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知事記者会見(令和5年度当初予算案の概要:令和5年2月3日)

印刷用ページを表示する掲載日2023年2月3日

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答をブランド・コミュニケーション戦略チームでとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和5年2月3日(金曜日)

発表項目

〔動画〕

  • 令和5年度施策及び事業案の概要

質問項目

  • 令和5年度施策及び事業案の概要

会見録

 (事務局)
 ただ今から,令和5年度施策及び事業案の概要の発表を行います。それでは,湯崎知事,お願いいたします。

令和5年度 施策及び事業案の概要について

 (知事)
 それでは,令和5年度施策及び事業案の概要について,ご説明します。これまで,個別の内容については各局からご説明を申し上げていると思いますので,本日,私から,基本的な考え方をお伝えしたいと思います。なお,初めての記者の方もいらっしゃると思うのですけれども,なぜ「予算案」という説明をしないかと言うと,広島県では,「予算志向から成果志向への転換」ということを言っておりまして,予算はもちろん作るのですけれども,重要なのは「何をやるか」ということだと考えていまして,当県では,非予算事業というものもあるのですけれども,「予算発表」ではなくて,何をやるかという「施策」と「事業案」をご説明するという趣旨であります。まず初めに,本県の目指すべき姿,来年度の県政運営の基本方針,それから取組の柱についてお示しいたします。令和2年10月に,「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」を策定いたしまして,本県の10年後の目指す姿をお示ししているところであります。「〔安心 誇り 挑戦〕ひろしまビジョン」の目指す姿の実現に向けまして,令和5年度は,ここ〔資料〕に挙げておりますような六つの柱で,施策及び事業を進めてまいります。六つの柱ごとに,ご説明いたしますけれども,まず,「新型コロナウイルス感染症への対応」でございます。先日,ご承知のとおり,国におきまして,新型コロナを,5月8日から5類感染症に変更するという方針が示されているところでありますが,各種の対策であるとか,措置の段階的な見直しに係る具体的な内容については,現在,検討,また調整中でありまして,現時点においては不明であるという状況です。こういったことがありますので,現時点におきましては,県民の皆さまが安心して生活できる社会の確立に向けて,「感染拡大防止」と「社会経済活動」の両立を図ることができるように,現状の感染拡大防止対策や,医療提供体制などを維持することを,基本的な考え方というか,前提として,予算を確保することとしております。これについては,今後,国の方で,各種の対策,それから措置の見直し状況というのが出てくると思いますので,それを踏まえて,適切な対応をしてまいりたいと考えております。次に,「物価高騰等への対応」でありますが,引き続き,物価高騰の影響を受ける事業者や県民の皆さまに必要な支援に取り組んでまいります。直面する課題への対処としての「物価高騰による影響の緩和」と,将来にわたって対策効果を持続するための方策といたしまして,エネルギーコストの節減に向けた,「ネット・ゼロカーボン等の取組の後押し」の両面から支援を行ってまいりまして,対策の実効性を高めてまいりたいと考えています。その中で,特に注力して取り組んでいく事業をいくつかご紹介したいと思うのですが,まず,「物価高騰による影響緩和」につきましては,肥料価格の高騰が農業経営に及ぼす影響を緩和するために,肥料コスト上昇分の一部を緊急的に支援いたしまして,農業経営の安定を図ってまいります。また,食材価格が高騰する中におきましても,これまでどおり栄養バランスや量を保った学校給食などを実施するということが非常に重要だと考えておりますので,食材費の価格上昇分の支援を行います。次に,「ネット・ゼロカーボンなどの取組の後押し」ですけれども,原油価格などの高騰が引き続き続く中で,コスト削減に繋がる省エネルギー機器などへの更新を行う中堅・中小企業者への支援を行ってまいります。次に,「社会的基盤の強化」でございますが,人口減少や,コロナ禍によりまして,支え合う意識が希薄化していくという中で,複合的な課題であるとか,あるいは制度のはざまに落ち込んでしまうといったような問題が顕在化しております。そのため,この〔資料の〕矢印の右側にあるような取組を進めまして,「地域共生社会の実現」を目指してまいります。また,激甚化,頻発化する災害へのリスクに対しましては,県民の皆さまの命を守り,社会経済への影響を最小限にとどめるため,ハード・ソフト両面から対応してまいります。地域共生社会ですけれども,地域住民や地域の多様な主体が参画して,人と人,人と資源が,分野を超えて繋がることで,住民一人一人の暮らしと生きがい,地域を共につくっていく社会を目指してまいります。地域共生社会の実現に向けて,県としても,さまざまな取組を進めてきておりますが,具体的には,例えば,地域における重層的なセーフティネットの構築に取り組んでおりまして,来年度は,引き続き,地域の繋がりや活動を後押しする担い手の育成,また,市町の包括的な支援体制の構築を支援いたします。また,今後取り組むべき課題と施策の方向性を整理いたしまして,第2期になる,「広島県地域福祉支援計画」の策定を進めてまいりたいと考えております。また,妊産婦や子育て家庭〔については〕今,子育てが非常に施策的に注目〔されるよう〕になっておりますけれども,妊産婦,あるいは子育て家庭についても,他者との交流機会が減少して,孤独,あるいは不安を抱えやすい状況となっていると思っておりますが,安心して,妊娠,出産,子育てができる環境づくりが求められているところです。