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知事記者会見(令和4年6月28日)

印刷用ページを表示する掲載日2022年6月28日

 記者会見などにおける知事の発表や質疑応答をブランド・コミュニケーション戦略チームでとりまとめ,掲載しています。
 なお,〔 〕内は注釈を加えたものです。
 動画はインターネットチャンネルのサイトでご覧になれます。

会見日:令和4年6月28日(火曜日)

発表項目

〔動画〕

(1)NPT運用検討会議への参加について

(2)インフラマネジメント基盤「DoboX」の運用開始について

(3)D-EGGS PROJECT継続事業「サキガケ」について

質問項目

(4)NPT運用検討会議への参加について

(5)核兵器禁止条約第1回締約国会議の評価等について

(6)広島サミットの推進組織について

(7)そごう広島店新館の閉館について

(8)鞆地区推進事業について

(9)秋山選手の広島カープ移籍について

会見録

 (幹事社:共同通信)
 幹事社の共同通信です。これから知事定例会見をはじめます。終了時刻は,11時00分を予定しています。ご協力をお願いします。まず,知事からの発表が3件ありますので,お願いいたします。

NPT運用検討会議への参加について

 本日,3点〔の〕発表項目〔が〕ございます。1点目ですが,NPT運用検討会議への参加についてでございます。8月にニューヨークの国連本部で開催されます,核兵器不拡散条約,いわゆるNPTですけれども,〔NPT〕運用検討会議がございます。〔NPT運用検討会議に〕私自身〔が〕参加いたしまして,本県や,へいわ創造機構ひろしま,〔つまり〕HOPe〔ホープ〕の,平和の取組の発信や,核軍縮に向けた働きかけなどを行います。期間としては,7月30日から8月4日までといたします。NPT運用検討会議では,岸田総理をはじめとして,各国の代表者による演説を傍聴するとともに,県主催のパネルディスカッションを開催することとしております。パネルディスカッションでは,私の他,県が連携協定を締結しております研究機関の専門家にご登壇いただきまして,核抑止への注目が高まる中,核兵器国が核抑止をどのように認識しているかについて掘り下げた上で,その中で,核軍縮をいかに前進させていくかについて議論を行いたいと考えています。あわせまして,会場では,ひろしまイニシアティブや,ひろしまレポートを紹介するバナー展示も行う予定です。また,国連〔や〕各国政府関係者等との協議を通じまして,本県やHOPe〔ホープ〕の取組に対する意見や協力を求めることとしております。なお,NPT運用検討会議には,県議会団も派遣される予定と聞いております。こうした取組を通じまして,厳しい情勢にある核兵器廃絶に向けたプロセスが進展するよう,広島の役割を果たしてまいりたいと考えております。

インフラマネジメント基盤「DoboX」の運用開始について

 次に,発表項目〔の〕2点目でございます。インフラマネジメント基盤「DoboX〔ドボックス〕」の運用開始についてです。県では,新たなインフラマネジメント基盤であります,「DoboX〔ドボックス〕」の運用を,本日から開始いたします。「DoboX〔ドボックス〕」では,災害リスク情報や公共土木施設等の情報を地図上で確認することや,これまで行政内部で利用していました情報を,オープンデータとして誰でも利用することが可能となります。データ連携機能を有して,インフラ情報を公開するシステムの運用は,都道府県では全国初となります。具体的な活用の例について,資料をお配りしていると思いますので,裏面をご覧ください。〔資料にある〕例の(1)〔ですが〕,「DoboX〔ドボックス〕」では,浸水想定区域や土砂災害警戒区域などの災害リスク情報の重ね合わせ機能や,地域の危険箇所などの登録機能を利用してオリジナルマップを作成することができます。このため,例えば,地域の自主防災組織の皆さまが,災害図上訓練などを行う際に,この「DoboX〔ドボックス〕」の図面を利用して,効果的,効率的に訓練を行っていただけます。〔資料にある〕例の(2)ですが,「DoboX〔ドボックス〕」で公開するデータを基に作成した3次元地形図と,民間事業者などが作成した3次元データを組み合わせることで,例えば,バーチャル空間上に,将来の大規模開発事業を再現して,地域住民の皆さまへの事業説明に活用するなど,さまざまな用途にお使いいただけます。今後,国が保有する3次元点群データや,道路規制情報,河川水位情報とも連携して,オープンデータの活用を進めるとともに,データを組み合わせた新たなサービスを提供してまいります。県民の皆さまや事業者の皆さまが,オープンデータを活用することで,新たなイノベーションが生まれる可能性もございます。ぜひ多くの皆さまに「DoboX〔ドボックス〕」をご活用いただきたいと思っております。県では「DoboX〔ドボックス〕」の活用も含めたDXの取組を通じて,県民の利便性や安全,安心の向上などを目指してまいります。

