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学校支援地域本部事業「地域コーディネーター養成講座」 平成22年度

平成22年度学校支援地域本部事業「地域コーディネーター養成講座」が,第1回(7月20日)・第2回(9月14日)の2日間開催されました。養成講座も3年目となりますが,本年度は県内8市町から,地域コーディネーター,行政職員,教員,実行委員会委員,合計20人の参加がありました。
 本年度の養成講座では,各市町において地域コーディネーターとして活躍されている方々が,今後の活動の発展に向けた考え方や具体的方策等について,講義や演習,実践交流を通して学び合いました。また,本年度から地域コーディネーターや市町の担当者となられた方との交流も深めることができ,新たなネットワークを構築することができた2日間となりました。

日程

 月日 時間 内容
 第1回
7月20日
(火曜日)
 10時00分~10時15分開会行事
 10時15分~11時15分講義「地域コーディネーターに期待すること」
講師:広島大学大学院教育学研究科教授 林孝
 11時30分~14時15分実践発表「地域ぐるみで子どもを育てる体制づくり
 ~尾道市学校支援地域本部(久保小学校)の取組~」
発表者:尾道市学校支援地域本部地域コーディネーター 高橋俊英
発表者:尾道市教育委員会生涯学習課課長補佐兼生涯学習係長 津川一芳 
 14時20分~15時50分演習「地域コーディネーターの“楽しい”広報活動」
講師:(有)グリーンブリーズ代表取締役 平木久惠
 15時50分~16時00分閉会行事
 参加人数地域コーディネーター4人 行政職員6人 教員1人 実行委員会委員1人
計12人
 第2回
9月14日
(火曜日)
 10時00分~10時15分開会行事 
 10時15分~12時00分講義「学校と地域の連携事例~飯塚市熟年者マナビ塾の取組から~」
講師:飯塚市教育委員会生涯学習部中央公民館主任 松尾一機 
 13時00分~15時45分実践交流「地域コーディネーターとしての活動の方策を探る」
指導・助言:広島大学大学院教育学研究科教授 林孝 
 15時45分~16時00分閉会行事 
 参加人数地域コーディネーター9人 行政職員2人 教員2人 実行委員会委員1人
計14人 

第1回 7月20日(火曜日)講座の様子

 講義「地域コーディネーターに期待すること」

 講師:広島大学大学院教育学研究科教授 林孝

 「地域コーディネーターに期待すること」と題して,講義をしていただきました。はじめに,今求められる学校・家庭・地域の関係と三者それぞれにはどのような役割の遂行が期待されているのか,そのための課題は何かということについて教えていただきました。次に,地域コーディネーターの基本的な役割・機能について,基本は「学校とボランティアをつなぐ」ことであり,そのために大切なことなどを確認しました。そして,地域コーディネーターとは,「地域・学校で,主人公として輝く子ども・大人の存在を創出する結節点」であるということを教えていただきました。 

講座の様子

□主な感想

・これまで私なりに様々な場で学んできたことを改めて整理でき,この事業の主旨やねらいとする所が明確となりよかったです。
・保護者をどう巻き込んでいくかが大きな課題です。活動の様子や,それぞれの立場での思い,成果などをしっかり発信していきたいと思いました。
・学校支援地域本部事業の主旨,特に学校側からの視点に立った考えが理解できました。
・学校支援地域本部事業の目的を改めて確認するとともに,地域コーディネーターを中心とした取組に対して,教育行政としてどのような支援をしていく必要があるか整理しなければと思いました。
・求められる学校・家庭・地域の関係,三者の役割と課題を踏まえ,地域コーディネーターに期待される役割と設置者としての教育委員会からの学校への働きかけなど理解できました。学校が何を大切にし,どんな子どもを育てようとしているか知る手だてを探っていきたいです。
・林先生が提唱される学校と地域のつながりのあり方や意義について,保護者,地域の方々,学校の職員に広く知らせたいと思います。

実践発表「地域ぐるみで子どもを育てる体制づくり~尾道市学校支援地域本部(久保小学校)の取組~」
発表者:尾道市学校支援地域本部地域コーディネーター 高橋俊英
発表者:尾道市教育委員会生涯学習課課長補佐兼生涯学習係長 津川一芳

 はじめに,尾道市立久保小学校で学校支援ボランティアによる学習支援活動の授業参観をしました。家庭科でミシンを初めて使う学習でしたが,児童8班にそれぞれ1人ずつのボランティアと,学級全体を支援するボランティア1人の計9人で支援しておられました。学習支援の方法や児童と学校支援ボランティアのかかわりなど,参観を通してより詳しく知ることができました。次に,尾道市学校支援地域本部の取組についての発表がありました。教育委員会からは事業について,地域コーディネーターからは活動の実際や工夫などについて,事例を基に説明していただきました。  

実践発表

□主な感想
・実際に家庭科の授業を見せていただいて,ボランティアの元気が子どもたちにも笑顔が多い授業となり,よいと思いました。
・久保小学校を視察後の実践発表でとても分かりやすく,また,地域のすばらしさを感じることができました。尾道は本当に人の育つ風土があるなと思いました。
・他地域での具体的実践を知ることは大変役に立ちます。元校長ならではのフットワーク・人脈の広さで,地域コーディネーターをされていることにも興味深く拝聴しました。
・たくさんの内容に取り組んでおられる事に敬意をいだきました。地域コーディネーターの人脈を有効に活用されていると思いました。
・シラバスの中に組み込まれていることがすばらしいと思いました。計画的にすすめていくために必要なことです。学校のニーズを早めにキャッチして取り組んでいきます。
・久保小学校の取組はすばらしいと思いました。これからまだまだ発展していく可能性を感じ,参考となる事例だと思いました。

