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第23回広島県「減らそう犯罪」推進会議発言要録

印刷用ページを表示する掲載日2025年2月4日

湯崎会長(広島県知事)  (注)湯崎の『崎』の右側は「大」が「立」

推進会議

 委員の皆様方には御多用中にも関わらず、第23回広島県「減らそう犯罪」推進会議に御出席賜りまして、 誠に有難うございます。
 また、平素から県行政並びに、「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動の推進に御理解と御協力を賜っているところでございまして、重ねて御礼を申し上げます。
 さて、平成15年に開始いたしました本運動でございますが、令和3年からは第5期のアクション・プランに基づく取組をスタートしております。
 会長これまでの継続的な取組によりまして、平成14年には約6万件に達しておりました刑法犯認知件数を、昨年では約14,000件まで減少させることができまして、大きな成果を上げているところでございます。
 これもひとえに、ここに御出席いただいております皆様の御支援、御協力の賜物でございまして、深く感謝を申し上げます。
 しかしながら、最近の県内の犯罪情勢を見ますと、刑法犯認知件数は令和4年から2年続けて増加しておりまして、危機感を持っている状況でございます。
 また、昨年下半期から新たにSNS型投資詐欺・SNS型ロマンス詐欺によります甚大な被害が県内でも発生しておりまして、県民の不安も高まっていると認識をしております。
 県といたしましては、こういった情勢を踏まえまして、県民の皆様をはじめ、事業者、関係団体、市町などと連携をしながら、「住む人 来る人 誰もが 日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」に向けた取組を力強く推進して、県民の安心感の向上に努めてまいりたいと考えております。
 本日の会議におきましては、「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づきます令和6年の進捗状況及び令和7年の取組方向と、「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動に係る次期アクション・プランの策定方針について御審議をいただきますほか、委員を代表いたしまして2名の方に防犯についての取組や御意見を発表していただくこととしております。
 委員の皆様には、忌憚のない御意見を賜りますようにお願いを申し上げまして、開催にあたっての挨拶とさせていただきます。
 本日はどうぞよろしくお願いいたします。

《議事》

議題(1)広島県内における犯罪情勢等について

事務局(太田減らそう犯罪情報官)

 資料1-1及び資料1-2により「広島県内における犯罪情勢等」について説明情報官

 

 

 

 

議題(2)「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和6年の取組状況及び令和7年の取組について

事務局(生活安全総務課 大下参事官)

 参事官資料2-1 及び資料2-2により「「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和6年の取組状況及び令和7年の取組方向」について説明

 

 

 

議題(3)「各委員における防犯に関する取組について」

松田委員(学生代表:福山大学)

松田委員

 本年度より学生代表で委員に就任しました福山大学人間文化学部心理学科3年の松田です。よろしくお願いします。
 この度、福山大学サイバー防犯ボランティアCyPat FU(サイパットエフユー)の功績が認められ、「令和6年安心・安全なまちづくり関係功労者表彰(内閣総理大臣賞)」を受賞しました。メンバー一同、非常にうれしく思っております。
 私は現在2つの防犯ボランティアに所属しています。
 1つは子供たちに安全な場所と危険な場所を理解させ、危険回避能力を向上させるための地域安全マップ作成指導を行っているPACE(ペース)です。この活動では、小学校や公民館に赴き、簡単なキーワードを使った講義を行います。その後、グループに分かれて町を散策し、学んだキーワードを使いながら、安全な場所と危険な場所を小学生自身に探してもらいます。小学生が様々な場所について、なぜ安全なのかと危険なのかを考え、説明できるように学生がサポートをします。散策を終えて学校に戻り、フィールドワークで見つけた場所をまとめたマップを作ります。マップが完成次第、最後に発表するという流れです。
 他にも、福山市役所から依頼を受け、CyPat FUと合同でブースを出展し、それぞれ防犯クイズも行っています。
 PACEは、人に着目するのではなく場所に着目して防犯活動を行っています。
 もう一つが、私が副代表をしていますサイバー防犯ボランティアCyPat FUです。CyPat FUはインターネット空間で主に未成年や高齢者が犯罪に巻き込まれるのを防ぐための活動を行っています。この活動は、広島県警より委託を受けたメンバーが、主にサイバーパトロールや広報啓発活動の実施を行っています。
 現在、学生が27名と教員2名の29名が所属しています。
 サイバーパトロールは、X(エックス)上で犯罪を助長すると思われるパパ活、援助交際、闇バイトなどの通報を行っています。
 広島県警サイバー犯罪対策課の皆さんと活動しているため、最新のサイバー情報を教えていただき、サイバー犯罪対策課作成のYouTubeチャンネル、広島県警サイバーチャンネルにアップされた動画を見たりしています。その動画を見た後に、みんなで標語の作成を行い、CyPat FUインスタグラムに投稿し、広報啓発活動を行っています。
 CyPat FUの活動は、他にも小学校に赴き、サイバー防犯教室を開いています。サイバー防犯教室では、インターネットを使用する上でのお約束をクイズを交えて学んでもらい、最後にお約束に関する標語を作成し、発表をすることで深く考えて、楽しく正しく安全にインターネットを使うことを覚えてもらうことを目標としています。
 今年は福山西警察署からの依頼で、SNS型投資詐欺の注意喚起の動画作成も行いました。この動画は、広島県警の公式YouTubeチャンネルで公開されています。
 他にも警察庁広報啓発動画コンテストで審議官賞を受賞しました動画がありますので、ぜひご覧いただければ幸いと存じます。
 また来年の1月には福山市役所で地域防犯活動リーダー研修会を行う予定です。
 私はこの2つのボランティア活動を通して、皆さんが高い防犯意識を持って自分と周りの人を守ることができる人材の育成ができたらいいなと考えています。
 この度の受賞は、私たちの活動が認められた証であり、今回の受賞を励みにこれからも活動を継続して、広島県内の犯罪抑止に少しでも貢献していきたいと考えています。

