記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。
会見日:令和元年10月15日(火曜日)
(1)台風19号による被害への対応について
(2)ローマ法王歓迎メッセージの募集について
(3)旅券申請窓口の拡大について
(4)台風19号による被害への対応について
(5)ローマ法王歓迎メッセージの募集について
(6)台風19号による被害への対応について
(7)ひろしまトリエンナーレについて
(8)せとうち観光推進機構について
(幹事社:山陽新聞)
幹事社の山陽新聞です。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は,午後2時00分を予定しております。ご協力をお願いします。まず,知事からの発表がありますので,お願いします。
私から2点本日発表項目〔が〕ございますが,発表項目の前に,台風19号による被害への対応について一言申し上げたいと思います。今回の台風19号によりまして,多くの方がお亡くなりになり,また,いまだ多くの行方不明者の捜索が続いているところであります。お亡くなりになられた方のご冥福をお祈りいたしますとともに,行方不明となられた方の一刻も早い救出をお祈りしております。また,負傷された方や住宅の浸水などの被害にあわれた方々に対し,心からお見舞いを申し上げます。本県の対応状況ですけれども,警察部隊につきましては,長野県公安委員会からの援助要請〔正しくは援助要求〕に基づき,10月13日から広域緊急援助隊警備部隊等の約30名を派遣いたしまして,当分の間,被災者の救出救助活動等に従事することとしております。 それから,被災地への職員派遣ですけれども,全国知事会を通じて情報収集に努めておりまして,先遣隊を現地に迅速に派遣できるよう準備しているところであります。また,広島県DMAT〔災害派遣医療チーム〕,広島県災害派遣精神医療チーム,〔いわゆる〕DPATです。〔それから〕災害時公衆衛生チーム等の保健医療活動チームにつきましては,国等から応援要請があれば,派遣できるように準備を行っております。さらに,ボランティアの募集については,県社会福祉協議会で全国社会福祉協議会を通じて情報収集を行っているところであります。本県におきましては,昨年の豪雨災害の際,全国の皆さまから多くのご支援をいただき大変お世話になりましたので,今回,できる限りの支援を行いたいと考えております。
それでは,発表項目ですが,1点目は,ローマ法王歓迎メッセージの募集についてでございます。県では,ローマ法王の広島訪問を歓迎する機運をさらに盛り上げていくため,本日より,皆さまから写真付きメッセージを募集したいと思っております。募集する写真は3点,というか3種類のいずれかという意味ですけれども,1つは,ご自身あるいはご家族やご友人と一緒にローマ法王への歓迎メッセージを記載したボードを持って撮影した写真。もう一つは,「折り鶴」,「ハトが飛び立つ風景」,「広島の風景」,「自然」や「家族や友人との団らん」など,ご自分で撮影された写真を加工して,ローマ法王への歓迎メッセージを加えたもの。そしてもう一つは,「国際平和拠点ひろしま」ウェブサイトに写真を用意してございますので,その写真を選んでいただいてローマ法王への歓迎メッセージを入力いただくものであります。お寄せいただきました写真は,モザイクアートに加工して,ローマ法王に届けられるように調整しているところであります。応募方法は,「国際平和拠点ひろしま」ウェブサイトに専用ページを設けまして,11月14日まで募集しておりますので,ぜひ,皆さまからのローマ法王歓迎の思いをお寄せいただければと思います。〔それ〕で,私のメッセージですが,私からのメッセージは「核兵器廃絶に向けて法王のお力をお貸し下さい」でございます。後程,このメッセージとともに写真を撮影しまして,「国際平和拠点ひろしま」ウェブサイトに掲載しますので,ご覧ください。写真はもう撮りましたので後はサイトに掲載するだけですが,〔ご覧いただければと思います〕。県では引き続き,38年振りに広島を訪問いただくローマ法王を万全の体制でお迎えして,また,今回の訪問を,核兵器のない平和な国際社会の実現に向けたより確かな動きに繋げていけるように努めてまいりたいと考えております。
