暮らしたいを叶える インタビュー
小林 大起 さん
広島大学大学院 先進理工系科学研究科 修士1年
岡山県倉敷市出身。2025年4月より広島大学大学院で都市計画学を研究。フィールドワークの一環として参加したLa Labの活動では、これまでの研究活動を活かしたアイデアを実践し、成果を挙げている。
若者の若者による若者のための空間づくりプロジェクト
若者が集まれるような場所を、若者目線で作ろうというのが大きなコンセプト。県内の大学から様々な専攻の学生20人ほどが参加し、いくつかのチームに分かれて「自分たちが集いたくなる空間」のアイデアを考えています。
僕のチームは一言で言うと「交流を生み出す場」という方向性です。これまでに2つの取組を行いました。いずれも2025年8月に紙屋町シャレオの広島都心会議SHOW ROOMで実施しました。1つは学生が集まってボードゲームで遊んで、仲良くなろうという企画。もう1つは卓球台を置くという社会実験です。気軽に立ち寄れる場所にするために、何が良いか考えた時、思い浮かんだのが旅館やホテルにある卓球台でした。1週間限定の予定でしたが予想以上に好評で、常設することになりました。
卓球台を「つかみ」に、誰でも何でもできる空間へ
建築や都市計画を学ぶ中で、にぎわいづくりというと箱ものを作る発想になりがちでしたが、卓球台を1台置くだけという小さなことでも人は動かせるんだと知ることができました。にぎわいを生むには、ふらっと立ち寄れて、何をしてもいい、時間や使い方の自由度が高い場所が大事だと思います。ただ、選択肢がありすぎて何をしていいか分からず、素通りしてしまうこともあると思うので、人を呼び込む「つかみ」も必要。今回の卓球台は、それにあたると思います。卓球をきっかけに、いろいろな使い方ができるこの場所を知ってもらうという流れができれば理想的だなと感じました。
地下街の中心エリアから少し離れた場所だったので、適度に人の目に留まり、 適度に見えにくいことで気兼ねなく使ってもらえたのも良かったと思います。場所選び、その場所に合った特性の生かし方が大切だという気づきは、今後の活動にも活かせそうです。
新たな魅力、忘れがちな部分を発信し続けることが大事
今後も引き続き、若者のための空間づくりに取り組んでいきたいと思っています。最近の若者は、SNSなどスマートフォンを見ている時間が長いと思いますが、ボードゲームや卓球をしている間は一切見ていませんでした。スマートフォンを使うのが当たり前になっている日常で、それを使わずに楽しめる時間は魅力的だと思うので、そういう時間を過ごせる仕掛け、それが自然とできる場所を作っていきたいです。La Labの活動では自分の研究に生かせる気づきや学びもあったので、こういった学外のプロジェクトには積極的に参加していきたいと思います。
広島市は、街中に川が流れていたり、平和大通りに迫力ある木が並んでいたりと、都市でありながら自然がたくさんあるのが良いと思っています。今、僕が暮らしている東広島市を含め、広島県は住みやすい所だと感じていますが、県外に出ていってしまう人が多いのは、慣れてしまうせいかもしれません。そういう人に向けて、新たな魅力や忘れがちな部分を改めて発信していくことが大切なのかなと思います。