このために,「ひろしま版ネウボラ」〔について〕これまで数年にわたって取り組んできておりますが,引き続き,評価検証を行いながら,市町における取組の改善,強化を図るとともに,県民の皆さまのネウボラの理念への認知度の向上,それから共感獲得に向けて,新たにモデル市町と連携した戦略的なPRを展開したいと考えています。また,子供の予防的支援〔について〕,これはさまざまなリスク〔や〕虐待などですけれども,〔そういったこと〕の予防的支援につきましては,モデル4市町〔が〕あるのですが,そのうち3市町において,連携データやリスク予測を参考に,支援が必要な家庭を確認して,具体的な支援を行っていくというフェーズに入ってまいります。次に,高度医療機能と地域の医療体制の確保です。医療需要などの急速な変化が,今後,いわゆる団塊世代が後期高齢者に入るといったようなフェーズに入ってくるので〔医療需要などの急速な変化が見込まれますが〕,そういう中で,本県の医療を将来にわたって持続可能とするために,昨年11月,「高度医療・人材育成拠点基本構想」を策定したところ〔ですが,このことは〕ご承知のとおりかと思います。基本構想におきましては,高度な医療,あるいはさまざまな症例を集積する新病院を整備いたしまして,県民の皆さまに高い水準の医療を提供するとともに,全国から意欲ある医師を惹き寄せて,大学と連携,協働しながら,医師が不足している地域に医師を派遣する体制を作るということを目指しております。この基本構想に基づきまして,新病院の運営体制や,診療科構成などの医療機能の具体化と,施設整備などに関する検討を進めるとともに,医療機関の再編によって影響が予想される地域もありますので,そういった地域において地域懇話会を設置して,地域の実態に即した医療体制のあり方についても検討を進めてまいります。次に,激甚化,頻発化する気象災害への対応ですが,まず,ハード面の取組といたしましては,平成30年7月,そして令和3年の7月,8月豪雨災害などによる被災地における再度災害防止対策に全力で取り組みます。また,計画的な防災施設の整備などの事前防災対策にも取り組んでまいります。ソフト面の取組といたしましては,自主防災組織の呼びかけ体制の構築や維持,充実と,マイ・タイムラインの作成を一体的に進めるということを進めたいと思っておりまして,「地域防災タイムライン」の普及に取り組む他,中学校での防災に係るeラーニング教材の制作,そして,モデル校での展開,それからLINEを活用したマイ・タイムラインの普及促進に取り組んでまいります。次に,「ウィズ・アフターコロナにおける経済の発展的回復に向けたLXの実践」であります。新型コロナの感染拡大は,観光業,あるいは飲食業を始めとする,さまざまな産業への経済的損失,またグローバル規模でのサプライチェーンの分断といった,社会経済への深刻な影響を及ぼしたところです。また,デジタル技術の利活用の遅れや,人口密度が高い大都市を中心とした感染症拡大のリスク,あるいは脅威などの構造的な課題をあらためて顕在化させたと思っておりまして,人の意識も,密から分散〔へ〕,デジタル技術を活用した時間〔や〕場所に捉われない柔軟な働き方や暮らし方,そういう形で変化していったと思います。こういった社会的・経済的変化が生じる中で,AI,IoT,5Gといったデジタル技術が急速に進展しておりまして,地方を取り巻く状況は新たな局面を迎えていると思っております。ローカル・トランスフォーメーションとは,「こうした局面をチャンスとして捉えて,高いQOLを含めて,地域が持つ,さまざま資源や特性を生かして,地方を挑戦の場に変革していくこと」ということを意味しております。来年度は,ウィズ・アフターコロナにおける経済の発展的回復に向けたLXの実践として,「生産性の向上」,「DXの推進」,「リスキリングの推進と,円滑な労働移動の実現」に取り組むこととしております。それぞれ〔の〕取組をご説明いたしますが,まず「生産性向上」についてですが,本県経済の発展的回復に向けまして,県内企業の生産性を向上させる,そして付加価値を高めていくというためには,成長の原動力にもなります経営者や個々人の挑戦心,〔いわゆる〕「アニマル・スピリッツ」と言われますが,そういった「アニマル・スピリッツ」の涵養が不可欠であると考えています。このため,「学びの変革」を始めとした,批判的思考〔つまり〕クリティカルシンキングや,重要な非認知能力が身に着く教育など,乳幼児期から社会人まで,一貫した人づくりに,引き続き取り組んでまいります。また,挑戦心を持った人材が活躍できる環境を整備することも重要だと考えておりまして,ユニコーンに匹敵するような企業を,今後10年間で10社創出することを目標にした「ひろしまユニコーン10」プロジェクト〔を〕令和4年3月から開始しています。令和5年度も引き続き,「ひろしまユニコーン10」プロジェクトを通じまして,首都圏の先輩起業家やメンターによるハンズオン支援や,資金調達機会や協業機会の創出の場を提供するなど,果敢に挑戦する人材が活躍できる環境整備を進めてまいります。次に,「ひろしまサンドボックス」の取組におきましては,昨年度に引き続きまして,新しい市場の創出に向けた規制緩和などを目指す実証実験の取組や,市町における地域課題の解決に向けた実証プロジェクトを実施いたします。さらに,スタートアップなどが開発した地域課題解決を図る商品やサービスの社会実装を促進するため,市町や公的機関による共同調達を進めてまいります。次に,「DXの推進」ですが,デジタル技術の活用によりまして,県民の皆さまに,暮らしや仕事の中で,利便性の向上を実感していただくため,「仕事・暮らしDX」と,「地域社会DX」と,「行政DX」の三つの分野でDX推進の取組を進めておりますが,同時に,このDXの推進を支える基盤づくりにも取り組んでいるところです。令和5年度の各分野におけるDX推進の主な取組ですけれども,全体で言いますと62事業,約84億円規模で,さまざまな分野でのDXの推進の取組を進めてまいります。その中で特徴的なものを申し上げますと,例えば農業の分野〔では〕「ひろしま型スマート農業」の推進に取り組んでいくところです。本県の中山間地域に対応したスマート農業技術を確立するとともに,これらを活用した経営モデルを構築して,普及させることによって,生産性の高い農業の実現に繋げてまいります。