干潟は,河川から運ばれてくる土砂の堆積により形成されるもの,潮流によって運ばれてくる土砂の体積によって形成されるもの,など自然の条件が複雑に重なっています。特に潮の流れが穏やかな所に細かい砂泥が運ばれやすいため,干潟は内湾の奥や大きな河川の河口部に見られます。
賀茂川下流域は天井川となっており,防災の観点から護岸等が施されているものの,河川全体としては,比較的に自然な状態を保ち,河口部はほとんど自然のままとなっています。
上流から運ばれる砂が河口部に堆積するとともに,潮流によって河口部の両脇を東西に干潟を広げています。
また,河口部から少しはなれたところには,「ハチの岩」と呼ばれる岩が積まれており,その由来は不明だが,海上交通が発達した瀬戸内海の歴史を偲ばせてくれます。
干潟には豊富な生物相を形成し,ハクセンシオマネキをはじめ希少なスナガニ,ナメクジウオも生息する。
植物群ではアマモ場やガラモ場が見られます。
潮が引くと徐々に干潟が現れ始めます。
ほぼ引き終わったところ。広大な干潟である。写真の右手奥がハチの岩。
カニは危険を感じると,砂浜にある穴に隠れます。近くに穴が無かったので,両手を挙げて威嚇しています。
干潟には2通りの入り方があります。川に沿って進入している所です。
写真はコアマモです。干潟には,やすらぎを求めてくる人,ゴカイなどを取りに来た人など,地元の方の利用の場として愛されているようです。写真中央の奥手にある岩礁は「コハチ」と呼ばれているようです。
泥地,砂州,転石,岩礁と様々な基質があり,それぞれの基質に特有の生物相があります。
広島県が選定した水の汚れを示す環境指標生物の多くが,岩礁付近で見つけることができます。
海にはアマモ場が広がり,岩礁には色々な海浜植物が着生しています。