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知事記者会見(核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」:令和6年4月19日)

印刷用ページを表示する掲載日2024年4月19日

​ 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答を広報課でとりまとめ、掲載しています。
 なお、〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和6年4月19日(金曜日)

発表項目

〔動画〕

  • 核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」について

質問項目

  • ​核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」について

会見録

(司会)
 ただいまから、知事会見を開催いたします。本日の発表事項は、核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」についてでございます。なお、本日の会見には、国際平和拠点ひろしま構想推進委員会座長、元国連軍縮担当事務次長、前内閣府原子力委員会委員の阿部信泰様と、公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長の戸崎洋史様にご同席いただいております。終了時間は13時45分を予定しております。これより、ご説明に移ります。質問は、湯崎知事、戸崎様、阿部様の説明終了後にまとめてお願いいたします。それでは、説明をお願いいたします。

核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」について

(知事)
 それでは、「ひろしまレポート2024年版」の発表をいたします。本日は先ほど、ご紹介がありましたとおり、国際平和拠点ひろしま構想推進委員会の座長で、ひろしまレポート研究委員会の外部評価委員をお務めいただいている阿部信泰様、そして、「ひろしまレポート」ご担当の公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・科学技術センター所長の戸崎洋史様に出席いただいております。それでは、ご説明いたします。「ひろしまレポート」は、「国際平和拠点ひろしま構想」を具体化する取組の一つといたしまして、各国の核軍縮・核不拡散、核セキュリティに向けた取組状況を国内外に発信することで、国際社会における核兵器廃絶のプロセスを着実に進めるための機運醸成を図ることを目指すというものでありまして、取りまとめは、日本国際問題研究所に委託して、行っております。評価対象国は、34か国、評価項目は78項目で、いずれも昨年と同様であります。次に、評価の対象となります、昨年2023年度の主な事項についてでありますが、全体では、2023年5月に開催された、G7広島サミットで発出された「核軍縮に関するG7首脳広島ビジョン」をはじめとして、核軍縮・核不拡散・核セキュリティの再活性化に向けた、様々な取組が見られました。一方で、核問題を巡る亀裂は、核兵器国・非核兵器国の間だけではなく、それ以上に、核兵器国間で深刻化し、核問題に係る合意形成を一層難しくしています。核軍縮分野においては、昨年5月に開催されたG7広島サミットが、世界の人々に核軍縮を印象づけた一方で、核兵器をめぐる、ロシア、中国、北朝鮮の積極性が目立っています。また、核兵器禁止条約第2回締約国会議の開催や、兵器用核分裂性物質生産禁止条約、いわゆるFMCTの会合など、多国間枠組みの取組も進められています。次に、核不拡散分野におきましては、北朝鮮が核・ミサイル開発を継続しており、また、イランが、包括的協働作業計画、いわゆるJCPOAの規定を大きく超えて、濃縮ウランの貯蔵量を増加させるなど、義務の不履行を引き続き、拡大させました。ロシアや中国は、北朝鮮やイランを擁護して、制裁の緩和や解除を行っています。続いて、核セキュリティ分野におきましては、国家による原子力施設の攻撃、占拠によって、紛争下での核セキュリティ問題が浮き彫りになっています。また、サイバー攻撃やドローンなど、新たな技術を用いた核テロの脅威が高まりつつあります。兵器利用可能な核物資の保有量については、日本やカザフスタンで取組が進展している一方で、原〔子力〕発〔電所〕などの使用済燃料の再処理によって抽出される民生用の分離プルトニウムは英仏で増加しています。続きまして、発信力向上のための取組について、少しご説明させていただきます。G7広島サミット特集として、巻頭に、岸田首相による特別寄稿を掲載するとともに、各分野の第一線で活躍する有識者、あるいは、広島にゆかりのある方々に、G7広島サミットを統一したテーマとしてコラムを執筆していただき、冒頭にまとめて掲載しております。G7広島サミットの様々な受け止め方や、今後の期待などを知ることができる大変興味深い内容となっています。そして、「ひろしまレポート」の本編については、各国の国連代表部や大使館に送付いたしまして、核兵器廃絶に向けた機運の醸成を図る一助となるよう、強く発信してまいりたいと考えております。また、7月下旬から開催予定のNPT運用検討会議第2回準備委員会に参加することができれば、各国の政策担当者などへの配布や、会場におきまして、各国の評点率をまとめたバナー展示などを実施したいと考えています。さらに、一般の方向けの小冊子については、県内の教育機関から利用したいという声をたくさんいただいておりまして、今後、速やかに、2024年版の周知を図るとともに、利用を希望する学校への配布を進めてまいります。本県では、引き続き、このような取組を通じまして、核兵器のない平和な世界の実現が着実に進められるよう取り組んでまいります。それでは、ここからは、2023年の核軍縮・核不拡散・核セキリティをめぐる動向につきまして、まず、戸崎所長、続いて、阿部様にご説明いただきます。

