徹底解剖!ひろしまラボ ロゴ
文字サイズ 拡大 標準
お腹を抱える女性

冬は特に注意!ノロウイルス食中毒とは?

ひろしまで暮らす |

「食中毒」の発生と聞くと、じめじめした梅雨の時期や、暑い夏場が多いと思われる方が多いのではないでしょうか。寒くなるこれからの冬の時期に増加する食中毒をご存じですか?

冬になるとウイルス性食中毒、代表的なものとして「ノロウイルス」が増加します。今回は、そんなノロウイルスについて、対策の仕方などをご紹介します。

ノロウイルスとは?

ノロウイルスのイメージ画像

例年11月ごろから冬場にかけて「ノロウイルス」を代表とするウイルス性食中毒が増加します。

「ノロウイルス」は、食中毒の主要な病因物質の1つであり、感染すると体の中で増殖し、だいたい24時間~48時間後に、強い吐き気や嘔吐、下痢、腹痛、37~38℃の発熱という症状を引き起こします。

通常は、1日~2日ほどで治りますが、乳幼児や高齢者、抵抗力が弱い方などは長引くケースがあるので、注意が必要です。

なぜ冬に多いの?

ノロウイルスは、低温・乾燥した環境に強いウイルスのため、気温が下がり、空気が乾燥した冬場に特に流行します。

温度が低いほど長期間生存し続けることができ、気温10℃以下では約1か月、4℃では約1~2か月も生存すると言われています。冷蔵や冷凍では死滅しないウイルスのため、注意が必要です。

どのように感染するの?

感染拡大のイメージ画像

ノロウイルスは感染力が非常に強く、わずか10から100個のウイルスでも感染・発症します。食品を介してウイルスが体内に入り発症することを食中毒と呼んでいますが、ノロウイルスは感染症の病因でもあり、人から人へ感染します。

主な感染経路は以下の4つです。

  • ノロウイルスに汚染された食品を加熱不十分で食べた場合に起こる「経口感染」
  • 感染者の便や嘔吐物に直接触れることで感染する「接触感染」
  • 感染者の吐しゃ物等からの飛沫により感染する「飛沫感染」
  • ウイルスを含んだ塵や埃を吸い込んで感染する「空気感染」

ノロウイルス食中毒を防ぐためには

人差し指を立てる女性

ノロウイルス食中毒を防ぐためには、以下の4原則について気を付けましょう。

「持ち込まない」

ほとんどのノロウイルス食中毒は、ノロウイルスに感染した調理者が汚染源となって発生しています。普段から手洗いや健康管理を心掛けてノロウイルス感染を予防し、ウイルスを調理場に持ち込まないようにしましょう。

また、吐き気や下痢などの症状があるときは、調理中に食材を汚染してしまう危険性が高いので、調理をしないようにしましょう。

「つけない」

食品にノロウイルスを付けないように、トイレの後や調理前、盛り付け前など、適切なタイミングで、流水と石鹸液を使ってこまめに手を洗いましょう。

また、包丁やまな板などの調理器具は、使用後に十分洗浄したのち、85℃以上の熱湯で1分間以上加熱するか、塩素系消毒液に浸して消毒してください。

「やっつける」

ノロウイルスに汚染された食品や生水などを、十分な加熱をせずに食べることで食中毒になる場合もあります。

ノロウイルスを死滅させるためには、食品の中心部が85℃~90℃で90秒以上の加熱が必要です。加熱調理の際は具材の中心部までしっかり火を通しましょう。

「拡げない」

万が一ノロウイルスに感染してしまった場合は、トイレの消毒や吐しゃ物等の適切な処理を徹底し、他の人が感染したり、汚染が拡がらないようにしてください。

また、ノロウイルスは症状がなくなってもしばらくの間、便から排出されますので、引き続き消毒や手洗いなどの対策を徹底しましょう。

簡単なノロウイルス対策用消毒液をご紹介します

消毒スプレーを持つ女性

ノロウイルスに感染した方の便や吐しゃ物には、非常に多くのウイルスが含まれており、適切に消毒を行わなければ、より多くの人に感染を拡げてしまう危険性があります。

ノロウイルスに対しては、一般的なアルコール消毒が効きにくいため、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒が有効です。

ご家庭に次亜塩素酸ナトリウムの消毒液がない場合、市販の家庭用塩素系漂白剤を水で薄めて、簡単にノロウイルス対策用消毒液を作ることができます。注意点をしっかり確認し、使用してくださいね。

ノロウイルス対策用消毒液の作り方

ノロウイルス食中毒に気を付けて!

広島県では、11月1日から1月31日までの3か月間を「ノロウイルス食中毒予防期間」として、ノロウイルス食中毒予防の普及啓発などの取り組みを行っています。

今回ご紹介したノロウイルス食中毒予防の4原則を確認して、冬場の食中毒を防ぎましょう。