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令和5年度 第3回 福山東警察署協議会

印刷用ページを表示する掲載日2024年3月21日

開催日時

令和6年2月19日(月曜日)午後3時30分から午後5時15分まで

開催場所

福山東警察署

出席者

協議会 会長以下 13人
警察署 署長以下 18人

会議内容

会長挨拶

 皆さん、こんにちは。本日は、令和5年度第3回福山東警察署協議会にご出席頂きありがとうございます。
 今年に入り、元日には能登半島地震、翌2日には航空機の接触事故があり、凄絶なスタートを切ることになってしまいました。能登半島地震では、自衛隊や消防とともに全国から派遣された警察官が安否不明者の捜索と治安維持にあたられたようですが、有事の際にいち早く対応できるのは、日頃からの備えと訓練の賜物だと思います。引き続き管内の治安維持に加え、予想される将来の災害等への対策を期待するところです。 
 本日は、地域の声を警察業務に反映してもらう良い機会ですので、ぜひとも活発な討議にしていきましょう。

署長挨拶

 御多忙中のところ『第3回福山東警察署協議会』に御出席を頂き誠にありがとうございます。
 委員の皆様をはじめとする関係団体の皆様のご協力のおかげで昨年1年を無事乗り越えることができましたが、本年元日早々に石川県能登半島において大地震が発生いたしました。当署からも特別警ら隊を派遣いたしましたので、後ほどその時の状況などを特別警ら隊長からお伝えさせていただきます。震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈りするとともに、いまだ安否不明の方の一刻も早い発見を祈るばかりでございます。
 さて、管内の情勢ですが、令和5年中の刑法犯認知件数が昨年比+27%と大幅に増加しています。主な増加要因は自転車盗となりますが、昨年中から駐輪場に対する警戒を強化し、「仕掛けタグ」を活用した自転車盗抑止対策等を推進することで、減少の兆しが見えてきたところでございます。
 今後も情勢の変化に応じて対策を講じてまいりますので、ご協力をよろしくお願いいたします。

警察署協議会連絡会の報告(会長)

 2月7日に警察本部で開催された警察署協議会連絡会に出席してまいりました。各署様々な取り組みをされておりました。安佐北署では、コンビニを経営されている委員の協力を得て、特殊詐欺の被害防止を目的としたコンビニでの声掛け要領のDVDを作成し、管内のコンビニに配布したそうです。
 福山東警察署は非常に大きい署なので、同じようにとはいかない部分もあるかと思いますが、参考になる会議でした。

令和6年能登半島地震災害派遣報告(特別警ら隊長)

 元日に発生した地震では、地震発生数時間後には特別警ら隊長に災害派遣出動に関する調整連絡が入りました。当署の特別警ら隊は、広島県の第2次派遣部隊として石川県輪島市に派遣されました。被災地での任務は、安否不明者の捜索でしたが、安否不明者への影響を考慮すると重機はほぼ使用できず、手掘りでの作業となりました。
 付近の川が土砂で堰き止められたことにより、元々田んぼだったところに川のように水が流れており、流れ込む水をまず土嚢で堰き止めてからの作業となるなど困難な現場もありました。
 災害派遣では自活が大原則で、マジックライス等の保存食を持っていき、毎食ほぼ同じものを食べることになります。今回は石川県の警察学校で寝泊まりすることができ教室に畳を数枚入れてその上で寝る状況でしたが、災害派遣の寝床としては非常に恵まれていたと言えます。
 皆さんも日頃から食料を備蓄するなど、災害に備えておくことでいざとなったときに落ち着いて対応できるかと思います。

令和6年広島県警察基本方針等について

◎基本方針

 安全・安心を 県民とともに築く 力強い警察

◎運営重点

  • 総合的な犯罪抑止対策の推進と検挙力の強化
  • 子供・女性・高齢者等を守る取組と少年非行防止対策の推進
  • 住民の安心感を高める地域警察活動の推進
  • 組織犯罪対策の推進
  • 交通事故の抑止と安全で円滑な交通の確保
  • 災害、テロ等緊急事態対策の推進
  • サイバー空間の安全の確保
  • 複雑化する社会に適応する警察運営の推進

