1 テーマ名
UECSによる環境モニタリングの導入及び活用方法の整理
2 目的
UECSによる環境モニタリングについて情報収集及び試験導入を行い,現地での導入及び活用方法を整理し,今後の活動に活用する。
3 調査研究の内容
(1) UECSの情報収集(5~8月)
(2) 環境モニタリング装置の試験導入(9~1月)
(3) 環境モニタリングの導入及び活用方法の整理(1月)
4 成果
(1) UECSの情報収集
・8月1日~2日にUECS研究会による講習会に参加し,UECSによる環境モニタリングを行うための装置の作成方法,設定等について情報収集した。
・詳細は復命書参照(添付省略)
(2) 環境モニタリング装置の試験導入
ア 環境モニタリング装置について
・測定項目:温度,湿度,CO2濃度,飽差,日射量,積算日射量
・土壌水分センサ等を追加することができ,拡張性が高い。
・記録はPCに加え,クラウドによる記録が可能。
・UECS導入に必要なコストを整理できた(表1)。
内容 |
金額 (円) |
備考 |
UECS部品一式 |
34,828 |
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PVアレイ日射計 |
19,980 |
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クラウドスターターセット |
18,414 |
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Arsproutクラウド利用料等 (契約期間令和元年10月 ~令和2年3月) |
21,120 |
アカウント登録料 3,000円 クラウド利用料 1,700円/月 Simカード利用料1,000円/月 |
合計 |
94,342 |
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イ 遠隔モニタリングについて
・10月に設置し,記録を開始した。クラウドによるデータ収集を行い,5分間隔で記録した。
・記録間隔や項目等の設定をクラウドから変更できる。
・現在及び過去の温湿度等の環境の推移を確認でき,モニタリングの表示画面は見やすいように設定できる(図1)。
・計測結果をもとに,日中の平均気温や積算日射量等の推移も把握できる(図2)。
・UECSの気温,湿度CO2濃度の推移はプロファインダー(株式会社誠和)と比べ同様な推移を示した(図3~5)。気温及び湿度は大きな測定差はなかった。CO2濃度は夜間は測定差があったが,日中は測定差がなかった。栽培管理では日中のCO2濃度が重要になるため,問題ないと思われた。
図1 クラウド画面1
図2 クラウド画面2
図3 プロファインダーとUECSの気温の比較
図4 プロファインダーとUECSの湿度の比較
図5 プロファインダーとUECSのCO2濃度の比較
(3) 環境モニタリングの導入及び活用方法の整理
・UECSによる環境モニタリングを行う際に必要な指導資料(部品リスト,作製動画等)を入手した。導入コストは10万円以内におさまり,安価に作製でき,プロファインダーと同様にモニタリングができることが分かった。
・モニタリングデータを共有することにより,事前に状況を整理して,対応案の検討がしやすくなり普及活動の迅速化・効率化が図れることが考えられた。
5 普及指導活動における活用方法
・調査結果は,生産者組合の勉強会等で報告し,クラウドにより環境モニタリングをする生産者が1戸から2戸に増加した。
・生産者が民間のコンサルティングを受けるにあたり,この環境モニタリングデータを活用することで,効果的なコンサルティングになった。
・環境制御技術導入を推進する中で,得られた調査結果を活かして制御技術がさらに向上できるよう検討している。
・当所の情報収集ツールとしての利用を考える。
6 留意事項
なし
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