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知事記者会見(令和元年11月26日)

印刷用ページを表示する掲載日2019年11月26日

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和元年11月26日(火曜日)

発表項目

〔動画(1)(2)(3)〕

(1)AI移住相談システムの試験運用開始について

(2)スキー競技(モーグル,エアリアル)の競技適性選考会の開催について

質問項目

(3)AI移住相談システムの試験運用開始について

〔動画(4)〕

(4)広島高速5号線について

〔動画(5)〕

(5)広島高速5号線について

会見録

 (幹事社:HOME)
 幹事社の広島ホームテレビです。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は,11時00分を予定しています。ご協力をお願いいたします。それではまず,知事からの発表がありますのでお願いいたします。

AI移住相談システムの試験運用開始について

 私から,本日2点発表項目〔が〕ございます。1点目です。AI移住相談システムの試験運用開始についてであります。広島県では,都道府県で初めてになると思いますけれども,AIが移住相談にのってくれる相談システム「ひろしまライフスタイリスト あびぃちゃん」の試験運用を本日から開始いたします。本県では,ご承知と思いますけれども,東京有楽町の〔東京〕交通会館に,平成26年10月に移住相談窓口を設けまして,県職員が直接,相談員となり,移住関連情報を提供するだけでなく,企業や地域とのマッチングを行うなど,相談者の移住に向けた行動を具体的にサポートして参りました。その結果,相談者数も1万人を超えていまして,平成25年までは21位以下という残念な移住ランキングだったのですが,平成27年以降は,5位前後と西日本ではトップの上位を維持しておりまして,これまで262世帯の皆さんに,広島に,この相談窓口を経由して移り住んでいただいております。このAI移住相談システムは,思い立った時にいつでもどこからでも相談できるツールとして,全国約8千万人が登録する「LINE」を活用して,これまで相談対応を行ってきた相談員のノウハウをAIに投入して参ります。情報検索ツールでも,尋ねられた質問に回答するQ&Aだけでなくて,ユーザーに新たな気づきを提供して,移住希望者の具体的な移住行動を促進するツールとなることを目指しております。それでは具体的に,ちょっとご覧いただきたいと思いますので,この前のスクリーンをご注目ください。〔スクリーンを見ながら〕〔まず〕「地方移住はどんなもの」というところをタップを〔してみます〕。〔次に〕画面を大きくするためにリッチメニューを折りたたみます。〔次に〕あびぃちゃんが,選択肢をご案内します。〔それ〕で,〔次に〕「新しい地方移住ってなに」をタップします。〔次に〕あびぃちゃんが,説明しながら,先輩移住者をご紹介いたします。〔それ〕で,〔次に〕「営業マンから起業家」をタップしてみます。〔そうすると〕あびぃちゃんが,実際に移住して起業された方を画像付きで紹介して,詳しいインタビューがあるホームページもご案内します。このように具体的な人であるとか地域,仕事を選択式で案内してくれるようになっております。また,テキスト入力からのご案内もできるようになっています。サイトの中を回遊しながら広島での暮らしや仕事のイメージを膨らませていただけるように設計されております。〔スクリーン終了〕試験運用中は,移住に当たって一番の課題になります,仕事の探し方,あるいは起業方法などの「仕事」を中心に,実際に広島に移住された方の情報などを提供しながら,東京相談窓口や人材紹介会社などリアルな相談窓口へ誘導する仕組みを構築して参ります。今年度は,より多くのユーザーに利用していただくことで,これもご存じのとおりだと思いますけれども,〔AIの〕機械学習で賢くなると,会話の精度を上げていくということをやって参ります。また,「仕事」以外の分野での対応を拡充していって,令和2年度の夏頃に本格運用したいと考えています。このAI移住相談システムが稼働することで,すぐに相談できる環境,24時間いつでもOKということでありますから,これを整備しまして,移住希望者の関心を具体的な広島県側の受け皿に繋ぐなど,相談者に寄り添った相談サービスを行いますとともに,更なる移住者の増加を図っていきたいと考えているところであります。