2点目は,旅券申請窓口の拡大についてでございます。ご承知のように,広島県において,旅券の申請先は,住所地の市町に限定されておりますけれども,県民の皆さまの旅券申請の利便性を拡大するという観点から,12月2日から,県内のどの市町でも旅券申請が行えることとしました。本県ではこれまで,全国に先駆けて,旅券の申請窓口を県からより身近な窓口であります市町に移譲する取組を実施してまいりましたが,今回の取組は,県民の皆さまからの意見を踏まえて,さらに利便性を高めるために実施するものであります。特に具体的に言えば,住所地とは別の市町にお勤めの方が,お勤め先の近くにある市町の窓口で旅券の申請ができるというところがとても便利になるのではないかと思っております。なお,住所地と異なる市町で旅券の申請を行う場合には,基本的な手続や手数料というのは,住所地での申請と同じなのですが,住民票の写しをご用意いただく必要がございます。この住民票の写しについては,旅券の申請を行う市町の住民票窓口やコンビニで取得することができます。また,申請者本人が窓口で手続きを行う必要がございます。それから申請先と受取先の窓口が同一の市町でなければならないという点が注意事項としてございます。県では引き続き,旅券の申請手続について,県民の皆さまの利便性向上を図ってまいりたいと考えております。私からは以上です。
(幹事社:山陽新聞)
〔それ〕では,冒頭発言及び発表項目について,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いします。
(中国新聞)
中国新聞の村田です。まず,台風19号関連なんですけれども,緊急放流の各地での実施とかですね,また,かなりの降水量といった辺りがやっぱり県内の人にとっては西日本豪雨を想起させるような事態だったと思うんですけれども,あらためて今回の台風19号の被害をどういうふうにご覧になって,感想を持っておられる状況でしょうか。
(答)
今回の台風被害は非常に広範囲に渡るものであると,そして各所で甚大な被害を起こしているということで,非常に深刻な災害であると受け止めております。
(中国新聞)
まとめていただいている一覧表〔(資料)台風19号による被害への対応について〕を拝見しますと,比較的遠距離と言いますか,被災地から広島が距離があるところもありまして,具体的な支援の動きというよりは,支援の要請があったときのために備えているというのが現状だと思いますけれども,当面,被災地の要請なり知事会からの要請なりですね,そういったものを待って短期的には対応していかれるということでよろしいでしょうか。
(答)
まだ,現地〔は〕相当混乱していると思います。受援体制も整っていないと思います。そこへ多数のまだ,どう〔支援〕すれば良いかわからない人たちがどっと押し寄せると却って混乱すると思いますので,まず知事会なり,あるいは関西広域連合では,そういう〔情報収集の〕動きがあると理解しています〔が〕,代表的なところの派遣,あるいは情報収集によって〔必要な情報が〕整理される。あるいは個別の支援要請があれば,それを踏まえて,適切・的確な支援をしたいと考えています。
(中国新聞)
冒頭の発言の中で,たちまち〔とり急ぎ〕先遣隊ですね。情報収集の先遣隊の派遣について,言及があったと思いますけれども,これについて何か準備はしているということですけれども,いつ頃にどのような形というのは現段階で決まっているでしょうか。
(答)
いつでも出発できるようにはしてありますので,これは知事会を経由したり,あるいは個別の県に「我々はこういう準備をしています」というご連絡もしてありまして,〔それ〕で,要請があればいつでも出れるようにしてあります。
(中国新聞)
詳しくは事務方の方〔に聞く方〕が良いのかもしれませんけれども,人数的な規模でありますとか,あるいは先ほどお話のありました派遣について,既に関係県に投げかけてあるとのことでしたけれども何県ぐらいとか,その辺りについてはいかがですか。
(答)
まず全国知事会を通してやっていますので,今回の重大な被害を受けている県にはすべてご連絡している。〔それ〕で,まずは先遣隊として派遣できるのは,現状〔事務方に〕3名でしたか。〔正しくは〕4名。4名でありまして,後は機能別に,先ほど申し上げたようなDMATであるとか,そういうところは別途準備しているところです。
(中国新聞)
それと少し先の話になるかもしれませんけれども,まず被災者の救援・救助というですね第一フェーズが終わると,次は罹災証明の発行ですとか被害状況の確定という意味でかなりの〔数の〕判定する職員の派遣,熊本地震等でもあったと思いますけれども,そういった派遣が必要になるでしょうし,さらにもうちょっと先に進めば,今,広島県が他県から応援をいただいているような技術職員ですね。復旧・復興工事の査定なり,設計等をやっていかれる方の派遣というのもあると思いますけれども,この辺り,中期的・長期的な形の支援というのはどういうふうにお考えかというのを教えていただけますか。
