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ローカル鉄道に係る議論について

印刷用ページを表示する掲載日2025年1月17日

広島県の考え方

全国的な鉄道ネットワークのあり方について

 JRが担う全国的な鉄道ネットワークは、全国で公平に安定して確保されるべきユニバーサルサービスの一つとして重要な役割を担い、国土強靱化や地方創生を始め、国土の均衡ある発展などの観点から必要な社会インフラです。

 しかし、JRによるローカル鉄道のあり方検討の表明が全国各地で続いており、このままではJR、1企業の判断により、路線の廃止が全国で際限なく広がっていくことを強く懸念しています。

 こうした状況を踏まえ、広島県としては、鉄道ネットワークを確保し、維持していく観点から、

  • 地方創生や国土強靭化といった将来の国土のあり方を見据えた鉄道ネットワークの位置づけ

  • 国鉄改革時に、会社全体の経営の中で内部補助によりローカル線を維持していくことが基本とされたJRの経緯や、JR西日本の令和5年度1,673億円の経常黒字といった現在の経営状態を踏まえたローカル線の維持に関する内部補助の考え方

  • JRによる路線の維持が難しい場合の国の責任や負担のあり方

 などについて、国は早期にその方向性を示す必要があると考えます。また、このことは、芸備線再構築協議会の議論の大前提と考えています。

持続可能な地域公共交通について

 JRによるローカル線の放棄が際限なく拡大し、仮に自治体の負担において鉄路の維持や代替交通を確保する場合には、国の財政支援がなければ、自治体の財政運営が悪化し、自治体の経営そのものが難しくなる可能性があります。

 こうした中、国鉄改革により税投入や事業用固定資産の承継などを受けて発足したJR西日本の経常利益は、令和5年度で1,673億円の黒字となるなど巨額の利潤を上げており、国や地方に負担を転嫁することが適切なのか、十分な議論が必要です。

 全国につながる鉄道ネットワークを維持するとともに、JRが責任をもって負担することが、持続可能性が高く適切であると考えます。

【参考:中国地方ローカル線の現状とJRによるあり方検討の表明状況について】

JRあり方検討状況

 

  • 再構築協議会の対象となる可能性の高い輸送密度1,000人未満の路線は、財政力の弱い中山間地域を通るローカル線が多く該当し、広島県内においては、今回、再構築協議会の対象となっている芸備線のほか、福塩線の一部、木次線が該当します。​
  • 仮にJRがローカル線の維持を放棄する場合には、自治体が鉄路を維持・運営する対応やモード転換等により代替交通を確保する対応が必須となり、いずれも自治体の財政需要は大幅に増加することが見込まれます。鉄路の維持や、代替交通の確保に当たる財政負担は非常に重く、これが拡大すれば、自治体の経営そのものが難しくなる可能性があります。

 

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