D-EGGS PROJECT継続事業「サキガケ」について

 次に〔発表項目の〕3点目,D-EGGS PROJECT継続事業「サキガケ」についてでございます。県では,コロナ禍で顕在化した社会課題を解決するアイデアの実現に向けて,令和2年度から実施しております「ひろしまサンドボックスD-EGGS PROJECT」において,それぞれの進捗段階に応じた,さまざまな支援を行っております。このうち,社会実装を進めるに当たりまして,障壁となる規制の緩和であるとか,官民による運用基準の策定などの新たなルールメイクに先駆けて挑戦する事業を支援する「サキガケプロジェクト」を始動いたします。本県が注力する産業分野であります「環境・エネルギー」,「医療・ヘルスケア」,「DX推進」の分野を対象に,実証フィールドの調整や,協業する県内事業者とのマッチングを行い,今年度は5件のプロジェクトを支援いたします。具体的には,船員不足や脱炭素社会に対応して,新しいモビリティ体験を提供する小型電動船の自律航行の実証や,スマホを使った医療器具やヘルスケア製品のスマート化による病院や,個人のユーザー体験の向上などとなっております。県では,関係省庁と連携した特区制度などの環境整備や,国の規制対応の制度の活用などに向けて,法務に関する専門家の支援体制の構築などを行ってまいります。この事業を通じまして,規制の障壁を超えて,新たなビジネスモデルを目指すスタートアップ企業と県内の事業者が,共創で,共創というのは共に創るという意味です。〔共創で〕市場を創出することによって,本県の経済活性化に繋げてまいりたいと考えております。私からは以上でございます。

 (幹事社:共同通信)
 これらの件について,質問がある社は挙手をして社名を名乗ってからお願いします。なお,手話通訳者の方が通訳しやすいよう,質問は,はっきりとおっしゃっていただきますようお願いします。

NPT運用検討会議への参加について

 (中国新聞)
 中国新聞の宮野です。NPTに関連する部分でお伺いします。参加の目的をもう少し具体的にお伺いできればと思います。県の取組については,ひろしまイニシアティブや,グローバル・アライアンスの活動もありますが,今回〔NPT運用検討会議に〕参加して,何を実現されようと思っているか,お願いします。

 (答)
 今回はまず,大きな取組というか,会議の場での取組として,サイドイベントを行います。これについては,先ほど申し上げたように,核抑止という,核兵器そのものの問題について専門家とともに議論して,〔それ〕で,認識を深めていただくという取組ですから,ここはハードコアの核抑止の問題について議論していくということになります。その他,HOPe〔ホープ〕の取組については,国連の関係者であるとか,各国の関係者の皆さんとの面会になると思いますけれども,そういったことを通じて,取組を説明して,賛同を拡大していきたいと考えているところです。その他,パネル展示のような,そういったようなことをさせていただくということにしています。

 (中国新聞)
 核抑止の認識については,核抑止がどういうものだという認識と考えているか,そういった部分は〔いかがでしょうか〕。

 (答)
 核抑止について,それぞれの核兵器国であるとか,あるいは,いわゆる核の傘の下にある国々が,核抑止はどういうものかという認識がそれぞれ違っているのではないかという,そういった疑問もありまして,それを少しつまびらかにしながら,それを踏まえた上で,核兵器削減,あるいは抑止に頼らない安全保障にどういうふうに動いていけるのかということを議論していくということです。ですから,最終的に,核兵器保有国が核兵器を手放していくためには,新たな安全保障体制というのが必要ですから,核兵器を持たない,その前段になります核抑止,元々,今,安全保障理論についてどう考えているのか,それと,そもそも,みんなが同じように考えているのか,ずれがあるのか,ずれがあると,そこにまた脆弱性だとか危険性だとかということもあるので,そういったことを議論して,次に繋げていくと,そういうことです。