(答)
まず,避難所の運営であるとか,あるいは断水が起きていますので,給水関連の業務の支援であるとか,あるいは,罹災証明書〔の発行〕です。こういったところは,昨年,我々が経験してきたことですので,そこはまずお手伝いできると思っています。〔それ〕で,中・長期的には,今回,まだ例えば土木施設等の被害がどれくらいなのかというところもまったく分かっていませんし,そういうところ〔の被害状況〕を踏まえながらになると思いますけれども,ただ我々自身もまだ復旧でそういった職員を非常に必要としているところでありますので,おそらく,我々の手が現段階で空いている状況になっている,あるいは余裕が生まれている状況のところについて支援していくことになろうかと思います。
(中国新聞)
後もう1点だけ,東日本大震災の時にですね。広島県はペアリング制度の提案をされて,実際,具体的な形として気仙沼市を集中的に支援したという実績があると思います。そういう意味で,宮城県ですね,いろんな意味で繋がりがある自治体だと思いますけれども,何かそういう集中的に支援していく自治体の関係をですね,今回の災害でも作っていく必要があるかどうかについてと,もし何か現段階でですね,どこの市町を支援していくという方向性があれば教えてください。
(答)
まだそういう段階ではないと思うのです。今,というか昨年からですけれども,当時とやはり違うのは,総務省を通じた人員の応援システムというのができていますので,そこが基本になると思います。その基本システムを動かしていく中で不十分なところがあれば,それをまた個別にカバーしていくことになると思いますので,まず,〔人員の応援〕システムなり,この準備している仕組みで対応していくということが第一義だと思っています。
(中国新聞)
ありがとうございました。
(幹事社:山陽新聞)
他に〔質問のある社は,ございますでしょうか〕。
(読売新聞)
歓迎付きメッセージの募集なんですけれども,モザイクアートにしてローマ法王へお渡しする予定ということですが,これは事前に贈るとかではなく,広島を訪問されたときに手渡しするということでしょうか。
(答)
そこは調整〔中〕というか,事前にお贈りするということはないと思うのですけれども,どういう形でお渡しできるかというのは,バチカンとの調整あるいは外務省との調整の中で決まるということです。
(読売新聞)
わかりました。あの細かいことは後から事務方に聞いた方が良いのかもしれませんが,何枚くらい集めてどれくらいの大きさのものにするのか今の時点で決まっているのでしょうか。
(答)
大きさとしては〔手で大きさを示しながら〕このA3ぐらいの大きさを想定していまして,あまり大きいと飾るのが難しいと思いますので,A3くらいの大きさですけれども,それを作るのにだいたい5,000枚程度の写真が必要と想定しています。
(読売新聞)
一枚一枚〔の写真〕はかなり小さな〔ものになりますか〕。
(答)
そうなります。
(読売新聞)
ありがとうございました。
(幹事社:山陽新聞)
他に質問のある社〔は,ありますでしょうか〕。
(共同通信)
共同通信の新冨です。あの,ローマ法王に関連してなんですけれども,来日が決まって以降,何度もお伺いしている質問ではありますが,今回〔歓迎メッセージの募集を〕発表されたということで,あらためて法王が広島に来られる意味というか,〔そのこと〕について知事の考えをお聞かせください。
(答)
ローマ法王は,カトリック〔教会の最高位聖職者〕なわけですけれども,その宗派を超えて大きな影響力のある,また尊敬を集めている方だと思います。また,バチカン市国の元首でもあるわけですけれども,フランシスコ法王ご自身が核兵器の廃絶に非常に強い関心をお持ちであるということから,法王が広島あるいは長崎から平和と核兵器廃絶に向けたメッセージを発信していただくということは非常に大きなインパクトがあると,核兵器廃絶に向けての一つの大きな力になるのではないかと期待しているところです。
(共同通信)
あと,あの広島訪問もだいぶ近づいてまいりましたけれども,このモザイクアート以外には何か広島県として滞在中にどういった対応をされていくのかということで決まってきている点はあるんでしょうか。
(答)
