家に帰ると、やす子姉さんが来ていた。父さんの妹だ。航空会社の乗務員の仕事なので会うのは久しぶり。僕は、やす子姉さんといる時は、何だか心がホッとするんだ。やす子「今回のフライトはねえ、オーストラリアだったの。海がとってもきれいだったわ。あっ、そうそう、はいっ!これ、『お す そ 分 け』よ。ほらあ、きれいな貝殻でしょう。オーストラリアの友達からもらったの。」僕 「うん、ありがとう。きれいだね・・。ねえ、やす子姉さん、おすそ分けって何?」やす子「人からいただいた物や、自分で作った物を少しだけ分けて、別の人にあげることよ。お姉さんも,ほら,君からもらった星の砂,大切にしてるわよ。喜びのおすそ分けね。」やす子姉さんは、ショッピングセンターの僕の出来事を知っているらしい。僕の話を、ずうっと最後まで聞いてくれた。話しているうちに、僕は心の中が少し軽くなったような気がした。やす子姉さんは、僕の肩をやさしく抱きながらやす子「君も、つらかったわねえ。でもね、君のお父さんとお母さんは、今、きっと、自分たちを責めていると思うな。」僕 「どうして?僕が万引きをしたのに・・自分たちを責めるの?」やす子「そう、親ってそういうものなのよ・・・」この時、僕はまだ、やす子姉さんの言葉の意味がよく分からなかった。