(戸崎所長)
 ありがとうございます。ただいま、ご紹介いただきました公益財団法人日本国際問題研究所軍縮・科学技術センターの戸崎でございます。まず、昨年度もこのような貴重で、非常に重要なプロジェクトを我々の研究所に委託してくださいましたことを、まず、湯崎知事、それから、へいわ創造機構ひろしまの皆さま、そして、広島県の平和推進プロジェクト・チームの皆さまに心より御礼を申し上げます。先ほど、湯崎知事から昨年度の動向につきまして、概略のご説明をいただきまして、私も重複するところがあるかもしれませんけれども、2023年度核軍縮・核不拡散・核セキュリティをめぐる主要な動向につきまして、概略をご説明申し上げたいと思います。核兵器の保有数でございますけれども、お手元に資料は、ございますでしょうか。そちらの〔資料〕を使いながらと思います。2ページ目でございますけれども、〔核兵器の〕保有数の推移ということで、過去10年ほどの数を上げております。総数につきましては、2022年よりも〔20〕23年のほうが若干減少していると、減少傾向が続いていると言えるわけでございますけれども、スライドにも書きましたとおり、軍事的ストックパイル、これは、配備している核弾頭、プラス予備の〔核〕弾頭を含めたもの、これから配置するものを除いた核弾頭の数ですけれども、それについては100発近く増えていると〔いうことです〕。それから、作戦部隊に配備しているもの、これについても、100発近く増えているということで、質的な軍拡競争ということは言われてきましたけれども、量的にも、このような形で、削減のトレンドというものが逆転してしまっているという状況が、ここから見てとれるのではないかと思いますし、それから、国の中では、中国が、昨年2022年よりも、60%近い核弾頭を増やしているのではないかと、それから、スライドには書いておりませんけれども、特に、アメリカなどの見立てでは、今後10年間で、2000発、あるいは1500発のレベルにまで、核兵器を増やしていくのではないかという〔懸念が〕出てきております。そうすると、他の国も対抗するために、核弾頭を増やしていく可能性があるということで、世界は今そのような核軍拡競争の瀬戸際と言いますか、一歩踏み出してしまいつつあるという状況だろうと思います。スライドの3枚目でございますけれども、核軍縮をめぐる動向ということで、まず、知事からもお話がございました、G7広島サミットということで、いろいろな評価ということがあったのだろうと思います。核軍縮に特に焦点を当てた初のG7首脳文書ということで「核軍縮に関するG7広島ビジョン」というものが出されたということについては、こういう文書が出たということについての肯定的な意見もあれば、逆に、その中で核兵器の存在、あるいは、核抑止を肯定するようなニュアンスのある文書、文言というものも含まれているといったような批判があったかと思います。それから、対して、非常に肯定的にとらえられていたのは、G7の首脳、それから、招待国、ゼレンスキー大統領が平和記念資料館の視察、被爆者との対話、それから、原爆死没者慰霊碑への献花を行ったということ、これについては非常に評価が高かったのではないかと思います。スライドの2点目、核戦力の近代化につきましては、先ほど述べたとおりでございますけれども、質的には、特にロシア、中国、北朝鮮の積極性というものが目立ち、様々な実験、あるいは実証実験だとか、ミサイルの実験なども行っていました。そして、ロシアの動向は、引き続き、注意が必要だということで、昨年は、新START、米ロ間の新戦略兵器削減条約です。そちらの履行停止を行ったということ〔です〕。この条約で定められている戦力核の活動の上限を超えることはないのだと彼らは言っていますけれども、現地視察は行わせないと、それから、データの提供も行わないということで、実際に彼らが本当に条約の上限を守っているのかどうかというところは、客観的な査察の結果としては出てこないという状況になっておりますし、ロシアはさらに、CTBT包括的核実験禁止条約の批准を撤回すると、署名している状況は続きますけれども、批准を撤回するということも行いました。さらに、様々な報道の中で、核実験場、何らかの整備を行っているのではないかということも言われております。そして、2022年から続くことではありますけれども、核恫喝というものを、ウクライナの戦争の中で、繰り返し、繰り返し行っているという状況は、2023年も変わりませんでした。さらに、ベラルーシに先日、核兵器を配備するということで、もう既に配備が始まっておりますけれども、こういった核の緊張を、ロシアは高める行動を続けているということであります。アメリカは、ロシア・中国と2国間の軍備管理協議を打診しておりますけれども、現在も含めて、両国ともこれを拒否しているということで、核軍縮・核軍備管理というものが、新STARTを超えて進む可能性、あるいは新STARTの履行停止、元の状況に戻すということは、なかなか今のところ難しいという状況にあるかと思います。スライド4枚目でございますけれども、核兵器禁止条約第2回締約国会議が昨年行われましたということで、宣言それから決定がコンセンサスで採択されました。中でも注目されたものの一つが、カザフスタン等がイニシアチブをとっている被害者援助環境修復の問題で、「国際信託基金を設立するという方向に向けて、議論しましょう」ということが述べられました。