県としてというか,我々がやらなければならないことは,警備から〔何から〕いろんなことです。例えば,それこそ何か災害が起きた時にどうするのかとか,いろんなお迎えをするにあたっての対応がまずございます。それから,後は非常に限られた時間の中で,どういったことに法王がご参加いただけるのかということは調整中でありまして,それは我々としてサポートできることはできる限りサポートしたいと考えています。
(共同通信)
ありがとうございました。
(幹事社:山陽新聞)
他に質問のある社は,ありますでしょうか。
(NHK)
NHKの五十嵐です。今のローマ法王の関連なんですけれども,前回の知事会見のときにもお伺いしたんですが,原爆資料館の方を訪問するかどうか,それはまだ調整中であるということなのですけれども,その後,原爆資料館を訪れるということは調整の目途はついていますでしょうか。
(答)
バチカンの方から発表されている非常に大きなスケジュールの枠があると思いますけれども,それ以外はまだ決まっていないということでありまして,非常に限られた時間,空港からの移動とかも含めて限られた時間になるのですけれども,その中で少しでも被爆の実相に触れていただけるように調整していきたいと考えております。
(幹事社:山陽新聞)
他に質問のある社は〔,ありますでしょうか〕。
(HTV)
広島テレビの小田と申します。今,台風19号の被害で,各地で被害が出ていると思うのですけれども,こういった大きな台風だったりっていうのが,今後広島を直撃する可能性もあると思うのですけれども,今回の被害を受けて広島に当てはめたときに,どんな課題があるというふうに知事がお考えになっているかお聞かせ願えますでしょうか。
(答)
広島に当てはめたときの課題ですか。
(HTV)
はい。
(答)
一言で申し上げるのはなかなか難しいですけれども,まず,例えばハード・ソフトによる防災ということが必要なのですけれども,ハード面にしても,例えば高潮対策,あるいは堤防の護岸の強化といったことも全県下で非常に〔数〕多くあるものですから,これがすべて整っているということではありませんし,土砂災害対策等もこれはまだまだ時間がかかると,ハード面でもやはりそういった課題はありますし,ソフト面でも今回の台風においても,やはりこれだけ事前に警告が発せられながら実際の避難がどうだったかというと,やはり逃げ遅れた方がかなりいらっしゃるということだと思いますし,危険な状態のところに近づいて被害に合われた方々もいらっしゃる状況だと思いますので,やはりそういったことがないように,いかに命を守る行動というのを適切にしていただくかということをもっと徹底しなければいけないというのは,引き続き当県としても〔課題が〕あると考えています。
(HTV)
ありがとうございます。
(幹事社:山陽新聞)
他に質問〔のある社は,ありますでしょうか〕。
(TSS)
テレビ新広島の菱野と申します。台風19号の支援に対する部分なのですけれども,知事もおっしゃられたみたいに,去年の〔全国からの支援への〕お返しというか,そういう部分で支援はしていきたいとおっしゃっておられたと思うのですけれども,例えば,これからまた支援していく中で,去年の被災の経験,教訓,ノウハウみたいな部分で,生かしていける部分というところは,どのような点だと考えていますでしょうか。
(答)
ごめんなさい。被災地の支援ということで〔良かったでしょうか〕。
(TSS)
そうです。今から,また派遣要請〔が〕あれば派遣するということでしたので。
(答)
例えば罹災証明などについては,今回,国の方でどういう対応をされるかということにもよりますけれども,例えば被害認定について,大幅に簡素化を,例えば我々の時にはしていただいたわけですけれども,そういった対応が,実は現場では,なかなか「それで良い」という浸透がしにくいという現実がありました。そういったことを我々は〔経験としてその道筋を〕通ってきていますので,国の,例えば〔罹災証明の簡素化について〕検討して,〔方針として〕出していただくような〔お手伝いであるとか〕,こういう場合には,例えば「半壊と認定します」というようなことを適切に取り組んで対応するであるとか,あるいは避難所におけるプライバシーの確保なり,これは東北地方の皆さんは,〔東日本大震災の経験があるので〕むしろ逆に慣れておられるかもしれませんけれども,そういったことが〔考えられます〕。あるいは給水も,我々〔は〕非常に〔断水が〕長期化して,給水ポイントの設置であるとか,どういうところに置くかとか,どこから支援を得るかとか,そういったようなことも〔経験として〕学びましたし,あるいは復旧に向けて,どういうことが必要なのかということも学んでいますので,そういったことがお役に立てるのではないかなと思います。
