記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ、掲載しています。
なお、〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。
会見日:令和7年8月5日(火曜日)
(1)熱中症の予防について
(2)被爆80年に訴えたいメッセージについて
(3)日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地利活用について
(4)知事選について
(5)米国関税について
(6)ガソリン税の暫定税率廃止に向けた与野党合意について
(7)知事選について
(幹事社:朝日新聞)
幹事社の朝日新聞社です。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は11時を予定しています。ご協力をお願いします。まず、知事からの発表がありますのでお願いします。
〇熱中症の予防について
まず冒頭に1点、熱中症の予防について申し上げたいと思います。今年は兵庫県丹波市で観測史上最高の41.2度を記録するなど全国的に大変暑い日が続いておりまして、本県におきましても、8月2日に安芸太田町の加計で、観測史上初の40.0度を記録したほか、熱中症警戒アラートの発表回数が、6月以降、32回、今日現在ですけども、昨年同時期の18回と比べても、約2倍の数となっております。また、今年の熱中症による救急搬送も大変増えていまして、5月1日から7月27日まで、1,247件となっております。これは昨年同時期の約1.3倍です。今後も暑い日が続くと予想されておりまして、県民の皆様には、こまめな水分補給や室温を確認しながら、迷わずエアコンを使用するなど、熱中症予防に十分心がけていただくようにお願いをいたします。特に、暑さや水分不足に気づきにくい高齢者の方、大人に比べて体温の調節能力がまだ十分に発達していないお子様は、熱中症のリスクが高くなります。県ではエアコンの効いた図書館などの公共施設やショッピングセンターなどの商業施設等で涼んでいただく取組として、「ひろしまクールシェアキャンペーン」を実施しております。対象施設はキャンペーンサイトにおいてデジタルマップを公開しておりますので、外出中の熱中症対策としてご利用いただければと思います。まだまだ暑い日が続きますけれども、ご自身だけでなく、身の回りの方にもお気遣いをいただきながら、熱中症から身を守る行動をお願いをいたします。冒頭は以上でございます。
(幹事社:朝日新聞)
この件について質問がある社は挙手をして、社名を名乗ってからお願いします。なお、手話通訳者の方が通訳しやすいよう、質問ははっきりとおっしゃっていただきますようお願いします。質問がある社はいらっしゃいませんか。いらっしゃらないようなので続いて、幹事社質問に入ります。
〇被爆80年に訴えたいメッセージについて
幹事社質問ですが、8月6日で米軍による広島への原爆投下から80年となります。米国では、トランプ大統領が米軍によるイラン核施設への攻撃について、「あの攻撃が戦争を終結させた。広島や長崎の例は使いたくはないが、戦争を終わらせた点で本質的に同じことだった」と広島・長崎に言及しました。昨年はロシアのプーチン大統領が核兵器の使用基準を従来よりも引き下げることを承認しました。また、日本の石破茂首相は、今年の核兵器禁止条約締約国会議への参加を見送りました。日本被団協が昨年のノーベル平和賞を受賞した理由に「核のタブー」の確立への貢献がありましたが、そのタブーがどんどん弱まっているように映ります。広島県の知事として被爆80年に最も訴えたいメッセージは、誰に向けたどのような内容でしょうか、お聞かせください。
(答)
現状、ロシアによるウクライナ侵略の長期化であるとか、あるいは中国・北朝鮮の核兵器開発の進展、また欧州などにおける安全保障上の懸念から、核抑止への依存というのが、強化をされているといったようなことから、核兵器が使用されてはならないとする「核のタブー」が危機に瀕していて、核問題に係る合意形成を一層難しくしている状況に、大変な危機感を覚えているところであります。核兵器はひとたび使用されれば、その被害は計り知れないもので、人類全体の破滅に繋がりかねないものであります。核兵器が存在する限り、常に使用されるリスクがあるということを考えますと、そのリスクをゼロにするためには、核兵器を廃絶するしかないという考えをより一層強めているところです。被爆・終戦80年を転換点にしていくということで取組を進めているところでありますけれども、改めて核兵器の問題は、人類存続に関わる喫緊の課題であるということを認識して、今すぐに核兵器廃絶に向けて舵を切るべきであることを、全世界に強く訴えていきたいと考えているところであります。
(幹事社:朝日新聞)
