記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ、掲載しています。
なお、〔 〕内は注釈を加えたものです。
動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。
会見日:令和7年10月21日(火曜日)
〔動画〕
(1)「人的資本経営ひろしまアワード2025」の開催について
(2)広島県農林水産業アクションプログラムへの評価等について
(3)新内閣発足について
(4)東京ガールズコレクション広島開催の意義
(5)石破内閣の評価
(6)産業政策の成果と課題
(幹事社:日本農業新聞)
幹事社の日本農業新聞です。これから知事定例会見を始めます。終了時刻は11時を予定しています。ご協力お願いします。まず、知事から知事からの発表が1件ありますのでお願いします。
〇人的資本経営ひろしまアワード2025の開催について
それでは発表項目ですけども、「人的資本経営ひろしまアワード2025」の開催についてでございます。本県におきましては、人材を「資本」として捉えまして、その価値を最大限に引き出す「人的資本経営」の促進に取り組んでいるところでございます。その取組の一環として、この度、人的資本経営に積極的に取り組み、県の開示ツールを活用して、情報開示した県内の優良企業に対して表彰式を行います。人的資本経営に取り組む企業への表彰は全国でも初の試みと考えております。自社の人材に関する取組を可視化することによる、自社の課題の発見や従業員の変化、取引先や労働市場などの社外からの評価といったメリット等を、このアワードにおいて共有することで、多くの県内企業、特に経営者や人事労務担当者の皆様に、人的資本経営の実践や開示に興味を持っていただく契機となればと思っているところであります。当日はこの分野の第一人者であり、広島県人的資本経営研究会運営委員長でもある、一橋大学名誉教授の伊藤邦雄先生による基調講演や、受賞企業が実践する人的資本経営の情報開示のリアルと想いを語るトークセッションを行う予定としております。人的資本経営のさらなる機運醸成に向けて、メディアの皆様にはぜひ情報発信にご協力をお願いできればと思っております。県では引き続き、企業価値の向上に向けて、人的資本経営に取り組む県内企業の皆様の挑戦を後押ししてまいります。私の発表は以上でございます。
(幹事社:日農新聞)
この件について質問がある社は挙手をして、社名を名乗ってからお願いします。なお、手話通訳者の方が通訳しやすいよう、質問ははっきりとおっしゃっていただきますようお願いします。
〇広島県農林水産業アクションプログラムへの評価等について
続いて幹事社質問に入ります。本年度は、「県農林水産業アクションプログラム」の最終年度です。担い手の減少や高齢化、新規就農者など、計画段階で想定していたものと、実際の環境の変化で、どのような違いがありましたでしょうか。計画の評価や進捗について、知事の所感をお伺いします。また、16年の県政を振り返り、農政分野での印象深い取組や、成果や課題について、知事の所感を伺います。
(答)
まずアクションプランについてですけれども、農林水産業を取り巻く変化としては、農業者の高齢化、資材費の高騰などに伴う経営環境の悪化、また、耕作放棄された農地の増加といったようなことが挙げられると思います。こういったことは、必ずしも予測できなかったこととは限りませんけれども、いずれにしてもこういう変化が起きていると。こういう中でも農業が産業として自立できるよう、ひろしま農業経営者学校などを通じて、経営環境の変化に対応可能な担い手のスキルを高めてきたところであります。そして、農地集積による大規模化の促進や、農作業の効率化等に資するスマート農業技術の普及といった取組を加速しまして、収益性の高い農業を実践する担い手を育成してきました。こうした取組の結果、農業者が減少する中におきましても、所得500万円以上の経営体の増加を目指して、生産額を1千万以上に上昇させるということに取り組んできたところでありまして、その生産額1千万円以上の経営体数は、令和2年度からの4年間で36増加をしております。また雇用者を受け入れながら、規模拡大を目指す経営体の育成に取り組んできた地域の核となる企業経営体数についても、17増加をしております。また農業産出額は、令和2年の1,190億から、令和5年には約21%増加をして、1,448億円に拡大しておりまして、生産性の高い持続可能な農林水産業の確立に向けて徐々に効果が表れてきているものと考えております。