次に,県全体のDXを効果的に進めるため,DX推進を担う情報システム人材を,県・市町で共同採用して,育成,活用する新たなプラットフォーム,人材プラットフォームである「DXShip〔デジシップ〕ひろしま」を構築してまいりたいと考えております。また,昨年11月に策定いたしましたDX加速プランがございますが,これに基づいて,より多くの民間事業者などがDXに着手できるよう,「DX実践道場」という伴走支援による身近なモデル事例の創出,それから実践ガイドブックの作成に取り組んでまいります。また,民間事業者などが容易に実践できる取組事例集の展開や,補助金などの支援メニューの見える化などにも取り組んでまいります。「リスキリングの推進と円滑な労働移動の実現」についてでありますが,県内企業におけるリスキリングを推進して,円滑な労働移動を実現するため,デジタル基礎知識でありますITパスポートの取得支援や,国の助成金を活用する際の申請事務などの負担軽減に取り組んでまいります。また,昨年4月に設置したリスキリング推進検討協議会におきまして,今後必要となるスキルや,働きながら学ぶための労働環境,雇用管理,労働市場の流動化を踏まえた社会システムなどのあり方について,本年7月頃を目途に取りまとめることとしております。さらに,労働市場の流動化を踏まえまして,人的資本経営を推進する必要性が高まっていると考えていますけれども,県内企業における人的資本経営の導入を促進するため,その重要性を普及啓発するとともに,先進事例の情報提供などに取り組むことによりまして,導入に向けた機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。次に,これまでも継続してきた,「〔安心 誇り 挑戦 ひろしま〕ビジョン」に掲げる,「それぞれの欲張りなライフスタイルの実現」に向けた取組のうち,来年度注力して進めていくものを説明いたします。「安心」,「誇り」,「挑戦」の三つの柱に基づいた取組でありますが,まず,県民の皆さまの不安を軽減し,「安心」に繋げる取組としては,医療的ケア児支援センターにおいて,関係機関との連携や,市町へのサポートなどを充実させまして,医療的ケア児,そして,その家族が安心して生活できるように,支援体制の構築を進めてまいります。次に,ネット・ゼロカーボン社会の実現に向けて,「省エネルギー対策の推進」,「再生可能エネルギーの導入促進」,「カーボンサイクルの推進」の三つを柱として取組を進めまして,2030年度における温室効果ガス削減目標であります,2013年度比39.4パーセント減の達成を目指すこととしております。具体的には,省エネルギー対策を推進するとともに,再生可能エネルギーの導入を促進するため,家庭に対しては,LED照明機器の購入経費の補助や,省エネ住宅の普及啓発を行ってまいります。事業者に対しましては,特に中小企業を対象といたしまして,省エネ設備改修など,伴走型で支援してまいります。また,広島型カーボンサイクルの構築に向けまして,これまで,国の取組と一体となって,カーボンリサイクル関連技術の拠点化に向けた取組を進めてきておりますが,来年度は,県内外の研究者やスタートアップなどを対象とした県独自の支援の拡大に加えまして,産学官による協議会,通称,ここ〔資料〕にあるような「CHANCE〔チャンス〕」と言っていますが,これを通じた新規プロジェクトの創出や,会員同士のマッチングの支援を行うなど,拠点化に向けた取組を加速してまいります。「誇り」に繋がる強みを伸ばす取組として,国内外からの関心が高まる広島サミットを契機に,本県への観光客のV字回復を図ってまいります。具体的には,多様化する観光客のニーズを的確に把握し,付加価値の高い観光プロダクトの開発など,ブランド価値向上に繋がる魅力づくりや,広島ファンの増加に向けての取組を実施してまいります。また,特に,インバウンドのV字回復に向けまして,サミットだけでなくて,令和7年の大阪・関西万博もございますので,こういったイベントも見据えて,アジアや欧米豪に対するプロモーションなどの取組を強化してまいります。次に,県民の皆さまが,それぞれの夢や希望に「挑戦」していくための後押しとなる取組として,広島の強みを生かした新成長産業の育成に取り組んでまいります。健康・医療分野の成長支援におきましては,平成23年度から,関連企業の成長支援に取り組んだ結果,10年間で,医療機器生産額が90億円から375億円に伸び,その後,令和2年度から対象領域を広げまして,医薬品,機能性表示食品,ヘルスケアサービスなどを加えました。こちら〔を〕加えると,375億円だったものが890億円になるのですが,それをあわせて,令和3年度には932億円まで伸びているところです。来年度は,さらなる成長を目指しまして,医療機器に加え,医薬品,機能性表示食品,ヘルスケアサービスなどにおける,付加価値が高い製品開発を支援してまいります。また,広島大学と連携しながら,広島の強みであるゲノム解析・編集技術の活用に係る機運醸成や,内閣府による「地域バイオコミュニティ」の認定を契機とした,産業集積に繋がるネットワークの拡大などを通じまして,ゲノム関連技術の社会実装を促進してまいります。環境・エネルギー分野におきましては,平成24年度から,海外展開支援などに取り組んだ結果,環境・エネルギー分野の売上高は,約1,000億円から2,099億円〔となり,およそ〕2,100億円ぐらいに伸びてきています。環境・エネルギー産業が本県の新たな産業の柱の一つとなるように,来年度は,新ビジネスの構想創出からビジネスモデルの策定,開発,実証まで,一気通貫で支援いたします。特に,今後の市場成長が期待されるカーボンリサイクルにつきましては,研究・実証の一大拠点となるように,国の取組と一体となって,多角的な取組を推進してまいります。ここで,少し「適散・適集社会」についてご説明したいと思いますが,まず,「適切な分散」である社会とは,過度な密を避けることで,安全,安心な生活,あるいは環境が確保されて,美しく豊かで落ち着いた環境の中で生活ができる社会と考えております。