協議事項

令和5年の犯罪認知状況について

 令和5年中の福山東署管内での刑法犯認知件数は1630件でした。令和4年中と比べますと348件増加しています。増えた要因として、自転車盗難154件増加、車上ねらい56件増加が挙げられます。
 特殊詐欺の被害状況ですが、令和5年中は35件総額1億1580万円の被害が出ています。特に目立ったのは還付金詐欺で、発生件数は19件でおととしに比べ4倍にも及んでいます。還付金詐欺とは、犯人が市役所や年金事務所を名乗り被害者の家に電話をかけ、収めた税金や年金の還付金があると嘘の説明を行い、言葉巧みにスーパーなどのATМに誘導し、犯人が被害者の携帯電話に指示をして、お金を犯人の口座に送金させられるものです。今年に入っては、特殊詐欺全体では5件約1450万円の被害を認知しています。中でも、パソコンの操作中にウィルスに感染したという表示が出て、その修理のために指示されるがままコンビニでギフト券を購入し犯人にギフト券の番号を伝えて金額分が使われるという被害が発生しています。引き続き、広報とコンビニや金融機関への水際阻止の働きかけを続けていきます。
 令和6年も、引き続き挙署一体となった犯罪抑止活動を進め、誰もが安全安心を実感できる福山市の実現を目指します。

令和5年の交通情勢について

 令和5年中、死亡事故は減少しているものの、発生件数、負傷者数、重傷者数、物損事故は増加しています。コロナが第5類となり、人の動きが活発化したことも影響していると思われ、今後も交通事故の増加が懸念されるところです。
 福山東警察署の交番別人傷事故の発生状況ですが、人傷事故については、曙・野上・御船町・引野・蔵王交番管内で多く発生しています。令和4年と比較すると増加が著しいのが曙・御船町・野上・駅前交番管内です。物損事故については発生件数が多い順に、曙・野上・駅前・引野・深津・御船町・蔵王交番管内となります。令和4年と比較すると増加が著しいのが駅前・引野・胡町・深津・春日交番管内といった状況です。
 本年は、昨年の交通事故の発生状況や交通指導取締り推進結果を綿密に分析・検討し、継続して対応すべき管内の交通問題や、住民からの要望のほか、交通情勢の変化に取締り活動が的確に対応するものとなるような取締りを推進しています。PDCAサイクルの各段階で警察署内において情報の共有を行い、適宜その活動の見直しを行う等により、交通指導取締り活動を活性化していきます。
 令和5年中福山東警察署管内では6件の交通死亡事故が発生しました。このうち、5件が65歳以上の高齢者が被害に遭う事故となっています。また、6件の内の4件が単路での事故となり、その他2件が交差点での出会い頭と右左折時の事故となっています。なお、令和5年11月4日に発生した事故は、事故後、被疑車両が逃走するという死亡ひき逃げ事件に発展しました。発生当初から署員一丸となって捜査に当たり、1週間後に被疑者を検挙しました。
 前回の第2回警察署協議会以降の取り組みについて説明します。12月に「令和5年 年末交通事故防止県民総ぐるみ運動」を実施しました。関係機関や各種団体等と連携して活動した結果、12月中は重大事故の発生を抑止することができました。当署としましては、今後も、関係機関や各種団体等と連携を密にして、真に安全意識を高揚させる広報啓発活動を実施してまいります。
 また、昨年広島県において清掃業者の車両による交通死亡事故が多発したことを受けて、福山市内の清掃業者に対する交通安全講話を実施しました。このような各企業業者・小中学生・高齢者に対する交通安全講話を、前回の警察署協議会以降に45回実施しています。今後も、広く交通安全に資する講習を実施する予定としています。

