1 テーマ名
小型反射式光度計で測定したぶどう‘ピオーネ’葉柄汁液中硝酸イオン濃度と果実着色との関係
2 目的
ぶどう‘ピオーネ’葉柄汁液中硝酸イオン濃度と果実着色との関係を知り,施肥等の管理基準を見直す。
3 調査研究の内容
調査樹は,着色条件がよいとされる神石高原町内の‘ピオーネ’を用いる。基礎調査として,葉位と生育時期と硝酸イオン濃度の関係を明らかにする。
つぎに基礎調査から最適な採取葉位を決定し,昨年度,着色の成績が異なる園で継時的に硝酸イオン濃度を測定し,収穫期の着色と硝酸イオン濃度の関係を明らかにする。
4 成果
基礎調査から主幹からの新梢位置により硝酸イオン濃度に差がないことが分かった。さらに,新梢のうち,第4節(果実がある近く)と第12節(摘心位置)では両節間の濃度差はなかった。
A園の果実は,糖度が17.3度と高かった。B園,C園の果実は糖度がそれぞれ14.9,15.5と出荷基準の16.0に届かなかった。
5 普及指導活動における活用方法
着色開始期7月18日から収穫期10月15日に濃度が低いほうが,着色が良くなる傾向にあるため,この7月15日以降に窒素が効くことのないような土壌管理が必要である。そのため分解の遅い堆肥等を使用する場合は施肥量を減らすように指導する。
6 留意事項
収穫時の品質予想精度を上げることを考える。また,生産対策を具体化する。
主幹からの |
硝酸イオン |
0 |
40 |
2 |
35 |
4 |
35 |
摘葉した位置(節) |
硝酸イオン |
4 |
35 |
12 |
40 |
主幹からの |
硝酸イオン |
0 |
135 |
2 |
120 |
4 |
130 |
園地名 |
硝酸イオン 濃度(7/18) |
着色(CC) |
1粒重(g) |
糖度(Brix%) |
酸度(%) |
A園 |
13 |
8 |
18.4 |
17.3 |
0.4 |
B園 |
378 |
7 |
19.7 |
14.9 |
0.4 |
C園 |
201 |
4 |
24.9 |
15.5 |
0.5 |
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