ちなみに、売上1千万以上の担い手の1経営体当たりの平均の生産額というのは、令和2年が3,980万円だったのですが、令和5年は4,395万円となっておりまして、それなりの規模の拡大になっていると考えているところであります。16年間の印象深い取組としては、1つはやはり「農林水産物のブランド化」というものがありまして、例えばレモンです。就任当初は日本一の生産量でありましたけれども、全国的には、全国的どころか広島県の人も知らないというような状況でありましたが、こういった中で、プロモーションであるとか、企業と連携した様々なレモンの関連商品の全国展開をして、県産レモンの認知や評価も高まって、消費拡大にも繋がりましたし、生産拡大、これはレモン団地の栽培面積もかなり増加をしてきたというところであります。こういったブランド化の取組をさらに進めて、今は「おいしい!広島」の中で、様々な農林水産物の魅力向上を図っているというところであります。課題としては、やはり農業者の高齢化であるとか、あるいは資材費の高騰、また耕作放棄地の増加といった様々な課題、これも従来からの課題ではありますけども、より顕在化してきているというところであります。こういった課題に対応するためには、企業経営体など、地域の核となる担い手の育成の強化を引き続きしていかなければいけないと考えておりますし、中山間地域に適したスマート農業の普及など、これはスマート農業自体が目的ではなくてそれによる生産性の向上ということが目的ですけども、その生産性の向上です。農地利用の将来像を明確にした地域計画というのを作っておりますので、それに基づく担い手への農地の集約、あるいは農業基盤の整備といったことを総合的に進めていくことが必要だろうと考えているところであります。引き続き、本県の多彩の農林水産物について、生産者をはじめとして関係の皆様とともに、生産性の高い持続可能な農林水産業の確立を目指していかなければいけないのではないかと考えているところであります。
(幹事社:日農新聞)
ありがとうございます。この件について質問がある方は各社よりお願いいたします。では、一般質問に移ります。挙手をお願いいたします。
〇新内閣発足について
(TSS)
TSS若木です。自民、維新の連立政権が今日午後にも発足する予定で、昨日経済政策はじめ12項目で合意をしたということで、まずこの内容等への受け止めと、あと先週もお話にはなってましたけれども今後の政権運営また先週とは違う形での新政権の発足となると思うのですけれども、懸念されること、また同時に期待されることや希望も含めて伺えればと思います。
(答)
最初にその合意の内容についてということですか。
(TSS)
はい。
(答)
まず今後の政権運営についてお話をしたいと思いますけども、やはり今日本が直面している様々な構造問題です。1つは、足元でいうと物価高ということもありますし、我々がずっと言ってる、東京一極集中の是正といったようなこと。こういった課題に向けて、しっかりと取り組んで欲しいと思っております。今、経済情勢というのは、様々な外部要因も含めて、不透明感が高まっているところでありますし、物価高はもちろんですけども、米国関税についても今後、影響が顕在化してくると考えておりますので、こういった課題に対して、地方の声もしっかりと聞きながら、スピーディーに対策を講じていただきたいと考えています。また、ずっと申し上げてる東京一極集中の是正については今回、あまり焦点が当たってないような感じがしているのですが、これは地方の問題だと受け止められがちですけど、本当に日本全体の問題であって、東京にもよくないし、地方にもよくない、イノベーションの創出にもよくないし、災害の観点からの危機管理上もよくない、ということだと思います。さらには、人口減少、出生率にも大きく影響しているということで、本当に日本全体の大きな課題だと思いますので、新内閣には、地方の問題ということではなくて、今申し上げたような、日本国全体の構造問題として、取組を進めていただきたいと思います。それを進めるにあたってはやはり、早期に安定的な政権運営ができるということが重要だと思いますので、そこに向けて力を尽くしていただきたいと思います。高市内閣には、これからということだと思いますけども、国民の声、それから地方の声もしっかりと反映させながら、総理のリーダーシップのもとで、この国の政策を強力に進めて、地方の主体的な取組とあわせて、日本全体の力強い成長につなげていただきたいと考えているところであります。