それから、核保有国、日本も含めた同盟国は依然として、核兵器禁止条約に対して、参加することになったりするという言い方をしておくべきなのかもしれませんけれども、反対を続けていると〔いうことです〕。他方で、一部のアメリカの〔核〕同盟国、などが、第2回締約会議にはオブザーバーとして参加しました。日本が、現在、かなり力を入れて、旗振りしようとしているのが、兵器用核分裂性物質生産禁止条約、FMCTでございますけれども、これについても核保有国の間の分裂が非常に顕著になってきていまして、もともとはパキスタンが強く反対していたところでありますけれども、FMCTの早期交渉開始をうたった国連総会決議については、中国それからロシアも反対しているという状況です。こういう状況を何とかしようということで、日本、オーストラリア、フィリピンの共催でFMCTに関するハイレベル記念行事、イベントというものが2023年に開催されました。こうした核軍縮の厳しい状況でありますけれども、だからこそ、核軍縮・核不拡散教育であったり、ジェンターを含む多様性・包摂性・市民社会の参加の重要性ということが、様々な場で繰り返し強調されているという中で、これも日本のイニシアチブでありますけれども、「ユース非核リーダー基金」の第1期のプログラムが昨年に開始されたということは、特筆してもよいのではないかと思います。スライド5枚目にあります、主要な核軍縮に関する国連総会決議の星取表でございますけれども、これを見ていただいても、核軍縮に対する意見の相違というものが、これは亀裂と言い換えてもよいと思いますけれども、引き続きある、広がっているということではないかと思います。核不拡散につきまして、6ページ目のスライドでございますけれども、北朝鮮の問題は、引き続き、非常に解決の難しい状況にあるというところです。核ミサイルの開発、特にミサイルの実験を本当に頻発していますし、より高性能なものを購入し、開発し、保有している。それから、イランの問題につきましても、JCPOAの一部履行停止ということで、保障措置、検証の問題が、なかなか解決できないと言いますか、イランに対する十分な保障措置・査察というものができにくくなっているというところでございます。核合意の再建に至らないというところで、これはつい最近でございますけれども、イスラエル・ガザ戦争の影響というものが色濃く残っています。また今日、いろいろ報道がなされていますけれども、よりイランの核問題を取り巻く状況というのは厳しくなっているのだろうと思います。こうした両国に対して、中国やロシアが、先ほど知事のお話にもございましたけれども、制裁の緩和であったり、解除を提案したり、国連安保理では何らかの決議を通そうとする時に、拒否権であったり、その前の段階で反対を明確に示すといったようなポーズをとっているということで、核不拡散についても、核兵器国間の亀裂というものが顕著になっています。そしてAUKUS です。イギリス、アメリカ、オーストラリアがオーストラリアの原〔子力〕潜〔水艦〕を導入しようとしていますけれども、保障措置に関する議論は今のところ続いているというところで、これに対しては、中国、それから最近はロシアも含めて、非常に厳しく批判が続いています。中国は、2018年以降、プルトニウムの管理指針ということで、民生用のプルトニウムをいくら持ってるかということを、日本も含めた9か国に報告するというものがありますけれども、2018年以降、一切出していないというところです。中国の民生用の核活動、これは核兵器に転用可能になりうるものでありますけれども、そういったところへの懸念というものが高まっているかと思います。最後に、スライドの7枚目、8枚目の核セキュリティのところでございますけれども、現在進行中ですけれども、ロシアによると思われるウクライナの原子力施設への攻撃、それから占拠が続いているということで、核セキュリティはもともと、「非国家主体がそういった攻撃を行うことに、どう対応するか」ということが主眼であったわけですけれども、「国家がこれを行った場合にどうするのか」というところの難しさ、そして議論というのは続いているというところでございます。兵器利用可能な核分裂性物質の在庫量につきましては、先ほど知事にご説明いただいたとおり、分離プルトニウム〔について〕英仏が増えているということにつきましては、MOX燃料をつくろうとしているという説明がなされているところでございます。核兵器をめぐる動向は非常に厳しいですけれども、制度面に関して、関連条約であったり、それから核セキュリティ勧告であったり、核セキュリティの最高水準の維持といった取組につきましては、一生懸命、真面目にやっている国は、しっかりとやろうとしているというところで、日本なども、今年、例えば、「核セキュリティをちゃんとやっているか」という査察ではないのですけれども、IAEAの専門家に見てもらって、「どういうところができていて、できていないか」という諮問サービスがありますけれども、2度目の受入れを行う予定という形で、制度面での若干の評価と言いますか、進展というのもありますけれども、それを覆すような原子力施設への攻撃など、非常に危険な状態も続いているということです。ざっくりとでございますけれども、私からの説明は以上でございます。ありがとうございました。

