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廃棄物処理・リサイクル事業 環境影響評価方法書に係る知事意見

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

 

基本的事項

 〇 本事業に係る環境影響評価の項目及び手法は,広島県環境影響評価技術指針に基づき適正に選定するとともに,選定した項目ごとに,当該手法に基づいて,当該指針に従い適正に環境影響評価を実施すること。この場合,適宜「広島県環境影響評価技術指針の解説について(平成11年3月)」等を参照しながら行うこと。

〇 環境影響評価の項目及び調査,予測並びに評価の手法を選定した時は,当該項目及び調査,予測並びに評価の手法の選定理由を明らかにできるよう整理すること。

〇 環境影響評価の実施中において,環境への影響に関し,新たな事実が判明した場合又は新たな追加的な環境保全措置を講じることとする場合には,必要に応じて,選定した項目及び手法を見直し,又は追加的に調査,予測及び評価を実施すること。

〇 調査により得られた情報は,当該情報が記載されていた文献名,当該情報を得るために行われた調査の前提条件,調査地域等の設定の根拠,調査の日時その他の当該情報の出自及びその妥当性を明らかにできるよう整理すること。

〇 予測に際しては,選定した予測手法の特徴及びその適用範囲,予測地域の設定根拠,予測の前提となる条件,予測で用いた原単位及び係数その他の予測に関する事項を,選定項目の特性,事業特性及び地域特性に照らし,それぞれの内容及び妥当性を明らかにできるよう整理すること。

〇 予測に際して,新規の手法を用いる場合や,その他の環境影響の予測に関する科学的知見が十分に蓄積されていない場合においては,予測の不確実性の程度及び不確実性に係る環境影響の程度を踏まえ,当該項目に係る不確実性の程度及びその対応方法を明らかにすること。

個別的事項

 大気質

〇 地域の風向・風速により影響の範囲が変化するため,風向・風速の調査結果の解析に当たっては,異常年検定を適正に実施するとともに,季節的な卓越風の出現頻度を適切に把握すること。
[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質,粉じん等]

〇公共の常時監視項目になっているものにあっては,四季ごとの調査は,代表性を確保する観点から調査地点近傍の常時監視局データとの整合性を検討すること。
[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質]

〇 パフ・プルームモデルによる予測に際しては,事業特性及び地域特性を十分に踏まえて排出条件や気象条件等の予測の前提条件を適切に設定するとともに,大気安定度等の拡散パラメータは,地域の気象条件等に合致したものを活用すること。
[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質]

〇  パフ・プルームモデルの予測に際しては,現況再現計算を行い,モデルの妥当性を検証したうえで予測を行うこと。
[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質]

〇 現況調査の結果,逆転層の存在が明らかとなった場合には,逆転層用の修正モデルを用いて予測を実施すること。[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質]

〇 予測に際しては,炉の種類,燃料の種類,各種排出抑制装置の設置等の複数の環境保全対策を比較検討しながら実施すること。
[硫黄酸化物,窒素酸化物(排出ガス),浮遊粒子状物質]

〇 パフ・プルームモデルの予測に際しては,予測濃度について平面分布を明らかにすること。
[硫黄酸化物,窒素酸化物,浮遊粒子状物質]

〇 予測に際しては,輸送経路の分散化,運行台数の時間帯調整など複数の環境保全対策を比較検討することにより,環境影響の回避・低減の視点からの評価は可能であり,こうした視点からの評価を行うこと。
[窒素酸化物(廃棄物等の搬出入)]

〇 事業予定地周辺における浮遊粒子状物質の状況は,環境基準の達成率が極めて低いこと等から,調査・予測地点を増加させるなどの手法の重点化を行うこと。
[浮遊粒子状物質]

〇 浮遊粒子状物質の予測に当たっては,発生由来や二次生成物質等に関して科学的知見の限界に伴う不確実性が存在することから,事後調査の実施について検討を行うこと。
[浮遊粒子状物質]

〇 粉じん等の調査に際し,1年分の気象情報を活用するとしているが,当該情報を活用することに対する地理的な妥当性を検討し,必要に応じて,標準手法に従った現地調査の実施について検討すること。
[粉じん等]

〇 予測地点は,直近の住居等の存在する地点等,特に影響を受けるおそれの高い地点を選定すること。
[粉じん等]

〇 建設機械の稼動に伴う粉じん等の予測に際しては,散水,仮囲い,シート張り等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。
[建設機械の稼動による粉じん等]

〇 予測に際しては,洗車,運搬車のシート張り,運行ルートの分散化等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。
[資材等及び廃棄物等の搬出入による粉じん等]

有害物質項目

 〇 焼却処理を行う産業廃棄物の種類及びその性状を適切に把握したうえで,有害大気汚染物質排出の可能性について検討し,環境影響が懸念される物質については環境影響評価の項目として選定すること。

