1 テーマ名
広島県における水田農業経営の将来方向を見据えた作物担当普及指導員の活動方法について
2 目的
将来にわたる効率的かつ安定的な土地利用型農業の再構築を実現する上において求められる普及指導員としての活動のあり方,求められるスキル及び人材育成のあり方について,あるべき姿を明確化する。
3 調査研究の内容
(1)作物担当が将来にわたって対応すべき業務について
(2)作物担当普及指導員に求められる技能・スキルについて
(3)目指すべき作物担当普及指導員の育成方法について
4 成果
(1)作物担当が将来にわたって対応すべき業務について
作物の普及指導員が担当する水稲・麦・大豆は土地利用型の作物であり,生産活動エリアが地域住民の住環境と一体となっている点が他の作目と大きく異なる点である。活力ある豊かな農村(中山間地域)を維持していくためには,『多様な者による持続可能な生産活動』が営まれていることが必要である。これらのことから,作物担当が将来にわたって対応すべき業務とは,『継続性のある経営体を育成するための技術的・経営的なアプローチ』であると考えた。
(2)作物担当普及指導員に求められる技能・スキルについて
各グループ員がこれまでの普及指導活動の中で課題として感じたことを列挙し,それぞれどのような能力を身に着けることで課題解決につながるのかを議論し,その結果を表1にまとめた。
課題解決のために 必要となる技能・スキル |
具体 例 |
生理生態の理解 |
出穂予測や生育シミュレーションができる。 |
情報収集能力 |
幅広く情報を収集し,その中から必要な情報の取捨選択ができる。 |
組み立て力,調査力 観察力,分析力 |
展示圃設計ができ,目的に即した適切な調査が行える。 また,調査結果を適切にまとめることができる。 |
伝達力,説得力,提案力 |
生産者に技術情報や調査結果をわかりやすく伝え,理解してもらえる。 |
記録力 |
他人が見ても理解できる形で資料を残す。 |
コーディネート力 |
関係機関と連携し,研修会や検討会を開催できる。 |
(3)目指すべき作物担当普及指導員の育成方法について
普及指導員の育成方法としては,従来のPDCAに『S:現状把握による適切な課題抽出』を加えた,SPDCAが好循環している普及計画・活動を経験することが必要だと考えた。この一連の流れを経験する中で,(2)で挙げた技能・スキルを習得することができ,(1)の対応すべき業務をこなしていくことが可能になるのではないかと結論付けた。
図1 人材育成に必要となる活動
5 普及指導活動における活用方法
・普及指導計画作成時の参考とする。
・現場指導の際,これらを意識した活動を心がける。
6 留意事項
特になし
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