スキー競技(モーグル,エアリアル)の競技適性選考会の開催について

 次に,スキーのモーグルとエアリアルの競技適性選考会の開催についてのお知らせであります。広島県は,スキー競技の種目でありますモーグルとエアリアルにつきまして,未来のトップアスリートとして,将来有望な子供たちの発掘を行うための競技適性選考会を全日本スキー連盟と連携しまして,12月15日,廿日市市のめがひらスキー場で開催いたします。この取組は,中央と地方の競技団体が連携しながら,地域における将来有望な子供たちをナショナルレベルに引き上げることを目的としておりまして,日本スポーツ振興センターが,全日本スキー連盟に委託して実施するものであります。広島県は,全日本スキー連盟から三つの連携地域の一つに選ばれました。現在,県内在住でモーグルやエアリアルに興味のある〔あるいは〕,興味がなくてもできそうだなと思う子でも良いと思うのですけれども,小学4年生から中学3年生が対象になっていまして,選考会の参加者を募集しています。モーグルにつきましては,急斜面が滑走できるというスキー技術です。〔急斜面が〕滑れれば,必ずしもモーグルができなくても参加可能です。エアリアルについては,こちらは何とスキーができなくても良いと〔なっています〕。体操やトランポリンなどの競技で,一定の演技を習得している子供であれば,スキー経験はいらないということであります。スキーが得意な子はもちろんですけれども,体操やトランポリンの得意な小中学生は,ぜひ,積極的に参加していただきたいと思います。なお,競技適性選考会では,元オリンピック選手の上村愛子さん,また,逸見佳代さんなどが選考に当たりますので,この二人も来られるということで,メダリストに会ってみたいというだけでも来てもらっても良いのではないかなと思います。この選考会を通過した児童・生徒は,〔来年〕1月に北海道で開催されます他の連携地域との合同合宿に参加しまして,その合宿で育成対象者として認められた参加者が,県内の練習拠点で週1回程度の育成プログラムに参加して,ナショナルチーム入りを目指すということになって参ります。本県では,こうした取組を通じまして,優秀なアスリートを発掘して,振興を図ることによって,スポーツを通じた元気な広島県づくりに取り組んで参りたいと考えております。私からは以上です。

 (幹事社:HOME)
 それでは,この発表項目について,質問がある社は,挙手をして社名を名乗ってからお願いいたします。

 (読売新聞)
 読売新聞の木村と申します。AI技術を活用した移住相談ということですけれども,弊社のデータベース等を見ましたら,LINEを活用した移住対策というのは,これまでも〔市町村単位では〕あったようですけれども,広島県独自の売りといいますか,新しい部分というところがありましたら教えてください。

 (答)
 このAIを使っているということでありますけれども,特に問い合わせ対応のQ&Aというところが,一般的には多いと思うのです。今回の我々のシステムは検索であるとか,あるいは質問に対する答えということだけではなくて,移住というのは,非常に人生の大きな決断でありますから,これまでそこにどう寄り添っていくか,どう対応していくかというノウハウを東京相談窓口で蓄積していまして,その蓄積したノウハウを活用して,相談者にむしろ提案していくというか,新たな気付きを与えるというような事ができるようになっていまして,行動変容を促していくというような仕組みになっています。

 (読売新聞)
 提案型というところがやはり一番の特徴ということですか。

 (答)
 そうです。ただ単に〔相談者から行われることが想定される〕質問に対して,〔その質問に〕適切な回答〔を返す〕ということではなくて,その〔相談者の〕関心事項を読み取って「こういうことはいかがですか」という〔提案すべき〕ことを読み取って,実際に適切なところで,〔実際の〕相談窓口に繋げていったり〔である〕とか,あるいは地域情報であるとか,企業情報であるとか〔といった情報を提案し〕,リアルな〔移住のための〕受け口というか受け皿に繋げていくことができるようになっています。

 (読売新聞)
 わかりました。ありがとうございます。

 広島高速5号線について

 (幹事社:HOME)
 その他〔質問は〕いかがでしょうか。よろしいですか。〔それでは〕続いて幹事社質問に入ります。先日,広島高速道路公社は高速5号線シールドトンネル工事について「当初契約金額をおよそ287億円に改めることでJVと合意した」と発表しました。また,一部報道によりますと,高速2号線との連結も検討されているとのことであり,総事業費はさらに膨らむ可能性もあります。こうした中,高速2号線との接続の必要性について知事はどのように考えているのでしょうか,高速道路事業全体の意義とあわせてお伺いします。

