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研究員日記 令和2年4月~令和3年3月

印刷用ページを表示する掲載日2021年3月31日

当センターの研究員が日記を書きます。謎多き?研究員の日常を少しだけご紹介します。

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令和3年3月31日 安芸津職場の退任式

3月31日の退任式の様子花束贈呈の様子

果樹研究部と管理第二課のある安芸津の職場では,勤務時間終了後に,本日限りで当職場を離れる退職者7名と異動者2名の退任式を行いました。
退任式は,新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の一環から,正面玄関前の広場に於いて開催されました。
退任される皆様には,例年なら,密閉,密集,密接を伴う送別懇親会を開催していましたが,昨年に続き本年も開催を自粛したため,淋しい思いをさせてしまいました。
本日は,最後のひと時となる退任式で,個々の思いの込められたあいさつをいただいた後,職員から感謝の花束を贈り,温かい拍手でお送りしました。
退職・異動をされる皆様には,これまで大変お世話になり,誠にありがとうございました。
(果樹研究部&管理第二課)

令和3年3月29日 アスパラやトマトの収穫作業の軽労化について語る

収穫作業補助機械の様子問題点や改善点の聞取りの様子

岡山の農業機械メーカーの,みのる産業株式会社が来所されました。自社で開発された収獲作業補助機械が,実際のアスパラハウス内でどのように使用されるのか,また問題点や改善点はないか熱心に聞き取られました。また,トマトのハウスの栽培状況も併せて視察され,トマトの栽培作業の軽労化についても耳をかたむけておられました。
(栽培技術研究部 T)

令和3年3月25日  アスパラハウス,足場管ハウスの視察

視察の様子ハウス内 見学の様子

県内と岡山の農業資材業者の方々がアスパラガス用のハウスの視察に来られました。ハウスの内部にどのような資材が必要になるのかなどを興味深く見ておられました。
(栽培技術研究部 TH)

令和3年3月18日 春の訪れを告げる,早咲き系統のサクラ,モモ,ナシの今年の開花状況は…?

登坂道路沿いで早咲きの桜ジョイント仕立てのモモ「さくひめ」の開花マメナシの開花の様子

広島における今年の春一番は例年より27日早い2月20日で,サクラの開花発表は例年より16日早い3月11日でした。
果樹研究部に繋がる登坂道路沿いにあるサクラのうち,早咲き系統の樹が咲くのは,例年なら3月下旬ですが,本日のお昼休みに覗いてみると,既にほぼ開花しているサクラの樹が見られました。
研究圃場に目を向けると,昨年には3月24日ごろに満開だった,ジョイント仕立てで植えてある早咲き系統の早生モモ「さくひめ」や,マメナシの花が既に満開期を過ぎていました。
やはり,当部のある安芸津でも今年の春の訪れは早い気がします。
いよいよ新しいシーズンが動き出し,今年も忙しくなりそうです。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)

令和3年3月16日 アスパラガスはハウス栽培がニューノーマル?!

ハウス見学の様子質疑応答の様子

アスパラガスのハウス栽培の普及を進める三次市,甲奴町の生産者さん,JAが当センターのアスパラハウスと足場管ハウスを見学されました。
今回来られた生産者さんは,同市の補助金を利用し,アスパラのハウス建設を予定しておられますが,実際ご自分の圃場でどのような工程で施工するのが効率的なのかなど具体的な話を詰めていかれました。
県内では露地栽培が主流のアスパラですが,いったん建設してしまえば,後は楽々手間なしのハウス栽培が,今後のニューノーマルになるのではないでしょうか。
さらには,当センターで建設を進めている次世代型の「足場管ハウス」は見栄えも良く,費用もリーズナブル,風通しもよし,同時に環境制御システムも導入すれば,より楽に増収することが可能になります。現在も研究員が,県内の生産者さんがより導入しやすいようなシステム開発を試行錯誤しています。
今後もどんどん進化するアスパラ栽培技術。興味のある方,ハウス導入をご検討の方は,是非お気軽にお問合せください!
(栽培技術研究部 S&K)

令和3年3月12日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植 Part5 「農間紅八朔」の四方山話

農間紅八朔の母樹(s55柵あり)

今日は,旧三原分室から果樹研究部に移植された八朔の母樹「農間紅八朔」について紹介します。
「農間紅八朔」の発見当時を知る先輩の話によれば,本品種は,1951年に御調郡(現尾道市)向島町岩子島の農間寿二氏の八朔園で,樹齢20年生樹の枝変わりとして発見されました。
さらに,1963年には,芽接育苗を行った苗木から全くウイルス症状を示さないウイルス無毒樹が発見され,1975年に出願申請,1976年に種苗登録がなされました。
その後は,「HM55」系統の弱毒ウイルスを接種したものを母樹とし,本県の奨励品種に指定されて繁殖・普及がなされ,最盛期には県内約400haで栽培されました。
本品種は,普通八朔に比べて果皮の着色が良く外観が美しいだけではなく,果汁歩合が高く,糖度やクエン酸が常に高く推移し,貯蔵中の腐敗や虎斑症の発生が少ないとされ,長期貯蔵にも耐えるとのすこぶる高い評価を得たため,種苗登録された当初には全国の産地から旧三原分室に視察が殺到したうえ,穂木の盗難にも苦慮することとなり,母樹の周囲には盗難防止の柵と有刺鉄線が張り巡らされたとのことでした。
いゃぁ,当時のフィーバーぶりが目に浮かびますねぇ!
品種育成を志すなら,当時の「農間紅八朔」の人気を超える新品種の育成を目指したいですね。
(果樹研究部Nh)

令和3年3月11日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植 Part4 八朔「HM55」系統の四方山話

八朔萎縮病樹と健全樹

今日は,旧三原分室から果樹研究部に移植された八朔の母樹「HM55」系統について紹介します。
本県では,約160年前から八朔が経済品種として栽培されてきましたが,1940年頃から「コブ病」と俗称される萎縮性の病害によって生産量が激減する問題が生産者を悩ませてきました。
このため,本県では,県内に栽培されている八朔樹の中から,生育良好で,果実が大きく,品質が良く,生産量が多い樹を探索し,1960年に選抜されたのが「HM55」系統でした。
そこで,本県では1962年から「HM55」系統による優良苗木育成事業を開始し,30万本以上の苗木が県内産地に配布され,全国2位の生産を有する八朔産地の維持に多大な貢献をすることとなりました。
この病害は,後にステムピッティング病(八朔萎縮病)と称され,カンキツトリステザウイルスの強毒系統によって甚大な被害を生じるウイルス病であるとされました。
また,その後のウイルス検定により,「HM55」系統はカンキツトリステザウイルスの弱毒系統を保毒していることが確認され,自然の状態で弱毒系統が干渉効果を示し,被害が回避されていたことが判明しました。
このように「HM55」系統は,本県の八朔生産に多大な貢献をしただけでなく,多くの研究者による弱毒系統の探索・収集・人為的作成等への道を切り開く契機にもなり,カンキツのウイルス病研究の活性化にも貢献したと言えるでしょう。
私たちも,こうした先輩諸氏の努力と成果に学び,更なる産地貢献を目指さなくてはなりませんね!
(果樹研究部Nh)

令和3年3月10日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植 Part3 母樹の植え付け作業

植え込み作業日焼け防止剤塗布遮光ネット被覆

旧三原分室から安芸津の果樹研究部まで運んできた八朔「HM55」系統と「農間紅八朔」の母樹は,当職場への坂道を登り切って最初に目に留まる建物となる,旧農業技術大学校果樹分校の校舎前の空き地に植え付けました。
これらの母樹は,あらかじめ掘り上げてあった植穴に根部を据え置いた後,潅水により根に培土を馴染ませながら植え付けを終えました。
植え付け後には,枝幹に日焼け防止剤を塗布し,更に樹体の上部と側面を遮光ネットで囲み,万全の措置を施しました。
両母樹は,樹齢50年以上の老木となった後に,地上部と地下部を激しく切り込んで移植したため,その生命力がいかんほどか少々心配ですが,新たな地で長らく生命を維持してくれるよう,大切に栽培管理してやらねばなりませんね。
当部を訪れた際には,是非,広島の八朔ブランドを支えた母樹をご覧ください。
(果樹研究部Nh)

令和3年3月9日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植 Part2 母樹の堀り起こし作業

パワーショベル&手堀り乾燥防止(こも&手巻き)トラックへの八朔母樹積込

旧三原分室にある八朔母樹の樹齢は,「HM55」系統が約60年,「農間紅八朔」が約50年になり,かなりの老齢であるとともに,大木です。
東広島市安芸津町にある果樹研究部まで大型車で運ぶためには,地上部の枝と地下部の根を大胆に切り込む必要があります。
このため,移植作業は,横方向に伸びた太枝のせん定作業から開始しました。
枝葉の大半を切り落として地上部をさっぱりとさせた後には,いよいよ根の切除です。
旧三原分室の圃場は粘質な土壌であったため,かなり難儀な作業ではありましたが,まずは主幹部から約1m離れた地面をパワーショベルで掘り上げ,必要に応じて高圧洗浄機での水堀りも交えながら掘り進め,最後にはスコップや鋤等を用いたマンパワーにより,予定した時間内に母樹の堀り起こしを完了させることができました。
切除した枝の乾燥防止や根に残っている土壌の崩落防止措置を講じた後には,クレーンで大型車に積み込み,安芸津までの旅路に就きました。
移植のプロフェッショナル業者の指示の下で,多数の作業者が慎重かつ安全に作業を進め,無事に母樹を堀り起こすことができ,まずは一安心です。
お忙しい中で協力していただいた,広島県果樹研究同志会,JA広島果実連およびOBの皆様には,心よりお礼申し上げます。(果樹研究部Nh)

令和3年3月8日 広島の八朔ブランドを支えた母樹の移植 Part1 三原から安芸津にお引越し

農間紅八朔農間紅八朔の母樹

昨年の10月2日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場に栽植されている柑橘成木を梅雨時期に移植した後の様子をお伝えしましたが,今回は本県の八朔ブランドを支えた2種類の母樹の移植について紹介します。
旧三原分室は,1952年に本県の柑橘産地を支援するため三原市木原町に設置された後,創設57年の歴史を経て2011年にその機能を東広島市安芸津町にある果樹研究部に統合し,閉所されました。
この間,旧三原分室では幾多の研究成果を生み,本県の柑橘産地に貢献してまいりましたが,とりわけ,尾道市因島の発祥とされる八朔に関しては,最盛期には県内で約800haの生産面積まで拡大させるプラス要因となった,貢献度の高い2種類の母樹が旧三原分室に植えてあり,現在も研究圃場の一角に残されています。
1樹は,カンキツトリステザウイルスの感染によって発病し,果実形質や生産力を低下させるステムピッティング病(八朔萎縮病)に対して高い免疫力を持つとされる,普通八朔の「HM55」系統,他の1樹は,尾道市向島で発見された優良品種の「農間紅八朔」の母樹です。
これらの母樹は,現在でも八朔栽培上の貴重な財産ですが,閉所から10年経過した旧三原分室に,このまま放置していては枯死する恐れがあるため,安芸津にある当部に移植することになりました。
そこで,当部の研究員やOBのみならず,広島県果樹研究同志会およびJA広島果実連の皆さんの協力も得て,2種類の八朔の母樹を三原から安芸津に移植する作業を本日から開始しました。
これらの詳細は,近日中に研究員日記で紹介しますので,お楽しみに!
(果樹研究部Nh)

令和3年3月5日 本年度の試験研究課題成績検討会はWeb会議で…

成績検討会の様子果樹研究部の検討会の様子

今日から「大地が暖まり冬眠していた虫が春の訪れを感じて穴から出てくる頃」とされる,二十四節気の「啓蟄」ですが,今朝は時折雨模様で,少し肌寒い天候でした。
果樹研究部では,昨日の午後に,本年度の成果を取りまとめて試験研究課題成績検討会が開催されました。
成績検討会は,コロナウイルス感染症が発生する以前には,部内の全研究員に加え,他部の研究員有志も同一室内に参集して開催されていましたが,本年度はコロナ禍を避けるためにWeb会議となりました。
担当研究員からの説明資料は,赤字や網掛け文字を使用して中間検討会以降の成果を記載したり,パワーポイントで視覚的な映像資料を作成する等,参加者の理解を促すために様々な工夫がなされていました。
しかし,当センター全体で開催するWeb会議は,まだ開催頻度が少ないためか,ハウリングを生じたり,音声が届かなかったり,一部の図が映らなかったりで,苦慮しながらの進行となりました。
この度の検討会は,幾つかのトラブルによる中断もあり,例年よりもストレスフルで疲労感の強めの会議となりましたが,少々混乱しながらも,なんとか予定した成績の検討を終えることができ,今後に向けて学ぶことの多い検討会でした。
Web会議は,今後,もっと開催頻度が増し,経験も蓄積されてきますので,次回には更に有意義な会議にしていきたいですね。
本日は,八本松にある生産環境研究部と栽培技術研究部の成績検討が行われますので,昨日のようなトラブルを無くして,会議の円滑な進行を期待しています。
(果樹研究部Nh)

