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トークショーで語る田渡選手

ドラゴンフライズ田渡凌選手が語る「挑戦」とその原動力とは?広島愛もインタビュー!

ひろしま自慢 |

10月25日、ドラゴンフライズが延長戦にもつれる接戦の末、ホーム2勝目をしっかりと勝ち取ったその日に、田渡凌選手のトークショーが行われました。これは、(公社)青少年育成広島県民会議主催の「ひろしまドリームプロジェクト」の一環で行われたもので、今回のテーマは「『挑戦』することの大切さ」。田渡選手の挑戦続きの人生とその原動力について、子どもたちに向けてたくさん貴重な話をしてくれました。また、イベント後のインタビューでは、広島の好きなところや今シーズンの意気込みなども話してくれました。

ひろしまドリームプロジェクト イメージ

ひろしまドリームプロジェクト

小学生を対象に、プロスポーツ選手等による講習会・実技指導等を開催。公益社団法人青少年育成広島県民会議が実施する事業。

チャレンジ続きのバスケ人生とその原動力

トークショーの様子

まずは、「いつからバスケを始めたんですか?」という質問からスタート!田渡選手の答えは・・・なんと3歳! 6歳と4歳年上のお兄さん2人がバスケを習っていた影響で始めたそうです。そのうち「お兄ちゃんに負けたくない!」と負けず嫌いの性格から、勝てるまでたくさん勝負を挑んでいたそう。これが田渡選手にとって初めての「挑戦」でした。

トークショーで語る田渡選手

小学生の頃にはバスケの試合をビデオで観て、良いプレーがあればビデオを止めて、庭に飛び出し真似をするということを繰り返すように。「もちろん、ほとんどのプレーができないんだけど、どうやったらできるようになるのか、を何度も何度も考えて試すのが楽しかった。新しいことを始めないと、なにができて、なにができないのかがわからない。僕はそれを一番大事にしています。もしできないことを見つけたら、楽しんでトライしてほしい」と子どもたちに語り掛ける田渡選手。

トークショーで語る田渡選手

中学校のバスケ部では、全国2位の成績。負けたことがものすごく悔しくて、その思いを晴らすため、体育館で練習し続けたといいます。「僕は周りにも恵まれていました。自分は人より上手だから練習しなくても良いや、とならなかったのは両親や先生、先輩たちがきちんと叱ってくれたからです。」ここで、「勉強に関してどうでしたか?」と聞かれた田渡選手は、「運動選手やアスリートは勉強できないんでしょ、とよく言われていて、それがすごく嫌だったので、勉強もがんばって学年でトップクラスでした。」とのこと。ここでも負けず嫌いを発揮していたんですね。

トークショーで語る田渡選手

高校で全国3位、さらに優秀選手賞を取る成績を収めた後は、厳しい環境を求め、渡米する道を選びます。「アメリカではバスケの技術だけでなく、今いる環境でどれだけ成長できるか、そして一人の人として誰に見られても恥ずかしくない行動をとらなければいけない、ということを学びました。人が見ていない時こそ練習し、人が見ていない時こそごみを拾うとか。それらはすべてバスケにつながると考えていましたし、今も続けていることです。」と当時を振り返りながら話してくれました。

トークショーで語る田渡選手

「広島のチームに移籍した理由は?」という質問には、「大学卒業後は横浜に所属していたが、なかなか成果がでず、新しいチームでもう一回挑戦しようと思いました。B2から昇格したタイミングで、チームとしても県としても、また新しい挑戦を始めようとしているという印象を抱き、このチームでみんなと一緒に新しい挑戦をしたいと思い決めました。」と、ここでもたくさん「挑戦」という言葉が。

バスケの技を披露!

ここで、バスケの技を披露してもらう時間に!相手をつとめるのは・・・広島県の青少年のマスコット「ゆっぴー」!?