関連しまして、日本国内で言いますと、先の参院選の結果ですけれども、東京都選挙区で当選した候補など、核武装について言及したり、日本が核武装することが抑止力として必要だという主張をされる候補も、複数当選したと報道されておりますけれども、この状況、こうした議員が結構増えてしまっていることというのにはどのように感じられますか。
(答)
印象としては、皆さんあまり深く考えたりとか、深く勉強されて発言されているというよりは、非常にカジュアルに、こうではないか、みたいな感じでおっしゃっているのではないかという印象を受けます。やはりしっかりと、そもそも核抑止とはどういう意味なのか、また核兵器の使用というものはどういうものなのかということを認識した上で考えていただきたいと思います。核抑止論をおっしゃる方も、もちろんいろんな方がいて、深く勉強した上でおっしゃっている方もいらっしゃるわけですけども、必ずしもそうではないというところが、少し心配なところであります。
(幹事社:朝日新聞)
そもそもNPTに日本は入っていますので、それに対してすごい反したことであるので、そういった点、全く言及されていないようにも感じますけれども、そこの点はどうでしょうか。
(答)
ですから、そういうことも含めて、深く検討されていないということかと、そういう印象を持っています。
(幹事社:朝日新聞)
この件について、他に質問がある社お願いします。他にありませんか。ではないようですので、一般質問に移ります。質問がある社はお願いします。
〇日本製鉄瀬戸内製鉄所呉地区の跡地活用について
(中国新聞)
中国新聞の野平です。よろしくお願いします。7月31日に防衛省が発表した、日本製鉄呉跡地の売買契約の締結に向けた基本的事項の合意について伺います。知事は、これまで跡地の活用については、防衛省が示していたゾーニング案と活用策について、まだ具体的ではないと、経済的効果が見えないという視点で、4者協議の場の開催を求めてこられましたが、今この時点で防衛省と日本製鉄の両者が売買契約に向けた基本的事項の合意をしたということについては、どのように、受け止めていますか。
(答)
今般、防衛省と日本製鉄の基本的事項の合意ということはまさに基本的事項の合意ということなのでしょうから、これまでの交渉が一歩進んだと認識をしているところです。広島県としては、防衛省からの提案というのは、今はゾーニングというのは、その土地を、何にどれぐらい使いますということ以上のものではないので、もちろん地域経済の活性化に繋がる選択肢の1つだと受け止めているわけですし、地元の呉市が賛成していますので、呉市の意見を尊重したいと引き続き考えているところです。ただ、繰り返しになりますけど、現時点ではゾーニング案というものしか出ていないわけで、隊員を含む雇用数の確保であるとか、敷地の中で計画されている民間企業の誘致に関して、どういった企業がどれぐらいの規模で、何を行うのかという、またその経済波及効果も分からないということなので、そういった点を具体的にしていくことが重要だと受け止めています。防衛省の会見で、県、呉市と情報共有、意見交換するなど丁寧に対応していきたいとご発言をされておりますので、県としては、防衛省案の具体的な計画の進捗状況であるとか、あるいは概算要求の状況といったこととともに、民間企業誘致ゾーンへの企業誘致などについて、防衛省や呉市と意見交換を行うなどをして、地元経済の発展に繋げていくように努めていきたいと考えているところです。
(中国新聞)
分かりました。あわせてですが、今おっしゃってくださったような形で企業誘致に向けて県としても協力をしていくと。協議というのは、防衛省と、呉市さんと、日本製鉄さんという形なのか、それとも、今まで枠組みとしてあった4者協議というものを、引き続き、活用されていく予定なのか、どういった認識でいらっしゃいますか。
(答)
もちろん、これはまだ基本合意なので、正式決定ではないですけども、さらに進んで正式決定ということになれば、今度は防衛省が、土地の利用というのは、全面的に責任を持って検討されていくということになるので、そういう場になれば、もちろん防衛省と、それから県と市と、ということになると思いますし、それまでの過程で、例えば環境の問題であるとか、あるいは今の解体のスケジュールだとか、そういうことについては、日鉄も含めたことになると思いますし、それは適切な枠組みの中で議論していくということになろうかと思います。
(中国新聞)
あと最後に、ちょっと端的に伺うのですが、4者協議という場を設けて、これまで跡地についてどうするかということを話し合われてきたと思うのですが、今回のこの契約に向けた基本的事項の合意が防衛省と日本製鉄の間に結ばれたことによって、かなり跡地の活用に向けた前進が見られたと思うのですが、今回は防衛省の方から、発表があったという形で、この話が表に出たわけですけども、4者の場でずっと協議を続けてこられたのに、防衛省の一方的な発表があったようにも映るのですが、知事としてはこの点はいかがですか。