次に,「適切な集中」である社会というのは,一定規模で人が集積することによって,文化や知が創造されて,人と人が相互に磨き合い,自らをより高めることができる社会と考えているところです。本県では,「都市と自然の近接性」という特色を最大限に生かしまして,自由度と満足度の高い暮らし方と働き方ができる,「適散・適集社会の実現」を目指しているところであります。具体的な取組としては,中山間地域において,地域づくりを実践されている方や,関心のある方を繋ぐプラットフォームであります「ひろしま里山・チーム500」の運営や,中山間地域の未来をリードしてサポートする人材を育成する「ひろしま ひと・夢 未来塾」の開講などを通じまして,地域課題の解決に取り組む人材の発掘,育成を行ってまいります。また,中山間地域へのサテライトオフィスの誘致につきましては,平成30年度から取り組んだ結果,IT企業を含めた36社のサテライトオフィスが進出〔を〕決定しております。来年度は,さらなる誘致を実現させるために,サテライトオフィスの設置に関心の高い企業などに向けて,広島の里山で働く新しいワークスタイルなど〔について〕効果的に情報発信するとともに,デジタル技術など,地方が,失礼しました,〔そうではなくて〕企業が地方進出に当たって必要となる技術を有した人材の獲得を支援してまいります。次に,「都市部のスポンジ化」と「郊外の市街地拡散」を抑制しまして,機能集約された都市構想を形成していくことが必要だと考えておりまして,利便性の高いエリアへの居住誘導というのを推進してまいりたいと考えております。具体的には,来年度から新たにリノベーションの普及促進に向けたプロモーションを展開することによって,中古住宅の需要拡大を図ってまいりたいと考えております。あわせて,国,県,市町に,築年数だとか面積だとか〔といった〕建物概要や,建物周辺の法規制,災害リスク,道路や上下水道の図面といったもの〔が〕分散しているのですが,こういった情報,不動産取引に関連する情報を一元化,オープン化してまいりたいと考えておりまして,こういったことを通じて,市街地における中古住宅市場の活性化に繋げてまいりたいと考えております。次に,「広島サミットの開催とレガシーの継承,発展」に向けた取組でありますが,広島でのサミット開催決定を受けまして,昨年7月に県民会議を設立して,オール広島で着実に準備を進めてきたところです。いよいよ5月に開催される広島サミットですが,これを成功に導くとともに,広島に注目が集まる絶好の機会でありますので,この機会を生かして,サミット後の広島のさらなる発展に繋がるよう,五つの柱に基づいて取組を進めてまいります。まず,「安全,安心で円滑なサミットの開催支援」,これ〔は〕基本です。外務省や警察,医療機関などの関係機関との調整を進めまして,新型コロナへの対応を含めて,サミットを安全,安心かつ円滑に開催できる環境を整備してまいります。次に,「広島らしさを感じていただく おもてなし」につきましては,広島市内の小学生が育てた花を活用した おもてなしなど,サミットを機に広島を訪れる全ての方に広島ファンになっていただけるよう,取組を進めてまいります。そして,「世界に向けた平和の発信」では,各国首脳などに平和記念資料館を視察していただきたいと,これは引き続き,働き掛けを行ってまいります。被爆の実相に直接触れていただく機会を提供していきたいということですが,それにあわせて,核兵器のない平和な世界の実現に向けて,さまざまな情報を発信してまいります。次に,「広島の魅力の発信」ですが,先人たちが築き上げてきました広島の多くの魅力があります。「Products」,「Heart」,「Environment」〔つまり〕環境です。〔それと〕「Peace」,「Resilience」〔という〕五つのキーメッセージとして,世界に発信してまいります。具体的には,在京の海外メディアなどを対象としたプレスツアーや,県内の観光地や産業,文化など,さまざまな情報を発信する「広島情報センター」の設置,運営を行ってまいります。また,アフターサミットを見据えまして,アジアや欧米豪に対するプロモーションや,食の磨き上げ支援などに取り組みます。ポストサミットを見据えて,空港での出迎えや,各種プログラムへの若者の参画を促進いたします。例えば,それに加えて,首脳会議で利用された円卓だとかができますけれども,あるいはパネル展示といったような形で,サミットの開催を後世に伝える取組も実施してまいります。また,若者の国際感覚やチャレンジ精神を涵養するために,県立高校の生徒を対象に,平和や産業などをテーマに,国内の留学生や海外の高校生などとのディスカッションなどを行う探究活動の機会を提供してまいります。最後に,令和5年度当初予算案の概要についてご説明します。令和4年度当初予算と令和5年度当初予算の差異,増減要因の説明ですが,まず,社会保障関係費などの法的義務負担経費が増加,98億ほど増加しておりますが,公債費などの経常的経費が減少しております。次に,平成30年7月豪雨,それから令和3年7月及び8月豪雨災害の対応に係る経費が,事業の進捗に伴って完成していくので,〔必要となる経費が〕減少していくということでございます。こういった中で,優先順位の低い事業の休廃止など,徹底した経営資源のマネジメントを行いまして,経営資源を確保した上で,重点施策などの推進に,集中的に投資を行うこととしております。この結果,令和5年度の当初予算は,1兆1,403億円としておりまして,前年度比は99.7パーセント〔で〕,前年度とほぼ同水準になっております。この当初予算規模ですけれども,過去最大だったのが令和4年度,昨年度〔発表〕の当初予算でありましたが,それに次ぐ過去2番目の規模となります。また,令和5年度当初予算と一体的に編成いたします補正予算〔について〕,これは国の経済対策などを活用したものですが,令和4年度〔の〕,既に議決いただいております12月補正予算,それから,これから提出する2月補正予算とあわせて,総額1兆1,745億円となってまいります。重点施策への集中的な取組について,柱ごとの予算規模がこちらの〔資料の〕とおりです。重点施策に,しっかりと着実に取り組んでいく予算と仕上げております。私からの説明は以上でございます。