青少年育成同盟県民会議キャラクターの「ゆっぴー」

・・・は、身体能力の関係上、お役目を務めることが難しかったため、その場で見て学ぶことにします。

田渡選手がパスやシュート、ドリブルのコツをわかりやすく教えてくれました。そして子どもたちはその様子をきらきらと目を輝かせながら見入っていました。

ドリブルを教える田渡選手

またトークに戻り、プライベートについての話に。リラックス方法はヨガや、平和公園やお寺・神社を散歩することだそう。「尾道がよかったですね。お寺がたくさんあって面白かったしリフレッシュできました。宮島にも行きましたが、そこで食べた”揚げもみじ”がめちゃくちゃ美味しかったです!あとはもちろんお好み焼き。箸は使いません、ヘラで食べますよ!」と広島愛を語ってくれました。読書も好きだそうですが、最近は漫画の「鬼滅の刃」がマイブーム。「普段漫画は読まないんですけど、おすすめされて読み始めました。これを読んでいると『明日はもっと練習頑張ろう!』と思うんです!」

子どもたちからの質問コーナー

田渡選手に質問する子どもたち

まず最初は「何の練習をすればうまくなれますか?」というバスケ少年からの質問。田渡選手の回答は「何となく練習するのではなく、監督、先生が言っていることをちゃんと理解して、一生懸命練習するとうまくなると思うよ。」とのこと。「どんなトレーニングをしたらよいですか? (水泳で早く泳ぐために!)」という質問には「ストレッチかな」と回答。「ケガをしないこと、つまり毎日100%の身体の状態で練習することが上達のためにはとても大事。ちゃんと食べてちゃんと寝て、ストレッチをしてお風呂に入ってください」と具体的に教えてくれました。

質問に答える田渡選手

ほかにも「好きな練習は?」「ドリブルを速くするには?」「練習時間は?」など、子どもたちから次々と質問が。どんな質問にも、田渡選手は丁寧に答えてくれていました。

試合中の田渡選手

そんななか、印象的だったのは、「試合中にプレッシャーはありますか?」という質問に対して「もちろん感じます。そして『ここで活躍できないと、もう次はない』と、あえて自分にプレッシャーをかけて、その緊張を楽しんでいます。」という回答。プロならではの厳しい環境の中で、一瞬一瞬を戦っている緊張感が伝わる内容だと感じました。

「挑戦」ということばがぴったりな人生を送ってきた田渡選手。バスケを大好きだという気持ち、上達のため努力し続けるひたむきさ、そしてどんなことも丁寧にわかりやすく答えてくれる田渡選手の優しい人柄が表れた貴重なトークショーは、大盛況のうちに終わりました。

広島の印象と今シーズンの意気込みについて

最後に特別に機会をいただき、広島の印象などをインタビューさせていただきました。

インタビューに答える田渡選手

広島の好きなところはありますか?

田渡選手 広島の人は温かいです。どこに行っても声をかけてくれるし、こんなに地域をあげてスポーツを応援してくれるところはなかなかありません。

さきほど、お好み焼きなどの話もありましたが、ほかに好きな広島名物はありますか?

田渡選手 お肉が好きで、よく行く焼肉屋さんがあるんですけど、そこで“コウネ”を食べました!今までに食べたことない感じでおいしかったです。その焼肉屋さんだけでなく、どのお店でも皆さん温かく接してくれるんです。両親とも長い間離れて暮らしていますが、実家に帰ったような、ほっとした気持ちになれます。ご飯を食べに行くというより、人に会いに行っているという方が合っているかもしれません。

インタビューに答える田渡選手

改めて田渡選手にとって「挑戦」とは?

田渡選手 「生きがい」です。自分はたまたまバスケットボールが人よりも上手くて、プロにもなれました。だったら少しでも上手くなれるように、できることはすべてやる。挑戦することで、自分の見たことのない景色を見ることができます。これでいいやと思ったら、衰退していくだけ。毎日、昨日よりも良い選手・人でありたいという気持ちで取り組んでいます。

最後に、今シーズンへの意気込みと、ご自身のどんなところを皆さんに見てもらいたいか教えてください。

田渡選手 チームに少しでも多く貢献して、「勝てるチーム」にしたいです。アグレッシブに、闘志むき出しにして戦う姿をぜひ見ていただきたいと思っています!

今シーズンの田渡選手の活躍と、チームの躍進に期待ですね。田渡選手、ドラゴンフライズの関係者の皆さま、ご協力ありがとうございました。