 (答)
 高速道路事業全体の意義というところ〔の質問〕が,まずありますけれども,広島高速〔道路〕は,基幹〔道路〕であります山陽自動車道や〔国道〕2号線バイパスといった,広域的な道路ネットワークがありますので,そこと連絡しながら,都市交通の高速性であるとか,あるいは定時性を強化する〔という観点があり〕,これは,そういう観点から,交通・物流基盤として非常に重要なものであるということであります。〔それ〕で,こういった道路ネットワークを活用して,広島都市圏の活性化を図っていくためには,必要不可欠なものであるというような位置付けかなと思います。〔それ〕で,その広島高速道路ですけれども,整備効果を最大限に発揮していくということが必要なわけでして,そのためには土地利用状況は変化していきますし,幹線道路ネットワークの整備状況なども変化していきます。そういった周辺環境の変化に応じて,適切に計画を見直していく必要もあると考えていまして,そこが2号〔線と〕5号〔線〕の接続というところに繋がっていくわけですけれども,今,広島駅周辺では,再開発が進んで都市機能が集積していますし,今後も,〔広島〕駅の〔再整備に〕最終的に,広〔島〕電〔鉄〕との連結といったことも見込まれています。それから,東広島・安芸バイパスの整備も進展してきたということもありますし,広島呉道路も4車線化が進んでいるといったことがありまして,東広島方面であるとか,呉方面へ連絡する幹線道路の整備が進んでいるというような状況があります。ということで,広島駅周辺と東広島方面それから呉方面とのアクセス強化というものが意義あるものになってきていまして,そういう観点から,高速2号線と5号線の連絡路というのも,早期整備の必要性が高まっていると考えております。その対応については,現在,具体的な検討を進めているところですが,県としても,広島市の方で議会に提案されているということは承知しておりまして,広島市と歩調をあわせて,整備計画変更の上程に向けて,議会に丁寧にご説明しながら,調整を進めていきたいと考えているところであります。

 (幹事社:HOME)
 この件について質問がある社はお願いします。

 (中国新聞)
 中国新聞の樋口です。まず,〔高速〕2号〔線〕との連結ということなんですけれども,その前の幹事社からあった287億でJVと合意したと,ここについて,例えば金曜日の,知事も出られてましたけれども決算特別委員会の総括審査〔において〕かなり多くの質問がありました。〔それ〕で,ほとんどですね,ほぼ批判というか,この大幅増額に至った不適切な契約についての批判だったと思います。それは知事もそうお考えになっていると思いますが,やはりですね。私,5月の記者会見でも申し上げたんですけれども,あの時,知事は第三者委員会の調査というものが出てきて,それで一定の解明がなされて,それ以上調査をするつもりはないということだったんですけれども,今回,あらためて議会の意見とかも聞いていますと,やはりそのかなりの声というのが第三者委員会の報告書では納得ができないと〔いうことでした〕。具体的に言うとですね,やはり三回目の時に100億近くの金額が「がっ」とこう減ったということに対して,公社は工事費に含まれるという認識だったと言っているんですけれども,100億も減っているものが,その含まれるという〔認識だったという〕のがどうしても納得ができないんですよね。〔それ〕で,そこについてあらためてやはり前に進めて行くのであればですね,もう少し出資者としてまた設置者として事実を解明していくことが何より重要だと思うんですけれども,そこについての知事のお考えをお願いします。