 (中国新聞)
 県としてはやはり,核抑止に対しては,危険なものであると,機能していないと,そういう認識なのでしょうか。

 (答)
 ごめんなさい〔,どういう趣旨の質問でしょうか〕。

 (中国新聞)
 核抑止は,以前,知事が言われていましたが,幻想であって機能しないという前提は変わっていない〔という認識でしょうか〕。

 (答)
 そうです。

 (中国新聞)
 HOPe〔ホープ〕の取組について〔は〕,やはり2030年までのポストSDGsに核兵器廃絶を位置付けるという,そういった取組になりますか。

 (答)
 そうです。

 (中国新聞)
 ありがとうございます。

 (幹事社:共同通信)
 その他〔の質問〕は,いかがでしょうか。

 (NHK)
 NHK〔の〕重田です。NPTに関して2点お伺いしたいのですが,先ほど「広島の役割を果たしていく」ということを言われていましたが,具体的にどういった役割が広島にあると認識されているのでしょうか。

 (答)
 基本的なところになりますけれども,やはり広島は,世界で最初の,戦争上の核兵器の使用が行われたところでありまして,核兵器の廃絶に向けて取り組んでいくということが,まず,広島の大きな役割です。その中にまたいろいろ細かくありますけれども,一つは,被爆の実相をしっかりと伝えていくということがあります。これは広島市が中心に行っていることですけれども,その他,具体的に〔核兵器廃絶に向けた〕進展をさせていくためには,核兵器廃絶に向けた機運醸成というのもございます。これについては,例えば今回のG7のホストだとか,外相会合のホストとか,そういうこともありますし,また,ユース,若い人の教育であるとか,そういったこともあります。それから,それがまた,今HOPe〔ホープ〕で取り組んでいるような,グローバル・アライアンスだとか,あるいはフレンズ会合といったようなところにも繋がっていくわけですけれども,そういう機運,それから取組の輪を拡大していくということがあります。それからもう一つ,具体的な政策というところについても,今,なかなか核抑止に依存した安全保障という体制になっているわけですけれども,それをどういうふうに変えていくかということが,やはりハードコアの部分で必要だと思っていまして,これについて,非常に大きなイニシアティブを取っているところが実はあまりないので,一方では,例えば核兵器禁止条約というのがあるわけですけれども,それは,核兵器禁止条約に参加しているところは良いのですけど,参加していないところというのがあって,そこがどう変わっていくかということのために,やはり,このポリシーの変更というのが必要になってきますので,そういったことに対してどういうふうに働きかけていくのかと,まずその理論づくりということも含めて行う必要があるのではないかと考えていますので,そういったことを取り組んでいくという,被爆の実相というところから,それをさらにちょっと踏み越えて輪を広げていくとか,今みたいな,新しい安全保障の考え方をどうするのかというのを,これ〔は〕広島だけでできる話ではないですけれども,平和のハブとして,そういった必要なことを取り組んでいくということが,広島の役割,それがつまり最終的には核兵器廃絶のためにできることを行っていくという,広島の大きな役割だと考えています。その他にも,再生とか復興だとか,そういったようなことについてメッセージを出していくということも非常に重要な役割で,それについてまたいろいろ取り組んでいますけど,それ〔を話すと〕また長くなるので,やめておきますけれども〔,そういった役割があると考えています〕。

 (NHK)
 もう1点,念のための確認なのですけれども,8月6日の平和記念式典には参列されるという理解でよろしかったでしょうか。

 (答)
 当然です。

 (NHK)
 なので〔8月〕4日には帰ってくると〔いうことでしょうか〕。

 (答)
 はい。

 (NHK)
 わかりました。ありがとうございます。

 (RCC)
 RCCの平田と申します。今回のNPT〔運用検討会議〕の焦点について知事はどういうふうに考えていらっしゃるかお聞かせいただきたいのと,訴える機会があれば,どのようなことを訴えたいと思っていらっしゃるか,それについてお聞かせください。