相原委員(広島大学上席特任学術研究員特命教授)

相原 資料3により「犯罪発生や防犯対策に関する具体的な情報提供を行うための積極的かつ効果的なホームページやSNS等の活用」について説明
 
 私はこの会議には学識経験者という立場で参加させていただいております。
 1990年頃から一貫してデジタルインフラ、インターネットを中心とした情報通信基盤を教育研究あるいは普及啓発を行ってきた立場で、最近非常に流行り問題となっているSNSによる犯罪に対し、SNSを活用した広報をもっと充実さ
せるべきではないかということで提案をさせていただきます。
 ご承知のとおり、SNSを悪用した詐欺行為とか、闇バイトの募集など、様々な問題が社会問題となっています。
 問題は世代に関わらず、新聞、テレビ等の従来のメディアを全く見ないような人が非常に増えてきているということで、その情報伝達手段というのが非常に悩ましいところであると思っております。
 先ほどからご紹介がありますように、広島県警をはじめ、関係機関にSNSやインターネットを活用した情報発信、啓発活動は実際に行われているのですが、必ずしも十分効果を発揮していません。
 SNS型投資詐欺・ロマンス詐欺対応の啓発動画は非常に多くの方に見られており、参考資料を後ろにつけておりますが、11月の時点でXの動画の再生回数が1,000万回を超え、極めて多くの方の目に触れた情報です。
 ただ一方で、広島県警が作っているYouTubeなどの動画は非常にたくさんあり、260本程度の動画がYouTubeに掲載され、非常に重要な内容ですが残念ながら再生回数を見ると1,000回以下などの状況になっています。
 SNSを活用する難しさというのがここにも現れているのではないかと思います。
 そこで、いくつかの例を検討課題として挙げております。
 1番目として、保有しているコンテンツはたくさんありますが、それをもっと有効に活用するということをやってはいかがかということです。内容としては、あまり大きく変える必要はないのですが、少し見直しをして、工夫をして再度掲載します。その時にタイトルや概要やサムネイルの画像を効果的なものに差し替えて再度掲載するなどです。
 2番目に、異なるメディア間で密な連携を行うことが重要だと思います。
 実際に確認していただければ分かりますが、広島県警の公式サイトからSNS等へのリンクはなくはないのですが、必ずしも有効なリンクが更新されているかというと、そうでもないというところがあります。
 また、報道機関等に協力を依頼して、他の組織から重要なSNS等へのリンクやコンテンツへのリンクなども依頼することです。こういった作業には経費がかかりますが、この経費は必要だと思いますので、経費をかけてでも相互のリンクなどで活用したらどうかということです。
 3番目は、最近のSNS流の広報をうまく活用するべきで、経費がかかる場合もありますが、インフルエンサー等のSNSを多く見られている人に依頼をして誘導してもらうことも必要ではないかということです。
 4番目として、キャッチーなタイトルなどにすること。SNSは一瞬で通り過ぎるということが非常に多いのです。そこで引っかかると、先ほどの啓発動画のように1,000万回を超える再生につながることもあります。一方で、魅力的でない同じサムネイルが使用されたような場合だと、内容は非常に重要なのですが、閲覧者は通り過ぎてしまうということもありますので、そのあたりもうまく考えていくべきではないかということです。
 先ほどから経費がかかるのではないかということをお話しておりますが、本日一番私が言いたいことは、経費をかけてでもこれはやるべきではないかということです。
 先ほどもありましたように、SNS型投資詐欺等で30億円という被害が出ておりますが、これが1割でも減れば3億円を守ることができるわけです。一定程度のコストをかける、この広報にコストをかけるということをぜひ検討していただきたいなと思っております。
 

則包副会長(広島県警察本部長)

 お二方の委員の御説明ありがとうございました。本部長
 CyPat FUについては、我々も非常に心強く思っておりまして、引き続き、サイバー犯罪対策課と連携いただきながら、県民の方々へのアプローチを強めていきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 ご受章本当におめでとうございました。
 相原先生からのご提案につきましては、県警X等の閲覧回数自体、なかなか残念なという認識は強く持っておりまして、いかに改善していくかというところを議論しているところです。安佐南署の動画は1,000万回再生を超えましたけれども、これも狙ったわけではなく、期せずしてバズったということであり、こういった経験も踏まえ、ご指摘も生かしながら、何とか少しでも我々の広報啓発の内容が県民に届くようにしていきたいと思っております。
 また引き続き、色々と御意見等伺えればと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
 貴重な御意見ありがとうございました。