委員からの質疑・回答

【質問】
 近所の山で放火とみられる山火事があり、地域でも対策していますが、山を登る見慣れない人を見ると疑う心が出ます。不審な人等を見たらすぐに通報してもいいのでしょうか。

【回答】(地域第三課長)
 不審者を発見した場合は、機を逸することなく110番通報していただければと思います。
 ご質疑いただいたように「見慣れない人」という不審ポイントは、その地域に住む住人やコミュニティを深く把握・理解している皆様方だからこそ不審と感じることできるポイントです。
 我々警察としましてもパトロール活動や巡回連絡をはじめとした各種警察活動により管内実態の把握に努めておりますが、より地域実態を把握されている皆様方の通報が、犯罪の未然防止に大きく寄与しているのです。
 警察官が職務質問等の対象となった不審者に対して通報者の情報を伝えることはありませんのでご安心ください。

【質問】
 自転車のヘルメット着用が努力義務化されましたが、特に通学中の高校生の着用率が低いように思います。福山東警察署の取り組みについて教えてください。また、今後努力義務から義務へと移行する予定があるのでしょうか。

【回答】(交通第一課長)
 昨年4月からすべての人を対象にヘルメット着用が努力義務化され、その年の7月にヘルメットの着用率の調査結果が出ましたが、全国平均13.5%に対し広島県は6.6%と全国平均を大幅に下回っている結果となりました。そこで、福山東警察署といたしましては、着用率をあげるために各種交通安全教育の場で繰り返し、ヘルメットの重要性を説明するとともに、また、自転車に対する交通指導取締りの場においても、直接、訴えている状況であります。
 質問であったように、高校生の着用率が低いという現状があり、これは中学校と違って校則で決められていない背景があり、警察といたしましては、引き続き、学校関係者と連携して、生徒を守る立場から校則の見直しの検討等を、お願いしているところでございます。
 次に、「今後、努力義務から義務へと移行する予定ですか。」ということについてですが、その予定は現在のところありません。しかし、バイクのヘルメットが努力義務から始まり、段階的に罰則ありのヘルメット着用の義務化になったという経緯があり、バイク人口が増えたことと、若年層の事故増加の背景があったそうです。警察といたしましては、事故が増加する前に、引き続き交通安全教育・交通指導取締り・そして自転車が安全に快適に走行できる空間づくりに努めてまいりたいと思っております。

【質問】
 横断歩道で車が停まってくれない件で、以前看板を設置後改善されたが、再び設置前の状況に戻った。横断歩道や停止線が消えかかって見えにくいのでは。

【回答】(交通第一課長)
 昨年、日本自動車連盟(JAF)が信号機のない横断歩道で、車が一時停止する割合を調べた結果が、同年10月に公表されましたが、広島県は全国平均を3.4%上回る48.5%という結果となりました。2018年の調査では全国ワースト2位(停車率1%)でしたが、当時と比べると大幅に改善しました。しかし、いまだ5割以上が一時停止していない現状があり、ご指摘のあった場所も、一時停止していない車両が多いことから、警察といたしましては、引き続き、交通指導取締りの強化及び交通安全教育の場で繰り返し指導していきたいと思います。
 なお、質問のあった横断歩道ですが、令和6年度の第1回目の工事で、新しく塗り替えることになっており、また、この度、現地調査をした際に、一部横断旗が黒っぽくなっていたので、少し大きめの横断旗(新品)2本を追加しておりますので活用して下さい。

【質問】
 西町の南北の道路で車道の端に二輪車の通行ラインを設けたところがありますが、車両運転者からは危険と感じることがあります。この状態になった経緯を教えてください。