 (答)
 今回は,やはり,ロシアのウクライナ侵略というような深刻な事態が起きている中で会議が開催されるわけでありまして,核兵器使用の危機というのが現実味を増していると,そういったところにあるわけです。また一方で,核兵器禁止条約の締約国会議〔の〕第1回目が行われまして,そこで「ウィーン宣言」であるとか,あるいは「行動計画」も採択されて,NPTの,これは〔NPTを〕補完するものだという位置付けを,締約国の皆さんであらためて確認したということがありますけれども,こういう中で,やはり,この厳しい安全保障だとか,あるいは核兵器の脅威というものが,現にそこにあるという中にあっても,やはり核軍縮から,最終的には核兵器廃絶に向けた動きを具体的に,やはりしていくのだということを取り組む必要があると思っていますし,そうなることを期待している〔ところです〕。今こういう時期だからこそ,核軍縮に向けて,「もう核軍縮しないんだよ」ではなくて,核軍縮に向けて,やはり動きをしていかなければいけないということが,大きなポイントになるのではないかと思います。

 (RCC)
 あともう1点,すみません。岸田総理も今回,〔8月〕1日〔に〕NPT〔運用検討会議〕に出席されるということが既に発表されていますけれども,現地でお会いになったり,何か一緒に行動を共にされるとか,そういったご予定はあるのでしょうか。

 (答)
 これ〔は〕現時点では未定となっています。

 (RCC)
 以上です。ありがとうございます。

 (幹事社:共同通信)
 その他〔の質問は〕いかがでしょうか。

核兵器禁止条約第1回締約国会議の評価等について

 (幹事社:共同通信)
 〔質問が〕ないようですので,続いて幹事社質問に入ります。6月21日から23日にウィーンで,核兵器禁止条約の第1回締約国会議が開かれました。日本政府は参加を見送りましたが,知事が今回の会議で評価できる点,課題だとお考えになった点を教えてください。また,今回の動きを,知事が参加される「持続可能な開発に関するハイレベル政治フォーラム」や,8月のNPT再検討会議にどのように繋げていきたいか,もしくは課題解決に向けてどのように働きかけたいとお考えになっているか教えてください。

 (答)
 まず,今回の会議全体としては,非常に複雑で難しい道のりではあるものの,核兵器廃絶に向けて動きが始まったということ,これが最も重要な成果ではないかと思っています。具体的には,「ウィーン宣言」,これはどんな状況でも核兵器が二度と使われてはいけないというようなことの再確認であるとか〔そういったことが明記されたものですが〕,それが採択されたこと,また「ウィーン行動計画」,〔これは〕次の締約国会議に向けて,こういうことをしていこうとか,そういう動きがいろいろ書いてありますけれども,そういったことが採択されたということは評価したいと思いますし,締約国の関係者の皆さまに敬意を表したいと思っています。また,今回,NATOの参加国でもありますドイツとか,ノルウェー,オランダ,ベルギーといった国々が参加したと〔いうこと,また〕,オーストラリアも,NATOではないですけれども,アメリカの核の傘の下にあるというオーストラリアもオブザーバー参加したということも,重要なことだったのではないかと,これも成果と言って良いのではないかと思いますけれども,そういうことだと思います。一方で,課題としては,やはり非締約国にはこの条約の義務が及ばないと,こういうことがある。これはやはり,一定の限界があるということですし,NPTをはじめとした,その他の軍縮だとか,不拡散の枠組みとの関係〔が〕補完関係と位置付けられていますけれども,具体的に,どういう補完関係を築いていくのかということについては,いろんな課題があるのではないかとも認識しています。〔それ〕で,ハイレベル政治フォーラムへどう繋げていくかということについて言いますと,このハイレベル政治フォーラムは,SDGsのフォローアップとレビューを行う会議であります。これは,その文脈では非常に重要な会議だと思っているのですけれども,県としては,この第1回の核兵器禁止条約締約国会議で高まった〔核兵器〕廃絶への機運というのを盛り上げていくために,核兵器の非人道性というのはもとより,ウィーンの行動計画でも議論されている持続可能性という観点から,核兵器廃絶の必要性を訴えていこうと思っております。その上で,2030年以降の次期の国連開発目標の中で核兵器廃絶が位置付けられるということを目指して,賛同者の拡大に繋げていきたいと考えているところです。また,NPT運用検討会議にどう繋げるかという観点で言いますと,今回の締約国会議,それからハイレベル政治フォーラムで問題提起していく中で,核兵器廃絶に向けた機運が高まっていっていると思うのですが,それがさらに高まるように,合意文書の採択に向けて,各国代表には協力して取り組んでいただきたいと思っているところですが,県としてもパネルディスカッションの開催をして〔いきます〕。核抑止だとか,軍事力の強化に,今,意識が流れがちです。世界的にです。そういう中で,核軍縮をいかに前進させていくかということを,パネルディスカッションなどで議論していきたいと考えておりますし,国連であるとか,各国政府関係者と面会した上で,合意文書の採択に向けて,後押しをしていきたいと思っています。