(知事)
 ありがとうございます。それでは続いて、阿部様でございます。

(阿部大使)
 先ほど、〔戸崎〕所長から、かなり詳細に説明がありましたので、私のスライド前半は省略させていただいて、「ひろしまレポート」は、今年、特別に9ページ以降に、G7広島サミット特集ということで、何人かの方のコメント、論評が掲載されております。これは去年、広島でG7サミットが開かれて、「広島ビジョン」が発表され、共同声明がなされたということを踏まえて、特別に特集として、コメントもしていますが、特に最初のアンゲラ・ケインさんの論評は、なかなか厳しい辛口の論評になっていまして、「〔広島〕サミットをやって、宣言を出したいうことはよいのだけれども、中身を詳しく読むと、いろいろ限界が感じられる。先に進んでいないではないか」という記事、コメントが出ております。なかなか各方面からの、厳しい言い方を、まとめて代弁した論評ではないかと思います。それから、最近の動向としては、核兵器禁止条約が発効しまして、第1回、第2回の締約国会議が開かれたのですが、ここでは、まず最初に注目しないといけないのは、発効しましたけれども、今のところ、加わっている国は70か国、つまり、世界の国は全部で、国連加盟国で193カ国ですからは、3分の1ちょっとしか、まだ加盟してないと、署名している国も93〔カ国〕ですから、ちょうどこれは国連加盟国の半分ぐらいということです。仮に、核兵器を持っている国は、みんな反対して、加わらないということがあったとしても、かなり大多数の国が、この条約を批准して加盟すると、国際慣習法として、一般法として、条約が成立しつつあるのだという議論ができて、それによって、核兵器は使ってはいけない禁止兵器という説得力を持ち得るのですけども、残念ながら、今のところ、まだそこまで至っていないということです。条約の参加国は、これからさらに努力を続けて、加盟国を増やすという努力が求められるということだと思います。その背景としては、まさに条約に大多数の国が入るようになると、力が出てくるということで、核兵器を持っている国は、「皆さん、ぜひとも〔核兵器禁止条約に〕入らないでください」と、かなり働きかけて回っているのです。そういうこともあって、〔条約に〕入ろうかなと思っている国もなかなか足踏みしているところであります。一部の国は、例えば、「経済協力、経済援助を止めます」というような脅しも使って、ブレーキをかけているという話もありますので、そのようなところが背景にあると思います。これも日本のような国は、「いや、そこ〔脅し〕までする必要はないのではないか」と言ってもよろしいのではないかと私は思います。それから、この条約が発効しまして、第2回の会議で、第6条に書いております、被爆犠牲者の支援、あるいは、被爆した放射能に汚染された環境の修復について作業を始めようということで、基金を設置しようと、議論を始めようという動きが出ております。これについては、日本は、実は、被爆犠牲者の支援は、まさに広島・長崎の時代からいろいろ苦労して、やってきたわけで、経験と知識があるということで、日本が協力できる分野ではないかと思いますので、仮に、日本が条約に入らないにしても、そういうところでは日本政府は、協力したらよいのではないかと思うのですが、残念ながら、私が日本政府の方に、他にもそういう話をしますと、「いや、日本は独自にやっていますから、一緒にやる必要がないのです」ということを言われます。私は、やはり、条約の参加国と協力したほうがよろしいのではないかと考えます。環境修復という面でも、日本は最近の福島〔原子力発言所〕事故の経験から、「どうやって、放射能に汚染された地域を修復して、農業を再開するか」など、いろいろ経験・実績がありますので、これも日本の知識を持って、参加国と協力したらよろしいのではないかと思います。それから、日本は、1回目2回目〔の会議〕とも、オブザーバー参加すらしていません。これも、私は、ぜひともオブザーバー参加ぐらいして、参加国といろいろ意見交換したり、日本の経験をシェアしたらよいのではないかと思います。これも聞きますけれど、「日本はアメリカの核の傘、拡大抑止に依存してるので、それを否定するような条約に近づくことができないのです。」「オブザーバー参加もだめだ。できない。」と言いますけれども、そうおっしゃるけれども、実は、アメリカの傘の下にあるドイツ・オランダ・ベルギー・ノルウェー、オーストラリアの国はオブザーバー参加しているのです。ですから、何も日本が参加したからとして、アメリカが「日本はけしからん」ということはないと思いますし、特に日本の場合は、アメリカの中でも、半分の人は、広島・長崎の経験があるので、こういう問題について非常に敏感であるし、いろいろ日本で、独自に前に進みたいということは、かなり理解してくれて、例えば、一つの例が、日本は、過去において、核実験した国、あるいは、未臨海実験、爆発に至らないけれども、核爆発は無しで、いろいろ核爆発の性能を調べることをやった都度、日本政府は抗議してきております。アメリカに対しても、同盟国に対しても繰り返し抗議してます。それに対して、アメリカは別に「日本はけしからん」ということを言っていません。同じケースで、こういうこと言ってますので、そこはある程度、日本のことは、アメリカの人は理解していると思います。私は〔日本が〕オブザーバー参加しても、アメリカが抗議するということにならないのではないかと思います。それから、依然として、核兵器禁止条約に参加しない国には適用されないのですけれども、その面においては、さらにこの条約ができる前に、国際人道法の適用と、核兵器が使用された場合の人道的な影響について、いかに恐ろしいものであるかという会議が何度か開かれました。そこにおいて議論されることは、そもそも核兵器は、〔核兵器禁止の〕条約がなくても、いろんな場面に使ってはいけない国際人道法という国際法の分野がありまして、例えば、無差別に民間人を殺してはいけないという国際法もあります。