たに希少な動植物が確認されるなど,新たな事態が生じた場合には,必要に応じて保全措置を講じること。

(4) 景観

 新設屋内貯炭場や新設運炭ベルトコンベアが周辺住宅からの眺望を阻害する可能性があるので,可能な限りの配慮を行うこと。

(5) 人と自然との触れ合いの活動の場

ア 資材置場A及びBへの工事用資材の搬出入は,隣接する長浜自然海浜保全地区の利用に配慮した運行計画とすること。

イ 工事中及び供用後において,海水浴シーズン(7月及び8月)における周辺海水浴場及び長浜自然海浜保全地区へのアクセスに及ぼす影響を考慮し,必要に応じて道路交通状況を勘案した走行計画とすること。

ウ 発電所からの排水が,周辺海水浴場及び長浜自然海浜保全地区の水質及び水温へ与える影響について評価を行い,必要に応じて適切な措置を講じること。

(6) 廃棄物等

ア 工事の実施及び施設の稼動に伴い発生する廃棄物については,「広島県廃棄物処理計画」に定める減量化目標の達成に向け,可能な限り,排出の抑制及び分別・再生等の処理を行い,最終処分量の削減に努めること。
 
イ 燃え殻,汚泥(排水処理汚泥,脱硫石膏及び廃活性炭)及びばいじん等の処理に際しては,重金属等の微量物質の溶出試験等による性状の把握を行い,再生利用等に当たって,環境保全上の支障が生じることがないよう確認すること。

ウ 発生する残土等は性状を確認の上,可能な限り構内への埋戻し・盛土等に利用すること。なお,利用できないもの及び廃棄物の埋立処分をした場所を掘削して排出されるものについては,関連法令に従い適正に処理すること。

(7) 温室効果ガス等

 石炭火力発電は,他の発電方式に比べて,発電量当たりの二酸化炭素排出量が多いことから,「広島県地球温暖化防止地域計画」等に定める二酸化炭素削減目標の達成に向け,発電効率の維持及び新1号機設備利用率の向上,所内の省エネルギー対策をより一層推進するなど,更なる排出削減に努めること。

(8) 環境監視

ア 排ガス及び排水に係る重金属等の微量物質の量を測定し,排出状況の確認を行うこと。時期及び頻度については,使用する石炭種の変更その他の運転条件の変更を考慮した適切な時期に実施すること。

イ 排水処理設備出口における水質監視について,COD等に加えて,重金属等の微量物質についても行うこと。

ウ 温排水の環境監視計画の項目に残留塩素濃度を追加すること。

(9) その他

 新設屋内貯炭場等が周辺住宅への日照を阻害する可能性があるので,可能な限りの配慮を行うこと。

3 環境保全の見地以外の事項

(1) 発電所周辺の道路幅員が狭いことから,工事車両・資材運搬車両の安全運行に十分配慮すること。

(2) 現在行っている発電所の開放イベントや見学受入等の啓発活動を一層推進し,発電所自体が地域のふれあいの場となるよう努めること。

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