 (幹事社:共同通信)
 ありがとうございます。この件について,質問がある社はお願いします。

 (朝日新聞)
 すみません。朝日新聞の大久保と申します。知事〔に〕日本政府の姿勢についてちょっとお伺いしたいのですけれども,知事が今月8日に首相官邸に行かれた時もぶら下がり取材で「締約国会議まで数日あるので首相には参加の決断をしてほしい」という趣旨の発言をされていました。岸田文雄首相〔は〕広島選出ということもあって,地元ではかなりオブザーバー参加への期待が高まったわけですけれども,結果として見送るという決断をしたことについてはどう受け止めていらっしゃいますでしょうか。

 (答)
 オブザーバー参加されなかったというのは,非常に残念なことだったと受け止めています。NPT運用検討会議では,日本政府に,非核兵器国の懸念であるとか期待というのを,しっかりと受け止めていただいた上で,NATOであるとか,アメリカの核の傘の下にある国々とも協力しながら,核兵器国にどう働きかけていくのかというような道筋をしっかりと探っていただいて,ずっと〔日本政府が〕主張しておられる,橋渡し役というのを,しっかりと果たしていただきたいと思っているところです。

 (朝日新聞)
 関連でお伺いします。アプローチの方法としてのところなのですけれども,今回政府としては,〔オブザーバー参加を〕見送る理由として,核保有国が〔核兵器禁止条約には〕参加していなくて,核兵器国も参加している場において現実的な取組を進めていきたいというふうに理由を挙げていますけれども,これに対して,国際NGOですとか被爆者からは,このアプローチの方法では,橋渡し役になれないのではないかといった批判の声も出ています。核問題に対する〔日本政府の〕アプローチが,手法として,あくまでも核保有国も参加している場において議論を進めていくという日本政府のアプローチの考え方については,県としては,手法としてはどうお考えになりますでしょうか。

 (答)
 私としては,核兵器禁止条約〔締約国会議〕にもオブザーバー参加した上で,議論を進めていただきたいとは思いますけれども,政府としてそうでないという判断をされるのであれば,それでは,今度は逆に,具体的にNPTの場などで,核軍縮からのスタートだと思いますけれども,核兵器廃絶に向けた取組がどう進展していくのかということを実現していただきたいと思います。結局,核兵器廃絶に向けたアプローチが違う〔ということで〕,ただ,重要なことは結果でありますので,〔核兵器〕禁止条約というアプローチも一つのアプローチですけれども,それが具体的な核軍縮に繋がらなかったら,これはまたこれで意味がないわけです。ただ,そうなる〔具体的な核軍縮に繋がる〕だろうということで,核兵器禁止条約も進められているわけですけれども,他方で,NPTをはじめとする核兵器国との議論の中で,それ〔核軍縮に向けた取組〕を進めるということであれば,それの具体的な成果ということが生まれなければ,これまた意味がないことでありまして,逆に言うと,その中で,具体的な核軍縮であるとか,あるいは核兵器廃絶に繋がるということができるのであれば,それは非常に高い評価を受けるべきことでありますから,やはり,その結果ということを注視していかなければいけないと思っています。

 (朝日新聞)
 ありがとうございます。

 (中国新聞)
 中国新聞の宮野です。〔核兵器禁止条約〕締約国会議の関係で,広島県も職員3人を派遣して現地でパネルディスカッションや展示をされました。県の活動とその成果についてお聞かせください。