ダイオキシン

〇 既存の公共測定結果を活用し,現地調査を簡略化しているが,当該測定結果は事業予定地から約5km離れているなど,地域の代表性として乏しい面があり,また,四季ごとに1日の調査では,降雨等の気象条件等の変化により年間の代表性が損なわれるおそれがあるなど過小評価につながるおそれもあることから,四季ごとに複数日の調査を行うこと。

〇 ダイオキシンの調査に際しては,ダイオキシン類対策特別措置法を踏まえ,コプラナPCBを含めること。

〇 ダイオキシンの予測に当たっては,ダイオキシンの予測に係る科学的知見の蓄積も見られることから,事例の引用又は解析による予測と併せて拡散式による理論計算予測を行うこと。この場合,ダイオキシンは粒子状物質に吸着された形で排出されることから,浮遊粒子状物質において考慮される重力沈降や沈着を取り入れて予測を行うこと。

〇 ダイオキシンの予測には科学的知見の蓄積が見られるものの,その挙動等は科学的に未解明な部分もあり,予測に当たっては,こうした科学的知見の限界に伴う不確実性が存在することから,事後調査の実施について検討すること。

〇 ダイオキシンの予測に際しては,バグフィルターによる浄化,活性炭吸着処理などの複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

〇 ダイオキシンによる土壌汚染について,環境影響評価の対象とすること。この場合,調査地点の選定は,排出ガス及び粒子の拡散や沈降等の効果を考慮し,適切な場所を選定すること。なお,科学的な知見が不足し,予測が困難な場合には,事後調査の実施について検討すること。

〇 ダイオキシンの予測において,拡散の理論計算による予測を行う場合には,予測濃度の平面分布を明らかにすること。

 建設作業騒音・工場騒音

〇 予測シミュレーションに当たっては,事業特性を十分に踏まえて,音源のパワーレベル等の予測の前提条件を適切に設定すること。

〇 予測範囲は,騒音の距離減衰や保全対象の分布を考慮して設定するとともに,稼動重機数,稼動場所等の事業特性を適切に把握した上で,低騒音型重機の採用,稼動重機数の平準化や稼働時間の適切な設定等の複数の環境保全対策を比較検討しながら,シミュレーションを行うこと。
[建設作業騒音]

〇 予測に当たっては,音源の配置,低騒音型機材の使用,建屋の防音構造対策等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。
[工場騒音]

道路交通騒音(資材等の運搬,廃棄物の搬入)

 〇道路交通騒音の予測は,改正された騒音に係る環境基準に定められた等価騒音レベルに対応した手法を用いること。

 〇 現地調査時において,地域の土地利用状況等により病院,学校及び福祉施設等の保全対象が存在し,当該保全対象へ影響が及ぶおそれがある場合には,方法書の調査地点に加えて,新たに当該対象に対して調査地点を設置すること。

〇 予測範囲は,運行ルート沿線の病院,学校,福祉施設及び住居等の保全対象の分布や道路交通騒音の距離減衰を考慮して適切に設定すること。

〇 予測地点の設定に当たっては,保全対象である病院,学校,福祉施設及び住居等が存在する地点等,特に影響を受けるおそれの高い地点を設定するとともに,高層住宅等の高さ方向への騒音が懸念される場合には当該高層住宅において調査・予測地点を設定すること。

〇予測シミュレーションに当たっては,事業特性を十分に踏まえて,音源のパワーレベル等の予測の前提条件を適切に設定するとともに,回折効果及び地表面効果による補正項や過剰減衰係数等の予測のパラメータは,運行に用いる道路の構造や地表面の状況に合致したものを設定すること。

〇予測に当たっては,現況再現計算を行い,予測手法の妥当性を検証すること。

〇 工事用車両や廃棄物の搬入運行路線の決定に当たっては,路線の交通量,道路交通騒音等の状況,及び病院,学校,福祉施設や住居等の保全対象の分布状況を踏まえるとともに,予測は,運行台数の平準化や時間帯調整,運行路線の分散化等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

〇 道路交通騒音に関しては,複数の輸送方法を検討することは,環境影響の回避・低減につながることから,こうした観点からの評価を行うこと。

建設作業振動・工場振動

〇 地盤の状況調査に当たっては,地盤卓越振動数を測定することにより軟弱地盤の有無を確認するとともに,軟弱地盤が存在する場合には,その広がり及び特性を的確に把握すること。

〇 予測シミュレーションに当たっては,事業特性を十分に踏まえて,振動源のパワーレベル等の予測の前提条件を適切に設定すること。

〇 予測範囲は,軟弱地盤の分布状況や振動の距離減衰,保全対象の分布状況を考慮して設定するとともに,予測は,稼動重機数,稼動場所等の事業特性を適切に把握した上で,低振動型重機の採用,稼動重機数の平準化や時間帯調整等の複数の環境保全対策を比較検討しながら,シミュレーションを行うこと。
[建設作業振動]