演習「地域コーディネーターの“楽しい”広報活動」

講師:(有)グリーンブリーズ代表取締役 平木久惠

 広報に必要なものとは「情報収集力」「企画力」「仲間」などであり,そのためには「しゃべる力」と「つなぐ力」が必要であるということ教えていただきました。また,参加者が持ち寄ったチラシを使い,グループでの協議を行いました。「これがいいね。」というものを選び,その理由をみんなで考えながら,実際の広報活動に必要なポイントを確かめていきました。地域コーディネーターとして情報発信を行うためのチラシづくりのポイントや,地域コーディネーターの活動に大切なコミュニケーションについて学ぶことができました。 

 演習の様子

□主な感想

・広報活動に大切なことが具体的に分かりました。他の仕事にも広く役立てていきたいです。
・広報は,しゃべる力,コミュニケーション力からということが大変分かりやすく,今後の広報・チラシづくりに生かしていきたいと思います。
・広報のポイント,チラシのつくり方,地域コーディネーターの役割も含めて,しゃべる力という視点はなかったので,これから役立てたいです。
・具体的なお話で役立ちました(色づかい,余白,キャッチフレーズなど)。また,他地域のチラシも見せていただき,まねをさせていただきます。
・広報活動がますます好きになりそうです。余白を生かすことを学びました。

□その他(意見等)

・授業参観できたのはよかったです。貴重な体験ありがとうございました。
・久保小学校での家庭科(ミシンの授業)での学校支援ボランティア,大変参考になりました。
・今年度担当になり,とまどっていましたが,やるべきことが少しずつわかりかけてきました。よい研修になりました。
・今日の研修は内容が豊かで,ためになりました。
・今後も地域コーディネーターをはじめとした人材育成・養成の研修の機会を設定していただきたいと思います。

 第2回 9月14日(火曜日)講座の様子

 講義「学校と地域の連携事例~飯塚市熟年者マナビ塾の取組から~」

講師:飯塚市教育委員会生涯学習部中央公民館主任 松尾一機

 地域の熟年者が小学校に通い,自主的に学習したり,学校支援ボランティアとして活動したりすることを通して,熟年者の力を学校教育に活かしていくことや熟年者の生きがいづくり,健康増進をねらいとした「飯塚市熟年者マナビ塾」の取組についてお話していただきました。学校支援ボラティア活動の様子について写真やDVDを視聴するなど,児童と熟年者とのかかわりを具体的に知ることができました。また,講義を受けて,地域コーディネーターとして今後の取組の参考にするための協議を行いました。 

講義の様子

□主な感想

・具体的なボランティア活動の場を示していただいたので,取り入れられるものから取り入れていきます。
・地域でやり方・予算・形態は違いますが,地域コーディネーターの役割・心意気などまねしたいものが多く役立ちました。
・行政(生涯学習)の主体的取組がすばらしい。うらやましい。
・行政のトップの考え方・方針が,長期的な展望に立っていてこそ,実効が上がると思います。
・飯塚市の「熟年者マナビ塾」が,行政のサポートで継続している様子がよくわかりました。無理なく連携ができる環境づくりをされています。“無理なく”つながることのできる体制が定着すると,さらに連携が活性化すると思います。
・熟年者の活動を学校の支援へ統合していっている点が,新たな視点として大変参考になりました。
・飯塚市独自の取組に驚きました。3年間の学校支援地域本部事業でなく,理想的な立ち上がりだと思います。
・かなり先進的な事例で,わが町でこれから実現するのは何年後だろうかと思いましたが,目標とすべき事例で大変参考になりました。

実践交流「地域コーディネーターとしての活動の方策を探る」

 指導・助言:広島大学大学院教育学研究科教授 林孝

 地域コーディネーターの活動において,「効果的な取組」,「実践上の悩み・課題」,「よかったこと」についての情報交換を行いました。それをもとに3つのグループに分かれて,地域コーディネーターとして今後の取組に活かしたいことについて,それぞれ「学校との連携」,「地域(ボランティア)との連携」,「次年度以降の取組の継続」をテーマにして,協議しました。最後に,林先生より,各市町での取組を踏まえながら,地域コーディネーターとしてのこれからの活動の方策について,指導・助言をしていただきました。  

 実践交流の様子

 □主な感想

・各市町独自の展開方法があり,具体方策として参考になりました。
・各地区がそれぞれの実態や特色を活かした取組をされている具体を参考にさせていただけました。
・立場,やり方は違うけれど,今の気持ち,今後にむける気持ちは一緒だということが感じられ,力になりました。
・実践を出し合い交流することで,本市での取組を振り返ることができ,アイデアも見つかったように思います。
・事例が多すぎて,どれがよいのか比較が難しかったですが,他市町の事例や問題点などが共通していることがわかりました。
・反省させられたり,実際に活動されている報告を聞くと,これでいいのだと安心できたりして,よい交流会だと思いました

□その他(意見等)

・それぞれの地区でユニークな取組があって参考になるところがありました。
・研修の機会を与えていただき,学ぶこと大でした。
・様々な課題があると思いますが,これからも学びの提供をしていただければありがたいです。

2日間の講座を通して

□主な感想

・学校にばかり考えが向いていたのですが,林先生の“地域づくりへの力”に心強く思いました。
・尾道市でのチラシづくり,本日の交流とも有益でした。機会を与えていただきありがとうございました。
・とにかく特効薬はない。地域・ボランティア・学校の協力が必要。認知してもらうことを努力することが大切であることが,わかりました。
・この事業に関する小・中合同の職員研修の機会を持ち,地域教育協議会も組織され,地域ボランティアの基盤が整ったところです。地域コーディネーター養成講座での研修が,実践にとても役立ちました。

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