それから、必要以上の危害を加えてはいけないという国際法、それから、相手からの攻撃に対して、それ相応の反撃はよいけれど、それ以上はやってはいけないという、いろんな国際人道法の原則があります。それを厳しく適用すると、ほとんど核兵器が使える場合はないです。こういう議論をさらに進めることによって、実際、核兵器は非常に使いにくいと、使えないという方向に持ってくることができます。それから、核兵器そのものは使ってはいけないという議論を強める、これは、G20の声明にもでていますし、G7の声明にもでています。そういうところを強調することによって、実際、使えなくするという努力も続けてほしいです。最後に、広島において、〔国際〕平和拠点構想等をどう進めるかということですが、1番最初は、核兵器が使われると、どういうことになるのかという非人道性を、できるだけ多くの人々、特に各国指導者、あるいは国防長官とか、実際に核兵器の使用を決定したり、使う立場に立つ人によく見てもらう〔ことが大事です〕。「〔核兵器が使われると〕こんなことになるのです」ということを言って、〔核兵器廃絶への〕支持をつくるということでいくと、そのようなことにおいては、去年、G7広島サミットの首脳を広島に呼んで、いろいろ見てもらう〔ということがありました〕。その中には、アメリカ・イギリス・フランスという核兵器を持つ国の首脳もいます。〔G7広島サミットは〕よかったと〔いうことです〕。これは、今後とも続けなければならない。ただ実際には、どうやったら、核兵器をなくす、それから核拡散を防ぐという環境ができるかということで、ひろしまラウンドテーブルという会議に専門家を集めて、いろいろ知恵を出し合っています。こういうことも、これから続けていかなければならないと思います。それから、核兵器の役割を低減するということで、核抑止力を議論しますけれども、核兵器を使う機会をできるだけ少なくする、例えば、アメリカは最近、核兵器を使わなくても、通常戦力で、かなりの抑止ができるという議論になっております。精密誘導兵器とかです。その議論を進めることによって、実際に核兵器が使われる機会の役割を縮小できるということで、議論を進めようと思っています。それから、「ひろしまレポート」を出す一つの最初の、私どもの発想は、実は、こういう類いの報告書は他にも、オーストラリア、アメリカでいくつか出ております。しかしながら、これは時々出たりしてるのですけれども、〔ひろしまレポートは〕一貫して、出し続けて、しかも、出すことによって、各国がどれだけしっかりやってるか、しっかりやってないかということを見せることによって、できるだけやってない国はもっと努力させるいう効果を狙ったということです。最初の頃はいくつかの国から、「この報告書は、ちょっと誤解がある。我々はもっとしっかりやってます。」というような反応もありました。実はそういう反応が出てくるということはよかったと思います。「もう少しちゃんとやろう」とか、「自分たちのやってることをはっきり、みんなに報告しよう」という効果を狙って、やってる報告書ですので、これはぜひとも、そういった力を発揮したいと思います。最後に、長くなりましたけれども、「それでも、なかなか核兵器はなくならない、核抑止力が必要だ」ということについて、最近出てきたアイデアとして、核兵器を、「これはもう過去の兵器なのです。」という、今の時代では〔核兵器は〕古いとすることによって、核兵器をなくす方向も、強く〔推進〕できるのではないかというアイデアが出てきております。私もそういう議論をしていますが、アメリカの有名な学者さんもそういう話をされています。これは要するに、抑止力というのは必要かもしれない。世界100いくつ国があって、時々悪いことするやつが出てくるわけです。そういうのを止めろと言うためには、何らかの抑止力が必要だということです。抑止力は必要かもしれないけれども、核兵器による〔抑止力は〕必要ないのではないかと〔いうことです〕。核兵器は、抑止というけれども、最後はどうするかというと、抑止できなかった場合に〔核兵器を〕使うということですけれども、核兵器を使ったら、どうなるかと、皆さんご承知のとおりです。しかも、大量に使うと、「核の冬」というものを引き起して、地球全体が寒冷化して、農作物ができなくなって、世界は核爆弾そのもので心中するだけではなくて、「核の冬」によって、人類がほとんど滅亡に近づくということも言われてます。そういう意味では、〔核兵器は〕使ってはいけない兵器なのです。ということであれば、それ以外の方法によって、抑止力を保てばよいではないかということで議論すれば、核兵器は必要なくなるかもしれない。実際、今のウクライナ戦争で、ロシアが〔核兵器を〕使うかもしれないぞと一生懸命に脅していますけれども、でも実際には使えません。ロシアのプーチンさんも、核兵器を使ったら、どんなことになるかということは、わかっているわけです。脅すことができても、なかなか使えない〔ものです〕。では、使えない武器を持っていてもどうしようもないのです。実際、今、ロシアはそういう状態になって、かなり苦戦しています。ですから、核兵器を持っていても、通常戦争は勝たないです。だから、今の新しい戦争では、ドローンが台頭して、かなりの戦果をあげています。これも「核兵器なんか要らない」ということで、最近はレーザー兵器も登場して、精密な攻撃、精密な兵器でいろんなことできるようになっています。ウクライナでも戦闘にロボットが活躍しています。それに、人工知能を搭載するということ、そういうことをいろいろやれば、もう核兵器は要らなくなるのではないか、核兵器という巨大な使いにくい兵器は過去のものだとすれば、核兵器はなくなるという議論をしてはどうかということが、1番最新のアイデアです。以上、長くなりました。

