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水田転換キャベツほ場での緩傾斜付与と畝立の組み合わせによる排水性向上効果

印刷用ページを表示する掲載日2019年1月4日

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背景

キャベツ栽培では,作土水分を適切に保つことが重要となります。しかし,水田転換ほ場は,粘土分を多く含むため排水が悪く,作土の水分過多による根腐れ等の湿害が発生するため生産が安定しません(写真1)。
生産環境研究部は,粘質ほ場にレーザーレベラーを使用して(写真2),1/500(長さ50mで10cmの高低差)の緩やかな傾斜の付与と畝立による地表排水の促進で,キャベツの湿害を軽減し増収できることを明らかにしました。

内容

・レーザーレベラーによる傾斜施工
粘質の作土が乾燥している時に実施し,面積30aの一筆ほ場であれば1時間半程度で終了します。しかも,1/500傾斜は長期間(施工後,約27か月間)持続することから,キャベツの作毎に施工する必要はありません。
・作土の水分状態
過湿状態を示すpF1.5未満の遭遇時間の比率は,傾斜+畝立ほ場が0.7%で均平+平畝ほ場の42.6%と比べて著しく低く,地表水を早くほ場外に排出することで作土の過湿時間を短縮できます(図1)。
・地下水位
均平+平畝ほ場は,強雨直後から地表まで上昇し長期の滞水が認められます。一方,傾斜+畝立ほ場は畝高が均平+平畝ほ場と比べて7.3cm高く,畝面まで上昇することはありません(図2,表1)。
・キャベツの湿害株発生率および収量
湿害株の発生率は,傾斜+畝立ほ場が2.5%で均平+平畝ほ場の28.8%と比べて低くなります。また,1株当たりの結球重は傾斜+畝立ほ場が2.69kgで均平+平畝ほ場の1.92kgと比べて40%と有意に増加します(表1)。

以上から,1/500傾斜付与および畝立は降雨後の作土水分,地下水位ともに低く推移することから地表排水に有効な方法で,これらにより,キャベツの湿害発生が軽減され収量が増加します。
写真図表

留意点

傾斜付与ほ場では,傾斜の低い方に降雨後の地表水が集まるため,その先に簡易な明渠による排水が必要です。ほ場周りには額縁明渠を併せて設置することで,高い地表排水効果が発揮できます。

担当

広島県立総合技術研究所農業技術センター 生産環境研究部

お問合せ先

広島県立総合技術研究所農業技術センター 技術支援部
TEL: 082-429-0522 メールでのお問合せはこちら

本研究は,公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会の支援を受けて行いました。

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