(TSS)
ありがとうございます。
(幹事社:山陽新聞)
他に質問がある社はありますか。〔ないようですので〕それでは続いて幹事社質問に入ります。
(幹事社:山陽新聞)
2020年秋に,国際芸術祭「ひろしまトリエンナーレ」が県東部で初めて開催されます。現代アートを活用した芸術祭が全国的に増える中で,〔ひろしま〕トリエンナーレでは,どのような特徴を打ち出して誘客に繋げていこうと考えておられますでしょうか。また,瀬戸内海の島々を舞台とする「瀬戸内国際芸術祭」,岡山市中心部で開かれる「岡山芸術交流」など,瀬戸内エリアの他の芸術祭との連携について,どのようにお考えでしょうか。
(答)
まず,今回の〔ひろしま〕トリエンナーレについては,大きく言って五つほど特徴があると考えているのですが,一つは,この備後地域で活動されている地域に根差したアートの活動団体と連携して開催するということがあります。それから〔二番目として〕会場として,地域の歴史を色濃く残すような,そういった場所を会場としていまして,そこの場所自身の魅力を現代アートの視点からあらためて発信することができるということ。また〔三番目として〕,他の芸術祭と比較してという相対的な話ですけれども,日本人作家の作品を多く展示する方針であるということ。それから,〔四番目として〕若手の作家を対象としたアートコンペを行うのですけれども,そういったことも含めて,若手芸術家の活躍の場を提供するということ。それから五番目として,現代アートはもちろん,芸術祭なので当然ですけれども,瀬戸内の食であるとか,広島のお酒であるとか,あるいは自然豊かな風景といった魅力にも触れていただけるようなさまざまな企画を展開する予定であるということ。この五つが特徴かと思っております。それから,その他の芸術祭との連携についてですけれども,「瀬戸内国際芸術祭」であるとか,あるいは「岡山芸術交流」です〔が〕,これは現代アートの祭典というものが瀬戸内エリアで盛り上がっていると,そういう中で,ひろしまトリエンナーレも開催するということで,力強い発信ができるのではないかなと考えておりますが,元々「瀬戸内アートリージョン」というものを作っていこうではないかというような関係者のいろんな思いもあって,まず,瀬戸内国際芸術祭があり,岡山ができ,広島が,という流れもあるのですけれども,岡山〔芸術交流〕を,総合プロデューサーの石川康晴さんがやっておられますけれども,石川さんも「ひろしまトリエンナーレが来年開催されることで,この三つの芸術祭を一枚岩になって世界に発信する動きが今後生まれていくだろう」とおっしゃっていまして,今後,そういった連携というのも期待されると思っていますし,来年の芸術祭の期間中には,ご承知のように「瀬戸内ひろしまデスティネーションキャンペーン」がJR等と連携して行われますし,国際サイクリング大会「サイクリングしまなみ2020」も予定されていますので,こういったビッグイベントと一緒に,開催エリアの観光スポットであるとか,あるいはサイクリングであるとか,あるいは食といった広島県のいろんな魅力を発信して,瀬戸内を盛り上げていきたいと思っています。最終的には,日本の現代アートといえば「瀬戸内」というように認知されるような方向に向けて,「ひろしまトリエンナーレ」に継続的に取り組んで,他の二つの芸術祭とも連携して,先ほど申し上げたような「瀬戸内アートリージョン」の構築というか,その一翼を担っていきたいと考えています。
(幹事社:山陽新聞)
この件について,質問のある社はお願いします。〔ないようですので,〕続けて〔質問させてください〕。瀬戸内国際芸術祭や岡山芸術交流との連携を考えていきたいとのことなのですが,今の段階でどういった連携が考えられるか,何かイメージがあれば教えてください。
(答)
これはまず,「瀬戸内アートリージョン」という,この地域が現代アートの聖地であるという認識です〔が〕,そういうことを創っていくことがまずあると思います。それによって,それぞれの芸術祭も瀬戸内現代アートということで,より認知を得るということが,まずベースにあると思います。〔それ〕で,それから,もう一つは,瀬戸内自身が観光地として,今,DMOを中心に認知度を高めていますので,そこの繋がりという意味での認知度の向上というのもあると思います。それから,最終的に,例えば時期を,タイミングをどのようにもっていくのか,というようなこと。お客様が来られた時に,より広域な周遊をしていただけるようにするであるとかです。それは今後の課題ですけれども,そういった事が将来的に考えられることかなと思います。