令和2年3月5日 アスパラハウス,足場管ハウスの視察

見学の様子研究員の説明の様子ハウスの出入り口

全農がアスパラ圃場の視察のため来所されました。今後,高畝栽培に取り組みたいとのことで,ハウス内の環境制御なども併せて聞き取られました。
高畝栽培は,腰をかがめるような体に負担がかかる作業がありません。当センターでは,さらにレールと滑車を組み合わせて横移動も楽にできるよう工夫してあるため,膝の負担もほとんどなく,収穫時間もかなり短縮されます。
また,ハウス出入口に平らに並べて埋め込んでいるコンクリートブロックについて,出入りが楽で扉のレールに土が入りにくいと,ハウス建設技術にも関心を示しておられました。
(栽培技術研究部 K)

令和2年3月4日 ハウスの中でアスパラガスがにょきにょきではじめました

アスパラガス

1月下旬に刈り取りをして殺風景だったアスパラハウスですが,サイド(側窓)を閉めて保温されたハウス内では,現在太くて立派なアスパラがニョキニョキたくさん顔を出しています。研究員が糖度を測ると,なんと10度あるものもありました!
春が旬のアスパラ・・・甘くみずみずしくとてもおいしいです。
(栽培技術研究部 K)

令和3年3月1日 レモン幼木の寒冷紗を除去したら…

寒冷紗の除去前寒冷紗の除去後

今日から3月に入り,果樹研究部のある安芸津では初日の午前中は麗らかな陽気の晴天となりました。
1月12日1月26日の研究員日記では,1月上旬に襲来した厳しい寒波後のカンキツ研究圃場における様子を紹介しましたが,厳寒期を過ぎて次第に気温も上昇し始めたため,先週は研究圃場のカンキツ樹体から寒冷紗を除去しました。
寒冷紗を除去した後のカンキツ研究圃場では,例年であれば圃場全体が葉の緑色に覆われているように見えるのですが,今年は寒波被害により褐変した枝葉が多く,痛々しい姿を見せています。
特に,寒波の影響を受けやすいレモンの幼木は,ほとんどの樹体が枯死した枝葉で褐色に変わり,寒波被害の激しさを現しています。
これらの寒波被害樹では,剪定により枯死した枝葉を取り除き,今後の生育を少しでも促進してやれるように,丁寧な対策が必要です。
悩ましいけれど,しっかりと事後対策を施す必要がありそうです。
(果樹研究部Nh)

令和3年3月1日 トマトの生育調査

トマトの茎のデータを記録している様子

昨年3月下旬に定植したトマトの生育調査を行いました。約70株をハウスの中から丁寧に引っ張り出し,長さから茎の太さ,節数まで細かくデータを取っていきます。株は長いものでは7.5メートル以上もあり,伸ばして見てみるとトマトとは到底思えない長さです。酷暑だった去年の夏も,環境制御技術と状況に応じた適確な管理により絶えず身を付け続けたトマトの株たち,,収量の最終結果は,10アールに換算してなんと50トンを超えました!
(栽培技術研究部 K)

令和3年2月25日 アスパラハウス,足場管ハウスの視察

足場管ハウス視察の様子

足場管ハウス建設の委託先として,当センターと話を進めているオキホームが来所されました。今回の来所は2回目となります。足場管ハウスを建設するにあたって,さらに具体的な内容を詰めるため,建設資材部のスタッフも多数同行されました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年2月25日 ハウスレモンの育成状況

1月29日時点のレモン2月25日時点のレモン

当センターでは,環境制御により6月下旬収穫のための温度管理を解明するため,レモンの温度実験を行っています。寒い日には最低気温が-10度近くにもなる東広島ですが,昼夜室温30度に保たれたとても暖かいハウス内では,1月下旬頃実を付け始めたレモン(左)が順調に育ち,約1か月で縦5センチ(右)ほどの大きさになっています。
(栽培技術研究部 K)

令和3年2月25日 自動灌水指令装置の実用に伴い取材対応

取材の様子装置の説明

当センターで開発した自動灌水指令器制御盤の製品化について中国新聞が取材に来所されました。
近年灌水の自動化の要望が多く,スマート農業普及の一環として実用化に至りました。
この灌水指令器制御盤の発売で,既存の製品よりも安価に制御が可能になり,生産者の灌水管理のも断然楽になります。また,適正な土壌水便管理や遠隔モニタリングなどが可能となります。写真のポーズにこまります(笑)
(栽培技術研究部K)

令和3年2月22日 この時期に研究圃場に着果しているカンキツ「黄宝」

カンキツ「黄宝」の樹体全景カンキツ「黄宝」の果実

2月下旬になりましたが,果樹研究部のカンキツ研究圃場にある露地栽培の樹には防寒のための寒冷紗が樹体を覆っていますので,圃場の大部分が資材の白一色で,どことなく淋しげです。
でも,ハウス内には,当部で育成され,品種登録の完了している,有望なブンタン系品種「黄宝」の果実が着果しており,黄色い果皮の鮮やかさが目に留まりました。
この品種は,4月以降に成熟期を迎える晩柑類なので,氷点下を避けるための最低限の加温により寒波被害を受けること無く,樹上に残されています。
今年も無事に収穫を迎え,この品種の特性を存分に発揮してもらいたいですね。

(果樹研究部Kj&Nh)

令和3年2月19日 春の兆しに敏感なセンサーは…?

杉花粉の飛散マメナシ花芽の動き
お昼の休憩時間に果樹研究部の敷地内を散歩しました。
散歩中には周りに人がいないため,コロナ対策用のマスクを外して歩いていると,「ハックショ~ン!ハックショ~ン!」と連続して大きなクシャミが続きました。
当部の果樹園周辺に植えてある防風樹の杉の樹には球果の着生が少ないようですが,私の鼻の花粉センサーは今年もしっかりと反応してくれています。
一方,当部の果樹園にも早春の兆候を敏感に感じとり,既に動き出している樹があります。
当部の研究圃場に植えてある果樹のうち,モモの早生品種「さくひめ」とナシの台木に用いられるマメナシの樹は,いずれも芽の先端が割れて,薄っすらと黄緑に色づいた組織が見え始めていました。
三寒四温のこの頃,少しずつ春の兆しが見えてきています。
(果樹研究部Nh)

令和3年2月19日 アスパラガス露地焼き用のニューバーナーテスト

バーナー

露地のアスパラガスでは,病気対策で冬季に畝の表面をバーナーで焼く作業があります。
現在バーナーが手に入らない状況になっていることから,畝焼用の新たなバーナーの試作品のテストが当センターで行われました。
性能の目標は,以前のバーナーと同等以上です。
新しいバーナーの開発に携わっていただいた濱田製作所,西部工業技術センターと実際の照射温度などを計測し,その性能を評価しました。
(栽培技術研究部 K)

令和3年2月18日 加温ハウスのレモンが開花中

加温ハウスのレモンが開花中

2月も後半に入りましたが,果樹研究部の所在する瀬戸内沿岸の安芸津でも,昨日から2日続けて粉雪が舞っています。
このような肌寒い日でも,日中に加温ハウス内に入れば暖かさを感じます。
このハウス内のレモン樹は順調に生育しており,既に開花が始まっています。
開花中のレモンの花々に一足早い春の訪れを実感しました。
(果樹研究部St&Nh)

令和3年1月29日 2種類の足場管ハウスを自家施工しませんか?アスパラハウスの栽培も可能

方屋根タイプハウス両屋根タイプ

当センターでは,建設資材の足場管を使用した足場管ハウスを建設中です。
現在,片屋根タイプと両屋根タイプの2種類を建設しています。自家施工も可能です。
興味のある方は是非ご見学どうぞ!
また,ハウスの中では,アスパラ栽培の増収を目指した栽培技術を開発中です。
(栽培技術研究部K)

令和3年1月29日 らくらく台車で収獲作業時間40%削減

台車

当センターでは,ハウス内に高畝を設置し,アスパラガスを栽培し,さらに温度や,光,水,肥料などの環境制御を行うことによる増収技術を開発中です。
さらに,収穫時の負担軽減や作業時間短縮を目的に,台車の試作機を作成しています。この台車に座って,レール上を滑らかに移動することで,楽々収獲,収穫時間が40%削減されます。
(栽培技術研究部S)

令和3年1月29日 無電化地帯でも遠隔気象モニタリングをできるように

講習の様子制作の様子

当センター講堂にて,農業技術指導所の普及指導員を対象に,「無電化気象モニタリング製作講習」を行いました。
この装置を県内各地に設置し,0℃以下にならない地域を特定することにより,レモン栽培が可能な地域の分布図を作成する予定です。
(栽培技術研究部K)

令和3年1月27日 ドローン,まずは安全に飛ばせるよう練習中

ドローン操作実践研修の様子
最近の注目技術の一つにドローン(無人航空機)があり,農業分野でも作物の生育状況のセンシングや農薬散布などでの活用が期待されています。最近のドローンには自動操縦機能がついているものも多くあり,購入してすぐに飛ばすことはできますが,墜落の危険は絶えずあります。そこでまずは,ドローンを安全に飛ばせるように,ドローンの活用に取り組んでこられている林業技術センターのご指導を受けながら,日々練習にとりくんでいます。引き続き,ドローンをはじめとした先端技術を習得して,農業のスマート化に向けた研究を行っていく予定です。
(生産環境研究部K)

令和3年1月26日 アスパラガスの刈り取り

ビフォーアフター

ハウスアスパラガスの刈り取りが始まりました。当センターでは,ハウスで高畝で環境制御による増収技術を開発中です。また,刈り取りながら茎の太さ,株の長さ,重量等を計測しました。それらのデータは技術開発に役立てられます。
(栽培技術研究部K)

令和3年1月26日 寒波被害 Part2 寒波襲来後の研究圃場におけるカンキツは…?

レモン幼木(1年生枝の葉)の寒波被害シークワーチャーの健全果と寒波被害果清美果皮の寒波被害

1月12日の研究員日記では,1月上旬に襲来した厳しい寒波に関連した日記を投稿しました。
寒波が去った直後には,果樹研究部のカンキツ研究圃場での顕著な被害は見られませんでしたが,それから2週間以上経過し,カンキツにおける被害が徐々に顕在化しつつあります。
寒波襲来時に寒冷紗が掛けてあったレモン幼木では,昨年伸びた枝や葉の黄変や褐変が見られ,落葉し始めた葉も見られます。
また,寒波襲来時に樹上に残っていた果実の多くが凍結したため,ミカンのように果皮の薄い品種では果実全体の色がオレンジ色から褐色に変わり,果肉もグニャグニャと軟化し,まるでコンニャクのような状態になった果実があります。
一方,果皮が比較的厚い品種では,部分的に凍結した箇所が褐変し,痘痕(あばた)のようになっています。
本年は,春が近づくにつれ,カンキツ樹の落葉や枝の枯死等が増えることが予想され,悩ましい春を迎えることになりそうです。
(果樹研究部Oy&Nh)

令和3年1月14日 トマトの収量40トン超!