(司会)
 ありがとうございます。これより質疑に移ります。ご質問の際は社名とお名前を名乗り、湯崎知事、阿部様、戸崎様のどなたへのご質問かおっしゃってからお願いいたします。それでは、挙手をお願いいたします。

(RCC)
 RCCの平田と申します。よろしくお願いします。〔ひろしま〕レポートにも関連することで、先ほど、言及もあったのですけれども、CBSやCNNが伝えたところでは、イスラエルがイランに対して、反撃したと報道されています。核保有が確実視されているイスラエルが核開発疑惑のイランを攻撃したということは、非常に核の問題について、懸念される事態だと思うのですけれども、お三方からそれぞれ、どうこの事態を受け止めていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。

(知事)
 もともとイラン・イスラエルは、非常に敵対する関係ではありましたけれども、なかなか相互に接するということが、これまでなかったです。実際には、こうやって始まって、何かのきっかけに、何かというのが、パレスチナのイスラエルに対する攻撃であったわけですけれども、そこから、イラン・イスラエル〔の戦争〕に火が飛んでいってしまったということです。こういうのを見ても、やはり、我々が想定している抑止の問題は、簡単に破れてしまう、予測が必ずしもあたるわけではないということを示していると思います。それが核兵器を保有する国と関わっているというのは、非常に危険なことであると思っておりまして、今回、これで、エスカレーションしない、止まることを我々も期待したいわけですけれども、本当に止まらないかもしれない時に、核兵器は本当に使われないのかは、大きな疑問、不安という状況だと思うので、こういう状況を見ても、とにかく核兵器をまずなくしていくということが、極めて重要だということを示していると思っています。

(阿部大使)
 イスラエルの立場からすると、イスラエルは昔から自分は核兵器を持っていると言わないけれど、持っているということです。しかしながら、周りの国には核兵器を持たせないというのが、イスラエルの性格で、シリアも爆撃して原子炉を壊しましたし、イラクも、爆撃して核兵器をやるかもしれないと言いました。次は、イランだということで、何とか〔核兵器を止めようと〕してやったわけですが、イランは遠いし、核施設もできてます。止めるのは難しいのですけれども、イスラエルの立場からすると、自分はアラブの国、敵に囲まれた小さな国なので、核兵器を持たざるを得ない〔ということです〕。わからないこともないけれど、しかし、今のガザの行為は明らかにやり過ぎです。ということで、昔、アメリカのキッシンジャーが言っていましたけれども、中東問題には答えないと〔いうことです〕。「何とか、その場、その場を穏便に収めていくしかないのだ」と、キッシンジャーも言っていました。私もなかなか明快な答えはないのです。だから、今回も、非常にエスカレートしつつありますけれど、これを何とか収めるしかないので、バイデン〔アメリカ大統領〕さんが、イスラエルに「やめておけ、やり過ぎてはいかん」と言っていますけれど、なかなか声を聞かないのですけれども、アメリカの圧力で、うまくやってもらうしかないという気がします。最終的には、私は、中東非核地帯というアイデア・構想が前からあるのですけれど、やっぱり、イスラエルも含めて、みんな核兵器を持たないことを条約で約束して、ちゃんと検証するという目的を達成しないと、なかなか答えがないのではないかと思います。

