JRが担う全国的な鉄道ネットワークは、全国で公平に安定して確保されるべきユニバーサルサービスの一つとして重要な役割を担い、国土強靱化や地方創生を始め、国土の均衡ある発展などの観点から必要な社会インフラです。
しかし、JRによるローカル鉄道のあり方検討の表明が全国各地で続いており、このままではJR、1企業の判断により、路線の廃止が全国で際限なく広がっていくことを強く懸念しています。
こうした状況を踏まえ、広島県としては、鉄道ネットワークを確保し、維持していく観点から、
地方創生や国土強靭化といった将来の国土のあり方を見据えた鉄道ネットワークの位置づけ
国鉄改革時に、会社全体の経営の中で内部補助によりローカル線を維持していくことが基本とされたJRの経緯や、JR西日本の令和5年度1,673億円の経常黒字といった現在の経営状態を踏まえたローカル線の維持に関する内部補助の考え方
JRによる路線の維持が難しい場合の国の責任や負担のあり方
などについて、国は早期にその方向性を示す必要があると考えます。また、このことは、芸備線再構築協議会の議論の大前提と考えています。
JRによるローカル線の放棄が際限なく拡大し、仮に自治体の負担において鉄路の維持や代替交通を確保する場合には、国の財政支援がなければ、自治体の財政運営が悪化し、自治体の経営そのものが難しくなる可能性があります。
こうした中、国鉄改革により税投入や事業用固定資産の承継などを受けて発足したJR西日本の経常利益は、令和5年度で1,673億円の黒字となるなど巨額の利潤を上げており、国や地方に負担を転嫁することが適切なのか、十分な議論が必要です。
全国につながる鉄道ネットワークを維持するとともに、JRが責任をもって負担することが、持続可能性が高く適切であると考えます。