(幹事社:山陽新聞)
それでは予定の時間を過ぎていますので,次を最後の質問にしたいと思います。他に質問のある〔社はいませんか〕。
(中国新聞)
中国新聞の樋口です。ちょっと今,お話が丁度でたのですけれども。せとうちDMOについてちょっと伺います。来年度の予算,DMOとしての予算をどういうふうに組んでいくかという中で,各県,今,DMOの中でのせとうち観光推進機構の方ですけれども,これを構成する7県で負担金というものをだして運営をしていますけれども,国の補助金が減る見込みだとか,事業を一定に拡大させていきたいということで,〔せとうち観光推進〕機構の方から他の県に対して負担金の増額というのを要請されているのが取材で分かったのですけれども。広島県でいうと今年度,4,000万円を〔負担金として〕だしていまして,これを最大ですと倍くらいということですね。いろいろなシュミレーションがあるかと思いますけれども。というような事を今,〔せとうち観光推進〕機構の方は言っています。このことに対して,まず広島県の知事としてですね,どのように受け止めて,この増額というのは適当なのかどうか,この辺をまずお考えを教えてください。
(答)
まず,せとうち観光推進機構の活動です。これは戦略的なマーケティングを行うことによって,ニューヨーク・タイムズ〔誌〕であるとか,あるいは有力な旅行誌,ターゲットにしている欧米において,非常に露出が増えて,認知度も高まっているということがあると思います。それから実際に宿泊者数の伸びについても,日本全国の平均と比べて,いわゆるゴールデンルートが大きく伸びている中で,逆に言うと,そこは元々,母数が大きいですから,そこが大きく伸びるということは,他の地域が全体として低くなっているということ。特にメジャーな観光地として認知されているところの伸びは低くなっているのですが,瀬戸内の場合には,全体としては全国平均を上回って,ゴールデンルート並みに伸びているということがありますので,大きな成果と思っております。従って,そもそも観光地としての認知を得ていくことは時間がかかることでもあると思いますし,今後もさらに,誘客あるいは,この周遊とか宿泊滞在を促進する観点からは,機構の取組を継続して,あるいは発展させていくことが非常に重要だと思っています。そういう背景の中で,今,国の方でも,何て言いますか,DMOが今後の,特に海外の観光客の拡大と,それから受け入れに対して大きな役割を果たしているとおっしゃっている中で,国からの〔補助金が減っていっている〕。DMOがいろんな財源を確立していかなければならないというのも確かなのですが,比較的に短い期間で〔国からの補助金が〕減っていっているというのは,これは何と言いますか,もう少し長期的に,戦略的に,DMOの育成というのを考えていただきたいなと思っていますし,その中では負担金,各県の負担金で,そこをカバーしていくことが,一つの案として提案されているわけですけれども,今申し上げたような,継続,発展させていかなければいけないという観点からいくと,何とかこの活動の財務面での支援を進めていく必要があると思っていますが,具体的に広島県として負担金をどうするかということについては,これは,また,来年度の予算編成の中で検討していくことかと考えています。
(中国新聞)
大まかに言うと,今のお考えでいくと,非常に認知度も上がっているような効果がでてて,成果がでてて,これからも拡大をしていかないといけないということなので,細かい額とかは良いのですけれども,大まかに言うと広島県としては,提案されているような方向性の負担というのは,必要というか,〔必要〕かなというお考えでよろしいでしょうか。
(答)
今,活動資金をどのように確保していくのかということなので,そういう全体の枠組みの中で考えていくことになろうかと思います。
(中国新聞)
〔せとうち観光推進〕機構の考えが一定に理解できるというかですね,増額を求められている。まあ,なかなかその他に〔財源が〕あればいいんでしょうけれども。自主財源というのも今なかなか難しいし,国の補助金もなかなか減りそうだということで,ある意味,苦渋の選択で各県に求めていると思うのですけれども,一定にその増額というのは理解ができるのかなというスタンスですか。
(答)
