若者応援インタビュー 新規就農支援

株式会社仁井農園 代表取締役 仁井 慎介さん

庄原市で農業を営む株式会社仁井農園 代表取締役の仁井 慎介さん。農業を始めたきっかけや仕事内容、広島県から受けられる支援制度、新規就農について、詳しくお話を伺いました。

働きたいを叶える インタビュー

株式会社仁井農園 代表取締役 仁井 慎介さん

仁井にい 慎介しんすけ さん

株式会社仁井農園 代表取締役

実家のある庄原市西城町で2007年より農業を営む。就農時ハウス10棟、20アールだった農地は、大小合わせてハウス60棟、140アールまで拡大。ブランドネギ「ヒバゴンネギ」を含む青ネギをハウスで年間120トン、露地では50トンを生産、出荷している。

ヒバゴンネギの選別の様子

高冷地で育つやわらかくて歯切れが良い自慢の夏ネギ

18年前、23歳の時に農業を始めました。近所のおじさんに「農業、面白いよ」と言われたのがきっかけです。それまでフリーターのような状態で仕事を転々としていましたが、1つの仕事に落ち着きたいと思っていたこともあり、チャレンジしてみることにしました。親戚にネギ農家がいたのも、ハードルを下げる一因でした。最初のネギができた時に「こんなに面白い仕事があるのか」と思い、天職だと感じたのを覚えています。失敗したり、思い通りにいかなかったりすることもありますが、辞めたいと思ったことはありません。

育てているのは、西城町の特産である青ネギ。私たちは「夏ネギ」と呼んでいます。一年を通して流通するネギですが、青ネギは夏の薬味で8〜10月が最も需要が高まるからです。土耕栽培ならではのネギ特有の香りにこだわり、やわらかくて歯切れが良いネギを「ヒバゴンネギ」として主に広島県内のスーパーへ出荷しています。

近年の猛暑で、夏の間は生産できにくくなっている産地が増えています。当地は高冷地なので夏でも比較的涼しく、ネギの生産への影響もさほどありません。他所でできづらい時はお互い補い合いながら、一年を通して輸入に頼らずしっかり国内で供給しようじゃないか、という思いで夏ネギを作っています。

ヒバゴンネギを箱詰めする様子

農業経営者学校で学んだことが経営に役立っています

父と2人、家族経営でやってきましたが、父親が体調を崩したことを機に、人を雇用して企業的な農業に変えていこうと計画を立てました。その時、初めて広島県のひろしま農業経営者学校へ行って勉強させてもらいました。その後も1〜2年に1回程度、経営や雇用の問題を感じるたびに申し込んで、課題の洗い出しに役立てています。

2023年から従業員を入れ、3年目になります。メンバーのオペレーションがうまくいってスムーズに仕事が回った時、任せたことがうまくできた時には組織ならではの面白さや喜びを感じます。ひろしま農業経営者学校での学びを活かせていると思います。

他には、2年間にわたって農業経営コンサルタントに伴走してもらえる県の「チーム型支援」も受けています。予算管理や月々の収支、長期的な投資に関すること、従業員管理など、組織として機能するための支援です。また、農業生産工程管理(GAP)導入のサポートもいただいています。1人だけで小規模な農業をするなら必要ないかもしれませんが、規模を拡大していくためにはこうした支援は不可欠で、ありがたいし助かっています。

笑顔でインタビューに答える仁井さん

新規就農者は農業法人に勤めて適性を見極めるのがお勧め

新規就農、大変だと思うんですよ。作るものにもよりますが、所得面でも軌道に乗るまでは苦労することがありますし、技術も必要ですし。だから無責任に「どんどん始めて頑張りんさい」とは言えませんね。

農業を仕事にしたいと思っている人には、まず農業法人に勤めることをお勧めします。そこで技術を学んで、自分の力で挑戦してみたいと思うなら独立を考えたらいい。中には、農作物を作るのは上手だけど経営が苦手という人もいます。必ずしも農業経営者にならなくても、農場長として才能を発揮する人もいるので、どちらが良いかは人それぞれです。勤め人として一度やってみて、適性を見極めるといいと思います。いざ独立しようと決めたら、その時は、県をはじめ自治体の支援が色々あるので活用するのがお勧めです。