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かいよう病に強く種子が少ない晩生カンキツ新品種「瑞季(みずき)」

印刷用ページを表示する掲載日2020年7月13日

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背景・育成経過

県内のカンキツ産地では,広島原産の特産品としてハッサクや「安政柑」が栽培されています。これらはブンタンの爽やかな風味を有する品種として根強い需要がありますが,種子が多く皮が剥きにくいことから,生食の消費は伸び悩んでいます。そこで,消費拡大に貢献できるよう,種子が少なくカットフルーツに向く等の特性を持つ食べやすい品種の育成をめざしました。本品種は京都大学と共同で,平成30年3月7日に品種登録出願し,令和元年11月20日に品種登録(登録番号27604号)となりました。苗木の供給地域は限定しておらず全国での栽培が可能です。苗木は令和3年3月から販売開始となる見込みです。

品種の特性

・「瑞季」は,種子親を「水晶文旦」,花粉親を「サザンイエロー」(「谷川文旦」×「無核紀州」)とした掛け合わせから誕生した交雑品種で,カンキツが端境期となる4月中旬が成熟期です。
・品種名は,果汁が多く,瑞々しい新緑の季節が成熟期であることから命名しました。
・樹勢は中庸で,隔年結果性は弱く着果は良好です(図1)。
・幼木はとげが多いですが,樹齢が進むと減少して短くなり,栽培への影響はなくなります。
・カンキツかいよう病の発生は「土佐文旦」より少ないです。苗木や風雨の強い地域では,適宜防除を行います。
・果実は短卵形~洋梨形で,短いネックを生じる場合もあります(図2)。
・果皮は鮮やかな黄色で(図2),香りは花粉親の「サザンイエロー」に類似しており,甘い芳香を有しています。
・果実重は500g程度で「河内晩柑」より大きく,果肉歩合は同等であり(表1),果心は大きいです(図2)。
・完全種子数は「河内晩柑」より極めて少なく(表1),「無核紀州」型無核性を継承しています。
・種子が少なく果肉が柔らかく果汁が多いので,スマイルカット(図3)や赤道部でカットしてスプーンですくって食べるのに向きます。
・糖度は「河内晩柑」より高く,3月上旬に収穫して常温貯蔵すると, 4月中下旬には糖度は上昇して12%程度になり,酸度は減少して1%程度となります(図4)。糖酸比が高く,食味は良好です(表1)。
・これまでの貯蔵試験では,腐敗果や果皮障害の発生も少なく貯蔵性は高いです。
・品種特性と栽培上の留意点をまとめた『 瑞季 -品種特性と栽培のポイント- 』を,令和2年3月に作成しました。

瑞季

留意点

・樹上越冬で食味が向上するため,暖地での栽培が適します。寒波襲来前に早期収穫する場合は,マルチ栽培などで糖度の向上に努めます。
・5月中旬以降に出荷する場合は,温度の上昇に伴いす上がりが発生するので,冷蔵貯蔵を行います。
・ハウス栽培等で開花~幼果期に高温に遭遇すると,種子が入りやすくなるため換気に努めます。
・苗木の供給については,一般社団法人日本果樹種苗協会へお問い合わせください。

担当

広島県立総合技術研究所農業技術センター 果樹研究部

お問合せ先

広島県立総合技術研究所農業技術センター 技術支援部/果樹研究部
Tel: 082-429-0522/0846-45-5471

 

※本研究の一部は,農研機構生研支援センターの『イノベーション創出強化研究推進事業(課題番号:27035C)』において実施しました。

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