【回答】(交通第一課長)
 車道の端に二輪車の通行ラインを設けた場所があるとのことですが、これは、自転車が通行すべき場所を記した自転車走行指導帯といいます。自転車マーク及び青色矢羽根で表示され、公安委員会の規制ではありません。
 この対策に至った経緯について説明します。自転車は、通勤・通学など日常生活の様々な目的で多くの人々に利用され、近年では環境面や健康志向の高まりなどを背景に、その利用ニーズが高まっています。その一方で、自転車利用環境には安全性・快適性の面において様々な問題があり、昭和40年代、交通事故が急増したことから、その対策として、自転車と自動車の分離を図りました。しかし、近年では、特に歩行者と自転車の交通事故の増加割合が著しく、歩行者の安全が確保されているとはいえない状況であり、そこで、歩行者・自転車の安全な通行の確保が求められてきました。このような背景から、国土交通省と警察庁は、自転車の走行環境の整備を推進しました。
 当署管内では、様々な場所において、道路管理者と連携しながら整備が行われていますが、お尋ねの場所については、付近に高校があり、学生が多く通行する現状から、平成25年に整備が始まり、今の現状となっている次第であります。また、付近の歩道は、特別な条件を除き、原則、自転車は、歩道通行できないようになっていますから、歩行者の安全を確保するために、自転車は車両であるという原則のもと、自転車が走行すべき場所を記した状況となります。

【質問】
 交通事故発生から事情聴取まで3か月かかったが、これは一般的なのでしょうか。

【回答】(交通第二課長)
 まずは、事情聴取に時間がかかったことについて、大変ご迷惑をおかけしました。ただ、これは決して捜査員が事故処理を疎かにしていたというわけではないので、どうかご理解ください。
 そこで、当署が扱う事故(人傷事故)について説明させていただきますが、昨年1年間で扱った主な事故は、人傷事故574件、当て逃げ事故929件など、県下で一番の対応数でして、この事故に対して事故係の12人が、1日4人ずつの3交替で事故対応、そして処理をしておりました。また、そのほとんどが事故により病院に運ばれたり、入院したり、あるいはあってはいけないのですが飲酒や無免許があったりと、その日に処理ができない事故が多数発生しております。また、ひき逃げ事故の捜査は、そのほとんどがわずかな情報から被疑者の割り出し等の捜査を行うので、被疑者の特定等完結までにどうしても日にちが掛かるのをまずはご理解ください。
 人傷事故の現場対応や事情聴取、ひき逃げの捜査と処理、逮捕事案の処理等日々発生する事故や事案に対応しながらの、書類作成や呼び出しになるので、委員さんに限らず、最後の事情聴取等までにどうしても時間が掛かってしまうことをご理解いただければと思います。
 最後に、事故係の係員全ての者は、早期処理に向けて一生懸命事故処理に励んでおりますので、どうか事案処理にご理解いただくとともに、応援をしてやっていただければと思います。

【質問】
 福山大学で大麻所持により逮捕者が出ました。福山市内の青少年における薬物使用は広がっていますか。対策はありますか。

【回答】(刑事第二課長)
 大麻は、全国的に検挙人員が年々増加傾向にあり、当署管内においても、大麻事案の取り扱いが増えております。
 福山大学での事件もあったところですが、大麻は、特に10代、20代の若年層を中心に蔓延しており、SNS上では、大麻は、ほかの薬物より安全、害がない、などの誤った情報が広がっており、善悪の分別に乏しい青少年が軽い気持ちで使用に走ってしまうことが多いと考えております。
 警察庁が一昨年に調査した結果では、大麻を初めて使用した経緯について、「自分から求めて」よりも、「誘われて」が最多であり、次いで、「興味本位」、「その場の雰囲気」となっており、身近な環境に影響を受けて、大麻を使用する傾向が認められるところです。
 また、大麻に対する危険性、有害性の認識についても、「全くない、あまりない」が79.5パーセントであり、覚醒剤の7.1パーセントに比べ、危険性の認識が著しく低い結果となっています。
 もちろん、大麻も、身体への依存性を持つものであり、警察といたしましては、大麻を含む薬物事案の取締りを強化するとともに、学校やスポーツクラブ等に対する薬物乱用防止教室を開いたり、保健所や学校等と連携したキャンペーンを実施したりして、薬物の乱用防止対策を進めているところです。

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