財源確保のために,何かしなければいけないことについては,十分に理解しております。
(中国新聞)
知事が当選前,最初の時からですね。海の道構想ということで提唱されてきたことの延長線上にあることだと思っていますので,今回の財源問題で一つ課題というか,7県でやるというのは,非常に当初からチャレンジングなことだというのは重々認識しているのですけれども,なかなか各県の中でどうしても,温度差が出てくる,というかご意見としても出てきているという,財源負担に関してですね。〔それが〕今回〔の〕事実かと思うんですけど,広島県〔は〕一番お金も出している県ではあるんですけれども,他県への理解をどういうふうに求めていくかについてはどうですか。
(答)
それについては,常に我々の意識統一が図れるように頻繁にコミュニケーションはとっていますし,一つ鍵になるのは,やはりこのDMOの活動が実際に成果を生んでるということです。それについては,2通りあって,一つは正にそういった成果が出ていることは間違いがないということ,これは共通認識としてあると思います。一方で,まだ,始めて間もないということもありますので,その効果の具体的な,例えば海外の観光客の増加であるとか宿泊者の増加というのは,地域によって濃淡があると,これは当然のことだと思うのです。全部が全く同じように上がっていくということはありませんから,伸びたり,そうでなかったりということがある中で,なかなか各県にとって,特に伸びがさほどでもないというところは,内部的な説明が難しいということもあるのも,理解できることではあるのです。したがって,長期的に取り組んでいかなければいけないという認識をどれだけ共有できるかということで,それについてのコミュニケーションは,これはDMO中心となってだと思いますけれども,しっかりと形成していかなければいけないと思います。
(中国新聞)
最後にします。後1点だけ,国に対しての先ほどの意見の中で,やはりその国が旗を振って,全国にDMOの設立を促したっていう背景もあると思うんですけれども,先ほど長期的に戦略的にDMOの育成を考えてほしいということだったんで,これをもう少し分かりやすく,はっきり言うと,この辺で補助金を落としていくのではなくて,もう少し財政的な支援というのを継続的に,減少させるのではなく同額,もしくはそれ以上くらいの財政的な支援をしていってほしいということですか。
(答)
ただちに補助金をくださいと言っているわけではなくて,財源確保の方策を確立していかなければいけないということです。〔それ〕で,これは広島県の提案として〔国に〕申し上げているのは,今のBID制度というものがあって,これは日本でもできたわけですけれども,海外ではそれを使ってDMOの財政を賄っているということがあります。これは広域的にも応用できるものですので,我々としても,それを単年度毎に動いていくものではなくて,一つの仕組みとしてできるものなので,そういった仕組みを導入させてほしいと提案しています。〔それ〕で,これに対して〔国〕は,個別に,例えば宿泊税なり観光税を個別の県が徴収して負担金を出せばいいというスタンスなんですけれども,それでは今のようになかなかやはり,安定的な〔財源にならない〕。毎年更新されていくものなので,安定的になかなかならないということもあって,現実として,なかなかそこ〔DMOの財政を賄えるところ〕までいっていない。いずれにしても,国としても,せとうちDMOの活動については,評価いただいていると思いますので,そういう仕組みができるのを支援してほしいと思いますし,それは法整備なりを含めてです。それが確立しないまでの間は,一定程度の財政的な支援というのも引き続きお願いしたいと思います。
(中国新聞)
確認ですが制度というのは,その事業者から一定の負担をもらいながら還元していくというような大まかに言うとそのような制度ですね。
(答)
はい。
(幹事社:山陽新聞)
それでは,これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は,11月5日13時30分からを予定しています。ありがとうございました。
(資料) 台風19号による被害への対応について (PDFファイル)(238KB)
(資料) ローマ法王歓迎メッセージの募集について (PDFファイル)(830KB)
(資料) 旅券申請窓口の拡大について (PDFファイル)(287KB)
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