男性育休取得促進事例アイコン男性育休取得促進事例

「社員もその家族も守りたい」掲げる理念にマッチ

株式会社西岡工業

  • 製造業
  • 広島市
  • 30人以下
方針・仕組みづくり
西岡工業会社情報.jpg
認定マーク
 
法人名 株式会社西岡工業
所在地 広島市東区馬木3丁目5-14
URL https://nishioka-k.co.jp/

img_0230-min.jpg

株式会社西岡工業(広島市東区)

1978年創業。公共工事を主体とした様々な機械設備工事と、そのメンテナンスをしています。全社員27名(男性社員22名)のうち、男性育児休業等対象者4名全員が取得しています。

取材に答えてくれたのは...
代表取締役 西岡 徳人(にしおか よしひと)さん

広島県の「いきいきパパの育休奨励金制度」を活用した男性育児休暇制度の導入を当時の代表取締役に提言し、採用されました。その後、2015年に代表取締役に就任しました。

「西岡工業」男性育児休業の3つの特徴

 

  • 経営者の実体験からの目的意識
  • 休暇を受け入れられる環境づくり
  • 周囲に取得して良かったことをフィードバック

 

きっかけは湯崎知事が育児のための休暇を取得した記事を見たこと

img_0122-min.jpg

初めて男性育児休暇制度を導入したのは2012年。きっかけは、雑誌『日経ビジネス』で、湯崎知事が現役知事として日本で初めて育児のための休暇を取得したという記事を見たことです。私自身、妻と共働きで育児と仕事の両立に苦労した時期があったため、男性が家事や育児を体験できる機会をつくることの意義を感じたのです。

父親である当時の代表取締役に「男性育児休暇制度」の導入を提案したところ、「これからの時代は必要なことかもしれない」とすぐに言ってもらえました。当社は父を含む3人で創業した会社で、社員と家族ぐるみで付き合いながら発展していったこともあり、父と「社員が良い状態でないと、良い仕事はできない。そのためにまずは社員を大事にすること」という理念を共有してきました。職人たちが集中して仕事に向き合うためには、家族の理解が欠かせません。家族がいればこそ、困難があっても頑張れるし、辛いことも耐えられる。だからこそ、社員もその家族も守りたい。掲げる理念にマッチしていました。

 

取得時期の調整と、周囲の理解に向け子育てに関する有給取得を推進

img_0208-min.jpg

男性育休を推進するために、リスクの回避が必要でした。考えられたのは大きく2つ。「経営に影響が出ないか」と「不公平さを感じさせず、周囲の理解が得られるか」ということ。当時は県が実施していた「いきいきパパの育休奨励金制度」があったため、金銭面では会社に不利益を与えることなく進めることができました。

次に、周囲の理解について。導入当時は「職人は病気やケガをしていても、自分がいなければ困る場合は現場に行く」という世界。通常の有給取得にさえも抵抗が強かったため、参観日や運動会など子育てに関する有給取得を推進するように発信し、私も自ら積極的に休みを取るようにしました。その時に「家族を大切にしたいから休む」とはっきりと伝えるように心がけていました。

また、当社は1年の間で繁忙期が決まっているため、比較的閑散期である6?8月に合わせて育児休暇を取ってもらうことにしました。たまたま導入開始時に取得対象者が2名おり、近い時期に連続して取得したことによって、周囲の批判的な感情を和らげることが出来たことも良かったのではと思います。

これまでに4名が男性育児休業等を取得しており、対象者の取得率は100%です。求人票にも記載しているので、就職活動中の学生さんから質問を受けることもありますし、親御さんが興味を持ち、就職先の選択肢に入れてもらえることもあります。学生さんもいつか家族を持つかもしれないので、育児について考えるきっかけや入口になると嬉しいです。

年功序列と終身雇用を目指す当社になくてはならない制度

img_0198-min.jpg取得後は育児の体験を自然に共有し合い、「妻の大変さ、ありがたさが分かった」「平日子どもがどう過ごしているのか、妻がどうしているのか知ることができた」という声を聞きました。「せっかくの機会だからもっと家事をやって妻のサポートをできたら良かった」など反省の声もありました。

また近年は、子育てのみならず、介護や病気など家族の心身の健康に対する意識が高まり、子どもの看護休暇のほか、介護休暇、治療休暇の取得にも力を入れています。一人前になるまで5?10年かかり、長い期間をかけて高い技術を手に入れた職人が、介護や病気など本人の意思に反してやむなく辞めてしまうのは会社にとって一番避けたいことだからです。育児休業等取得率が高まることによって、ほかのやむを得ない休暇も取りやすくなると考えています。そのため、年功序列と終身雇用を目指す当社が更に成長していくためには、なくてはならない制度かもしれません。これからも、継続可能な形で、自社にあったスタイルで、男性育児休業等取得推進を続け、社員とその家族を守っていきたいです。

 

\私も育児休暇を活用しました/

育休写真【西岡工業】沖本様.jpg工事課 課長 沖本 大地(おきもと だいち)さん

育児休暇とリフレッシュ休暇を組み合わせて14日間の休暇を取得し、とても有意義に過ごしました。家族への感謝の気持ちを持つことができ、また近所の方とも交流できたので、今後地域の方と協力しつつ子育てを行っていくための良いきっかけになりました。

※西岡工業の男性育児休暇制度は、会社独自の休暇(有給)です。

(取材日 2023年10月)