トマト栽培の様子

当センター(栽培技術研究部)はトマトの施設環境制御技術による生産性向上に取り組んでいます。

昨年の2月に種をまき,3月下旬に定植。

6月から収穫を開始したトマトは,現在も収穫を続けており,総収量は10アールに換算して40トンを超えました。

トマトの生育に適した環境に制御する技術と,生育と気象に応じた日々の管理を1年間手抜かりなく続けることで,たくさんのトマトの収穫がはじめて可能になります。

担当者の的確な仕事ぶりには頭が下がる思いです。

収穫終了予定の2月末までに,もう何トン獲れるかとても楽しみです。
(栽培技術研究部U)

令和3年1月13日 連携して環境条件を検討

ほ場の様子

当センター(栽培技術研究部)はハウスの環境制御技術の開発に取り組んでいます。
今回は農業技術指導所と連携し,レモンの生育に最適なハウス内環境条件を検討しました。
当センターは気温や土壌水分によって,レモンの生育がどのように変化するか説明しました。

また,農業技術指導所の担当者に当センターで取り組んでいる早期出荷や収量増加技術の開発状況を紹介しました。
(栽培技術研究部K)

令和3年1月12日 先週襲来した寒波の被害はいかに…

山々の冠雪風景寒冷紗被覆&こも巻きミカン樹の葉巻症状

今朝は果樹研究部から見える北側の山々が雪で薄っすらと白んでいました。
先週は,本県にも厳しい寒波が押し寄せ,当部の研究圃場では1月7日から10日の間に-5℃を下回る時間帯が約30時間発生しました。
これ程の低温が当地で長時間継続した状況は本当に久々であり,こうした低温下では過去にもカンキツ樹に寒波被害を生じたことがあるため,連休明け早々に当部のカンキツ樹の状況を見て回りました。
寒波に弱いとされるレモン樹等は,事前に寒冷紗の被覆やこも巻きにより,事前の寒波対策を施していたお陰か,一見して顕著な被害は見られませんでしたが,寒波に強いとされるミカン樹には前記の対策は行っていなかったため,初期の寒波被害とされる「葉巻症状」が見られました。
樹体の寒波被害は,寒波が過ぎ去ってしばらくしてから落葉や枝の枯死等の症状が顕在化することがありますので,まだ安心できません。
どうか,今後の試験に影響しない程度の軽い被害で留まりますように…!
(果樹研究部Oy&Nh)

令和3年1月5日 レモンの珍果実 Part2 モヒカン頭…?寿司ネタ…?

一見,普通のレモン?ヘタ(上)からの形真横からみた形

新年おめでとうございます。
12月18日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で収穫した変わった形状のレモンを紹介しましたが,カンキツ担当の職員が「こんなレモンも採れましたよ」と年末に持ってきてくれたのが,写真の果実です。
当部の研究圃場で見つけた,重さ430g,縦径14cmもある大きなレモン。
一見すると普通のレモンの様にも見えますが,蔕と果頂部の周辺に,なにやらコンモリと膨らんだ組織があります。
果実を横に倒して別の角度から眺めてみれば,モヒカン頭のお兄ちゃんの顔のように見えたり,ネタの乗っかっている寿司のようにも見えます。
それにしても,このレモンは,とても大きくてユニークな形をしていますね。
今年も,このレモンのようにユニークで大きな成果を目指して,頑張りましょう!
(果樹研究部Mk&Oy&Nh)

令和2年12月23日 連携して活用方法を検討

検討会の様子

当センター(栽培技術研究部)は農業技術指導所と連携し,施設野菜の生産性向上に取り組んでいます。今回はチンゲンサイの生産性向上に向けて,遠隔モニタリングをテーマに合同で検討を行いました。遠隔モニタリングとは,専用の通信機により離れた場所の温湿度や土壌水分などの環境データの確認ができる仕組みです。
農業技術指導所が生産者の畑で取得した環境データを持ち寄り,その活用方法について意見交換しました。

農作物の生育状況と取得した環境データを関連付けて解釈することで,はじめて生育に適した環境条件を理解することができます。
これこそが,取得した環境データの有効活用に繋がる“最初の一歩”。

当センターは,「生産者の畑でのチンゲンサイの生育状況も併せてデータ化することが重要」とアドバイスしました。
(栽培技術研究部K)

令和2年12月21日 米および大豆の品質検査を受けました

米の検査状況

育種および栽培試験に供試した品種・系統について,広島県JA農産物検査協議会に御来所いただき,米:484点と,大豆:26点の等級検査を受けました。本年の広島県は長梅雨による日照不足,8月は高温となり,高温登熟耐性を持つ品種・系統にとっては特性を存分に発揮できた年ではなかったでしょうか。検査を受けてみて,品種・系統により明暗がはっきりでていたように感じました。
(栽培技術研究部K)

令和2年12月19日 アスパラガス圃場の視察

足場管ハウス視察の様子台車の様子

三次市とJA三次が本センター圃場のアスパラガスと,建設中の足場管を使用したハウスを視察されました。担当者さんからは多岐に渡る質問があり,環境制御によるアスパラガス栽培技術への関心の高さが伺われました。また,作業の大部分を占める収穫について,「体への負担軽減とともに作業効率を高めていくことが重要」と研究員から説明があり,そのために様々な工夫がされているハウス内で,実際に作業用の滑車に座りレール上を滑らせて使用感を確かめておられました。
背の高い足場管ハウスでは,夏場には開口部を広く開けることで風通しがよく外気温より涼しくなるため,アスパラガスにストレスがかかりにくいなどの利点も聞き取られました。
(栽培技術研究部K)

令和2年12月18日 注目されるアスパラガス栽培技術

見学の様子足場管を利用したハウス見学の様子

広島大学の先生が,来所され,栽培技術研究部のハウスの栽培状況と栽培技術について視察されました。先生の出身国でのアスパラガス栽培に当センターの技術を活かしたいとのことでした。また建設中の足場管を利用したハウスも併せて見学されました。
(栽培技術研究部K)

令和2年12月18日 スマイリーフェイス…?

双子レモン上から見たレモン下から見たレモン

昨年の1月8日と12月6日の研究員日記では,変わった形状のレモンとして「双子のレモン」と「仏の手をしたレモン」を紹介しましたが,今日,果樹研究部の研究圃場でレモンを収穫していたら,今年も「双子のレモン」を見つけました。
さらに,もう1つの面白い形状のレモンも見つけましたよ。
その果実は,真上から見たら何の変哲もない丸くて黄色いレモンなのですが,真下から眺めてみると,おおおおおおおおおっ~,なんと,可愛いお顔が…!!!
これは,スマイリーフェイス…?
それとも,来年の干支である牛さんの笑顔…?
いずれにしても,笑顔には違いなさそうですね。
今年は新型コロナ感染症の蔓延もあり,気持ちのスッキリしない1年でしたが,来る新年は笑顔の増える年にしたいですね。
(果樹研究部Mk&Oy&Nh)

令和2年12月17日 注目を浴びる足場管ハウス

研究員へ聞き取っている様子視察の様子

足場管ハウスの開発元の西日本農業研究センターの担当者が来所され,当センターに建設中の足場管ハウスを視察されました。建設現場で使用されている足場管は安価で頑丈であり,生産者の負担軽減に役立つハウス資材として期待されています。建設に携わっている研究員から,建設にあたっての工夫や苦労,改善点を聞き取られました。
今回の視察は,現地でハウス建設する際の情報として役立てるとのことです。 
西日本農研センターの設計した足場管ハウスは,県内では初の建設となります。実際のハウスを見学したい方は是非ご来所ください。

(栽培技術研究部K)

令和2年12月10日 カンキツ樹体に寒冷紗を被覆しました

寒冷紗被覆作業被覆後のレモン幼木

果樹研究部のカンキツ研究圃場では,例年,12月中旬からカンキツ樹体への寒冷紗の被覆を開始していますが,週間天気予報によれば,来週は強い寒気が日本付近に流れ込みやすくなり,全国的に真冬並みの寒さとなる見込みとされています。
このため,当部では,カンキツに係る今週の作業予定を変更し,急遽,カンキツ樹体への防寒対策として,寒冷紗を被覆しました。
この先1か月の気象予報では,平均気温は西日本から北日本で平年並みか低く,暖冬だった昨冬とは違って冬らしい寒さとなることが予報されていますので,今後も寒波の襲来に要注意です。
どうか,大切なカンキツの試験樹が寒波被害を受けずに,無事にこの冬を越せますように…!
(果樹研究部Km&Dm&Yn&Oy&Nh)

令和2年12月9日 「スマート農業フェア」へ出展

スマート農業フェアの様子

広島県農林水産局が主催したスマート農業フェアへ出展しました。

 

夏の強い日差しから作物を守る「自動調光システム
水田転換畑でのキャベツ増収に寄与する「緩傾斜付与による排水性向上技術
アスパラガス収穫時のつらい中腰姿勢を改善する「アスパラガスL字栽培法
虫を寄せ付けにくく,人の目にも優しい「美観灯(街路灯)

を紹介しました。

開発技術の普及を促進するため,今後も積極的な広報活動を続けていきます。

当日はコロナ禍の影響で,想定より少ない182名(主催者調べ)の来場があっ
たとのことです。
(技術支援部SY)

令和2年12月7日 消防訓練を実施

水消火器屋内消火栓

本所で消防訓練を行いました。
カラーコーンを火に見立て,水消火器で消火する模擬演習(左)と,屋内消火栓での放水訓練(右)を実施しました。
今回の訓練を火災発生時に活かしたいです。(火災を発生させないことが一番ですが...)
(技術支援部 K)

令和2年12月3日 農業技術大学校学生への講義

講義の様子

農業技術大学校の学生に,野菜の新技術を説明しているのは栽培技術研究部のN研究員。デジタル技術を活用した気温や土壌水分の測定方法を講義しました。学生の皆さんは熱心に耳を傾けられており,記録を取る姿が見られました。得られた知識を活かして,広島県農業の発展につながる活躍を期待しています。
(技術支援部SY)

令和2年12月2日 露地で栽培しているレモンが黄色く色づいてきました

レモンの着色イエローベルの着色

11月26日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場にある温州ミカン「石地」を収穫したことを紹介しましたが,当部で露地栽培しているレモン園では,県内で栽培の多い「ビラフランカ」や当部の育成品種「イエローベル」等の果皮が既に黄色く色づき始めていました。

いよいよ,広島レモンが本格的に楽しめるシーズンですね。

(果樹研究部Oy&Nh)

令和2年12月2日 世羅町長来所

ほ場での様子意見交換会の様子

スマート農業に強い関心をお持ちの世羅町長が来所されました。午前はアスパラガスの環境制御栽培などをほ場視察され,午後からは,担当研究員との意見交換会に臨まれました。
(技術支援部 K)

令和2年12月1日 原保育所防火パレードのみなさん

保育所防火パレードの様子防火ポスター

近くの原保育所から,かわいらしい園児のみなさんが,防火ポスターを持ってきてくださいました。
消防署による査察が行われていたため,本物の消防士さんがおられ,園児の目が輝いていました。
(技術支援部 K)

令和2年11月26日 温州ミカン「石地」を収穫しました

ミカン「石地」の着色主幹形の「石地」の収穫

果樹研究部では,温州ミカン「石地」が鮮やかなオレンジ色に着色し,今週,例年より1週間早く収穫しました。
一部の果実がカラス等の鳥害を被っていましたが,「石地」の安定した美味さを考慮すれば,それも納得です。
いよいよカンキツ類の収穫が本格化するシーズンに突入しましたね。
(果樹研究部Ky&Tk&Kma&Kmo&Oy&Nh)

令和2年11月19日 珍客 Part6 雄鹿

①鹿
6月8,12,17日&7月1日&9月15日の研究員日記では,果樹研究部を訪れた珍客として,猪(ウリ坊),狸,カルガモ,野兎,アオサギを紹介しましたが,今日の珍客は,雄鹿です。
当部の研究圃場は林地に囲まれた小高い山の上に立地しているためか,これまでに敷地内で鹿の糞が散見されていましたが,日中に鹿の姿を見ることはほとんどありませんでした。
今日,研究圃場で農作業を行っていたら,鹿や猪等の侵入を阻止するために作られた敷地境界にあるフェンス脇の林地内に,立派な角を生やした1頭の雄鹿が佇んでいるのを見つけました。
「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の 声聞くときぞ 秋は悲しき」と詠われている和歌もあるように,秋の交尾期になれば当部の付近でも夜には「フィー」と聞こえる,雄鹿特有の甲高い鳴き声を聞くことがありますが,雌鹿を探しているのでしょうか。
鹿は繁殖力が強く,この20年間で約9倍に増えているとされる報告もありますが,果樹の生産に関わる当部の研究圃場で悪さをしないで欲しいですね。
(果樹研究部Yk&Oy&Nh )

令和2年11月11日 立冬

ブドウ ②ナシの黄変落葉
先週末に二十四節季の「立冬」を迎え,暦の上では既に冬が始まっていますが,果樹研究部のある安芸津職場でも,11月に入ってから朝夕には一段とヒンヤリとした空気を感じるようになりました。
研究圃場では,ブドウやナシの葉の黄化や落葉が始まり,果樹も冬支度を始めているのが見て取れます。
晴天日の昼間はまだ暖かさを感じますが,身近な風景から徐々に冬の訪れを感じるような時期になりましたね。
(果樹研究部Oy&Nh)