 (答)
 今回,まず,やはり,核兵器禁止条約〔締約国会議〕の,〔これは〕核兵器禁止に向けた強い思いを持っている国々が集まる場でありますので,その中で,広島県の今の考え方ということを伝えていくと,そして機運を盛り上げていくということが非常に重要だと思っていまして,そういう観点から,一定の成果はあったのではないかと思っております。今後,我々としては,この「ウィーン宣言」の中にも,持続可能性というのは触れられている形にはなっているのですが,まだまだやはり非人道性という視点が非常に強いです。これは元々,核兵器禁止条約が始まった契機でもあるのでそうなっているのですけれども,我々としては,非人道性という,これ〔は〕もちろん非常に重要な視点で,それは被爆の実相に触れていくということなのですけれども,それに加えてやはり,持続可能性という観点はより強めて,より大きな賛同の場を広げていかなければいけないのではないかと思っているので,そういった努力を今後も続けていきたいと思っています。

 (幹事社:共同通信)
 その他〔の質問は〕いかがでしょうか。〔質問がないようですので,それ〕では,一般質問に移ります。他に質問がある社はお願いします。

広島サミットの推進組織について

 (NHK)
 NHK〔の〕重田です。G7サミット広島開催について3点ほど伺わせてください。まず日程が明らかになっていないのですけれども,開催までおそらく1年を切っていると見られる中,自治体側には短期間の準備というのが求められていると思います。短期間の準備を行う上で,自治体側の負担であったり人員であったり,課題になることがありましたら教えてください。

 (答)
 課題という意味では,あらゆることが課題で,やはり今ご指摘〔が〕あったように,1年しか準備期間がないので,相当な勢いを持って,いろんなことを準備していかなければいけないと考えています。一つは,まず,宿泊の問題ということが〔あり〕,プレスの皆さんとか,あるいは会議のサポート〔を〕するスタッフの皆さんが相当数やってくるので,それ〔そういった方の宿泊施設〕をどういうふうに確保していくか,またそれに伴って交通の確保もしなければいけませんから,そういったこともやらなければいけませんし,1年後なので,一部には,既に予約が入っていたりとか,そういったこともあるのではないかと思うのです。これは,会議の3日間だけあれば良いというものでもないので,その前後も含めて押さえていかなければいけないとか,そういった調整がまず非常に大きなものとしてあると思います。それから今度は,〔広島に〕いらっしゃった時のいろんなプログラムもあるので,これも外務省と相談しながら,プログラムを構築していくということ,いろんな提案をしたり,そういったようなこともありますし,今回の,ドイツでの歓迎の具合なども,まだちょっと〔職員がドイツの視察から〕戻ってきていないので報告を受けていないのですけれども,空港で相当な人が出迎えて,民族衣装を着た人達が歓迎したりとか,いろんなことをやられて〔いましたが〕,そういうようなことの企画だとか,とにかくいっぱいあるので,それを,何をやるのかというのをまず特定した上で,例えば,何か物の生産とかというのは,結構1年ぐらいかかったりするようなものもありますので,それをスケジュールに落として,実際にやっていくという,これはもう非常に大きなハードルだと,そういう意味では課題だらけだと思っています。

 (NHK)
 関連して〔質問〕なのですけれども,日本には梅雨の時期というのが当然あるのですけれども,梅雨の時期と開催期間が被ってしまうと,対応が相当変わってくる,負担が増えてくると思うのですが,例年の梅雨の時期を踏まえて,開催時期の希望等があったら教えていただいてもよろしいでしょうか。

 (答)
 これは,我々が希望するということではありませんけれども,国の方も同じような考えではないのかなと思っています。ですから,広島県の場合,平年の梅雨入りが,6月6日ということになっていますので,それよりも少し前に開催する,天気の良い5月に開催されるというのが,天候面では良いのではないかと思いますけれども,それは我々が,ちょっとあまり強く言えることではないので,基本的には国も同じ考えではないかと思いますので,そこは我々としては,見守っているというか,お待ちしているというところです。

 (NHK)
 最後になるのですけれども,今日ドイツのG7サミットが閉幕する予定となっています。あらためて〔広島開催まで〕1年を切っていると見られる中で,広島開催に向けてあらためて意気込み等があったらお伺いしてよろしいでしょうか。

