急性呼吸器感染症(Acute Respiratory Infection:ARI)とは急性の上気道炎または下気道炎を指す病原体による症候群の総称で、インフルエンザ、新型コロナウイルス、RSウイルス、咽頭結膜熱、A群溶血性レンサ球菌咽頭炎などが含まれます。
急性呼吸器感染症(ARI)の症例定義※には、いわゆる風邪(風邪症候群)も含まれることになり非常に幅広い疾患を含んだ疾患概念になります。
※急性呼吸器感染症(ARI)の症例定義
・咳嗽、咽頭痛、呼吸困難、鼻汁、鼻閉のどれか一つの症状を呈す(発熱の有無は問わない)
・発症から10日以内の急性的な症状
・医師が感染症を疑う外来症例
急性呼吸器感染症(ARI)は令和7年4月7日から感染症法上の5類感染症に位置付けられて、定点医療機関での発生動向調査(サーベイランス)が開始されます。ARIサーベイランスは、症例定義に一致する患者数の発生を把握する症候群サーベイランスです。このサーベイランスでは、流行しやすい急性呼吸器感染症の平時からの発生動向を把握することで、新興・再興感染症が発生し増加し始めた場合に迅速に探知することを目的としています。また、発生動向(患者数)に加えて、病原体サーベイランスも行うことで、流行している病原体や未知の病原体の発生を探知することも目的としています。
患者数や病原体検査の結果は、集計の上、感染症情報(週報)や当HPにより公表します。
<詳しくはこちら>
次のパンデミックに備える~急性呼吸器感染症(ARI)って何?~ (PDFファイル)(1.51MB)
急性呼吸器感染症(ARI)サーベイランスが始まります(県民向け) (PDFファイル)(551KB)
急性呼吸器感染症(ARI)報告患者数(令和7年第15週から令和7年第16週)
◎全国の急性呼吸器感染症(ARI)の発生状況についてはこちらを御覧ください。
病原体検出状況・定点当たり報告数
第16週(4月14日から4月20日)の広島県全体の定点当たり報告数は、46.91(報告患者数4,410人)で先週分(41.53・3,821人)と比べて微増状態で、採取された17検体から5種類の病原体が検出されています。
定点当たり報告数とは
年齢別病原体検出状況
2025年第15週(4月7日~4月13日)の検出状況
2025年第15週は、17検体(小児科12検体、内科5検体)が採取され、ライノ/エンテロウイルスが最も多く5件、インフルエンザウイルスBが1件、新型コロナウイルスが4件、ヒトメタニューモウイルスが2件、RSウイルスが1件検出され、6検体が不検出でした。
※1検体から複数の病原体が検出される可能性もあるため、検出された病原体数が採取した検体数を上回ることもあります。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)