 (事務局)
 それでは,発表事項に関する質問に入ります。終了時間は概ね12時を予定しております。質問のある方は,恐れ入りますが,社名等を名乗られてからお願いします。また,質問いただく際に,資料のページ番号をお示しいただくようお願いします。それでは挙手をお願いいたします。

 (読売新聞)
 すみません。私,読売新聞広島総局の北瀬と言います。よろしくお願いいたします。最初に伺いたいことが,4〔番目の柱〕の「ローカル・トランスフォーメーションの実践」というところで,資料〔のページ〕番号は20ページなのですけれども,ここで,先ほど,〔知事は〕「新型コロナによって,社会構造等が変わっていく。そこをピンチではなくチャンスで〔捉えていく〕」ということを言われたと思うのですけれども,そこで,さまざまな施策を県として〔実施〕する中で,最終的に,県知事として,どういう県にしていきたいか。例えば,東京一極集中を,今,言われている中で,広島の魅力を高めて人口を増やしていくとか,ないしは,先日もあったように,人口流出が続く中で,そこの一定の歯止めをかけていくとか,そういう部分での,最終的なゴールを聞いてもよろしいでしょうか。

 (知事)
 それは,LXというよりは,今〔質問で〕おっしゃったのは,全ての,ある意味で言うと〔全ての〕施策を統合した上での最終目標ということになっていくと思うのですけれども,LXの直接的な目指すところは,やはり県経済の活性化というところでありまして,これは,DXの活用だとか,あるいは生産性向上のための,さまざまな取組だとか,最終的には,〔こういった取組が〕全部,生産性の向上に繋がるのですけれども,それ〔生産性の向上〕に必要なDX〔の推進や〕,それから,生産性の向上が高い分野に資源が集中しないといけませんので,そのために必要な人材の移動〔が重要です〕。これは,企業内〔の人材の〕移動だとか,企業の枠を超えた〔人材の〕移動というのもありますが,それが円滑な労働移動〔が重要である〕ということになってきますし,生産性の高い分野に,人的資本をシフトしていくためのリスキリングといったようなこと,こういったようなことを〔県として〕進めていくということですが,最終的には,生産性の向上を目指して,県経済の活性化を目指していくということが,ローカル・トランスフォーメーションの直接的な狙いということだと思います。そういったローカル・トランスフォーメーションだとか,あるいは,例えば子育て支援だとか,安心,安全な社会の構築だとか,そういうことを総合的にあわせて,人口減少への対応とか,そういったことを図っていくということになってくると思っています。

 (読売新聞)
 ありがとうございます。もう1点〔質問ですが〕,今後,新病院の建設等で,大規模な投資も増えていくと思うのですけれども,そういった中で,県としての,財政運営の部分で,将来的な話にはなるのですけれども,「こういう〔県政〕運営を心掛けないといけない」とか,将来的な,今後のことを少し聞いてもよろしいでしょうか。

 (知事)
 財政運営については,今日〔は〕ご説明しませんでしたけれども,「中期財政運営方針」というのがありまして,これは,将来負担比率を大体200パーセント程度に抑えていくということであるとか,経常収支比率を,90パーセント程度にコントロールしていくといったようなことを目標にしております。それに加えて,財政の機動性という観点から,いわゆる,財源調整的基金について,100億円を目途に確保しておくといったようなこと,こういったことが財政的な目標になっています。〔それ〕で,現状を見ると,令和5年度当初予算を構築した上での〔数値としては〕,例えば,将来負担比率は209パーセントぐらいなので,目標とはまだ9パーセントぐらい乖離があるという状況です。〔また,〕経常収支比率も,92.6パーセント〔正しくは,93.1パーセント〕になるので,これもまだ若干,目標までは届いていないといった状況ですが,中期的には,そういったところを目指しているということです。

 (読売新聞)
 ありがとうございました。

 (事務局)
 その他,ご質問はいかがでしょうか。

 (NHK)
 NHKの石田と言います。すみません。〔資料の〕56ページ〔に記載〕の予算〔案〕の総額の規模についてお伺いしたいのですが,5年連続で,一般会計の総額で1兆円を超えていて,かつ,県債もまた〔過去〕最高額となる,〔県債〕残高が過去最大となることが見込まれていて,県財政が,引き続き厳しい状況が続いているのかなと思うのですが,あらためて,財政状況について,〔知事の〕受け止めと,将来負担も含め,今後,どのように財政運営を進めていきたいのかという〔ことについて,知事の〕受け止めを伺ってもよいでしょうか。