 (答)
 事実としては,我々が理解しているのはこういうことであるということでありまして,これは調査委員会の報告とそれから我々の当時の環境の調査というところから理解しているところですけれども,まず200億円と300億円という〔金額の〕乖離がありましたと〔いうことです〕。〔それ〕で,公社の方は200億円だと思っていたわけですけれども,これはご承知のようにコンサルタントが平成25年に調査したもの,そこに物価を掛けて〔平成27年に〕200億円という算定をしているのです。ところが,その算定を行った平成27年に,特に関東でシールドトンネルの工事がたくさん発注されてまして,〔それ〕で,シールドマシンの製作をする企業が非常に限られているものですから,その間に価格が高騰していたと〔いうことがあります〕。〔それ〕で,ところが〔価格の高騰は〕並行して起きていた事象なので公社の方では,そういった事実を把握していなくて,200億円でできるものだと固く信じていたということです。それが例えば,200億が210億とか220億だと,また逆に違った結果になったかもしれないのですけれども,300億という非常に大きな金額でありました。〔それ〕で,JVの方は,そういった〔シールド〕マシンの製作会社等とも議論しながら進めていたわけでありますから,「まあ300億かかる」と思われていたということだと思うのです。公社の方はそういうベースがあり,JVの方はそういうベースがあったと〔いうことです〕。〔それ〕で,そこの違いの認識がされていなかったわけです。〔それ〕で,〔公社としては〕状況として1社しか応札がないというところで,JVとしてそういう状況の下でちょっと高い値段,というか余裕を持ってそういう金額を言っていたのではないかという理解をして〔いたということです〕。〔それ〕で,〔公社は〕「いやいやそんな300億って」〔と考え〕,その〔平成25年調査をした〕ベースで計算をして,「それ〔300億〕は行き過ぎだろう」と固く信じてしまったということだと思うのですけれども,それで「いや200億でしょう」という片やポジションを取って,最終的に200億と〔金額が〕出されて,その後の契約に至る。というか契約書上もセグメント一式という形で明確に契約していますから,〔公社は〕そういうことだったのだろうと理解されたということです。ただ,そこでやはり問題なのは,300億という入札が2回,入札というか金額提示が2回出てきたわけであって,それは単に何か余裕を持った,ある意味独占体制の中で,余裕を持った価格提示であるということだけではなくて,〔JVが〕そこまで言うなら何かあるのかということをもっと立ち止まって調べるべきであったということだと思うのですが,それが調査報告書でもあるように,完成期限との関係でこれ以上待てないという焦りから,そのままにしてしまったということです。その間のやりとりが若干不透明であったりということ〔は問題〕だと思うのですけれども,そういうことでそれぞれの思いが違うまま,片や公社の方は,最終的に「やっぱり200億でできちゃうじゃないか」という思いのまま進み,JVの方は「価格調整をしてもらえる」という思いで進み,結果として,齟齬が解消されないまま進んでいったと,そういうことだと思います。〔それ〕で,そういうことが事実と我々は理解しています。〔それ〕で,その後の公社とJVのやり取り〔については〕,工事がだいぶ進んでからJVの方から,また申し入れがあったと理解していますし,それについては公社側もずっと拒否してきたというか,そういうこと〔価格調整〕はあり得ないと。〔事務方に〕これどれくらい,それでやり取りしたんですか。

 (事務方)
 実施設計が〔平成〕29年2月だから,それ以降になります。

 (答)
 〔事務方に〕1年近くだからやり取りしてたんですか。まあ,ちょっとその期間は〔正確ではないのですが〕,一定程度,〔公社とJVが〕かなりやり取りして,〔それ〕で,我々に相談があったときには,公社としては200億だと認識しているということで,そういうベースで我々は相談されてますから,県としてはそう理解しているということです。我々が聞いたときも,「いや300億っていうか,100億も乖離って,あり得ないだろう」と思いましたし,いろいろと「そもそも最初から値段を上げるという合意があったのではないか」とか,そういう疑念を持たれて〔しまうのも分かりますし〕,我々も当時そう思いました。ですけれども,そういういろんな事実関係の調査を行う中で,そういうこともあり得るのかなということで,我々自身が調査しても,やはり公社には県なり,市なりの出向者が行っているわけですから,客観性が担保できないというところで,第三者委員会に調査してもらって,そこでの事実認定でありますので,我々としては,厳しい事実認定もありましたけれど,そういうこととして受け止めているというところです。ですから,議会の方でどう判断されるかというのは,また別の問題でありますけれども,今のような我々の事実に関する認識について,ご説明してご理解いただくというのがまず第一なのではないかと思っています。