 (答)
 〔G7〕サミット〔は〕,これまで日本の中で,直前には伊勢志摩で行われて,東京以外では沖縄,それから洞爺湖で行われています。〔それ〕で,実は,今回,都市部で,東京以外の都市部で行われるのは初めてなのです。そういう意味も含めて,しっかりと,まず会議が円滑に行われるように,外務省と協力して,全面的に,これを支えていきたいというのが1点〔です〕。それから,これを機に,今回の〔ドイツの〕エルマウも,いろんな解説がテレビだとか新聞だとかにも出ていますが,「エルマウってどういうところなのですか」みたいな〔解説〕です。そういった機会,それからそのフォローアップの情報というのがたくさん出てくると思うので,その中で,やはり記者の皆さんとか発信していただける皆さんに「広島よかったよね」と,「どのサミットよりもよかったよね」と言っていただけるように,しっかりと準備したいと思っています。

 (NHK)
 平和の発信も,もちろん〔されるということでしょうか〕。

 (答)
 それはもちろん,平和の発信も重要です。その点については,広島市〔が中心になる〕というか,我々としては,慰霊碑の参拝とか,資料館の訪問,あるいは被爆者と対話していただくということをお願いしたいと思っていますが,そういったことを通じて,サミット首脳の皆さんに,しっかりと被爆の実相というのを認識していただきたいと思いますし,またそういったことを通じて,世界にも共有されるということを期待したいと思いますし,それに向けて,実際そうなるとしたら,地元〔として〕,これは広島市を中心に準備していくことになると思いますけれども,万全の準備をしたいと思います。

 (NHK)
 ありがとうございました。

 (幹事社:共同通信)
 最後の質問にしたいと思います。質問がある方はお願いします。

 (中国新聞)
 すみません。中国新聞の河野と申します。G7の質問が出たのでついでに,あれ〔質問〕なのですけれども,G7に向けて,広島サミット推進チームという県の組織を作りました。この組織がこれからどのような役割を担っていくか,知事のお考えをお聞かせください。

 (答)
 まず,首脳会議が最も重要なものでありますから,これが安全,安心,円滑に開催できる環境を準備するということが非常に重要であります。具体的には,警備がやはり非常に重要なので,これは県警を中心にやっていただきますけれども,そこと調整を図ったり,推進チームの話としては,先ほど申し上げたように,ホテルだとか,あるいはその移動,それを担う宿泊事業者とか交通事業者さんがいますから,そこの連携を図っていくであるとか,それから,またこれも〔先ほど〕申し上げたような,情報発信,それから歓迎機運〔の醸成〕といったようなことを,しっかりとやっていくということが,このサミット推進チームには求められている〔と考えています〕。〔それ〕で,これは当然,広島市と一体化して,広島市は〔G7広島サミット推進〕室でしたか,〔広島市の推進室と県の推進チームが〕今はもう同じところにいますけど,一体化して進めるということが非常に重要なことだと考えています。

 (中国新聞)
 〔広島〕市としっかり協力していくという,〔広島〕市との協力についても,いろいろとしっかりやっていこうとお考えでしょうか。

 (答)
 〔それは〕当然〔で〕,協力というよりも,今申し上げたように,一つの事務局として動いていかなければいけないということで,まず組織としては,直接的な組織としては,一体化して動いていかなければいけないということで,それをベースに,県が受けてやること,それから市が受けてやること,いろいろ分かれてくることもあると思うので,平和公園でのイベントというのがあればこれは市が,市の担当部局が中心にいろいろ準備していただくようなことになると思うのですけど,宿泊だとか何とかというのは恐らく県が,全県的に,あるいは県を越えた調整なども必要だと思うので,県の担当部局がやらなければいけないということになると思うのですが,そういった面での連携はもちろん,非常に重要だと,連携とそれぞれの責任をしっかりと果たしていくということが非常に重要になってくると思います。

そごう広島店新館の閉館について

 (中国新聞)
 すみません。ちょっと話題が変わるのですけれども,そごう広島店の新館というのが閉館するということが発表されました。紙屋町のまちづくりへの影響も懸念されるのですが,知事の閉館に対する受け止めというのをお願いします。