(戸崎所長)
 ありがとうございました。今、イスラエルとイランの応戦を見ていて、特に思うのが、やはり抑止は難しいということが一つ、それから抑止は、武力紛争が行われていないからこそ、抑止で済むということであって、抑止論の世界では、武力紛争が行われてからも、どこかで抑止を効かそうとすると、「戦時下の抑止」という言葉がありますけれども、そのために相手のエスカレーションを止めるために、我々が攻撃して、相手にさせないようにするといったようなことが、理論的には、いろいろありますけれども、それはやっぱり難しいのだというのを改めて、今回も思い知らされているところです。相手はいろいろなメッセージを持って、攻撃する。それに対して、いろいろな攻撃メッセージを持って反撃すると、「これ以上やりたくない、やらせたくない」というようなメッセージを持っていたとしても、相手はそう捉えないかもしれない。そこで、エスカレーションがどんどん高まっていって、もしかすると、本人たちも考えていなかったような、武力紛争の拡大ということ、もしかすると、そこには核というものに行き着いてしまうかもしれませんけれども、そうしたエスカレーションの怖さ・難しさというものを、改めて、見せつけられているのだろうと思います。だからこそ、まだ、今の段階で、イスラエルとイランが何らか裏で、例えば、話をするとか、それが難しいのであれば、どこかの国が仲介に立つとか、それぞれの国に対して、何らかのメッセージを持って、今の現状、非常に危険な状態をここで止めさせるというところ、そういったような第3国の果たすべき役割というものも非常に大きいと思いますし、何よりも、イスラエルとイランが、エスカレーションの怖さをもっと真剣に考えて対応してほしいと思っています。

(毎日新聞)
 毎日新聞の安です。お三方に伺いたいのですけれども、昨年のG7サミットで、岸田首相は広島ビジョンを出されて、〔ひろしまレポートの〕寄稿にも書かれてるとおり、非常に成功されたものといった評価をされています。ただ一方で、「ひろしまレポート」の序論でもありましたが、広島ビジョンが核を巡る状況に関して、抑制する状況に至らなかったといった記載があります。「ひろしまレポート」では広島ビジョンがあっても核軍縮が進まない理由と分析について、〔どのように捉えているか〕教えていただけますでしょうか。

(戸崎所長)
 ありがとうございます。非常に難しいご質問だと思いますけれども、やはり、様々な国、昨年はG7でしたけれども、それ以外にも、G20だったり、核兵器禁止条約の賛成国もそうですけれども、現状、核をめぐる問題というのが非常に厳しいところを逆転させなければならない、核軍縮をより進めなければならないという様々な取組を行っているという中で、G7もその一つだったかと思います。けれども、やはり、国際的な安全保障環境がそもそも非常に厳しいと〔言われており〕、戦略的競争、それから、アメリカとロシア、アメリカと中国の対立、それが地政学的に、様々なフラッシュポイント〔引火点〕で問題を起こしている、その中で、核兵器に対する依存が高まっていると、核軍縮とは逆に向かうようなベクトルが非常に強まっている中で、どこから手をつけなければならないのかというところを、どこのアクター〔関係者〕も模索しているところなのだろうと思います。例えば、「G7で、声明、「〔広島〕ビジョン」を出したけれども、進まなかった」ということではなくて、単純に、そこにつなげていくのではなくて、そもそも非常に難しい問題であるからこそ、様々なアクター〔関係者〕がそれぞれできることをまずやっていくと〔いうことです〕。その中で、もしかすると、やらなかったよりも、進んでいる部分が〔あるかもしれない〕、あるいは、より悪化するところを少し止めた部分もあるかもしれないというところを、非常に細かくなりますけれども、見ていって、その中で、様々な国、アクター〔関係者〕がより核軍縮にもう1回、ベクトルを向けるようなことを訴えていくということを行っていかなければならないと〔思います〕。それをやめてしまうと、どんどん、今の核軍拡競争であったり、核が厳しい状況であったり、そちらの方向に、より進んでいってしまうというところで、少なくとも、スピードを遅くする、逆転するための機会、時間をもたらそうとするということ、そうしたところの意味というのは、全くゼロではないのだろうと思います。