令和2年11月10日 防風樹の刈り込み作業 Part2 高木樹の切り下げ

①高所での幹の切り落とし ②切り下げ後の風景
10月26日の研究員日記では,果樹研究部で防風樹の刈り込み作業が始まったことを紹介しましたが,先週には,長年伸び放題になっていた防風樹の樹高を切り下げる作業が行われていました。
高所作業車の横に聳え立つ防風樹は,最長20m近くありそうです。
この防風樹の並木は,余りにも伸び過ぎて果樹園の日あたりを阻害するため,樹高を半分程度に切り縮めています。
切り落とす予定の枝幹部分が突然倒れて事故等を生じないようにするため,切断した枝幹は,幹とロープとで固定し,地表面に残る作業者がゆっくりと引き下ろしながら,慎重に作業を進めていました。
作業後の防風樹は,見違えるようにスッキリしましたよ。
(果樹研究部Wd&Dm&Mc&Oy&Nh)

令和2年11月5日 ミカンの着色が進むにつれ鳥たちの饗宴が始まりました。

①加害初期の果実 ②食べ尽くされた果実
10月20日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場に栽植されている早生の温州ミカンが黄色く色づき始めたことを紹介しましたが,その後,果皮がオレンジ色に染まり始めると,鳥たちに果実を食い荒らされる被害が出始めました。
ミカン園の周辺には電柵を張り巡らせていますが,鳥たちの空からの攻撃には無力です。
最初は嘴で果皮をつっ突くので小さな穴なのですが,しばらくすると皮だけを残して綺麗に中身を繰り抜き,食べ尽くしてしまいます。
それほど美味いということなのでしょうかねぇ~。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月27日 連続流れ分析(Cfa)装置が更新されました。

連続流れ分析(Cfa)装置1連続流れ分析(Cfa)装置2

分析装置が更新されました。オートサンプラー装備の最新式で,アンモニアや硝酸・亜硝酸の迅速な分析が可能となりました。測定精度の向上と分析業務の安全性確保および分析の効率化が図られ,より高いレベルでの研究に活用していく予定です。
(生産環境研究部 K)

令和2年10月26日 防風樹の刈り込み作業が始まりました

①刈り込み作業(遠景) ②刈り込み作業(近景)
果樹研究部に栽植されている落葉果樹は収穫をほぼ終了したこともあり,本日は晴れ渡った秋空の下で,イチジクやナシの研究圃場周辺に防風樹として植えられてある珊瑚樹の刈り込みが行われていました。
とは言え,防風樹は樹高が高いため,安全に最大限の配慮を行いつつ,高所作業車を活用して作業が行われていましたよ。
この作業は,例年,比較的労務に余裕のある冬季に行っていますが,今年は例年よりも少々早い時期に作業を開始したようですね。
今日刈り込んだ防風樹は,数年ぶりに作業が行われたので,作業後には随分とスッキリした樹姿になっていました。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月20日 早生ミカンが黄色く色づき始めました

①20号興津早生ミカンの着色始め(近景) ②20号興津早生ミカンの着色始め(拡大)
10月5日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ研究圃場に栽植されている極早生の温州ミカンが色づき始めたことを紹介しましたが,今の時期になると,11月中旬に成熟見込みの温州ミカン「興津早生」の果皮の緑色が少しずつ薄くなって,ほんのりと黄色く色づき始めています。
ミカン園がオレンジ色に染まる時期が近づきつつありますね。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月15日 秋風になびくススキ,チカラシバ の穂

①貯水池法面のススキ ②放任園(10号圃場)に蔓延るチカラシバ ③チカラシバの穂
10月も半ばとなり,朝晩は冷え込みが少しずつ強くなりつつありますが,日中は過ごしやすい日が続いています。
お昼休みに果樹研究部の敷地内を散策していたら,貯水池の法面に繁るススキや,北側の緩傾斜地にある4つの休耕園に蔓延るチカラシバが目に留まりました。
心地よい秋風になびくススキやチカラシバの穂を眺めながら歩いていると,秋の深まりを実感しました。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月13日 トルコギキョウ(ユーストマ)の審査会

トルコギキョウ(ユーストマ)審査会

今年もトルコギキョウ(ユーストマ)の品種審査会が開催されました。
8月3日に20品種の苗を定植し,本日の審査会では全ての品種が美しい花を咲かせてくれました
審査員の皆様も苦労して採点されていました。
栽培を担当されたK研究員,大変お疲れ様でした。
(技術支援部 Y)

 

令和2年10月6日 カンキツ樹周辺に生えたキノコのシロ…?

①カンキツ樹を囲むキノコのシロ ②オオシロカラカサタケ
8月3日の研究員日記では,果樹研究部のカンキツ園に「オオシロカラカサタケ」という白いキノコが生えていたことを紹介しましたが,昨日に研究圃場を歩いていたら,このキノコが1本のカンキツ樹を囲んで半円状に弧を描くように生え揃っていました。
秋を代表する高級キノコの「マツタケ」では,本体である土中の菌糸と赤松の根が一緒になった塊を「シロ」と呼んでいるようですが,これも同じものなのでしょうかね。
あまりに見事に生え揃っていたので,しばらく目を楽しませてもらいました。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月5日 極早生の温州ミカンがほんのりと色づき始めました

①広果試7号(近景) ②広果試7号(接写)
9月中旬以降の雨は,渇水状態にあった果樹研究部の貯水池に恵みの水をもたらしてくれたとともに,一雨ごとに気温が低下し,空も少しずつ秋めいてきました。
この時期には,部内のカンキツ園で,果皮がほんのりと黄色味を帯び始めた極早生の温州ミカンが見られ,極一部には果皮全体がオレンジ色に色づいた果実もあります。
このような景色を目の当たりにすると,秋が始まっていることを実感しますね。
(果樹研究部Nh)

令和2年10月2日 梅雨時に移植したカンキツ成木のその後は…?

①カンキツ成木の移植作業 ②移植後のカンキツ樹(9月末)
既に10月に入り,果樹研究部のある安芸津でも朝晩の冷え込みが次第に肌にヒンヤリと感じられるようになってきました。
日中の屋外での作業時には,高温によりいまだに汗ばむ時もありますが,猛暑と渇水状態の続いた夏が終わり,内心ホッとしています。
こうした中,カンキツ圃場を巡回中に,部内事情により梅雨時に移植した成木のカンキツ樹を見かけました。
移植したカンキツ樹は,葉色が薄くなり若干落葉も生じていましたが,梅雨明け後の干ばつ時にも定期的に潅水を続けたお陰で,なんとか厳しい夏の暑さを凌ぎ,しっかりと生き残っていました。
移植した樹の勢いが,このまま順調に回復してくれることを願います。
(果樹研究部Dm&Km1&Km2&Yn&Nh)

令和2年9月25日 果樹研究部の渇水状況が解消されつつあります

①貯水池 ②貯水池の水位
9月14日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池の水位が低下し,メインポンプからの水の汲み上げ利用ができなくなったため,9月7日の週から安芸津町内にある浄水センターや八本松町にある当センターまで出向いて取水を開始したことを紹介しました。
その後,11~12日に約20mm,17~18日に約50mm,昨夜から今朝にかけて30mm以上の降雨があったため,現時点の貯水池の水位は渇水時の最低レベルに比べて約50cm(ブロック2.5個分)上昇しています。
このため,渇水時に一部顔を覗かせていた池の底の土が今では水面下となり,状況は解消されつつあります。
まずは「ホッと一息」といったところですが,この調子で,時折纏まった雨が降ることにより,貯水池の水位が順調に回復しますように…!
(果樹研究部Oh&Nh)

令和2年9月18日 連日のイチジク「蓬莱柿」の収穫&果実形質調査

①イチジク「蓬莱柿」果実 ②イチジク「蓬莱柿」の果実形質調査

9月4日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で露地栽培のイチジクの収穫が進んでいることを紹介しましたが,本県では「蓬莱柿(ほうらいし)」と呼ばれる品種が主要品種で,この時期には毎日成熟します。
当部では,この品種を用いて研究課題を推進しており,この時期には実験台の上に日々収穫された「蓬莱柿」が並び,果実形質調査が行われています。
この調査は,本品種の収穫が終わる10月末ころまで続きます。
担当職員は,現場で活用いただける良い成果を,研究課題の終了時にご紹介できるように頑張っていますので,ご期待ください。
(果樹研究部Ss&Sn&Mt&Js&Wd&Mc&Nh)

令和2年9月16日 猛暑の名残

みかん
先週半ばころから最高気温が30℃を下回る日も出始め,次第に凌ぎやすくなってきました。
昼下がりに果樹研究部の研究圃場を巡回していると,先月に比べて日射しが和かくなっているように感じられ,発汗量も少なくなってきました。
そんな中,部内のカンキツ園では,樹体の外部に所々黄色っぽく見える果実が散見されます。
この時期のカンキツの果皮はいまだ濃い緑色ですが,極一部の果実では夏の猛暑の影響で陽のあたる部分の果皮が黄色く変色していました。
当部では現在も渇水対策が続いていますが,本格的にカンキツの収穫を迎えるシーズンまで,大きなトラブル無く果実が順調に生育しますように…!
(果樹研究部Nh)

令和2年9月15日 珍客 Part5 「アオサギ」

①ブロック上のアオサギ ②池の中のアオサギ
6月8,12,17日及び7月1日の研究員日記では,果樹研究部を訪れた珍客として,猪(ウリ坊),狸,カルガモ及び野兎を紹介しましたが,今回の珍客は「アオサギ」です。
先週の木曜日に,渇水状態となっている果樹研究部の貯水池に行けば,1頭のアオサギが貯水池のブロック上や池の中で立ちすくみ,静かに水面を眺めていました。
貯水池では,生息するフナ等の淡水魚が水面近くに時折姿を見せていたため,このアオサギは餌を探していたのでしょうか?
アオサギは,当部の貯水池で,時折,立ち位置を移動させながら終日留まっていました。
このアオサギは,ここでの目的を果たせたのでしょうかねぇ…。
(果樹研究部Nh)

令和2年9月14日 渇水対策-その2 部外での取水と運搬

①取水(風早浄化センター) ②部内水槽への入水
9月7日の研究員日記では,当部の貯水池の水位が低下し,メインポンプからの水の汲み上げ利用ができなくなったため,トラックに積んだタンクに部内で取水しながら潅水を開始したことを紹介しました。
先日接近した台風10号の雨だけでは当部の渇水状況は改善されませんでしたので,農業用水を確保するために,先週から試行的に安芸津町内にある浄水センターや八本松町にある当センターまで出向いて取水した後,部内まで持ち帰りホーロータンクに入水しました。
先週末には当部の近辺で約20mmの降雨があり,今週後半にも降雨が予想されていますので,今後,渇水状況が改善されていくことを期待しますが,この状況が可能な限り早期に解消されますように…!
(果樹研究部Ih&Js&Ky&Tk&Ss&Km&Dm&Nh)

令和2年9月11日 待望の雨

①雨滴の付いたミカン ②雨滴の付いたレモン
9月7日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池の水位が低下し,渇水対策を始めたことを紹介しましたが,今日は早朝から待望の雨が降っています。
今のところ,断続的にパラパラと小雨が降っているだけですが,久々にミカンやレモンの果実の上に雨滴が乗っかっているのを見ました。
長い間,ほとんど無降雨状態が続いたため,当部の研究圃場に栽植された果樹にとっては,時折の潅水による根からの吸水だけでしたので,わずかな雨滴でも,葉や果実にとっては大いに潤いとなっていることでしょう。
この度の雨が,せめて潅水1回分の纏まった雨量となりますように…!
(果樹研究部Nh)

令和2年9月10日 カンキツ園を優雅に飛び交うナミアゲハだけど・・・

①ナミアゲハ成虫 ②ナミアゲハ若齢幼虫 ③ナミアゲハ終齢幼虫
この時期,まだ残暑の厳しい日中に,果樹研究部のカンキツ園を巡回していると,カンキツ樹の周辺を飛び交うナミアゲハが多数見られます。
ナミアゲハの飛ぶ姿は一見すると優雅に見えますが,時折,カンキツ樹の伸長中の新梢に停まって産卵し,その後に,ふ化した幼虫がムシャムシャと幼葉を食い荒らし,枝先を丸裸にされてしまいます。
ナミアゲハはカンキツ樹を好物としているのかもしれませんが,樹体を拡大中の幼木の新梢を食い荒らされると,今後の成長量に悪影響を及ぼしますので,幼虫の発生状況に応じて防除が必要です。
今日もカンキツの栽培管理を担当する職員から発生情報の提供があり,ナミアゲハの幼虫が多発しているカンキツ園で緊急防除を行いました。
(果樹研究部Km&Nh)

令和2年9月7日 渇水対策

トラックのタンクからの取水作業
今日は,時折,台風10号の吹き返しによりふだんより強めの風が吹いていますが,お陰様で果樹研究部では,強風等による台風被害はありませんでした。
9月1日の研究員日記では,当部の貯水池の水位の低下が満水時よりブロック5つ分低下したことを紹介しましたが,この台風は,当部のある安芸津近辺に5mm程度の降雨しかもたらしてくれなかったため,貯水池の渇水は解消されませんでした。
このため,今日から当部の貯水池における水の汲み上げ利用ができなくなり,トラックに積んだタンクに取水してかん水を開始しました。
職員は,トラックに積んだタンクからハウスの脇に設置してあるホーロータンクの中にホースを引き込み,水を移す作業に取組んでいました。
この状況が早期に解消されますように…!
(果樹研究部Km&Nh)

令和2年9月4日 収穫シーズン到来!でも,台風シーズンにも突入…?