 (中国新聞)
 そこが事実認定ということなんですが,基本的には5月と変わらないということだと思うんですが,そうするとですね。調査委員会の報告書を尊重されるということだと思うんですけれども,そこが果たして十分な調査ができているのかというのが問題になるのだと思うんです,私は。〔それ〕で,JVの方はかなり聞き取りに応じていると,一方で公社は文章での回答に留めているという,私の取材ではそういう情報がありまして,やっぱりですね,そこが不十分なところなんで,こうずっと疑惑が解消されないのかなと,さっきもう一回,調査報告書をあらためて見てみましたけれど,最後のセグメント一式と知事が先ほどおっしゃられたところについても,公社の指摘でそういうふうにしたとかですね。そういう記載もあるんですね。公社が県議会の方では,持ち掛けていないと否定されましたけれども,JVは公社から増額もできるよと,一般論だったとしてもですね。説明を受けたというようなことをここにも書いていますし,公社が増額というのがあるよというのを契約前に言葉は悪いけどチラつかせているという側面は必ず〔ある〕,ここに書いてあることが事実だとすればあるんですよね。そこのところを第三者委員会で十分だという説明を多分いくら繰り返されても県民も我々のところに寄せられる県民の声なんかも非常に増えていますけれども到底納得できないというのが多くの声なんです。だから,そこからもう一歩踏み込んだですね,何らかの事実解明に向けた動きが必要だと思うのですけれども,あらためてそこの部分どうお考えでしょうか。

 (答)
 繰り返しになりますけれども,公社の認識としては,公社側でも相当ヒアリングをやっていますから,公社の認識について,これまで説明されていることは,確かに一般論としてのそういう〔価格調整の〕話が,やり取りがあったと〔いうことです〕。ですが,それは最初から〔価格調整を〕合意したものではないと,それを前提に言ったものではないと〔いうことです〕。なぜならば公社としては200億でできると信じていたからだと,そういうことです。これは,じゃあどのような調査をしたら違う結果が出てくるのかということも正直言って分からないというか,そういう問いを投げかければ,そういう答えが返ってくるということなので,そこはポイントですから我々も随分確認しましたし,事前にそもそもそういったこと〔価格調整〕を認めていたわけではないということです。ただ,相手がそれを誤解してもしょうがないと第三者委員会では認定されてしまったということで,そこで非常に甘さがあったというか,不適切な,適切ではない対応があったということだと思っています。

 (中国新聞)
 すいません。そうするとちょっと私の考えというのが,任務に背いたという意味で,例えば背任とかですね。これはもう刑事罰の世界になってきますけれども,そういう可能性も,この交渉っていうのは後で結局かなりの額〔が〕増えているわけですから,あり得なくはないと思っているんですが,〔違う結果が出てくる〕調査がどういう調査かとおっしゃたので例えばそういうふうな告発をするとかですね。そういったお考えはあるのでしょうか。

 (答)
 告発をするというのは,我々の事実認定として,そういう背任があったということに基づかないとできないです。

 (中国新聞)
 そういう可能性があるのではないかと。

 (答)
 可能性があるだけで,告発はできないと思います。

 (中国新聞)
 今の第三者委員会のものを,知事としては事実認定だと思っておられるのでしょうか。

 (答)
 我々としては,それを逆に言うと覆す逆の事実ということもありませんので,相当な疑いがあるということであれば,それはそういう〔告発という〕こともあるかもしれませんけれども,現時点での我々の理解としては,そういうことではないと認識していますので,我々から告発するということは,ちょっとなかなか考えにくいかなと思います。

 (中国新聞)
 あらためての調査は,やはり今のところ必要ないということでよろしいですか。確認ですが。

 (答)
 現時点では,そう思っています。

 (幹事社:HOME)
 予定の終了時刻になってきました。それでは,最後もう一問で〔お願いします〕。

 (HTV)
 すいません。広島テレビの松岡と申します。今の件なのですけれど,〔広島市〕議会に公社が出て説明,例えば参考人招致とかの動きもある可能性がどうもありそうなのですけれども,そうなったときに公社としては,議会で説明する義務があるというふうにお考えかどうか,そこについて教えてください。

