広島県のインフルエンザの流行状況
インフルエンザは流行時期に合わせ、毎年、第36週から翌年の第35週までの1年間をインフルエンザシーズンとして情報提供を行っています。
2025/2026年シーズンは令和7年9月1日から令和8年9月30日までです。
現在、インフルエンザの流行入り、注意報・警報は発令されていません。
広島県では次の基準及び県内の発生状況等を総合的に勘案した上で警報・注意報を発令しています。
- 流行入り・・・県全体の報告患者数が定点当たり1以上となったとき
- 注意報発令・・県内いずれかの保健所管内の報告患者数が定点当たり10以上となったとき
- 警報発令・・・県内いずれかの保健所管内の報告患者数が定点当たり30以上となったとき
- 警報解除・・・県内のすべての保健所管内の報告患者数が定点当たり10未満となったとき
最近の流行状況
保健所ごとの発生状況
保健所別では、東部、福山市、広島市保健所管内で、定点当たり報告数が前週(第36週)より増加しました。


インフルエンザの予防,流行拡大防止の注意点など
インフルエンザとは
インフルエンザは、インフルエンザウイルスによる急性呼吸器感染症です。
毎年流行して多くの患者が発生し症状が重いことから、人の健康や社会に対する影響が大きく、一般のかぜ症候群とは区別して考えるべき疾病です。
- ウイルスに感染すると1~3日間の潜伏期間を経て、発熱(通常38℃以上の高熱)、頭痛、全身の倦怠感、筋肉痛、関節痛などが突然あらわれます。その後、咳や鼻汁などの上気道炎症状が続き、約1週間で治癒しますが、いわゆる「かぜ」に比べて熱も高く、全身に症状があらわれるなど症状が重いのが特徴です。
- 特に高齢者や慢性疾患の患者は、肺炎などの合併症を併発し症状が重篤となり死亡する例もあるため、注意が必要です。
- 小児については、まれにインフルエンザ脳炎・脳症を発症することがあるため、症状の経過をよく観察しておく必要があります。
感染経路
患者の咳やくしゃみに含まれるウイルスを吸い込むことによる「飛沫(ひまつ)感染」と、患者の鼻咽頭分泌物に汚染されたタオルなどの物品を介する「接触感染」があります。
- 感染者がウイルスをたくさん排出するのは、発症から3日目くらいまでと言われています。
- 家庭内に患者がいる場合などは、この期間中は特に注意が必要です。
- 鼻咽頭分泌物などに含まれるウイルスは、空気中では数時間感染力を保つといわれています。
- インフルエンザの流行は広がりが速く罹患率も高いため、感染経路をよく理解して予防対策を行いましょう。
予防,流行拡大防止の注意点
外から帰ったときなど、こまめに流水と石けんで「手洗い」をしましょう。
インフルエンザの主な感染経道は、ウイルスの付着した手や指を介して口や鼻から体内にはいることによるものです。基本的なことになりますが、最も効果的な予防方法は手洗いです。
効果的な手洗いの方法
- 時計や指輪をはずし、流水で手・手首をぬらす。
【ポイント1】常にきれいな水で洗うため、溜めた水では洗わない。
- 石けんをつけて、よく泡立てる。
- 手のひらを合わせてよくこする。
- 手の甲を伸ばすようにこする。
- 指先、爪の間を入念にこする。
- 指の間、付け根もよくこする。
- 親指の周りをねじり洗いする。
- 手首を洗う。
【ポイント2】洗い残しが多い指先、親指の付け根や手首などを特に入念に洗う。
- 流水で十分にすすぐ。
- ペーパータオルまたは清潔なタオルで拭き、完全に乾燥させる。
【ポイント3】タオルなどの共用は絶対にしない。
- 水道の蛇口栓を手を拭いたタオルなどを使いとめる。
【ポイント4】洗った手で水道の蛇口栓を触ると、再び手が汚染してしまいます。
咳エチケットを守りましょう。
咳エチケットとは
- 咳・くしゃみが出たら、ほかの人にうつさないために薬局などで市販されている不織布(ふしょくふ)製マスクを着用しましょう。マスクを持っていない場合は、ハンカチなどで口と鼻を覆い、ほかの人から顔をそむけて1m以上離れましょう。
- 鼻水・痰などを含んだティッシュは、すぐにゴミ箱に捨てましょう。
- 咳をしている人にマスクの着用をお願いしましょう。
本格的な流行の前に予防接種を受けましょう。
- インフルエンザに罹りにくくなり、罹っても症状が軽くなる効果があります。
室内は加湿器などを使って、適度な湿度(50%から60%)を保ちましょう。
睡眠をしっかりとり、バランスのとれた食事を心がけ、体力をつけましょう。
人が集まる場所への不必要な外出は避け、出掛けるときはマスクを着用しましょう。
症状などからインフルエンザが疑われる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。特に、基礎疾患(腎臓疾患、心臓疾患、呼吸器疾患など)をお持ちの方や、妊婦、高齢者、乳幼児は合併症を起こしたり、重症化する恐れがありますので注意しましょう。
関連情報
インフルエンザ報告患者数(令和7年第32週から令和7年第37週)

全国の発生状況
- 第36週の全国の定点当たり報告数は0.50となりました。
- 先週(第36週)の都道府県別では、沖縄県(3.16)、鹿児島県(2.16)、長野県(1.47)の順となっています。
◎全国のインフルエンザの発生状況については、こちらを御覧ください。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou01/houdou.html
広島県の発生状況
第37週(9月8日から9月14日)の広島県全体の定点当たり報告数は、0.37(報告患者数35人)となり、前週(第36週)の定点当たり報告数0.30(報告患者数28人)と比べ微増状態です。

定点当たり報告数とは
- 定点報告の対象となる五類感染症については、広島県が指定した医療機関(定点医療機関)から1週間ごとに患者数が報告されます。(急性呼吸器感染症(ARI)定点は94医療機関)
- 定点当たり報告数とは、これらの定点医療機関からの報告数を定点医療機関数で割った値のことです。