①グリーンレモン ②ブドウの収穫 ③ナシ豊水成熟
果樹研究部の研究圃場では,加温ハウス栽培のレモン,簡易被覆栽培のブドウおよび露地栽培のナシやイチジクの収穫が進んでいます。
担当の職員は,これまでの収穫を無事に迎えることができたことで,今年もホッと一息といったところでしょうか。
とは言え,今週末に向けて当地に接近しつつある台風10号には,当部の果樹園で余り暴れまわらないでいて欲しいですね。
(果樹研究部Nh)

令和2年9月3日 週末が心配な台風10号(ハイシェン)

②カンキツ防除
8月18日の研究員日記を記した時点では,この夏に我が国に接近する台風は発生していませんでしたが,その後に発生した台風の北上ルートは次第に我が国に近づきつつあったので,「近いうちに本土上陸する台風も発生するのでは…」と心配していたら,案の定,一昨日に小笠原近海で熱帯低気圧から台風に発達したばかりの10号は,今週末に西日本を直撃する恐れがでてきました。
この台風は,近年にない非常に強い勢力を保ったまま本土に接近するとの報道ですので万全の台風対策で備えるべく,まずはカンキツかいよう病とモモ穿孔細菌病の緊急防除を行いました。
今日と明日の,少しでも天候の安定しているうちに何とか全ての台風対策を完了させたいですね。
本台風の接近が降雨を伴うことにより,1か月以上の無降雨状態の日々が解消されればありがたいのですが,災害につながるような暴風等は勘弁して欲しいですね。
一難去って,また一難…。
台風10号は,中国語で「海の神」を意味する「ハイシェン」と命名されたそうですが,「海の神様,どうか,海に囲まれた我が国をハイシェンの暴風雨からお守りください!」
(果樹研究部Nh)

令和2年9月2日 ナシの新梢が褐変している…なぜ?

①褐変したナシ新梢 ②ナシ被害葉
先日,果樹研究部のナシ園を巡回しいていたら,一部の新梢で褐変している葉が観察され,既に落葉している葉も散見されました。
遠目に眺めていた時には,「安芸津では1か月以上も無降雨なので,とうとう水不足の影響がでたのかなぁ…」と思っていたのですが,近づいて観察すれば,葉のあちらこちらに食害の跡が見つかりました。
食害された周囲の葉を丁寧に調べてみると,所々に小さな蛾の幼虫が忍んでおり,彼らが葉を加害したようです。
このナシ園では,周囲に多目的ネットを掛けてあり,これまで当園での飛来性害虫の被害はほぼ皆無だったので,意外です。
幼虫の外見は,一見してハマキガの幼虫にも似ていますが,被害葉には特有の葉巻症状はありません。
専門家に幼虫を確認してもらったところ,「ハスモンヨトウ」であるとのこと。
早速,緊急の防除を行いましたが,油断大敵ですね。
(果樹研究部Nh)

令和2年9月1日 果樹研究部の貯水池の水がピンチです

①今朝の安芸津の空模様 ②今朝の貯水池の水位
8月20日の研究員日記では,果樹研究部の貯水池の水位の低下が満水時よりブロック3つ分低下したことを紹介しましたが,今朝の時点では,既にブロック5つ分も低下し,以前には水底となっていた地肌も一部で見え始め,ピンチです。
今以上に水位が下がると,ポンプで水を汲み上げる際に土をかむ可能性がありますので,このまま降雨が無ければ,貯水池における水の汲み上げ利用は今週末までとなりそうです。
そうなると,来週からはトラックに積んだタンクに取水してかん水を実施しなければならず,追加作業への対応によって,ただでさえ不足している労務がさらに逼迫し,多くの業務に支障をきたす恐れがあります。
今朝の安芸津上空は台風9号の影響なのか久々に薄曇りとなっていたものの,なんとか1か月以上もの無降雨状態が解消され,今週末までに雨が降って欲しいものです。
(果樹研究部Dm&Wd&Nh)

令和2年8月27日 平棚栽培のカンキツ樹上で見つけた鳥の巣

①平棚栽培のカンキツ樹 ②ホオジロの巣
本日,果樹研究部のカンキツ担当の職員が平棚栽培のカンキツ園で徒長枝のせん定作業をしている時に,棚上の側枝の脇に枯草で椀状に形作られた鳥の巣を見つけました。
巣の中には小さな白い卵が2つあり,殻の表面には褐色の斑点や曲線模様があったので,恐らくホオジロの巣と思われます。
今回のように樹上で巣を作るケースは,当部の果樹園では時折見られます。
ちなみに,今回見つけた鳥の巣は,管理の妨げになるため,そっと取り外されたようです。
突然に巣と卵を失った親鳥は,ホオジロ独特の節回しで「ピッピチュ・ピーチュー・ピリチュリチュー」とさえずるのでしょうかねぇ。
(果樹研究部Km&Nh)

令和2年8月25日 炎天下の作業

①庁舎から南を望む ②ハウスの建設作業 ③乗用草刈機による除草
お昼休みに果樹研究部の庁舎から南の空を見上げると,いつもなら四国山地まで見渡すことのできる景色が霞により全く見えませんでした。
大気中の微小粒子状物質(Pm2.5)の飛散速報をチェックしてみたら,本日午前中の中国地方は「多」となっていました。
今年の8月上旬に同様な霞がかかっていた時には,小笠原諸島の西之島の噴煙の可能性をメディアが報じていましたが,本日の霞も同じ原因なのでしょうか?
霞がかかっていても,8月下旬の昼下がりは相変わらず酷暑です…!
昼下がりに当部の敷地内を巡回していたら, カンキツの研究圃場では乗用草刈機で除草作業を,グラウンドでは遮光ネットを張ったハウスの中で打ち水を行いながら高所作業機でハウス部材の取付作業を行っていました。
今日も,酷暑の中で熱心に諸作業を進めていただき,ありがとうございます。
(果樹研究部Nh)

令和2年8月24日 処暑

①レモン圃場から見た積乱雲 ②レモン樹の果実
暦の上では昨日から「暑さがおさまるころ」とされる「処暑」を迎えていますが,果樹研究部におけるレモンの研究圃場から北の空を見上げると,今日も積乱雲がムクムクと湧き出しています。
日中は相変わらず酷暑とは言え,夜間は涼しくなってきましたね。
今朝,調査のため研究圃場を歩いていたら,日差しは盆前ころよりも心持ち和らいできているような気がしました。
この暑さの中,当部で露地栽培しているレモンの果実は,定期的な潅水のかいもあって順調に肥大しています。
(果樹研究部Nh)

令和2年8月20日 現在の果樹研究部の貯水池の水位は…?

①貯水池 ②貯水池の水位
今年の長い梅雨が明けてから3週間余りが経過しました。
果樹研究部のある安芸津近辺では,梅雨明け後には猛暑が続いており,お湿り程度の夕立すらありません。
研究圃場では連日の潅水が行われており,果樹研究部の貯水池の周壁ブロックで水位の低下を確認してみれば,梅雨明け直後に満水だった水源も,既に満水時よりブロック3つ分も下がっています。
せめて,お湿り程度の降雨を待ち望む昨今です。
(果樹研究部Nh)

令和2年8月18日 いまだに台風対策の不要な夏…

①曇り空
例年なら,お盆までには本県にも台風が1~2回接近し,果樹研究部では風雨に伴って多発しやすい,カンキツかいよう病やモモせん孔細菌病の追加防除等の台風対策を経験しているはずですが,この夏はいまだに本県への台風の接近がありません。
というか,今年は近海での台風の発生が少ないですね。
炎天下の果樹園での緊急防除は散布者にとって大変辛い作業ですので,余計な作業が不要なのは有にくいことですが,こう暑くてはお湿り程度の雨が恋しくなります。
とは言え,8月以降には台風の発生が増えるとする予報もあり,9月以降に偏西風が南下してくると,台風が本州付近へ向かう進路をとることが多くなりますので,今年も気を抜かずに急な台風対策に備えておかないといけませんね。
(果樹研究部Nh)

令和2年8月17日 お盆を過ぎても日中の調査は汗だくです

①南の空 ②北の空
今年の梅雨明けは平年より9日遅い7月30日でしたので,猛暑の時期が短くなると喜んでいたのですが,これまで結構な暑さが続いています。
なんでも,日本の上空で太平洋高気圧とチベット高気圧が重なって広がり,ダブル高気圧となって,厳しい暑さをもたらしているとか…。
今日も午前中から晴れ渡っていますが,夏空特有の積乱雲はあちらに見える四国山地の上空にわずかに湧いている程度で,近くの空には秋を思わせる爽やかな雲が流れています。
このため,「今日は幾分か暑さが凌げるのでは…」と期待して果樹研究部の研究圃場に調査に出かけましたが,流石に夏場の日中の気温は高く,歩き始めて10分もたたないうちに汗だくになり,調査終了時には少々バテ気味になりました。
お盆を過ぎても日中は相変わらず暑いですねぇ~。
こんな猛暑日に屋外で歩き回る時には,水分と塩分の補給ができるスポーツドリンクは欠かせませんね。
皆さんも熱中症にはご注意を!
(果樹研究部Nh)

令和2年8月14日 貯蔵レモンの腐敗果調査

①貯蔵レモン ②レモン腐敗果
6月19日の研究員日記では貯蔵レモンの選果作業について紹介しましたが,果樹研究部では,高値で取引される夏季に広島レモンの出荷量を増やすため,貯蔵を始めとする様々な技術の開発に取り組んでいます。
今日は,果樹研究部で長期に貯蔵しているレモンの腐敗果の発生調査を行いました。
貯蔵中にレモンを腐敗させる主要な病気は,軸の周囲から褐変してくる軸腐病や,傷口から白い菌糸を伸ばした後に小さな青色の胞子を形成する青かび病等があります。
こうした腐敗の発生する果実をできるだけ少なくして,より長期間貯蔵できる技術の開発に取り組んでいますので,今後の成果にご期待ください。
(果樹研究部Tk&Sn&Nh)

令和2年8月11日 県東部の柑橘産地で温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会を開催

①視察園の概要説明 ②栽培ポイントの説明等
本日,尾道市の因島や瀬戸田で主幹形栽培を実践している生産者や指導者ら約65名が集い,現地の導入園を巡回しながら温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会が開催されました。
研修会では,現地で指導に当たる農協職員が視察ほ場の管理概要等を紹介した後,果樹研究部の研究員が各園地のコメントに加え,主幹形栽培の今後の管理に係るポイント等を説明しました。
参加者は,実際の主幹形樹を観察しながら栽培技術について意見交換することができたため,より一層理解を深めることができたようです。
現地での温州ミカン「石地」の主幹形栽培研修会は今後も開催していく予定ですが,果樹研究部の研究ほ場にも「石地」の主幹形栽培園はありますので,関心のある県内の果樹生産者の皆様の視察をお待ちしています。
このホームページの「視察・見学」の欄にある申請書にご記入いただき,果樹研究部にFax送信いただければ日程等を調整いたします。
(果樹研究部Ky&Tk&Ih&Mm&Nh)

令和2年8月6日被災水田での施肥技術確立のため,生育調査を行いました。

作業の様子

2018年7月の西日本豪雨で土石流により真砂土が流入した水田が多くみられました。被災水田を想定し,真砂土を客土した実験水田で地力回復試験を行っています。生育を比較するため,幼穂形成期から穂ばらみ期のイネの生育調査をしています。イネにつく朝露が消えた時間から調査を開始するので,炎天下の調査になります。そのため,熱中症にならないように気を付けています。 

(生産環境研究部 調査を愛する男)

 

令和2年8月3日 カンキツ園に生えた大きな白いキノコは?