今回、維新との連立にあたっての合意については、まずセンターピンと呼ばれた国会議員の定数削減ですけどもこれは正直、私の個人的な意見ですけども、削減する意味がわからない。今、国民の声が様々、いろいろ価値が多様化してる中で、様々な声を聞いていかなければいけないという時に減らすのがいいのかということですよね。コストの問題と受け止められていると思うのですけども、そもそも国会議員の定数削減が一般に受けているのは、それは国会議員が仕事していないと思われてるからです。あるいは政治に対する不信があるからであって、国会議員がちゃんと仕事していますとか、政治に対する信頼という、それが本当の核の問題なので、そこを改善するということなく、定数だけ削減をしても、何の変化も意味もないと私は思っています。特に参議院はどうなるのかっていうこともありますし、参議院がさらに定数削減ということになると、合区の問題で、地方の声が反映されなくなるのではないかという問題が起きている中でありますので、何のために定数を削減するのかということをもう1回よく議論した上で、それでなおかつ削減するべきだということであれば、私はそれはやればいいと思いますけども、そういう議論なく、ただ少ない方がいいというのはちょっと乱暴すぎるのではないかと思っています。慎重な議論をお願いしたいというところです。私は国会議員ではありませんから、自らの利害と関係なく言っていますから、自分の利益を守るために言っているわけではなく、国民の声をきちんと反映させるために、よく考えた方がいいのではないかと思っております。その他もいろいろ項目があって、もちろん経済面とか、取り組むべき課題もありますし、ただ先ほど申し上げたような、例えば東京一極集中の是正、これは何を言っているかというと、今の日本の直面している課題というのは、やはり少子化であり、それに伴う人口減少であり、今ノーベル賞が立て続けに受賞されていますけども、イノベーション力の弱体化であり、そういったことを積み重ねた上での経済力の低下というようなところなので、そういう本質的なところをどう変えていくのかというところについてはあまり明確ではないという感じがしているので、本当はそういった骨太の課題について、しっかりとしていただきたいと思うところでありますが、それは連立後、そういう課題に明確に取り組むということはもちろんあり得るので、私としてはそれを期待したいと考えております。特に維新の皆さんは、比較的自由主義的なスタンスをとっておられますけれども、そういう意味で、イノベーションについては非常に配慮があるのかと期待しているので、そういった面での力強い政策を推進していただくということも期待したいと思っています。
(幹事社:日農新聞)
他に質問がある社はお願いいたします。
(中国新聞)
中国新聞〔の和多〕です。今の質問の関連ですが、広島県の知事として、核兵器廃絶を訴えていかれる立場から、新内閣への期待とかあるいは懸念があれば教えてください。
(答)
新内閣への期待というか、これはすべての内閣への期待ですけれども、常々私が申し上げてるところですけれども、安全保障というのを考えるに当たって、核兵器に依存しているという状態ですけれども、核兵器に依存する安全保障というのは本当に危ういものであるので、その点を十分に認識して、そこから脱却していくということに全力を尽くしていただきたいと思います。核兵器は核抑止からの脱却というのと、それと足元の戦争防止ということが、矛盾するように受け止められて、核抑止から脱却するというと、安全保障が、足元がとられてしまうからそれを言わないみたいなことに、今なっていますけども、そうではなくてやはり、抑止の概念自体は、私も重要なことだと思うのですけども、ただ、核兵器がそこに絡んでくると、リスクが余りにも大き過ぎるということだと思うので、それをしっかりと認識した上で、繰り返しになりますけど、矛盾するということではないと思うので、むしろ整合的だと思うので、全力を尽くして、外交的にも全力を尽くしていただきたいと思ってます。
(幹事社:日農新聞)
他に質問がある社はお願いします。
〇東京ガールズコレクション広島開催の意義
(朝日新聞)
