広島県アルコール健康サイト
多量の飲酒,未成年者の飲酒,妊産婦の飲酒等の不適切な飲酒は,私たちの心身の健康障害(=アルコール健康障害)の原因となります。さらに,アルコール健康障害は,本人の健康の問題だけではなく,その家族への深刻な影響や重大な社会問題を生じさせる危険性があります。
このサイトは,適正飲酒,スクリーニングテストや相談窓口などの情報を掲載しています。
適正飲酒とは?
厚生労働省が示している適正飲酒の量は,次のとおりです。
◎節度ある適度な飲酒量(一般的な成人男性の場合)
1日平均純アルコール量 20g程度
ビール |
日本酒 |
焼 酎 |
チューハイ |
ワイン |
ウィスキー ダブル1杯 (シングル30ml) 40% 60ml |
---|---|---|---|---|---|
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※性別・年齢・体格・体調などによって異なります。女性や高齢者はこれより少ない量が目安です。
12の飲酒ルール
適正飲酒のための12の飲酒ルールをご紹介します!(飲酒のガイドラインも参考にしてください)
- 飲酒は1日平均20g以下
- 女性・高齢者は少なめに
- 赤型体質も少なめに
- たまに飲んでも大酒しない
- 食事と一緒にゆっくりと
- 寝酒は極力控えよう
- 週に2日は休肝日
- 薬の治療中はノーアルコール
- 入浴・運動・仕事前はノーアルコール
- 妊娠・授乳中はノーアルコール
- 依存症者は生涯断酒
- 定期的に検診を
アルコールのリスクって?
お酒を飲んでから,体内でアルコールがどのように作用するか,みてみましょう。
○お酒を飲むと・・・
お酒の中に含まれるアルコールには,体や脳に影響を与える作用があります。
アルコールが体内に入ると,肝臓でアセトアルデヒドに分解されます。アセトアルデヒドは顔面や体の紅潮,頭痛,吐き気,頻脈などの不快な症状を引き起こします。
少量のアルコールは,気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果もありますが,大量のアルコールは,運動機能を麻痺させたり,意識障害の原因となることが指摘されています。
○酔うとどうなる・・・?
体内にアルコールが取り込まれると,胃や小腸で吸収され,血液に溶け込み,肝臓に送られ,体内を巡っていきます。アルコールは,全身の臓器に行き渡り,影響を与えます。
血液に溶け込んだアルコールが脳に運ばれて,脳が麻痺することが酔いです。
○体内でアルコールは・・・
通常は飲酒後1~2時間で,胃や小腸で吸収されます。消化管で吸収されたアルコールは,肝臓を通過して,全身の臓器に流れていきます。
肝臓でアセトアルデヒドに分解され,その後,酢酸になります。肝臓でできた酢酸は,血液を通って全身を巡り,炭酸ガスと水に分解され,体の外に排出されます。
アルコールの消化・吸収・分解の速度は個人差がありますが,体重60kgの人が30分以内に純アルコール量20gのアルコールを摂取した場合,その分解は約3~4時間かかると言われています。
不適切な飲酒
リスクのある飲酒量や危険な飲み方を御存知ですか?適正飲酒をめざしましょう。
■生活習慣病のリスクを高める飲酒量
1日あたり純アルコール量 男性40g以上 女性20g以上
■多量飲酒
1日平均純アルコール量 60g超
・・・絶対やめよう!危険な飲み方・・・
■イッキ飲み(ビンジドリンキング)
短時間に大量のアルコールを摂取すると,肝臓でのアルコール分解が追いつかず,血中アルコール濃度が急激に高まり,中枢神経や呼吸中枢が麻痺し,急性アルコール中毒になってしまう可能性があります。
■アルハラ(アルコール・ハラスメント)
飲酒の強要など,お酒にまつわるいやがらせや人権侵害のことです。アルハラは,肉体的・精神的に大きなダメージを与えます。最悪の場合は,人の命を奪ってしまうこともあります。
■20歳未満の飲酒
未成年者飲酒禁止法により,満20歳未満の飲酒は禁止されています。
■飲酒運転
道路交通法及び自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律により,禁止されています。
■妊産婦の飲酒
胎内の赤ちゃんが胎児性アルコール・スペクトラム障害(FASD)になる危険性があります。早産や分娩異常も起きやすくなります。
あなたの飲み方は?
純アルコール量やスクリーニングテストでふりかえってみませんか?
▶純アルコール量を計算してみましょう・・・適正飲酒量をチェックできます
▶血中アルコール濃度を計算してみましょう・・・酔いの状態をチェックできます
▶飲酒習慣をチェックしてみましょう・・・10問で飲酒習慣をチェックできます
純アルコール量はどのくらい?
純アルコール量(g) = お酒の量(ml) × アルコール度数(%) × 0.8(お酒の比重)
※同量の飲酒でも、アルコール度数によって、純アルコール量は異なります!