オオシロカラカサタケ
朝,病害虫の発生予察調査のために,果樹研究部のカンキツ園を巡回していた時に,樹冠下にあるクローバーの間から生えている,大きくて白いキノコを見つけました。
このキノコは,白っぽい椎茸のような形状をしており,肉厚な傘は直径20cm程あり,炎天下で映えて,一見,美味そうに見えたため,ちょっと調べてみました。
名称は「オオシロカラカサタケ」で,食べると下痢,腹痛等の激しい中毒症状を起こすらしく,食すことのできない代物でした。
なので,炎天下で涼を感じさせてくれる素材として,眺めて楽しむだけにして,そのまま放置しておきました。
(果樹研究部Nh)

令和2年7月31日 貯水池の水源が活躍する季節

①果樹研究部の貯水池 ②カンキツ潅水
本日は朝から強光が射し,積乱雲が夏空にモクモクと湧き出しています。
中国地方は昨日に梅雨明けしたばかりですが,これからしばらくの間は猛暑とのお付き合いが続きそうですね。
盛夏には,果樹研究部の研究圃場に栽植された試験樹への日々の潅水は欠かせません。
今年の当部の貯水池では,5月以降の水面に,水草の菱に加えて淡水赤潮らしき現象も発生し,現在は水面にアオコらしきものがわずかに漂っているものの,長い梅雨の間に満水となった水がスタンバイし,活躍の機会を待っています。
いよいよ,貯水池の水源が活躍する季節になりましたね。
(果樹研究部Nh)

令和2年7月30日 夏,実感!

①カンキツ研究圃場と積乱雲
気象庁は,本日,「九州北部と中国,四国は,梅雨明けしたとみられる」と発表しました。
中国地方は平年より9日遅く,昨年より5日遅い梅雨明けです。
ここのところ,梅雨前線の影響で降雨日が多かったため,果樹研究部の屋外作業は思うように捗りませんでしたが,今日は午前中から陽射しのある好天に恵まれたため,カンキツ研究圃場で摘果作業を行いました。
炎天下の蒸し暑い中で,眼前の空に湧き立つ積乱雲を眺めつつ,蝉時雨を聴きながらミカンの摘果作業をしていると,まさに,「夏が来たぁ~!」と実感しました。
今日の摘果作業は半日に満たなかったものの,炎天下でじわりと流れ続ける汗で少々バテ気味となりましたが,再々の水分補給により熱中症は免れました。
明日以降も本格的な暑さが続くと思われますので,万全の体調と熱中症対策で,夏バテしないようにしたいものです。
(果樹研究部Nh)

令和2年7月20日 夏の一斉清掃

①全体での進捗確認 ②法面の草刈り ③草刈りと草集め
今日は,果樹研究部&管理第二課のある安芸津職場の一斉清掃日でした。
まだ梅雨明け前のため曇天を期待していたのですが,予想に反して日差しの射す天候となり,熱中症対策を行いながら庁舎や貯水池の周辺の法面や庭園等を清掃しました。
今回の清掃は,例年に比べると少人数での作業となりましたが,作業終了後には清掃箇所が見違えるように綺麗になりました。
また,作業中は蒸し暑さで汗だくになりましたが,休憩時の冷たい清涼飲料水の美味さは格別でした。
参加された皆さんには,大変お疲れ様でした。
(果樹研究部&管理第二課)

令和2年7月3日 現地でのブドウ難防除害虫の防除試験

①神石高原ブドウ園 ②ブドウへの薬剤散布の様子
6月18日の研究員日記では,果樹研究部のミカン園で実施したカンキツ灰色かび病に対する農薬登録に向けた殺菌剤の効果判定試験が完了したことを紹介しましたが,昨日はブドウの難防除害虫「クビアカスカシバ」に対する農薬登録に向けた殺虫剤の効果判定試験の防除を行いました。
クビアカスカシバは,本県のブドウ産地でも10年以上前から被害が顕在化してきた害虫ですが,当部のブドウ園では発生していないため,多発している現地のブドウ園をお借りして試験を行いました。
試験地は,瀬戸内海沿岸部にある当部から100km以上離れた,本県北東部の神石高原町にある標高530mの高地です。
このため,公用車に防除機材一式を搭載し,2時間半かけて幾つもの峠を越えて走行し,最後の鬱蒼とした森の小道を登りきると,まさに,天空の里にふさわしいブドウ園が広がっていました。
ちょうど,梅雨前線が本州に近づいてきている時期でもあったので天候が気になりましたが,梅雨の合間に散布することができ,グッドタイミングでした。
この後は,生産者の皆さんが今回の供試薬剤を防除対策の1つとして将来使用できるよう,この試験の好結果を期待して待つのみです。
(果樹研究部Js&Mt&Sn&Nh)

令和2年7月1日 珍客 Part4 野兎

①野兎
6月81217日の研究員日記では,果樹研究部を訪れた珍客として,猪(ウリ坊),狸,カルガモを紹介しましたが,今日の珍客は,野兎です。
今週始め,昼休憩時の散策中に,庁舎から遠く離れた,以前にモモ園として活用していた園地の一角で1頭の野兎を見つけました。
当部は周囲を山に囲まれているので,猪や鹿の侵入を阻止するため,敷地の周辺にフェンスや電柵を設置してありますが,小さいので,潜り抜けて,園内に侵入してきたのでしょうか?
幸い,このモモ園は既に廃園となっており,今のところ果樹に加害する可能性はなさそうです。
近くにある大久野島では,アナウサギが1000頭近くも増殖して「ウサギの島」として脚光を浴びていますが,ニホンノウサギも繁殖力が旺盛で,1回に1 ~ 4頭の幼獣を年に3 ~ 5回に分けて産むとされているので,余りに増え過ぎて大切な試験樹に悪さをしないで欲しいものですね。
(果樹研究部Nh )

令和2年6月30日 普及指導員の調査研究への支援

①普及指導員の調査研究への支援 ②調査中の普及指導員
本日,県内の各農業技術指導所に勤務する果樹担当の普及指導員8名が果樹研究部に来所し,参加者らが実施しているレモンに係る調査研究で必要な,果実分析手法の統一化を支援するため,果樹研究部栽培技術研究部のカンキツを担当する研究員が対応しました。
研究員から手法等の手ほどきがなされた時には,手元の作業を確認するために,少々密着した範囲内に集まらざるを得ませんでしたが,その後は3密に留意しながら関係者が相互に協力し合って果実の分析を進め,予定していた調査項目を無事に終了することができました。
少しでも普及指導員の皆さんのお役に立つことができたのなら,幸いです。
(果樹研究部St&ky&Tk&Mm&Nh,栽培技術研究部As)

令和2年6月29日 今年は果樹を加害するカメムシ類にご注意を…!

①フェロモントラップ ②トラップされたカメムシ ③カメムシ取材風景
広島県農林水産局は,6月12日に県内全域を対象として病害虫発生予察情報の注意報を発令し,果樹カメムシ類の多発への注意喚起を行いました。
今年は暖冬の影響で果樹を加害するカメムシ類の越冬量が多く,県内5地点に設置しているチャバネアオカメムシの集合フェロモントラップのうち,3地点では6月第1半旬にかけて誘殺数が急増したようです。
このトラップは果樹研究部の敷地内にも設置してあります。
当部の調査地点でもチャバネアオカメムシの誘殺数は気温の上昇とともに増加しつつあり,直近の調査では1週間に100頭以上が誘殺されています。
本県での果樹カメムシ類の多発情報には,民放のテレビ局も関心を寄せておられ,当部でも先週に取材を受けました。
今年は県内各地で果樹を加害するカメムシ類が多発していますので,果樹生産者の皆さんは,大切な果実を吸汁されないようにご注意を…!
(果樹研究部Js&Nh)

令和2年6月25日 普及指導員研修

①レモン貯蔵試験説明(竹岡) ②レモン試験説明(塩田俊)200.jpg ③イエローベル試験説明(川﨑)
本日,果樹研究部では,農業技術指導所に勤務する果樹担当の若手普及指導員に対する専門研修(普及指導員の2年目研修)に7名の職員が対応しました。
果樹研究部長からは果樹研究部の概要や研究課題に加えて育成者権の保護制度等を説明し,カンキツまたは落葉果樹の栽培や病害虫防除を担当する各研究員からは,カンキツでは「新品種育成」や「レモン等の貯蔵や栽培に係る新技術」,ブドウでは「光反射マルチ栽培」,「着色向上技術」及び「根域制限栽培技術」,モモでは「ジョイント仕立て栽培」や「早生品種『さくひめ』の広島県での栽培特性」,イチジクでは「株枯病抵抗性台木の実用化に向けた取組」について,研究圃場での実証展示物等で紹介し,意見交換しました。
今日は朝からあいにくの雨でしたが,関係者は熱心な説明と積極的な意見交換により相互の理解を深めていました。
これを機に,今後,果樹研究部との関わりが一層深まることを期待しています。
(果樹研究部Ih&Kj&ky&St&Mt&Ss&Sn&Nh)

令和2年6月24日 こんなところにヤマモモ…?

①防風樹としてのヤマモモの樹 ②熟して地面に落ちたヤマモモの果実 ③成熟期のヤマモモ果実(樹上)
果樹研究部の所在する安芸津職場の敷地内で北東部の一角に植えてある防風樹は,樹高が10mを超える常緑性の高木です。
白っぽい幹から伸びた枝先には,長楕円形をした緑色の葉が茂っています。
この時期に30m程の並木に近づいてみれば,着果している樹と未着果の樹とがあり,着果樹の下には1cm程の小玉で,表面にビーズの様な粒の見られる,赤くて丸い果実が所々に落ちています。
これは,雌雄異株として知られる果樹の「ヤマモモ」ですね。
ヤマモモの樹は,庁舎から最も遠い敷地の一角で悠然と成長し続けていました。
赤く色づいたヤマモモの実を見ると,初夏を感じますね。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月23日 知的財産研修

昨日の午後,果樹研究部で知的財産研修に係るゼミが開催されました。
今回のゼミは,独立行政法人 工業所有権情報・研修館の海外知的財産プロデューサーを講師としてお招きし,「果樹研究部に期待する知的財産活動 ~ミッションの具現化に向けた知的財産の取得と活用~」をテーマに行われました。
ゼミでは,(1)知的財産の創出と活用に向けた基本的事項,(2)活用にフォーカスした知的財産戦略,(3)国内外の特許プラクティスの留意点等を学び,参加者は,広島総研におけるミッションの具現化に向けた知的財産の取得と活用のため,できることから一歩一歩始める必要性を再認識しました。
当部では,ゼミで知り得た知見を今後の技術開発に活用していくとともに,今後も,人材育成の一環として,部内外の研究者等を講師としたゼミを継続して実施する予定です。
(果樹研究部Ih&Js&Oh&Nh)

令和2年6月22日 夏日

(1)四国山地上の積乱雲 (2)カンキツ防除風景 (3)モモ「さくひめ」成熟期の果実
今日は朝から陽射しのある好天に恵まれ,果樹研究部の庁舎から遠目に見える四国山地の上空には積乱雲が発生していました。
部内のカンキツ園では,暑熱対策のために薄手の防除衣を着て一斉防除が行われていました。
モモ園を覗くと,早生の有望品種「さくひめ」の果実がふっくらと大きく膨らみ,果皮をほんのりピンク色に染めて,今や遅しと収穫を待っていました。
今日の屋外での作業は,夏を早どりするような暑さにより,シャツの着替えが必要な程に汗ばみ,本格的な夏が近づいていることを実感する一日でした。
明日は最高気温30℃を超える真夏日が予報されていますので,しっかりと熱中症対策を意識して農作業に取り掛からないといけませんね。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月19日 貯蔵レモンの選果

(1)貯蔵レモンの選果風景 (2)ポリ袋で個装された貯蔵レモン
国内産のレモンは12月ころから流通量が増加してきますが,夏場のレモンは流通量が少ないため高値で販売されており,大変貴重です。
昨日,果樹研究部で貯蔵したレモンの出荷に向けた選果作業を行いました。
当部では,これまでに広島レモンの夏期出荷に向けた技術開発を目指し,貯蔵中のロスを軽減するための技術を研究してきました。
今年度も,この技術を使って長期の貯蔵を行い,腐敗果を低減できました。
関心のある方は,まずは当センターのホームページでレモンに係る成果を御覧いただき,必要であれば当部まで御相談ください。
(果樹研究部Ih&Js&Sk&Oh&Nh)