 (答)
 もう一方,〔質問がある方が〕誰かいらっしゃると思うのですけど,〔続けてお答えして〕良いですか。そごう〔広島店〕は,昭和49年から開館して,新館は平成6年〔の開店〕だと思うのですけれども,広島の代表的な繁華街とかにぎわいの地区で,代表的な商業施設の一つとして,広島都心の活性化に非常に大きな貢献をしてきた施設だと認識しています。今回,新館の方の営業を終了されるということで,これは,そういう意味では縮小ということになるので,そこの部分は残念ですけれども,ただ,新館部分については,間をあけずに,都市の活性化に繋がるとか,あるいは,まちなかにふさわしいテナントの誘致を進めていくと言われていますので,今後,サッカースタジアムもできますし,他の再開発事業もいろいろと計画が行われていますので,こういった動きも踏まえて,リニューアルされるそごう広島店だとか,この新館の後に入られるテナント,あるいは周辺の施設と連携して,都心全体の回遊性向上に,これからさらに繋がっていくような動きということを期待しているところです。

 (中国新聞)
 あと,すみません。参議院〔議員〕選挙について最後にちょっと〔お聞きしたいのですが〕。

 (答)
 いや,他に質問がある方がいらっしゃるのですけど,幹事社の方で仕切っていただければと思うのですけど〔いかがでしょうか〕。

 (幹事社:共同通信)
 その他の方で,ご質問のある方は〔お願いします〕。

鞆地区推進事業について

 (朝日新聞)
 すみません。朝日新聞の大久保と申します。時間が限られているので2点まとめてお伺いさせていただきます。まず,福山市の鞆の浦の架橋埋め立て問題〔について〕,先日で湯崎知事も架橋計画を中止してトンネルにするという判断〔を〕されてから10年の節目を迎えました。10年が経って,あらためて当時の判断についてどう振り返られるのかというところをまず1点お願いしたいのと,あともう1点,別の話題で,昨日,広島カープが,アメリカで活躍されている,秋山翔吾選手の獲得を発表されました。昨日,ツイッターのトレンドなどでも関連ワードがかなり上位に入ってくるなど広島中心にかなりの盛り上がりを見せましたけれども,カープファンの知事としてどう受け止めていらっしゃるか,期待をお願いできますでしょうか。

 (答)
 まず,鞆の浦の件について言えば,意思決定してから10年も経ってしまっているということで,非常に時間がかかっていると思っておりまして,一方で,高齢化だとか空き家も増えているというような状況も進んでいますので,思うように進んでいないと思っています。ただ,判断そのものについては,地元の皆さんの十数回にわたる議論を踏まえて,慎重に判断したものでありますので,それに基づいて,今後もしっかりと進展させていかなければいけないものだと考えています。

秋山選手の広島カープ移籍について

 (答)
 カープの秋山選手の獲得については,古巣に戻られる可能性が高いのかなと思いながらも,何と言いますか,秋山選手の,何と言うか,物事に対する姿勢だとか,そういう,よく言われて〔いることが〕,私はご本人〔を〕知っているわけではないですけれども,報道で言われているようなことが,カープとマッチするのではないかなと〔思っていました〕。〔それ〕で,黒田さんが,大リーグから帰ってカープに来て,ものすごく,やはりカープのファンにも愛されたし,日本人の皆さんに愛された,それは何と言うか,そういうカープのチームとしての土壌があってのことで,それはひょっとしたら秋山選手とマッチするのではないかなという淡い期待があったので,非常に嬉しいというか,期待がかすかな期待だったのですけど,それが実現して,ものすごく嬉しいなと思っています。

 (朝日新聞)
 ありがとうございます。

 (幹事社:共同通信)
 予定時刻を過ぎましたので,これで知事定例会見を終わります。次回の定例会見は,未定ですので,別途お知らせします。ありがとうございました。

ダウンロード

(資料)NPT運用検討会議への参加について (PDFファイル)(174KB)

(資料)インフラマネジメント基盤「DoboX」の運用開始について (PDFファイル)(498KB)

(資料)D-EGGS PROJECT継続事業「サキガケ」について (PDFファイル)(297KB)

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