〇 予測に当たっては,振動源の配置,低振動型機材の使用,基礎の強固対策など複数案の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。
[工場振動]

道路交通振動(資材等の運搬,廃棄物の搬入)

〇  地盤の状況調査に当たっては,地盤卓越振動数を測定することにより軟弱地盤の有無を確認するとともに,軟弱地盤が存在する場合には,その広がり及び特性を的確に把握すること。

〇 現地調査時において,地域の土地利用状況等により病院,学校及び福祉施設等の保全対象が存在し,当該保全対象へ影響が及ぶおそれがある場合には,方法書の調査地点に加えて,新たに当該対象に対して調査地点を設置すること。

〇 予測範囲は,運行ルート沿線の病院,学校,福祉施設及び住居等の保全対象の分布や道路交通振動の距離減衰,軟弱地盤の分布状況を考慮して適切に設定すること。

〇 予測地点の設定に当たっては,保全対象である病院,学校,福祉施設及び住居等が存在する地点等,特に影響を受ける恐れの高い地点を設定すること。

〇 予測シミュレーションに当たっては,事業特性を十分に踏まえて,音源のパワーレベル等の予測の前提条件を適切に設定すること。

〇 予測は,運行台数の平準化や時間帯調整,運行路線の分散化等の複数の環境保全対策を比較検討しながら,シミュレーションを行うこと。

〇 工事用車両や廃棄物の搬入運行路線の決定に当たっては,路線の交通量,道路交通振動等の状況,及び病院,学校,福祉施設や住居等の保全対象の分布状況を踏まえるとともに,予測は,運行台数の平準化や時間帯調整,運行路線の分散化等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

〇 道路交通振動に関しては,複数の輸送方法を比較検討することは,環境影響の回避・低減につながることから,こうした観点からの評価を行うこと。

 悪臭(排出ガス,機械等の稼動)

 〇 悪臭は,短時間であっても高濃度の場合には環境影響が著しくなるおそれがあるため,調査,予測及び評価に当たっては,定常状態時だけでなく,夏季や廃棄物の受け入れ時等悪臭の発生が最大になる可能性のある時期についても行うこと。また,それぞれの状態において,高濃度時の影響を十分に把握すること。

〇他は大気質(硫黄酸化物等)の項を参照すること。

水の汚れ 

〇 クローズド方式により施設の稼動に伴う排水は,外部へ排出しないとしているが,クローズド方式の具体的な内容及び将来的な活用方法を明らかにしたうえで,将来,公共用水域へ排水を排出する可能性を検討し,その結果,排出する可能性がある場合には,環境影響評価項目として選定すること。
 また,固形廃棄物の保管形態によっては,それに含まれる有害物質が雨水等により流出し,水質汚染をまねく懸念があることから,この可能性についても十分検討を行い,水質汚染による環境影響を生ずる可能性がある場合には,環境影響評価項目として選定すること。

水の濁り

 〇 最終処分場の水処理施設の将来的な活用方法を明らかにしたうえで,将来,公共用水域へ排水を排出する可能性を検討し,その結果,排出する可能性がある場合には,環境影響項目として選定すること。
[焼却工場]

〇 保管工場の設置工事に伴う濁水の処理方法を明らかにしたうえで,将来,公共用水域へ排水を排出する可能性を検討し,その結果,排出する可能性がある場合には,環境影響評価項目として選定すること。
[保管工場]

景観

 〇事業実施予定地の後背地には,恵み豊かな瀬戸内海が存在していることから,瀬戸内海を景観資源として取り上げた上で,眺望景観の予測は,事業の実施により出現する工作物と瀬戸内海を含めた現況の眺望景観を合成するなど視覚的に表現することにより行うこと。
 この場合,工作物の構造,色彩等や事業予定地への植樹等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

〇 事業実施予定地の福山市は,広島県景観条例で大規模行為届出対象地域の指定がなされていることに十分留意すること。

 工事に伴い発生する廃棄物等

〇 本事業は,現有焼却施設の更新を行うものである旨が「事業の目的」に明記されており,現有施設の解体撤去により相当量の「廃棄物等」が発生するおそれがあることから,「廃棄物等」を環境影響評価項目として選定すること。

〇予測に際する注意点は「施設の稼動に伴い発生する廃棄物」の項を参照のこと。

施設の稼動に伴い発生する廃棄物等

 〇予測に際しては,廃棄物の減量化,再利用等の複数の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

温室効果ガス等

〇 産業廃棄物の焼却は,一般廃棄物に比べ,焼却炉の形式や焼却物により排出水準にかなりの差が生じ得ることから,予測は,焼却炉メーカーから排出係数,焼却物の組成,高位発熱量等の前提諸元の提供を受けたうえで,溶融スラグの土木材料への利用等廃棄物の再資源化,焼却余熱の利用等の環境保全対策を比較検討しながら行うこと。

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