お酒の種類 | お酒の量 | アルコール度数 | 純アルコール量 |
---|---|---|---|
ビール | 1缶 350ml | 5% | 14g |
チューハイ | 1缶 350ml | 7% | 20g |
ストロング系チューハイ | 1缶 350ml | 9% | 25g |
血中アルコール濃度(%) =
お酒の量(ml) × アルコール度数(%) / 833(お酒の比重) × 体重(kg)
※同量の飲酒でも、体重によって、血中アルコール濃度は異なります!
テストでチェックしてみましょう
WHOの開発した簡単なスクリーニングテスト(AUDIT)で飲酒習慣をチェックしてみましょう。
そのほかにも,いろいろなスクリーニングテストがあります。
AUDIT-C ・・・3項目のAUDITの簡易版
CAGE …4項目の簡単なテスト
KAST (男性版) (女性版) …久里浜療センター作成の日本人向けのテスト
SNAPPY飲酒チェックツール Snappy-Cat Snappy-Pandaなど
誤解していませんか?
アルコール依存症の人って,意志が弱いからお酒をやめられないだけでしょ…
違いますよ!!お酒による精神的・肉体的な薬理作用により,お酒のコントロールを失った状態が依存症なのです!意志の強さや性格とは関係ないのです。
私には関係ないわ…ちゃんと仕事に行っているし…中年男性でもないし…
違いますよ!!アルコール依存症は,飲酒をしていれば誰でもなり得る病気です。それに,アルコール依存症になる人は「仕事中毒」に近いくらいのライフスタイルが多いのです。また,女性は男性より少量・短期間の飲酒で依存症になりやすく,最近では若い女性の依存症も増えてきていますね。
やめたくてもやめられない…もうどうしようもないんじゃ…
大丈夫ですよ。アルコール依存症は,治療でき,健全な生活を取り戻すことができるまでに回復します。相談窓口や医療機関でぜひ相談してみましょうね。
広島県のアルコール健康障害対策(相談窓口等)
平成29(2017)年3月に策定した「広島県アルコール健康障害対策推進計画」に基づいて,アルコール健康障害の発生,進行及び再発の各段階に応じた防止策を実施するため,普及啓発,相談から治療,回復支援に至る連携体制の整備に取り組んでいます。お近くの相談窓口で相談できます。
普及啓発(一次予防)
○令和3年度に依存症啓発カードを作成しました
やめられんの?とまらんの? (PDFファイル)(225KB) あなたも家族もひとりじゃない。 (PDFファイル)(149KB)
○令和4年度に,リーフレット『そのお酒,本当に楽しい?』 (PDFファイル)(2.45MB)を作成しました
○令和2・3年度に,リーフレット『そのお酒、本当に楽しい? 』 (PDFファイル)(2.44MB)を作成しました
○令和元年度に広島県アルハラ防止ステッカー (PDFファイル)(117KB)を作成しました
○大塚製薬との包括協定に基づき普及啓発ポスター (PDFファイル)(69KB)を作成しました
○平成29・30年度に広島県アルコールチェックカード (PDFファイル)(72KB)を作成しました
○飲酒運転の根絶に取り組んでいます
○未成年者の飲酒防止 (地域の取組を紹介します!)
○イベント等
・広島県アルコール関連問題啓発フォーラム・第54回中国断酒ブロック(広島)大会(平成31年4月)
・広島県アルコール関連問題啓発フォーラム・第54回全日本断酒連盟全国(広島)大会(平成29年10月)
医療の充実、相談支援体制の整備(二次予防・三次予防)
○市町等のアルコール健康障害相談員を養成しています
(令和4年度の研修)
広島県アルコール健康障害相談員等フォローアップ研修 (PDFファイル)(288KB)~終了しました
広島県アルコール健康障害相談員養成研修 (PDFファイル)(296KB) ~終了しました
広島県アルコール健康障害相談員設置要領 (PDFファイル)(63KB)
○アルコール健康障害に関して気軽に相談できるアルコール健康障害サポート医を養成しています
○依存症の「治療拠点機関」及び「専門医療機関」を選定し、医療連携を促進しています
依存症の「治療拠点機関」及び「専門医療機関」について
アルコール健康障害に関する相談窓口
アルコール健康障害(依存症)に関する相談窓口一覧 (Excelファイル)(20KB) … アルコール健康障害に関する相談を県内の保健所・市町で受け付けています。
自助グループ等一覧 (Wordファイル)(16KB) … 同じ飲酒問題を持つ本人やその家族等が互いに交流し,問題を克服していく場です。
広島県アルコール健康障害サポート医等 … 身近なアルコール健康障害サポート医やアルコール健康障害サポート医(専門)にも受診相談できます。
広島県依存症専門医療機関 … 専門医療について受診相談できます。
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