(阿部大使)
 私はちょっと違った視点から話しますけれど、今の状況では、実は核軍縮を進めろという強い世論はないのです。世界においてです。大体、今までも、現在も、やっぱり、主導的なのは、アメリカです。核軍縮をやろうと言って、ロシアに呼びかけて、核軍縮が進んだのですけれども、これまでの歴史を見ると、例えば、初期においては、アメリカ国内で、「核兵器はこんなに恐ろしいものなのだ」と「これ〔核兵器〕をなくせ、減らせ」という世論が盛り上がったのです。なぜかというと、一つは、当時は、アメリカはソ連と核戦争になるかもしれないというので、地下シェルター、地下防空豪をつくって、毎年何回かそこに逃げる訓練をやっていたのです。ということは、それだけ、みんな一般の人が、「核戦争は大変なんだ。恐ろしいことなる。逃げないといけない。」と、そうすると、やっぱり、そもそも核兵器をやめるべきだという世論もできていたのです。それが非常に強い後押しになって拡充する〔ということです〕。それが、政治家、指導者、あるいは軍人は、核兵器を持ち続けた方が楽なわけです。なぜ、そっち〔核軍縮〕に向かったかというと、世論に押されて、核軍縮をやろうと動いたのです。それから、次にできた中距離核戦力廃止条約、INF全廃条約です。これは、なぜできたかというと、アメリカがソ連に対抗して、中距離ミサイルをイギリスとドイツに配備を始めたのです。そこで、地元の人たちが、「すごい恐ろしい兵器が来るぞ」と、「戦争になると、自分のところに飛んでくるかもしれない」ということで、ヨーロッパで、こういう兵器の配備をやめろという世論が巻き起こったのです。それに押されて、アメリカはやっぱりやめようという交渉をソ連とやって、〔INF全廃〕条約ができました。だから、こういうものが進むためには、世論の盛り上がりが必要なのです。残念ながら、〔今〕それはないのです。そういう背景が一つあると思います。

(知事)
 私の目から見ると、例えば、G7の「広島ビジョン」が、どっちを向いているかという、まさに、ロシア・ウクライナ戦争があって、世論的には、むしろ、核兵器を評価しようという世論が、いろんなところで沸き起こって、むしろ、首脳の皆さんが、「そうではない。廃絶の方向を目指すのだ」と、訴えたと思うのです。大きな逆推進力でもあったかと思います。これが、世論に押されて、「やっぱり核抑止力を強化するのだ」ということを、G7で一致したということを逆に考えたら、非常に大きな、逆方向への推進力になったわけでありますから、なので、何て言いますか、一つは、一般の人にも、あるいは一部の政治家からも、「核兵器をもっと強めろ」というところを止めて、だから、〔核兵器の評価が〕あまり動いてないということなのではないかと思います。

(司会)
 ありがとうございます。所定の時間を超過していますので、次で最後の質問とさせていただきます。

(中国新聞)
 中国新聞の太田と申します。湯崎知事に3件、お伺いしたいのですけれども、まず、今回の〔ひろしま〕レポートなのですが、核兵器廃絶の厳しさが増しているということで、まず一つ、全体の評価をお伺いしたいと思います。あと、2点目が、核軍縮の分野で、日本が昨年より評点を下げているのですけれども、それに対する受け止めをお願いします。3点目は、核抑止に対して、保有国だけではなく、同盟国、非保有国も、拡大抑止を重視していると指摘しているのですけれども、そこに対しての受け止めをお願いします。

(知事)
 まず、今回、〔ひろしまレポートは〕これまで11年間ずっと核軍縮であるとか、あるいは、安全保障の専門家の皆さんにつくってもらっていただいて、国際的には有用なものとして受け止めて、評価、活用していただけると思っていまして、そういう中で、2024年版も、今回、テーマもG7広島サミットとあるので、こういったレポートを通して、G7の成果を多くの皆さんに、想起してもらうことができるのではないかと〔思います〕。それが核軍縮に向けた、つまり、先ほど、首脳で〔核兵器使用の〕ブレーキをかけていくというところです。その機運醸成の一助になればということを期待しているところです。日本の評価についてですけれども、今般、一つは、G7での核軍縮に関するイニシアチブであるとか、評価されているところがあると思いますが、それから、核セキュリティ、高濃縮ウランの保有を下げたというところが評価されたのだと思いますが、順位は下がっていると〔いうことです〕。これは相体的に、他の国の評点が上がっているということがありまして、それで下がっていることなので、日本政府としては、唯一の被爆国として、もっと努力していかなければいけない、〔努力して〕いただきたいと感じるところであります。核抑止に関して、まさに見られる現象として、なかなか、理想的な平和論というか、国際紛争とか、武力行使がなくなるのだということは、現実としては、なかなか非常に難しいことだと思います。そういう観点から、拡大抑止は非常に重要である、これは間違いないと思っています。ただ、拡大抑止に、核〔による〕拡大抑止が必要なのか、あるいは、適切なのかということでいうと、まさにこういった暴力を使った紛争がエスカレートしていく恐れがあるということで、我々まさに目の当たりにしているわけですので、それが行き着くところが、核が存在していれば、核戦争ということになっていくわけで、そういう厳しい安全保障上の現実があるからこそ、核兵器をなくさないといけないということではないかと思います。

(司会)
 ありがとうございました。それでは、以上を持ちまして、知事会見を終了いたします。ありがとうございました。

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資料1(核軍縮等に関する「ひろしまレポート2024年版」 (PDFファイル)(276KB)

資料2(ひろしまレポート2024年版_本編) (PDFファイル)(2.74MB)

資料3(ひろしまレポート2024年版_概要編) (PDFファイル)(1.14MB)

資料4(小冊子_核兵器を巡る世界の現状を知っていますか?) (PDFファイル)(6.15MB)

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