 (知事)
 まず,県債の発行額について言えば,私〔が〕就任して以来,順調に減らしてきたというところがあるのですけれども,豪雨災害〔の対応や〕,それから〔新型〕コロナ〔の対応〕によりまして,かなり,これ〔県債〕がまた,ちょっと増えるというような傾向になっています。今後,やはり,今,金利が上昇していくというような局面にもありますし,引き続き,財政運営は,しっかりと持続可能になるように〔取り組んでいく必要があり〕,県債発行額など〔について〕はコントロールしていかなければいけないと考えております。ちなみに,県債の中で,いわゆる,臨財債〔臨時財政対策債〕が,かなりのウエイトを占めてきているようになっているのですが,こちらの方も,国の努力もあって,臨財債の発行額も減ってきています。こういったものをトータルであわせて〔考えることが必要です〕。我々は,主に,実質的〔な県債〕発行額と言って,臨財債を除いた額のコントロール〔が必要と認識しています〕。臨財債は我々〔が〕コントロール〔を行うこと〕がなかなか難しいので,臨財債を除いた発行額をコントロールしていますが,それについて,引き続き,しっかりと管理していきたいと考えておりまして,直接的な目標としては,先ほど申し上げたような,将来負担比率200パーセントというところは目指していきたいと考えています。

 (NHK)
 ありがとうございます。すみません,〔あと〕1点だけなのですけれども,やはり,この財政状況というのは,知事としても「厳しいな」という認識はあるということでしょうか。

 (知事)
 財政状況は,当面,楽になることはないと思っています。

 (NHK)
 その要因について,もう一度,お願いします。

 (知事)
 その要因については,やはり,非常に,県債の発行額が大きいということです。将来負担比率についても,全国的な平均と比べても高いレベルにありますし,今後,金利が上昇すれば,利払いのところで,相当大きな負担が増えてくると考えられます。そうすると,今度は,経常経費の方も圧迫されていくということで,非常に厳しい状況があると考えています。

 (NHK)
 ありがとうございます。

 (事務局)
 その他,ご質問いかがでしょうか。

 (山陽新聞)
 山陽新聞の平田です。〔資料の〕ページが37ページのところの,「ネット・ゼロカーボン社会の実現」ですけれども,予算の中でもカーボンニュートラルポートを広島港,福山港に〔形成していく〕としていると思うのですが,ネット・ゼロカーボン社会〔の〕実現に向けた知事の思いをお聞かせください。

 (知事)
 ネット・ゼロカーボン社会〔については〕今,2050年にネット・ゼロにしようということで,これは国も我々も取り組んできているわけですけれども,これまでは,2013年度比22パーセント削減ということで,省エネ対策,それから再生可能エネルギーの導入を進めてきたところなのですが,これを,今,国の目標にあわせて,39.4パーセント削減〔としており〕,これ〔この目標は〕何か緩いのではないかと見えるかもしれませんが,県の産業構造というのは,やはり第2次産業が多いところ,少ないところがあるので,我々は〔第2次産業が〕多いところなので,その中で国の目標にあわせていくためには39.4パーセント削減になるのですが,特に,この中でも,家庭,それから中小企業を中心に取組を拡充していきたいと考えています。先ほども少し申し上げましたけれども,家庭の排出量というのが,なかなか抑えられていないので,これについては,省エネ家電だとか,あるいは省エネ住宅の普及拡大というのが重要だと思っていまして,その中で,そのための情報発信が重要だということと,それから,比較的,削減効果が見込める,LED照明,これに取り替えてもらうだけでかなり違いが生まれてくるので,それに対する補助などを行いたいと思っています。それから,中小企業が,やはり,なかなか着手ができていないというところがあるので,省エネ設備などの導入を促していくというために,専門家によるアドバイスをして,つまり伴走型で,最終的に,省エネ設備導入というところまで進めていくというようなことをやることによって,全体的な,39.4パーセント〔削減〕というところを目指していきたいと考えています。

 (山陽新聞)
 ありがとうございます。もう1点だけ〔質問ですが〕,ちょっと〔資料の〕ページ〔には〕ないのですけれども,福山市のJRですとか,鞆町の発展に向けての予算も入れられていると思うのですが,福山市を中心とした〔県〕東部の振興策についてのお考えをお願いいたします。

 (知事)
 福山市のJR〔ですか〕。

 (山陽新聞)
 JRの〔福山〕駅前の再開発とか〔についてです〕。

 (知事)
 〔JR福山〕駅前〔の再開発について〕ですか。

 (山陽新聞)
 そうです。駅前〔の再開発について〕です。

 (知事)
 福山は備後地域の中心でありますので,我々も,福山の中核的機能というのを高めていくということは非常に重要だと考えております。その中でも,駅前を核にしていくという福山市の方針もありまして,我々はそれに協力するという形で,これまでも,まちづくりの検討の中にも入ってきましたし,それが具体化する中で,再開発準備が進むところで,我々の補助なども提供していくということで〔協力しているところで〕す。それから,鞆については,長年の懸案でありました鞆町の生活環境改善というところで,まずトンネル事業が,今,着手されたところでありますけれども,これを着実に進めていくと同時に,あわせた形で,交通拠点の整備だとか,あるいは,これは福山市が中心になって進めていますけれども,下水道の整備,それから町なかの電柱の無電柱化とか,そういったことによって,生活環境と,それから,観光を受け入れる上でのインフラ改善,こういったことを進めて,皆さんが訪れる,たくさんの人に評価される,一方で,その暮らしを守っていく,そういった鞆が,これは鞆の皆さんの願いであると理解しておりますので,それが実現できるように取組をしていきたいと考えています。