令和2年6月18日 カンキツ灰色かび病の防除試験

(1)試験薬剤の散布風景 (2) ミカン花弁上の灰色かび病分生子 (3)ミカン幼果での灰色かび病斑
5月21日の研究員日記では,果樹研究部における温州ミカンが満開期から落弁期を迎えたことを紹介しましたが,当日はカンキツ灰色かび病に対する農薬登録に向けた殺菌剤の効果判定試験の散布を行いました。
試験薬剤の処理は,試験樹の周囲をビニールシートで囲み,処理区以外の樹に風の影響によって薬剤が飛散することのないように慎重に散布しました。
薬剤散布後には,降雨日の翌朝に花弁での発病を調査し,今週半ばに幼果での発病調査を終えたので,一通りの試験工程が完了しました。
この試験では,防除適期が近づくにつれ,降雨や強風の日々となったため,薬剤散布のタイミングに気をもみましたが, 1つの試験を無事に終えることができ,まずはホッと一安心です。
(果樹研究部Mt&Nh)

令和2年6月17日 珍客 Part3 「カルガモ」

(1)貯水池のカルガモ
6月12日の研究員日記では,果樹研究部の敷地内で先週に1頭の狸がチョロチョロしていたことを紹介しましたが,今週の珍客は「カルガモ」です。
昨日,帰宅途中に当部の貯水池を覗いたら,3ヵ月ぶりにカルガモが飛来し,貯水池の水面を悠然と泳いでいました。
でも,前回の3月には,つがいでしたが,今回は1羽のみです。
カルガモの繁殖期は4~7月とされていますので,メスは営巣地で抱卵・育雛中なのでしょうか,それとも前回とは別の個体なのでしょうか?
カルガモの滞在はごく短時間でしたが,いつもは殺風景な貯水池の水面でカルガモは今回もホッコリ感を与えてくれました。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月16日 この時期のミカンの樹は…

(1)密着したミカンの幼果 (2)春枝の少ない樹 (3)春枝の多い樹
5月21日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場における温州ミカンが開花したことを紹介しましたが,梅雨入りを迎えた現時点のミカンの樹では,春枝(春に伸長した新梢)が停止し,開花後に肥大しつつある果実は既にほとんどが1cm大を超えています。
この時期のミカンの樹を観察してみると,開花期に大量の花が咲いていた樹には,沢山の果実が重なるように所狭しと着生していますが,春枝の発生はほとんど見られず,樹に勢いが感じられません。
一方,開花期に花の着生がまばらであった樹には,着果は少ないのですが,多くの春枝が発生し,樹勢がすこぶる旺盛です。
とは言え,果実や春枝のいずれかが多すぎても当年と翌年の果実生産には悪影響を及ぼしますので,これらの樹では毎年適正量の着果と枝伸びとなるよう,今後の栽培管理によって軌道修正し,適正な樹づくりを目指さないといけませんね。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月15日 この時期に咲く,栗&珊瑚樹の花

(1)栗の花 (2)珊瑚樹の花とクマバチ
広島地方気象台が10日に広島県の梅雨入りを発表して以来,梅雨前線や湿った空気の影響で曇りや雨の日が続いていましたが,今日は,久しぶりの晴れ間に誘われて昼休憩に果樹研究部の広い敷地内を散策しました。
この時期には,敷地の隅にポツンと植えてある栗の樹や防風樹の役割を果たしている珊瑚樹の花が咲いていました。
いずれの樹も咲ききっている白い花が目を楽しませてくれましたが,所々に薄っすらと褐変した花も見られることから既に満開期は過ぎている様ですね。
珊瑚樹に近寄ると,多数のクマバチがブンブンと聞こえる羽音を響かせて花々を訪れ,蜜や花粉を集めていました。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月12日 珍客 Part2 「狸」

お尻の毛が抜けた狸
6月8日の研究員日記では,山中にある果樹研究部への登坂道路で猪の子供の「うり坊」に遭遇したことを紹介しましたが,暖かくなってきた影響なのか,果樹研究部の敷地内では,今週の初めころから1頭の狸がチョロチョロしています。
本来,狸も夜行性のはずですが,月曜日には溜池の畔で,木曜日には研究圃場脇の排水溝で,日中に堂々と姿を見せています。
しかも,この狸は,お尻の周りの毛が抜け落ちています。
これは,ヒゼンダニが皮膚に入り込んで発症する「疥癬症」という皮膚病だそうです。
狸は,民話「カチカチ山」や「分福茶釜」に代表されるように,人を騙したり,化かしたりするイメージが強いのですが,毛の抜けた狸の姿は,ちょっと痛々しいですね。
(果樹研究部Yk&Nh)

令和2年6月8日 路上の珍客

うり坊
先週半ばの日中,ここは,山中にある果樹研究部への登坂道路。
車を運転中,突然,フロントガラス越しに,路上を素早く走る動物が眼中に飛び込んできました。
あれは何だぁ…???
子犬?子猫?いやいや,あの背中の白い縞模様は…。
そう,猪の子供の「うり坊」です。
親から逸れたのか,道端の茂みから車体の前に飛び出して来て,慌てふためいて逃げ惑う姿を同乗者がスマホのカメラで写真にパチリッ!
猪の繁殖期である春に生まれ,まだ4か月を経過していないのか,背中の縞模様がめいりょうに残っています。
今日は可愛い「うり坊」だから事なきを得ましたが,この路上では稀に猪や鹿の成獣に出くわすこともあります。
まぁ,事故が無かったのが不幸中の幸いといったところでしょうか。
皆さんも,山中の路上では,予期せぬ来客にご注意を…!
(果樹研究部Oh&Ih&Nh)

令和2年6月5日 カンキツ葉上のアブラムシとテントウムシ

カンキツ葉上のアブラムシとテントウムシ
果樹研究部の研究圃場に栽植されている果樹には,気温の上昇とともに多くの害虫が加害し始めますが,写真にあるカンキツ新梢の先端部の柔らかい葉上に群がっている緑色の小さな虫はユキヤナギアブラムシです。
ユキヤナギアブラムシは,この時期から主にカンキツ等の若葉の裏側で増殖し,葉の養水分を吸汁するため,葉の裏側を内面にして巻き込んでいきます。
近くの葉上にいて虎視眈々とアブラムシを狙っているのは,ナミテントウムシでしょうか。
テントウムシは肉食のものも多く,カンキツ園ではアブラムシの増殖とともにチラホラと見つけることができ,生産者にとってはアブラムシを食べてくれる有にくい虫です。
とは言え,余りにもアブラムシが増えすぎるとテントウムシだけでは退治できなくなりますので,別の防除手段も考えないといけないでしょうね。
今年も暑さと共に,厄介な虫達の防除時期がやってきましたね。
(果樹研究部Nh)

令和2年6月4日 接ぎ木研修の成果

高接ぎ後のレモン穂木からの新梢伸長
4月27日の研究員日記では,果樹研究部でカンキツ類を担当するベテラン研究員が講師となり,農業技術指導所で果樹を担当する若手の普及指導員4名と本年度から当研究部に配属になった新任研究員1名を受講生として,レモンの接ぎ木研修を行ったことを紹介しましたが,研修材料となった高接ぎのレモン穂木は,その後どうなっているのでしょう?
該当する樹体を観察してみれば,ほとんどの接ぎ穂が活着し,少し赤みを帯びた葉の付いたレモンの新梢が順調に伸長していました。
この結果は,研修での講師の上手な指導と,参加した受講生の呑み込みが優れていたことに由るのでしょうね。
ひとまず,この技術研修は成功のようです。
(果樹研究部Ky&Nh)

令和2年6月2日 ハート型のレモンの葉,しかもダブルです!

(1)大小2枚連なったハート型のレモン葉
昨年度の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場で見つけた珍しい形のカンキツ類の果実として,7月25日と11月12日に「ハート型ミカン果実の発見と成熟」を,また, 12月6日に「仏の手をしたレモン果実」について紹介しましたが,今回は,レア物のレモンの葉を紹介します。
先週末に,カンキツ担当の職員が当部の研究圃場でレモン樹の剪定と誘引作業を行っていた時に,ハートの形をしたレモンの葉を見つけました。
しかも,1枚の葉と思いきや,大きいハートと小さいハートの葉が2枚連なっています。
これを見つけた二人の職員は,一人は独身で,もう一人は新婚さんです。
このハート型のレモン葉が,独身の彼には愛のある新たな出会いを,新婚さんには奥様との更なる愛の深まりをもたらしてくれますように…!
(果樹研究部Kmo&Mk&Nh)

令和2年6月1日 研究圃場における落葉果樹の生育は今…?

(1)ナシ「幸水」の果実肥大 (2)モモ「さくひめ」の果実肥大 (3)ブドウ「ピオーネ」の開花
今日から6月となりましたので,今日は,果樹研究部の研究圃場に植えてある落葉果樹の最近の生育状況を紹介します。
露地栽培のナシ「幸水」は,先週までに摘果を終え,果実の肥大はちょうど大人の親指を越えた位の大きさです。
露地栽培のモモ「さくひめ」は,当部のモモ園にある品種では最も果実肥大が進んでおり,次第にテニスボールの大きさに近づいています。
簡易被覆栽培のブドウ「ピオーネ」は,先週末に開花期を迎えたばかりで,ジベレリン処理の時期となっています。
いずれの樹種も適切な栽培管理により順調に成長しています。
(果樹研究部Ss&Sn&Nh)

令和2年5月29日 果樹の成長につれ多様な農作業に勤しんでいます

(1)ナシ摘果 (2)レモン幼木の剪定 (3)カンキツ園の除草
季節は,あらゆる生命が満ち満ちていく時期とされる「小満」を迎え,果樹も陽光を浴びて旺盛な成長を示しています。
今週の果樹研究部の研究圃場では,果樹の成長に付随して増加してくる病害虫の防除頻度が高まるとともに,ナシの摘果,レモン幼木の剪定&誘引,繁茂する雑草の刈り取り等,職員が様々な栽培管理に勤しんでいました。
職員は研究圃場での諸作業に追われていますが,農繁期のピークは,これからです。
(果樹研究部Kma&Kmo&Dma&Dmi&Mc&Wd&Yn&Nh)

令和2年5月28日 ガラス室の屋根のお化粧

(1)うっすらと白く変色したガラス室の屋根
5月も終盤に差し掛かり,徐々に日中の日差しが強まりつつある中,本日,果樹研究部のガラス室では,ポット育成しているカンキツ樹を夏の暑さから守る一方策として,白色の炭酸カルシウム剤に接着剤を混和して屋根に散布する作業が行われていました。
散布後のガラス室の屋根は,薄っすらとお化粧を塗ったように,色白に変わりましたよ。
この作業は当部における毎年の恒例作業ですが,今年も暑熱対策として多少なりとも有効に機能しますように…。
(果樹研究部Km&Nh)

令和2年5月26日 早くも貯水池に菱が・・・

(1)貯水池の菱
ここのところ日差しの射す天候が続いており,果樹研究部では,あちらこちらの研究圃場で貯水池から汲み上げた水の潅水作業が行われています。
ふと貯水池の水面に目をやれば,今年も,浮草の「菱」が広がり始めていました。
今年の菱の発生は,例年よりも早いような気がします。
果樹研究部では,例年,厄介者の菱対策には悩まされていますが,菱が水面を覆ってから対応したのでは手間取りますので,今年も早めに除去したいものです。
ボートが貯水池の水面で活躍する時期は近そうですね。
(果樹研究部Nh)

令和2年5月25日 通り道

(1)修繕箇所の正常な状態 (2)修繕後に何者かが通った跡
果樹研究部には敷地の周囲に高さ1m程度のフェンス等が張り巡らされていますが,フェンスの金網が何者かによって壊され,大きな穴を開けられていることがあります。
昨冬も敷地の北端部付近のフェンスが壊されていたので,15~20cm間隔で直管パイプを地面に打ち込んで応急対策を講じたのですが,訪れる度に直管パイプの中央部が開き,大きな隙間ができているではありませんか。
今でも何者かが,ここを当部の研究圃場への通り道として利用しているようです。
ここにも招かざる侵入者の痕跡が生々しく残されており,獣の気配が感じられます。
コロナ対策等で山中の職場への訪問者が例年よりも少ない日々ですので,獣とは言えども一時の賑やかしになりますが,試験樹に悪影響を与えないように,早急に更なる補強が必要ですね。
(果樹研究部Nh)