 (答)
 義務というか,議会が招致されれば,それに適切に対応するということだと思います。

 (HTV)
 要は議会でも説明した方が良いというふうにお考えということでよろしいですか。

 (答)
 議会がそういう決定をされるのであれば,そこに対応するのは当然だと思います。

 (中国新聞)
 一つだけ〔よろしいでしょうか〕。知事,最初にお聞きされたときに,本当にやはり合意があったのではないだろうかという,今ではなくて過去に,最初にお聞きされたときに,100億というのはやはり大きすぎるので,合意があったんじゃないだろうかという疑いは,正直されたというお話だったのですけれども,今の第三者委員会の〔報告〕を受けて,この前の〔公社の〕会見なども受けて,公社の,今の時点で知事としては,公社の今の説明,工事費に含まれていると思っていたということについては,知事自身納得をされていると思っても良いですか。公社が6項目の工事費が100億円くらいの違い,この工事内容が工事費に含まれていたと思っていたと,そこ〔が〕JVと食い違っているわけですけれども,その公社の説明に知事自身が納得をされているというふうに考えてよろしいのでしょうか。

 (答)
 先ほど縷々ご説明しましたけれども,その背景としてコンサルタントの見積もりがあって,なぜコンサルタントの見積もりと,その時のJVの見積もりがそんなに乖離があるのかということが非常に大きなポイントで,それに対して疑念を持たなかったのかということがポイントなわけです。〔それ〕で,つまりそれが公社が200億で済むと信じていたことが信じられるかどうかということなのですけれども,それについては,先ほどご説明したようにシールドマシンの価格が急騰しているわけなのです。その事実が,入札というか見積もりを,公社として自分たちの見積もりをしていた段階で把握できてなかったということなのです。それについては,なかなか〔難しいですが〕〔事務方に向かって〕〔平成〕27年ですか。値段が上がっていたのは。

 (事務方)
 〔平成〕27〔年〕か〔平成〕28〔年〕です。

 (答)
 〔平成〕27〔年〕か〔平成〕28〔年〕に〔値段が〕上がっていって,同時進行に起きていたことなので把握できなかった。なので「200億でできるはずだろう」と思う背景があったと思うのです。逆にそういう価格高騰を把握していればそうですけれど,そうではなく元々の見積もりなり,実績の価格がこれくらいだというときに,300億という値段をそのまま飲み込むこと自体も,これはまた,おかしいことなわけです。「これまでの実績とか見積もりでこれぐらいだったのに,なんで100億も上がるのか」と。それを唯々諾々と「まあJVがそう言うのだったらしょうがない300億だ」というのもやっぱり問題だと思うのです。ただやはり公社として問題は,そうは言っても,JVはそう言っていて,しかも何回かの価格提示の中でも,値段を下げてこなかったわけですから,そこにひょっとして何かあるのかなと。自分が把握していない事実が何かあるかなと,思わなければならなかったということだと思うのですが,残念ながらそれをしなかったということだと思うのです。そういう背景があるので,公社が「200億でできる」と信じていたということも,あながち,全く嘘だと断ずる根拠もないし,むしろ信じていたと言われても,それはそういうこともあったかもしれないなと感じるということです。後から見ると,そうやって〔シールドマシンの価格が〕上がっているのは分かるわけですけれど,その時点で見たときに,それがなかなか分からなかった。逆に200億でできるものを300億で発注したら100億円不当に高く発注することですから,それはそれで許されないという心理も当然働くわけです。工事を発注する側としては,です。

 (中国新聞)
 一つだけ申しあげますと,やはり不適切な価格交渉をしていたとなっているわけですから,急騰してたのが事実だったとしても,何回も交渉しているわけなので,その場で多分,普通に考えてですよ,これだけの工事で説明しているはずなんです。だから公社がそれを把握していなかったというのは,やはり無理があるのではないかと個人的に今の説明を聞いてですね。その場でずっとやっているわけですから,11月に報告されて5月に契約するまで,初めて契約の時に200〔億〕と300〔億〕の乖離が出てきているわけではないので,そのプロセスでそういう話は必ず,不適切な価格交渉と言われていますけれども,そういうのをしているのであればなおさら,それをしていて公社が全く把握していなかったというのはあり得ないのではないでしょうか。