朝日新聞の山中と申します。ちょっと話題が変わってしまい恐縮ですけど、12月に広島市で東京ガールズコレクションがありますので、若い人たちに地元の魅力を伝えるという意味で最近いろんな地方で、自治体が税金を入れてやる形が多く広がっているのですけども、広島市議会では本当に税金を入れてまでやる意味があるのかみたいな見方もあって、少し議論になっているのですけども、広島県の方も一部費用を今回出すと聞いています。東京ガールズコレクションに自治体が関わる意義とか、効果といいますか、そのあたりについて知事の考えをお聞かせください。
(答)
東京ガールズコレクション〔広島〕については、やはり一定の支持があるとかというか、そういうことなのだろうと思います。今、若者をが求めるものについて、様々な取組を、いろいろ試してみる必要はあるのだと思います。そういう観点から我々も一定のご支援〔正しくは協力〕をしようということで、広島市と足並みをそろえてやっているわけでありますので、まさに今回、〔東京ガールズコレクションを〕やってみて、どんな効果が実際に生まれるのか、これまでの例ももちろんあって、それは我々も踏まえているところですけども、広島でやることによって若者が、広島に対して魅力を感じていくといったようなことは県内の若者もそうですけども、Webでの視聴とかもありますから、そういったことに繋がるのかということを確認していきたいと思っているところです。
(朝日新聞)
知事は在任中、転出超過の課題というところに向き合ってこられたと思うのですけれども、この取組の1つかと私としては理解しているのですが、振り返っていただいて、転出超過を止めることの難しさといいますか、特にポイントになる部分を、改めて知事の考えを教えていただけたらありがたいのですが。
(答)
やはり一番大きなポイントというのは、職です。広島の若い人が多く、県外に就職しているというのは、1つは広島にある職が十分に理解をされていないという問題が厳然としてあって、これをしっかりと伝えるということがあると思います。もう1つは、広島にある職が、必ずしも広島で教育を受けた、これは例えば大学から広島に来ている人ということも含めて、ミスマッチを起こしているということもあって、例えば広島であると非常にブルーカラー的な仕事は多いのですけども、必ずしもマッチングしないこともあると考えていますので、そのミスマッチの解消です。ですから、魅力的な仕事を作っていくということも重要だと思いますし、それからもう1つは、最近は特に女性の転出超過も増えてきているのですけども、女性に対する社会的な環境です。我々、男性活躍推進というのもやろうとしていますけれども、それは何かというと女性に一方的に偏っている負担であるとか、あるいはそのバイアスであるとか、しがらみだとか、そういったものから取り除いていくという社会環境づくりも非常に重要だと思っています。
(朝日新聞)
ありがとうございます。
(幹事社:日農新聞)
他に質問がある社はお願いします。
〇石破内閣の評価
(共同通信)
共同通信の安藤と申します。先ほどの国政の話題に戻ってしまうのですけれども、先ほどの閣議で、石破内閣が総辞職しました。1年あまりの政権だったと思うのですけれども、改めて石破内閣の評価について、教えてください。
(答)
石破総理は、地方創生に非常に力を入れて、取組をされ始めたところであって、非常に強い意識を持って、向き合っていただいたと思っています。また先般の、国交省との対話、これは鉄道に関する対話ですけども、こういった率直な場、実際のディスカッションは、それぞれ一方的な主張をして終わってしまったので、それ自体はちょっとあれなのですけども、そういう場をどんどん作ればいいという姿勢であるとか、要するに耳を傾けてくれるということだと思うのですけれども、あるいは率直な意見交換を通じて政策形成を図っていこうとする姿勢です。そういったことは非常に我々としては、ありがたいと思っておりました。残念ながら1年という非常に短い期間で、かつ、この非常に政権的には不安定な状況で、ご苦労が多かったと思います。まさに成果としてはこれからというところで、ご退任ということになったので、本人も非常に無念かと思いますけども、我々としては、そういった対応の姿勢であるとか、あるいは地方創生というか、先ほどの高市内閣に対する期待と同じことですけども、地方の問題というよりはこれは日本全体の構造問題として、引き継いで取り組んでいただければと思っているところです。
(共同通信)
ありがとうございます。
(幹事社:日農新聞)
他に質問がある社はお願いします。
〇産業政策の成果と課題
(日経新聞)