議題(4)「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動に係る次期アクション・プランの策定方針について

事務局(生活安全総務課 大下参事官)

​ 資料4-1及び資料4-2により「「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動に係る次期アクション・プランの策定方針」について説明


☆☆☆拍手をもって事務局の説明内容を承認☆☆☆

意見交換

栗原副会長(公益社団法人広島消費者協会会長)

栗原副会長 令和6年の11月末の段階で、刑法犯認知件数は昨年同期比で3.5%増となっており、経済活動が活発になれば、当然犯罪も増えてはいけないがそれだけ犯罪発生の頻度が高くなるのかなというふうには思考できます。
 中でも、前年同期比で凶悪犯が37.9%も増加しています。
 刑法犯認知件数総数の3.5%増は理解できる数字ですが、凶悪犯の37.9%増はどういうことなのかなと疑問を持ちました。
 もしよろしければお話いただけたらと思います。
 

事務局(生活安全総務課 大下参事官)

 刑法犯認知件数をご紹介しますと、11月末現在で強盗事件が県内では24件発生しており、令和5年11月末は10件でした。
 殺人事件は、令和5年は14件、今年は21件ということでありまして、凶悪事件が増えているのは確かですが、要因の分析は色々な要素があり難しい面があります。

副会長コメント 

栗原副会長(公益社団法人広島消費者協会会長)

 皆様方には、平素からも御高配を賜っており、この場をお借りしまして厚く御礼申し上げます。
 本日は皆様のおかげをもちまして、積極的な協議の場を持つことができました。誠にありがとうございました。
 令和3年に第5期アクション・プランがスタートし、令和7年末をもって終了します。第6期に向けたアクション・プランが待たれるところです。
 先ほど申しました、令和6年11月末現在の本県の犯罪統計資料によりますと、令和6年1月から11月の刑法犯認知件数は、昨年同期比3.5%増とのデータが出ています。中でも、凶悪犯は37.9%増と抜きん出ています。
 コロナ禍が明け、経済活動の活発化と刑法犯認知件数との相関は認めざるを得ない事実であろうと思料いたします。
 とりわけ、匿名・流動型犯罪グループ、いわゆる匿流による凶悪犯罪は、私どもの中核会員となる女性や高齢者にとって関心の持たれる論点となっています。
 そこで、私どもでは、先月の29日、安芸区船越公民館で「どうして減らないの?特殊詐欺」と題した講座を開催いたしました。これには多くの市民、会員の方々が参加されました。
 今後は、本推進会議とも積極的に連携し、より効果的なものとしていきたいと考えております。
 これはおまけですが、私どもの広島消費者協会は、広島市から受託をしております「消費生活出前講座」において、これに講師を派遣することを通して、特殊詐欺や悪質商法などに対する啓発活動を行っております。この講座は、多くの企業や学校、各種団体からの要請を受けております。
 本日お集まりの諸団体におかれましても、ぜひともこの講座をお知りおきいただき、要請のお声掛けをいただければと存じております。

則包副会長(広島県警察本部長)

 改めまして県警本部長の則包でございます。
 委員の皆様方におかれましては、平素から「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動の推進のほか、警察行政各般にわたりまして、深い御理解、御協力を賜っておりますことにつきまして、この場をお借りしまして、厚く御礼を申し上げます。ありがとうございます。
 これまでの皆様の活動によりまして、年々減少してきた刑法犯認知件数でございますが、これまでも、るる、会議の中でもお話しがございましたように、令和4年以降増加に転じているという状況でございます。
 今御指摘がございましたけれども、県下においても、凶悪犯罪の増加も見られるという状況があるわけでございます。
 また、匿名流動型犯罪グループによる各種犯罪への関与、SNS型投資・ロマンス詐欺による被害も急増し、犯罪情勢は厳しさを増しているところでございます。
 特に「闇バイト」につきましては、関東地区が多いわけでございますが、当県においても関連するかもしれないような不審な情報があったりしまして、県民の皆様が大変御不安を持たれているところでございます。
 県警としましては、こういった闇バイトに加担させないための広報でございますとか、被害に遭わないための対策あるいは捜査ということをしっかりやっていきたいと考えておりますので、引き続き御支援をお願いしたいと思っております。
 本日の会議におきましては、「減らそう犯罪」第5期ひろしまアクション・プランに基づく令和6年の進捗状況、そして令和7年の取組方法、それから「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動に係る次期アクション・プランの策定方針ということにつきまして、御審議いただきまして、各分野から貴重な御意見を賜りまして、また委員を代表しまして、お二方からも防犯に関する取組について発表いただいたところでございます。
 来年は第5期アクション・プランの最終年という節目の年になりますので、今後とも「住む人 来る人 誰もが 日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」に向けた取組を確実に進めてまいりたいと考えておりますので、引き続き、皆様方の御協力を賜りますようよろしくお願いいたします。
 本日は誠にありがとうございました。
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