 (共同通信)
 共同通信の小作と申します。〔資料の〕47ページ以降の,サミットのことでお伺いしたいのですが,まず,間もなく〔サミット開催まで〕100日前になる,そういった状況の中で,予算編成に当たっての,あらためてサミットへの意気込みと,あと,これまで〔サミットに関する予算の〕累計の額が114億円規模となっていますが,そういった多額のお金がかかることについて,どのように県民の理解を求めていこうかというところのお考えをお聞かせください。

 (知事)
 このサミットですが,広島にとっては,何と言いますか,歴史上ない,これから先も,恐らく,なかなかない最大級の会議になると思っています。〔それ〕で,まず,ホストとして,会議が円滑に行われるように,警備であるとか,あるいはインフラであるとか,そういったものをしっかりと準備するといったことが非常に重要だと考えていますし,あるいは,宿泊だとか食事だとか,そういったような環境が整備されるということが非常に重要だと思っていますので,それをしっかりとやりたい。それから,あわせて,同時に,広島について世界に発信していく,これもまた恐らく二度とないと言って良いような機会だと思いますので,一つは平和の発信,それから広島の魅力の発信を行っていきたい。〔それ〕で,こういった機会が,その効果を長く続けていくためには,若者に,特に若者にレガシーを残していくということが非常に重要だと思っています。なかなか,いろんなものが決まらなくて,準備も難しいところがあったのですけど,だんだんと物事が決まってきつつありまして,これから加速していくと思います。〔それ〕で,そのために,見通しをつけて今回の予算を組み立てているところでありますが,それがご指摘のように,トータルで言うと〔およそ〕110億といったような規模になっています。〔一方〕で,これは,サミットの直接効果だけでも,過去の事例を見ましても,三重の伊勢志摩〔サミット〕の事例を見ても,500億規模とか,直接的な効果が〔あり,それ〕で,その後の経済的効果を見ると,1,500億とか〔そう〕いったような,大きな経済的効果があるものであります。〔それ〕で,そういう意味で,経済面で言ったらそういう効果があるということと,それから,〔効果としては〕経済だけではないのです。やはり,今,申し上げたような,平和についての発信,これは最終的にどういうものになるかというのはわかりませんけれども,これはお金に換算できるようなものではない,プライスレスな〔ことであり〕,非常に重要な,広島にとっては〔非常に重要な〕ことだと思いますし,広島の魅力について発信されて,それが経済効果として返ってくるということのみならず,やはりこれは,広島の,我々にとっての誇りにもなりますし,若者にレガシーという〔ものを残すこと〕,これもお金に換算できるようなものではないですけれども,非常に意義があることだと思っていますので,そういったことを丁寧にご説明して,ご理解いただくということが必要だと思っております。

 (事務局)
 その他〔質問は〕いかがでしょうか。

 (日本農業新聞)
 日本農業新聞の西野と申します。よろしくお願いいたします。農業施策についてお聞きしたいのですけれども,来年度も,食のイノベーション推進事業〔ということで〕幅広い事業を予定していますけれども,〔資料の〕ページ番号で言うと52ページです〔が〕,先ほどお話にもあったように,広島サミットを契機とした県産農林水産物魅力発信事業があると思うのですけれども,これ〔は〕目玉になっていくと思うのですけれども,これについて,農業施策の中の位置付けというか,期待したいことがあれば,お聞きできたらと思います。

 (知事)
 やはり農産物を振興していくためには,農産物そのものだけという〔こと〕だけではなくて,バリューチェーン全体で考えていく必要があると思っておりまして,そういう観点から食の磨き上げということをやっていきたいなと思っているわけであります。そのために,具体的には,魅力発信事業ということで言うと,食に関わる団体,〔つまり〕飲食店だとかホテルだとか,そういった皆さんに参画していただいたりとか,県民の皆さんからアイデアをいただいて,それを活用して情報発信していくとか,そういったことを,今も取組をしているところでありますが,来年度についても,引き続き,そういった食に関連する団体の皆さん,それから県民の皆さんのアイデアをベースにした支援というのを続けていきまして,メディアの皆さんだとかのお力をお借りしたり,あるいはSNSを通じて発信して,観光客の皆さんが,広島に来て,そういった食の魅力に触れていただいて,トータルとして,その良さということを感じていただくということを進めていきたいと思います。そういった磨き上げを踏まえた上で,輸出に取り組んでいくとか,あるいは,それ〔輸出の取組〕は海外ファンの拡大〔を目指すもの〕です〔が,そういった取組〕とか,アワードのようなものを行ってPRしていくとか,そういう取組をしたいと思います。結果としては,先ほど申し上げたように,「広島はおいしい」という,ただ何かこう,「肉がおいしい」とか何とかと言うのではなくて,「広島っておいしいよね」という,そういうブランドを構築していって,同時に,県内のそういうホテルだとか飲食店で県産の食材を使っていただくことによって,結果として,県産の農産物の消費拡大,それから価値向上に繋げていきたいと考えています。

 (日本農業新聞)
 ありがとうございます。

 (中国新聞)
 中国新聞の永山です。先ほども質問がありましたけれども,人口減少について伺いたいと思っております。コロナであるとか物価高など,直面する課題がある中でも,やはり根底の問題として,人口減少は大きな問題ではないかと思っています。特に,広島県は,国内の転出超過が2年連続ワーストということもあって,何か県全体が地盤沈下しているのではないかというような懸念さえ持っています。その中で,今回の予算に,人口減少に対して,どのような思いを込められたのか,知事の課題認識と,具体的な施策として,こういうことをやっていくんだというところを説明いただければと思います。