日本経済新聞の北川です。先ほど職業というお話をされましたけれども、それに関連して、16年間の任期を振り返って、自身が取り組んだ産業政策について、どう評価しているか、成果と課題をどう考えているか教えてください。例えば、IT企業等で言えば、直近〔20〕24年度までの9年間で約180社を、誘致されてこられたと伺っています。あるいはマイクロンによる大型設備投資案件もありましたが、改めて自身が取り組んできた産業政策の成果と課題についていかがお考えでしょうか。
(答)
まず、産業政策の大きな考え方としては、縦・横があって、縦というのは産業別の取組です。横というのは産業横断的な取組ですけども、産業横断的な取組で言いますと、全体をカバーするものとして、イノベーションの推進ということです。イノベーション立県ということを取り組んできたところです。横割り的なところで言うと、イノベーションエコシステムを作っていくということで、そのコミュニティーづくりであるとか、あるいはチャレンジ精神を後押ししていくというような取組です。スタートアップを中心としてやってきましたけれども、例えば、起業で言えば、当初の10年ぐらいで年間300ぐらいの起業が、政策関連で実現をしていたという実績があって、その上でさらに、それはもうどんな起業でもいいからやりましょうということでやってきましたけども、その上で後半は〔ひろしま〕ユニコーン10というような形で、より急速に成長する企業というのを作り、それに伴うコミュニティづくりというのを取り組んできたところであります。そういう起業だとか、イノベーションに取り組むということの雰囲気が非常に高まってきたと思っているところですけども、まだまだ〔ひろしま〕ユニコーン10も途中段階なので、実際に生まれてくるかというところはこれからの話ですから、課題はまだまだ多いと思っています。その他、横割りの政策で言えば、例えば人的資本経営やリスキリングというところに非常に力を入れて進めてきております。こういったものは、イノベーションのベースになる、企業の競争力の強化というところに繋がっていくと思うので、地道な取組ですけども、これは非常に先端的に、他県に先駆けて、あるいは国全体の取組の中でも先進的に、しかも多くの企業の参加を経て進んでいると考えています。縦のお話でいうと、これはうまくいってるものと、うまくいっていないものはいろいろありますけども、例えば、我々は環境機器というか環境関連ということで取り組んできましたけども、もともと広島県は〔売上額が〕1,000億ぐらいの規模があったのですが、これは今手元に正確の数字がなく分かりませんので、あとで確認していただければと思いますけども、まさに2,000億を超えて増えてきたりとかしていますし、医療関係です。医療機器も非常に増えて、さらに今医療関係は対象を拡大して取り組んでますけども、そういった部分でも、非常に大きく拡大をしてきていると。そういったものがいくつかあるところです。観光が特に一番縦の中では大きく伸びたところで、今手元に数字がないのですけども、2,000億円ぐらい拡大してきたというところがあると思います。一方で、縦で言えば、もちろん例えば自動車だとか、それから半導体もそうですけども、この既存産業に対する支援というのもやってきて、競争力の維持であるとか、半導体で言えば、マイクロンのさらなる投資に繋がっています。雇用も大きく拡大してると、ないしは拡大する見込みがあるというようなところです。一方で、大きなマクロの視点で言うと、広島県は自動車産業への依存というのがあったり、あるいはマイクロンも含めてですけども、非常に国際競争の激しい分野での産業というのが、大層を占めていて、それもシフトしていくということはやはり簡単なことではなくて、なかなか今もその大きな構造は変わっていないというところです。イノベーション立県というのも、縦でも横でも、いろんなイノベーションは生まれていますけれども、まだまだ、もっともっと力を高めていかなければいけないというところが課題だと思っていますし、先ほどの人口の話にも関わってくるような若者に訴求力のある仕事ということをもっともっと増やしていくということも今後の引き続きの課題ではないかと思っております。
(日経新聞)
知事がそういうふうに16年間、力を尽くしてきてもなお、やはり若年層の流出は続いてしまっていると。そこの難しさはどういうふうに、知事はご覧になっていますか。
(答)
