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第1章 環境配慮の考え方

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

1 環境配慮の必要性 

 環境は,人類の存続の基盤です。環境を健全に維持・創造していくことは,現代の私たちが果たすべき責任であるとともに,将来世代に対する責任でもあります。
 環境への負荷が環境の復元能力を超えて,環境へ重大なあるいは取り返しのつかない影響を及ぼすことがないよう,私たちの行動に先見性を持って環境配慮を織り込んで行く必要があります。
 県の環境基本計画では,「環境にやさしい広島づくりと次代への継承」を基本理念とし,県・事業者・県民等の各主体が相互に協力し合うことで,環境への負荷の少ない「持続的発展が可能な環境にやさしい社会」を築きあげることとしています。
 循環型社会の形成や地球環境問題への対応をはじめとした今日の環境問題を解決し,環境にやさしい社会を実現していくためには,県・事業者・県民等の各主体の行動が,環境への負荷が少ないものとなるよう,環境への配慮を推進していく必要があります。
 県は,環境の保全に関する各種施策を推進する行政主体であると同時に,県内の社会経済活動における事業者,消費者としても大きな位置を占めています。
 県が事業者として実施する公共事業は,規模が大きく環境への影響も大きいことから,事業の計画段階から環境への配慮について検討を行い,環境と調和した工事等を実施する必要があります。

2 広島県環境配慮推進要綱について

 県の公共事業における率先的な環境配慮の取組みを推進するため,計画段階から環境配慮を行う仕組みを規定した「広島県環境配慮推進要綱」を平成15年3月に制定し,同年4月から施行しました。(図1【広島県の環境配慮の推進体制】参照)
 要綱では,道路,街路や建築物の整備など13種類の事業を対象に環境配慮を行うこととしており,大規模事業及び中規模事業については,自ら環境配慮チェック表を作成します。
 更に大規模事業については,庁内調整システムでその内容を協議し,環境配慮の状況を点検することにしています。
図2【県公共事業における率先行動の運用フロー】表1【要綱における公共事業】参照)


広島県の環境配慮の推進体制

 

図2 県公共事業における率先行動の運用フロー 

表1 要綱における公共事業 

 

3 要綱における環境配慮の体系

 要綱では,広島県環境基本計画における3つの施策目標【循環】【地球】【共生】に基づき,道路,河川など各々の事業について,事業別環境配慮指針を定めています。(図3【広島県環境基本計画の施策目標】参照)
 事業別環境配慮指針では,「大気環境・水環境の保全」などの7つの環境配慮事項を定めました。
  更に環境配慮事項毎に個別配慮事項を定めており,これに留意しながら環境配慮を検討することとしています。(図4【要綱における環境配慮の体系図】参照)

図3 広島県環境基本計画の施策目標

図4 要綱における環境配慮の体系図 

 4 環境配慮の進め方

事業の実施に当っては,実行可能な範囲で環境への影響を最小限にする努力が必要です。
  事業特性や環境特性がどのような状況にあるかを既存情報調査,現地調査等で把握し,収集した情報をもとに環境配慮事項の検討を行います。
  環境配慮を事業計画に反映させ,より環境に配慮された計画にするため,複数案の比較検討や事業計画の見直しが可能な計画段階に環境配慮を行う必要があります。
  このため,環境配慮チェック表は計画段階の可能な限り早い時期に作成し,設計段階,工事段階に,適宜,追加記入を行います。(図5【環境配慮の検討を行う段階】参照)
 各段階で事業別環境配慮指針に留意し,環境配慮の検討,状況の変化に応じた見直しなどを行い,常に環境への影響について点検しながら事業を進めていく必要があります。(図6【環境配慮の進め方】参照)
  環境保全措置の検討に当たっては,環境影響の回避を最優先します。回避が難しい場合は環境影響の低減を検討し,環境への影響が避けられない場合にのみ,代償措置の検討を行うこととなります。(図7【環境影響の回避・低減・代償の考え方】参照)
  工事に当たっては,環境配慮チェック表に記載した環境配慮事項の着実な実施や,環境配慮の追加実施に努めます。
  また,事業実施後の環境への影響についても適宜把握し,実施した環境配慮の検証やフォローを行い,よりよい環境配慮の取り組みが進むよう継続的に考えていくことも大切です。


図5 環境配慮の検討を行う段階

 

図6 環境配慮の進め方 

 

図7 環境影響の回避・低減・代償の考え方 

 

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