(答)
一方的に発表があったとは思っていなくて、そもそもこれは日鉄の土地なので、日鉄が誰に売却するかというのが基本的な問題です。その相手方が防衛省ということに今、検討が進んでいるということですけども、それは当事者の2者が、そういうところに合意が行われたので、それを当事者が発表しましたというのは、これは当たり前の話だと思います。もちろん我々も無視されているわけではなくて、事前にこういう発表しますというのは、連絡もいただいていますし、そこで我々は止める話はもちろんないわけですから、そのまま発表されているということです。
(幹事社:朝日新聞)
他、質問がある社はいらっしゃいませんか。
〇知事選について
(共同通信)
共同通信の安藤と申します。よろしくお願いいたします。知事選について伺います。知事の任期満了に伴う知事選が11月9日に行われる予定ですけれども、今のところ湯崎知事は態度を明確にされていません。現時点でのお考えと、あと、いつ頃を目途にその態度を明確にしたいかなどのお考えがあればお願いします。
(答)
現時点ではまだ決まっていないということと、発表というかその表明は、決めた時に表明するということであります。
(共同通信)
以前もこの場で同じような質問が出たかと思うのですけれども、ちょっと改めてお伺いします。態度を決めるにあたって、重要視する観点だとか、そういったところについてのお考えを改めてお願いします。
(答)
それはもちろん何て言うのですか、自分自身のこともありますし、次は5期、5期というと20年なので、それは長いというようなこともありますし、県民の皆様がそういったことについてどう思われるかといったようなことがやはり重要になってくると思っています。
(共同通信)
ありがとうございます。
(幹事社:朝日新聞)
他、質問がある社はいらっしゃいませんか。
〇米国関税について
(NHK)
NHKの南井と申します。アメリカの関税措置について伺います。これまでも会見等を聞いてる中で恐縮ですけども、改めて、これから本格化していく中で、今後、県内産業にどういった影響が出ると考えられるか、お考えをお聞かせください。また、先週中小企業向けの金融支援策も打ち出されていますが、県としてどう対応していくかについてもあわせてお願いします。
(答)
関税の影響については、これからやはりよく注視をしていかなければいけないと考えています。本県の場合には、自動車〔が占める割合〕が非常に大きく、なおかつ、自動車産業自体、アメリカ市場への、輸出依存が大きいということがあって、15%というのが、どれぐらいのレベルかというのが、非常に微妙なレベルでもあるので、もちろん0%と比べて、0%というか従来2.5%だったわけですけども、それと比べて大幅に上がるわけですし、その影響は当然あるとしても、それをどういう形で吸収していくのかという、マツダの方針にもよるところがあるので、そういったことをよく情報交換をしながら、今後の対応を決めていきたいと考えています。その他のものについても、結構やはり大きなインパクトがあるところで、全体が15%ということになりましたので、車以外の輸出についても、たくさんありますし、サプライヤーとして間接的に対米輸出に繋がっているというところもあると思うので、今のところ企業の方から、明確に、こういう対応が必要だとか、こういう影響が出るというところが、まだまだ十分お伺いできていないというか、皆さん考えているところだと思うので、その状況をよく把握しながら、意見交換しながら、今後の対応は考えていきたいと思っています。
(幹事社:朝日新聞)
他、質問がある社はいらっしゃいませんか。
〇ガソリン税の暫定税率廃止に向けた与野党合意について
(中国新聞)
中国新聞の河野と申します。ちょっと1つだけ〔お願いいたします〕。先月、ガソリン税の暫定税率の廃止で与野党が合意したのですけども、それに伴って地方税収に影響が出ると思うのですけども、広島県への影響額と、ガソリン暫定税率廃止に伴う地方税収に影響が出ることへの知事の受け止めをお願いします。
(答)