流出自体が私は悪いことではないと思っています。1つは広島県の、例えば大学進学率が非常に高いので、定員に対して、必ず外に出ていくというような構造があって、そのまま就職してしまうということが起きるわけです。ある意味でいうと、広島の教育の競争力が高いということもあって、そういう結果になっているということもあるので、それ自体が悪いことではないと思います。問題は、そういうふうに、例えば東京は、東京都内の進学者数を大きく超えて定数があるわけです。8万人ぐらい進学者よりも定数が多いわけで、その分全国は少ない状況で、大学に入ろうと思えば東京に行かないと、全部はいかないという状況になっているわけです。特にやっぱり一度は東京に行ってみようというようなことも当然あっておかしくない話ですから、そういう中で、東京に人口が集中して、なおかつ就職先がそこに集中していますから、そこへどんどん就職してしまうと〔いうことです〕。これは構造問題です。だから、そういう構造問題を変えないと、地域が頑張れば、人口問題は解決するのですみたいなことではないので、先ほどから申し上げてるような、〔東京〕一極集中というようなことは、国として、やはり構造的に取り組んでいかなければいけません。だから国と地方と、それぞれがやはり力を尽くして、こういった問題を解決しなければいけないです。若者の転出超過というのは広島県だけの問題ではなくて、日本すべての県の問題なわけです。ほとんどごく限られた県だけです、転入超過になっているところは。そういうことなので、それはやはり構造的な問題であって、そういうものとしてやはり取り組んで欲しいと思います。
(日経新聞)
分かりました。
(幹事社:日農新聞)
時間が終了の予定時間を過ぎているところでございます。この他に質問がある社の方はいらっしゃいますでしょうか。まだ質問されてない社の方で〔お願いいたします〕。
〇新内閣発足について
(広島テレビ)
広島テレビの村上です。また内閣の話に戻るのですけど、この後、新内閣〔が〕発足して、高市総裁が内閣総理大臣に女性初としてなる公算が高くなっています。まず女性初の総理大臣ということに対しての受け止めをお願いします。それとあと、政治とカネの問題についての絡みで、団体献金の禁止について、今後、議論が進んでいくと思うのですけど、それがどうなるかというところも不透明な状況です。それについての知事の考えを伺いたいと思います。
(答)
今般、高市さんが総理になられるということで、1つのガラスの天井は破られたということかと思います。これはやはり、女性の活躍ということもありますし、それをもう少し広く捉えて、いわゆる多様性の推進という観点からも、喜ばしいことではないかと思います。ただ問題は、女性だからとか、男性だからとかいうことではない社会をやっぱり目指していかなければいけないと思うので、今回はまずこれまで起きなかったことを打ち破ったということで素晴らしいことだと思います。政治とカネの問題ということについて言えば、団体、あるいは企業の献金自体が悪いことなのかというと、私は必ずしもそうは思わないので、やはりもともとの問題を考えると、それが不透明になるということがやはり一番の問題なので、その出と入りをできるだけ透明化していくということが重要なことではないかと思います。特に、例えば我々の立場で言うと、我々は献金ではないですけども例えば、政治資金パーティーという形で、企業からの資金提供を受けることもありますけれども、活動していく上ですべて個人によるということは、なかなか難しいことでもありますし、政党であればこれ〔献金〕は受けられているわけですけども、個人の献金だけで、いろんな活動を賄う、例えば事務所を維持するとかということは難しい、正直言って難しいことだと思います。問題はやはり透明化していくということかと思います。そこがやはり今回のいわゆるキックバック的な部分が、ちょっと不透明になってしまったということが問題かと思うので、まずそこをしっかりと取り組むことかと思います。もちろん企業・団体からの献金を禁止するということであれば、それはもちろん1つの判断で、それに強く反対しますということではもちろんないですけども、一番の問題は、そこの透明化というところです。それはやはりしっかりしていく必要があると思います。
(広島テレビ)
ありがとうございます。
(幹事社:日農新聞)
それでは、これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は10月28日、13時30分からです。ありがとうございました。
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