 (答)
 そこは,分からないわけです。JV側がシールドマシンの値段をこういうふうに多分提示されていたと思うのですけれども,その価格がその他の工事でこういうものでというところまで把握していたか分かりませんし,そういうやり取りがあったかどうか,調査して分かるのかということです。文書があるわけではないということでありますから,現時点ではそういう背景があって,公社としてはそう信じていた。そういう説明なわけなのですけれども,その後の公社の行動です。県に対する説明なり,そういうところなりも〔聞いた時には〕,ほとんどJVと公社も決裂していましたから,我々が〔状況を〕聞いたときには,そういう状態にあったということも含めて,そういう経緯だったと理解する背景にあると〔いうことです〕。我々もこんなことがあって良かったとは全く思っていないわけで,そもそもの今の経緯について,我々もこんなことが良いと思っているわけでは全くないわけです。ただ,こういう第三者委員会の事実認定がある中で,それを気持ちとしては分かるわけです。「信じ難いよね」というのは気持ちとしては分かるわけですけれども,今みたいな,第三者委員会だけでは出てこない事業環境の背景なども含めて,あるいはその話題と公社のやり取りも含めて考えたときに,そういうことなのかと我々は理解しているところでありまして,新たにまた調査するということになると第三者委員会の皆さんを否定するということでもあるので,「あなたたちの調査は信じられませんよ」ということでもあるので。

 (中国新聞)
 というかその。

 (答)
 いやいや,そうじゃないとそれはできないです。「あなたたちの調査は不十分であって信じられないからやるのです」と,それは例えば議会なりがそういう判断をされるかもしれませんけれども,それはいろんな判断があるので,それぞれのいろんな判断の中で行われるべきことだと思いますけれども,では,県が第三者委員会は信じられないと判断するかというと,それは,その根拠もないし,「そうはいっても何となく信じられないよね」という気持ちは分かりますけれども,そういうところにずっと対応していくということが適切なことかも含めて,何か違う証拠なり違う事実なり,違う証言が出てくればまた別ですけれども,ずっと我々がやっているやり取りの中でそれに反したことは出てきていないものですから,そう判断せざるを得ないというところです。

 (中国新聞)
 やってこられたことというのは,県としての聞き取りとかということですかね。公社に対しての。

 (答)
 公社からはもちろん経緯は聞いていますから,そういう話と矛盾するところはないということです。

 (幹事社:HOME)
 すいません,時間を随分過ぎてしまいました。〔まだ質問があるようなのですが,続けても〕良いですか。

 (TSS)
 TSSの菱野です。1点だけお聞きします。高速2号線との連結を含めて追加の事業費というのが概算で347億円くらい増額ということですが,増額幅についての妥当性というのはどのようにお考えでしょうか。

 (答)
 増額幅の妥当性というか,これは二つのパーツがあって,一つは今の200億円,300億円の問題として最終的に87億円,これはJVはずっと300億円というご主張をされていましたけれども,最終的に精査して287億円というところになったと。〔それ〕で,これは契約開始時点での計算なので,そこから物価上昇等を加味して合計303億円になるということがまず一つあり,それに加えて,2号線との接続160億円〔正確には167億円〕というものがあり,これはそれぞれで評価していかなければならないのですが,この87億の増額ということは非常に遺憾なものではありますが,逆に適切に交渉,というか契約がされていれば初期からそれだけかかっていたということでありますので,これは致し方がないことだと認識しております。2号線との接続は,また,そういう見積もりでありますから,それによる効用を測っていくということでありまして,そういう見積もりになっているということです。

 (TSS)
 ありがとうございます。

 (幹事社:HOME)
 挙手している社もあったのですが,時間が迫っており,これで終わりにさせていただきます。申し訳ございません。ありがとうございました。これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は,12月3日火曜日の10時30分からを予定しています。ありがとうございました。

 (答)
 我々も忸怩たる思いでやっていることは理解してほしいというか,決してこのようなことが良いことだとは全く思っていないし,そこは別にディフェンドしているわけではないので〔その点については,ご理解いただきたいと思います〕。

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(資料) AI移住相談システムの試験運用開始について (PDFファイル)(1.53MB)

(資料) スキー競技(モーグル,エアリアル)の競技適性選考会の開催について (PDFファイル)(1.37MB)

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