【目次】
広島県における平成29年のがん罹患数は,全部位で22,457人(男性12,928人:,女性:9,529人)となっています。10年前の2007年(合計18,786人)と比べると,19.5%増加しています。
罹患状況を部位別にみると,男性では「胃がん」が最も多く,次いで「前立腺がん」,「肺がん」の順となっています。女性では「乳がん」が最も多く,次いで「大腸がん」,「胃がん」となっています。
部位別の罹患数(広島県)
【出典】全国がん登録(平成29年集計)
がんの罹患状況を年齢ごとにみると,多くの部位では30歳ごろから罹患率が上昇傾向となり,多くのがん種で年齢と共に罹患率も上昇しています。また,「乳がん」については,30代以降急激に罹患率が上昇しています。
年齢階級別罹患率(男性・人口10万人対)
年齢階級別罹患率(女性・人口10万人対)
【出典】全国がん登録(平成29年集計)
広島県では,令和元年には31,237人が亡くなっていますが,この内約3割に当たる8,292人が「がん」により亡くなっています。
この比率は,全国と比べてほぼ同じものとなっています。
広島県と全国の死亡者数の状況
【出典】令和元年(2019)年 厚生労働省 人口動態調査
がんによる死亡者数は,高齢化の進行に伴って増加する傾向にあり,広島県では昭和54年以降,死亡原因の第一位となっています。
死因別の死亡者数の推移(広島県)
【出典】令和元年(2019)年 厚生労働省 人口動態調査
がんによる死亡者数を年齢別にみると,死亡者全体に占める割合は40代ごろから増え始め,55歳から74歳まででは,40%を超える人が,がんで亡くなっています。
年齢階層別のがんによる死亡者数及び死亡者数の割合(広島県)
【出典】令和元年(2019)年 厚生労働省 人口動態調査
がんの死亡率(人口10万対)の近年の推移をみると,高齢化の影響を受ける「粗死亡率(注1)」は全国平均・広島県ともに増加していますが,高齢化の要素を取り除いた「年齢調整死亡率(注2)」をみると横ばいから減少傾向となっています。
(注1) 粗死亡率
その年の人口に含まれるその年の死亡者数の単純な割合です。通常は,人口10万人に対する比率として表されます。
(注2) 年齢調整死亡率
年齢構成が,ある基準人口と同じだったら実現されたであろう死亡率のことです。(年齢分布の偏りを取り除いた死亡率)がんは,高齢になるほど罹患や死亡が多くなり,年齢構成が異なる集団でがんの死亡率を比較するためには,年齢構成の影響を補正する必要があります。その方法の一つとして用いられるものが「年齢調整死亡率」で, 一定の年齢区分別に死亡率を計算し,基準とする人口集団(昭和60(1985)年の日本人モデル人口)の重みをかけあわせて算出しています。
がんによる死亡率の推移
【出典】平成30年人口動態年報第47号(広島県)
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2019年))
高齢化率(人口に占める65歳以上の割合)の推移
【出典】総務省 国勢調査
がんの部位別に,75歳未満年齢調整死亡率を見ると,「肺がん」が最も高く,次いで「大腸がん」,「乳がん」の順となっています。
また,特に西日本地域に多いとされる「肝がん」については,全国平均と比べて高くなっています。
部位別75歳未満年齢調整死亡率(令和元年(2019)年)
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2019年))
がんの部位別に,75歳未満年齢調整死亡率の推移をみると,「胃がん」,「肝がん」が減少傾向になる一方で,他の部位ではほぼ横ばいの傾向となっています。
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(都道府県別がん死亡データ(1995年~2019年))
平成21(2009)年~平成23(2011)年診断患者における,全がん5年相対生存率は64.1%となっています。
部位別にみると,前立腺,甲状腺,皮膚,乳房が90%以上と高くなっており,肝臓,肺,胆のう・胆管が20~30%台,膵臓は8.5%と低くなっています。
(*) 限局: 原発臓器に限局している。
遠隔転移: 遠隔臓器、遠隔リンパ節などに転移・浸潤あり。
【出典】国立がん研究センターがん情報サービス
(がん登録・統計)