まず、暫定税率の廃止というのは地方で生活に欠かせない自動車は大切な移動手段でありまして、県民の家計の負担軽減に繋がるという観点からは、これは一定の評価ができるものだと考えているところです。一方で、今ご指摘があったように、〔暫定税率の一部は〕地方の重要な財源ですので、廃止によって地方の税収が減収する場合には、地方財政に影響が生じることがないように、代替財源を国の方で、確保していただくということを前提に、丁寧に議論を進めていただきたいと考えているところです。今のところ、野党の皆さんのご発言というか、おっしゃっていることを見れば、地方財政への影響に配慮して、軽油引取税の暫定税率は維持をするということも検討されているというところだと思います。ただ一方で、軽油引取税の暫定税率が維持された場合には、ガソリンと軽油の価格が逆転するといったようなことも起きるわけでありまして、軽油を主に使用するトラックなどの自動車ユーザーだとか、あるいは軽油を燃料とするクリーンディーゼル車の設定が多い地元の自動車メーカーの販売などにも影響がありうるというところだと思います。そういうこともあるので、暫定税率の廃止にあたっては、地域経済への影響という細かいところまで含めて十分に、検討して考慮して慎重に議論を進めるように、全国知事会とも連携しながら、国に求めていきたいと考えているところであります。ちなみに、暫定税率の影響を言いますと、これは国全体で年間の軽油引取税と地方揮発油譲与税の合計が5,000億円ぐらいだというところをベースに試算をすると、大体、軽油引取税と地方揮発油譲与税を合わせて120億円程度の影響があるのではないかという見込みでいます。仮に、軽油引取税の暫定税率が維持された場合には、つまりディーゼルが対象外になった場合には4億円程度の減収になるという見込みです。
(中国新聞)
つまり、国のガソリン税の地方配分の影響額が4億円という意味ですよね。
(答)
揮発油税からくる揮発油譲与税が大体4億円、軽油は120億円くらいだということです。
(中国新聞)
合わせたら、120億円ぐらいですか。
(答)
124億円ぐらいというイメージです。
(中国新聞)
分かりました。ありがとうございます。
(幹事社:朝日新聞)
他に質問がある社はいらっしゃいませんか。
〇知事選について
(山陽新聞)
山陽新聞の臼杵と申します。よろしくお願いいたします。先ほど他社さんからも質問がありました、知事選に関連して伺いたいと思います。選挙がどうこうということではないのですけれども、4期16年、人口減社会への対応でありましたり、公共交通の確保でありましたり、あるいは新たな産業の創出に向けても、尽力をされてきているところでありますが、4期16年をこの段階でひとまず振り返るとして、いわゆる知事として、知事という仕事について、これを遂行するにあたって、どのような力であったり、どのような資質が必要であるかということについて、お気持ちをお聞かせいただければと思います。
(答)
難しいご質問ですけども、もちろんその知事というのは、それぞれいろんな個性がありますので、こうでないと駄目だということはないと思います。それは企業のトップはいろんな個性がある方がいらっしゃるというのと同じことだと思います。ただ一応、それなりに大きな組織のトップであり、それなりに大きな資源を動かしていくものであるということや、企業と違う点、共通する部分もあるのですけども、直接県が行うことが結果を生むというよりは、県が行うことというのはほぼほぼ何か働きかける、働きかけて、それで社会が変わっていくということをやるわけなので、例えば、自分の製品を良くしたらそれが売れて利益になりますというのではなくて、行政サービスを行って、それを利用していただくというのももちろんありますけども、今非常に大きなことというのは、例えば防災なんかもそうですし、あるいは人口減の話なんかもそうですし、社会に働きかける、それは県民の皆さん個人だったりとか、企業だったり、いろんなところに働きかけて、そういう皆さんがまた力を発揮して、つまり我々は後押しをするという立場なので、そういうことを理解した上でリーダーシップの発揮ができるということは必要なことではないかと思います。それが力であり、何と言うのですか、能力というか、そういうことではないかと思います。
(山陽新聞)
続けてもう1点。今、16年のご経験の中でのお話であったかと思いますが、この16年をずっと、広島県を見てこられる中で、大きく変わったことというのは何でしょうか。
(答)
今、最近ちょっといろんな報道もあって、ネガティブな雰囲気、人口がどんどん減って広島は駄目なのではみたいなことを、若い人が特にそういうふうに受け止めているような感じがあるのは非常に残念ですけれども、ただ、広島自身に対する誇りのようなものだとか、あるいは住んでいてよかったと、これは県の調査では、県民満足度を見ても、基本的には上昇傾向にある、ないしは高いレベルで維持されている。これはコロナを通じてもそういう状況なので、広島は変わっているなとか、広島は前向きなところがあるとか、元気だなとか、そういう印象を持ってもらっているというところはあると思います。
(山陽新聞)
色々とありがとうございました。
(幹事社:朝日新聞)
では次で最後の質問にしたいと思いますが、質問がある社はいらっしゃいますか。ではいらっしゃらないようなので、これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は別途お知らせします。ありがとうございました。