 (知事)
 人口減少問題というのは,何かこう,一つの対応だとか対策みたいなもので,対応できる問題ではない,非常に複雑な問題でありますので,県の施策を総動員する形で対応していかなければいけないという,そういう問題だと考えています。直接的な人口減少の要因としては,大学進学時,それから大学卒業時の転出超過というのは大きいのですけれども,そういったことは〔対応していく必要があると考えています。それ〕で,ちなみに,人口減少自体は止められません。これは絶対に止められません。これは自然減があるので,これを現時点において止めるということは無理だということを,まず認識として持っていかなければいけないと思います。ただ,少しでもそのスピードを緩めるための,出生率の拡大に繋がるような施策だとか,あるいは社会減を抑制するような施策が必要になってくるわけですけれども,先ほどのように,社会減については,そういった若い人の転出というのが大きな課題なので,やはり,魅力的な仕事だとか,雇用の場を作っていく,先ほどもちょっとご説明しましたけれども,リスキリングだとか,生産性の高いところへの労働移動の実現とかということも,そういうことに繋がるわけですし,もっと直接的には,デジタル系の企業だとか,あるいは研究開発機能,もちろん本社といったような企業を誘致していくということ,イノベーション人材の育成を図って,魅力的な仕事を作ることができる人を作っていくということです。それから,もっともっと直接的なことで言うと,高校だとか大学と連携して,県内の中小企業の魅力を伝えていくといったようなこと,あるいはUIJターンの就職相談会を行っていくといったようなことです。ただ,そういう,ある意味で言うと,表層的というか,直接的な今のUIJターンとかということだけで済むことではないので,先ほど申し上げた,根本的な,仕事の創出ということだとかをやらないといけませんし,もう一つ,出生率の問題で言うと,やはり安心して子育てができる環境づくりというのは非常に重要なので,我々はネウボラを中心に,安心感のある子育て環境の構築ということを進めておりますけれども,そういったこと,それから乳幼児教育だとか保育の質を向上していくということ,それから,やはり教育についても,我々,今「学びの変革」というのをやっていますけれども,広島の教育を強化することによって,広島で子育てをするということのメリットを感じていただくという,そういう〔施策を〕総動員で取り組もうと思っています。

 (中国新聞)
 関連〔の質問〕で,特に出生率のところなのですけれども,東京都などでは,子育て支援で,月額5,000円を18歳まで配るというようなことを言われたり,政府も「異次元の対応を取る」と言われたりしています。そういった中で,もうちょっと県としても何か打ち出しがあるかなという期待もあったのですけれども,その辺り,知事のお考えを聞かせてほしいのと,特にこう,東京都が5,000円配るとかと言って,今,医療費とかも自治体間競争になっていますけれども,こういった状況になっていること自体についての知事のお考えを聞かせてもらえたらと思います。

 (知事)
 医療費の,例えば〔医療費の〕無料化の拡大とか,これは我々〔は〕常々,国として統一的な対応を図ってほしいと言っているのですが,結局,まさに自治体と自治体の間で,何と言いますか,お金を出すということを競争して〔人を〕引っ張ってきても,それはゼロサムなのです。ゼロサム競争をやっても仕方ないと思っていまして,そういう意味で,国でしっかりと,今の,今回,〔児童〕手当の拡大とかもあるのですけれども,そういった医療費についても,しっかりと国の方で考えてほしいと思っています。〔それ〕で,県としては,何と言いますか,東京都のように,やはり財政がそんな大規模な〔わけではないので〕,給付みたいなのができるところがなかなかないと思うのです。それも,東京一極集中の弊害を,やはり,また表しているようなところで,ある意味,やや不毛な自治体間競争みたいになっているので,そういうのを含めて,やはり国にしっかりと対応してほしいと思っています。

 (事務局)
 その他〔質問は〕いかがでしょうか。

 (中国新聞)
 中国新聞の河野と申します。私〔から〕1点だけ〔質問ですが〕,旧陸軍被服支廠について,ちょっとお聞きしたいと思います。令和5年度から安全対策するということを,これまで言っていて,ですが今回〔の予算では〕事業費〔が〕盛り込まれていなくて,その要因と,今後どう対応するのかお聞きしたいと思います。

 (知事)
 安全対策については,今,いろんな考慮事項があって,特に,文化財的な価値を毀損しないというようなことが重要なので,そういった観点から,工法だとか資材というようなことについて,有識者,それから文化庁の意見を伺っていると,今,整理しているというところです。そういう意味で,実施設計にちょっと時間を要していまして,そういったこともあるので,国とか広島市等の財政的な財源負担調整というのもなかなか進んでいないという現状がありまして,そういう状況なので,今回の当初予算については,要求を見送るということにしたわけですけれども,今の,工法と言うか,実施設計のようなところについては,今年度末には,令和5年3月末には,取りまとめていきたいと考えていますので,それを踏まえて,着手時期なども整理していきたいと考えているところです。

 (事務局)
 その他〔質問は〕いかがでしょうか。よろしいでしょうか。それでは,質問がないようですので,これで発表を終わります。ありがとうございました。

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資料(令和5年度 施策及び事業案の概要) (PDFファイル)(3.66MB)

説明資料(令和5年度 施策及び事業案の概要) (PDFファイル)(6.3MB)

参考資料(「安心 誇り 挑戦 ひろしまビジョン」に基づくワーク一覧(令和5年度)) (PDFファイル)(444KB)

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