令和2年5月21日 温州ミカンの開花

(1)開花直後の温州ミカンの花 (2)落弁期の温州ミカンの花
4月28日の研究員日記では,果樹研究部の研究圃場における温州ミカンやレモンの花の生育状況を紹介しましたが,その後,花の生育の進展は予想していたよりかなり遅れ,温州ミカンでは先週末から今週始めに満開期を迎え,現在は花弁が褐変して落ち始める落弁期に差し掛かっています。
当初は暖冬の影響で本年のカンキツの開花が例年よりも早まることを心配していましたが,結局,今年の開花時期は平年並みでした。
とは言え,ちょうど先週末以降に満開期から落弁期を迎えていた当部の温州ミカン園では,開花期防除試験の時期に降雨や強風が重なったため,防除のタイミングに気をもみました。
どうか試験結果に悪影響を及ぼしませんように…!
(果樹研究部Mt&Nh)

令和2年5月18日 多目的ネット張り

(1)モモ園での展張作業 (2)展張作業が終わったイチジク園
果樹研究部にあるモモ,イチジクおよびナシの研究圃場では,園内に飛来してくる,夜蛾,カメムシ,シンクイムシ,カミキリムシ等の害虫を始め,カラス,ヒヨドリ等の鳥類や,極々稀に発生する降雹等の被害から果実を守るため,生育期間中には多目的ネットを活用しています。
今日は8名の職員により,モモとイチジクの研究圃場で多目的ネットの展張作業を行いました。
ナシの研究圃場は40a近い面積があるため,今日の2倍程度の人手を確保できる日に展張作業を行う予定です。
この作業は多人数を要しますが,安心して果実を育てるために,もうひと手間が必要です。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和2年5月14日 棘

(1)野いばらの花 (2)野いばらの棘 (3)レモンの棘
一昨日のお昼休みに果樹研究部の敷地内を散歩していたら,防風樹に絡みついている野薔薇の白い花に目が留まりました。
野薔薇の花は,この時期に山野等でよく見かけ,微かに初夏の訪れを感じさせてくれます。
しかし,ゲーテが作詞し,シューベルトやヴェルナーが作曲した「野薔薇」という曲にも,「折るなら折ってごらん。あなたが忘れないように棘で刺すから…」と解釈できる歌詞があるように,その涼しげで清楚な花を摘もうとすると,茎にある鋭い棘が指に刺さり,痛い目にあいます。
身近な果樹では,カンキツ類も棘が発生しやすく,本県で生産振興しているレモンはその代表格で,生産現場では棘のない品種の育成を期待する声があります。薔薇には棘があるからこそ美しさが際立つのかもしれませんが,レモンの枝にある棘は,生産者にとって確かに危険で邪魔な産物ですね。
(果樹研究部Nh)

令和2年5月11日 ブドウの新梢管理

(1)芽かぎ (2)捻枝 (3)誘引等の技術継承
果樹研究部では,先週後半の晴天日に,ブドウの新梢管理が行われていました。
この時期のブドウの樹には,短梢栽培の主枝の両側に,伸長した新梢が乱立しています。
ブドウでは,側枝1か所から複数の芽が伸長可能なように芽数が残されているため,発生した新梢をそのまま放置すると葉が重なり合って混雑します。
このため,隣接する側枝との間隔を考慮しながら,花穂の着生している新梢を1か所1~2本残すように「芽かぎ」という作業を行います。
残された新梢は棚付けを行うのですが,新梢をそのまま棚付けすると折れてしまうことがあるため,新梢基部の節を指で固定して枝を捻じ曲げる,「捻枝」という作業後に棚付けを行うことがあります。
こうして棚面に引き寄せられた新梢は,テープナーを用いて棚に結束され,「誘引」という作業が完了します。
これら一連の作業は,この時期のブドウ樹に必須の新梢管理です。
果樹研究部では,今年も,経験の浅い職員に対し経験豊富な職員から技術継承を図りつつ,ブドウの新梢管理を進めていきました。
(果樹研究部Dm&Mc&Wd&Nh)

令和2年5月8日 立夏のころ

庁舎南側風景
暦の上では,今年も5月5日に「立夏」を迎えました。
「立夏」は「夏の気配を感じ始めるころ」とされています。
日々の気温は次第に暖かくなってきたとは言え,「立夏」の言葉を聞いても,空には夏に特有な積乱雲はいまだ無く,ピンと感じられない方が多いと思いますが,ここのところ晴天に恵まれたお陰もあって,心地よい爽やかな風を感じながら農作業をこなすことができるようになりました。
果樹研究部の職員を見渡すと,上着を身に着けた職員はほとんど見かけなくなってきましたし,日中は半袖に着替えたくなるような暖かい時間帯も出始めましたね。
これからますます気温が上がる季節になっていきますが,まだ体が暑さに慣れていない時期でもありますので,熱中症対策にも配慮して農作業を行わないといけませんね。
(果樹研究部Nh)

令和2年5月7日 果樹園への招かざる侵入者

(1)イチジク葉での加害
小高い山の上にある果樹研究部の研究ほ場には,春を迎えて果樹の葉が展開し始めると,周辺の山中から次々と招かざる侵入者が訪れます。
今年もイチジク園に小さな侵入者達が許可なく入り込み,園主の隙を突いて葉を食害しています。
写真はクワゴマダラヒトリの幼虫で,毎年,部内の果樹園に侵入してくる代表格の毛虫です。
胴体の黄色い紋様付近から生えている刺々しい毛は,まるで襟巻のようですね。
こんなに食い漁って,美味いんだろうなぁ~。
でも,試験樹に悪影響を与えないうちに撃退しないとネ…!
(果樹研究部Nh)

令和2年5月1日 ハナミズキ,サツキ,フジの花が咲いています

(1)ハナミズキ (2)サツキ (3)フジ
4月1日の研究員日記では,果樹研究部と管理第二課のある安芸津の職場でサクラとツツジの花が満開期を迎えたことを紹介しました。
現在,安芸津の職場では,グラウンドの隅にあるハナミズキ,法面に植えられたサツキ,職場への登り道の脇に自生しているフジが咲いています。
新型コロナウイルス感染症の終息が見通せない中で,気持ちがスッキリしない日々が続きますが,これらの身近な花々は一縷の清涼感と癒しを与えてくれます。
(果樹研究部Nh)

令和2年4月28日 研究圃場のカンキツの花の生育は今・・・?

(1)温州ミカン「宮川早生」 (2)温州ミカン「石地」 (3)レモン「ビラフランカ」
昨秋から今春までは暖冬でしたので,多くの植物の生育が前進しています。
本年の県内カンキツ産地での早生温州ミカンの満開日を5月5日と予報する情報もありますので,カンキツの開花期防除の試験を担当する者としては,連休を前にしてカンキツの花の生育状況が大変気になります。
そこで,果樹研究部で露地栽培しているカンキツ研究圃場を巡回し,花の生育状況をチェックして回りました。
温州ミカン「宮川早生」では,蕾が覗いているものの,まだ小さく固く閉じたままですが,温州ミカンの中でも開花の早い品種とされる「石地」では,白い蕾が膨らみ始めており,先端が割れているものもあります。
レモン「ビラフランカ」では,まだ出蕾初期の小さな蕾に特有な赤紫色を呈している状態が多いのですが,「石地」よりも大きく膨らみ,赤紫の色素も薄れている蕾もあり,中にはちらほらと開花した白い花弁も見られ始めています。
コロナ対策で外出自粛が求められている最中なので,連休中に開花が進み,急遽出勤しなければならない事態になりませんように・・・!
(果樹研究部Nh)

令和2年4月27日 接ぎ木研修の支援

(1)接ぎ穂作成 (2)刃磨ぎ (3)高接ぎ後のカンキツ樹
今日は,果樹研究部の研究圃場で,レモンの接ぎ木研修が行われました。
研修は,当研究部でカンキツ類を担当するベテラン研究員が講師を務め,農業技術指導所で果樹を担当する若手の普及指導員4名と本年度から当研究部に配属になった新任研究員1名の計5名が受講しました。
いずれの受講者も接ぎ木は初体験のようでしたが,少数精鋭の研修でしたので貴重な技術継承の機会となったようですね。
今後は,更なる自己研鑽により,技術力の向上を図ってください。
(果樹研究部Ky&Nh)

令和2年4月23日 鹿の角擦り跡・・・?

(1)鹿の角擦り跡
果樹研究部の最南端のレモン園へと続く道沿いに杉並木がありますが,久しぶりに歩いてみれば,杉の地際に近い幹の部分が赤茶色に変色していました。
近寄ってみれば,赤茶色に変色した部分では,樹皮の表面が剥がれ,所々に何かで引っ掻いたような跡が見て取れました。
周辺を見渡せば,程度の差はあるものの,約20樹の杉が似たような症状を呈していました。
そういえば,以前にも,他の雑木の幹に類似の引っ掻き傷があり,近くに鹿の角が落ちていたことがありましたので,今回の杉の幹の傷跡も,鹿の角擦り跡なのでしょうか?
山の上にある職場には,獣の気配を感じ取れる箇所があちこちにあります。
(果樹研究部Nh)

令和2年4月21日 執務室のコロナ対策「ビニールカーテン」

(1)ビニールカーテン設置後の執務風景 (2)ビニールカーテン設置後の執務風景
新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言が全国に発令されています。
こうした状況下で,当センターでも,これまでにマスク着用,手洗い,アルコール消毒の徹底は必須事項であり,不急の出張と会議開催,外来者受入の中止,勤務形態の分散等,様々な感染拡大防止対策が講じられています。
今朝は,農業用のビニール資材,パッカー,直管パイプ等を活用して,執務室における新たな対策として,ビニールカーテンが設置されました。
このため,果樹研究部の執務室は5つのスペースに区分されて見通しが悪くなりましたが,対面配置となっていた机の間に物理的な間仕切りができたお陰で,安心して執務できる環境が整いました。
主体となって設置してくれた管理第二課の皆さん,ありがとうございました。
(果樹研究部&管理第二課)

令和2年4月14日 晩生カンキツ品種の果実調査

(1)晩生カンキツ類の果実調査風景
今朝,果樹研究部の調査室を覗いたら,4月以降に食べころを迎える,晩生カンキツ品種の果実調査が行われていました。
温州ミカンに代表される国産カンキツ類は,秋から冬には様々な品種が大量に巷に流通しますが,春以降には出荷される品種数も流通量も減ってきますので,この時期に美味しく食べることのできるカンキツ類は貴重です。
当センターでも,この時期に出荷可能な美味しい晩生カンキツ品種を皆様にお届けできるよう,鋭意努力しています。
(果樹研究部Kj&Nh)

令和2年4月6日 心土破砕機と逆転ロータリー耕でホウレンソウ圃場準備

写真左 心土破砕機写真中央 深耕・全層破砕後写真右 逆回転ロータリーをかけている

硬くなった下層の耕盤を破砕すると土が柔らかくなりホウレンソウの収量が増加することがわかりました。本年は、更に堆肥施用を追加し,心土破砕機(写真左)で深耕・全層破砕後(写真中央),逆回転ロータリーをかけ(写真右)、下層土の物理性、化学性改善効果とホウレンソウの収量に及ぼす影響を明らかにする試験を開始しました。

(生産環境研究部 K2)

令和2年4月6日 カンキツのせん定を技術継承しました

(1)カンキツ剪定講習会
果樹研究部のカンキツ研究ほ場では先月からせん定作業を順次進めています。
カンキツのせん定は,長年の熟練を必要とする重要な作業のため,4月から新しく加わった人材を含めて,カンキツほ場の管理を担当する職員が集まり,講習会により技術継承の機会を設けました。
まず,カンキツを担当する研究員がせん定の考え方や方法を説明し,その後,関係職員がチームを組んで剪定を行っていきました。
これも果樹研究部の大切な技術継承事項の1つです。
(果樹研究部Ky&Nh)

令和2年4月2日 虹

(1)虹250
昨日は日中に雨が降り続きましたが,雨上りの夕方に果樹研究部から東の空を眺めたら,久しぶりに大きくて美しい虹を見ることができました。
空には2本の虹が架かり,内側には濃い主虹,その外側には薄っすらとした副虹を見ることができました。
翌日には暗雲が見られず,すっきりとした晴天となったように,この虹が世界中で蔓延しつつある新型コロナウイルス感染症という暗雲を拭い去る前兆であって欲しいものですね。
(果樹研究部 Sn&Nh)

令和2年4月1日 満開のサクラ&ツツジと共に新年度がスタートしました

(1)桜の開花 (2)ツツジの開花
果樹研究部と管理第二課のある安芸津の職場では,敷地内のサクラとツツジの花が満開期を迎えています。
新年度の初日の天候は,あいにくの雨模様となりましたが,今日は,当職場に新規に着任された6名の職員をお迎えし,着任式やオリエンテーション等が行われました。
新しい顔ぶれも揃いましたので,新型コロナウイルス感染症に負けずに,ワンチームとなって貢献度向上に努めます!
(果樹研究部&管理第二課)

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