男性育児休業事例アイコン男性育児休業事例

制度の周知や人材配置の見直しで男性育児休業取得率100%を目指す。

麒麟倉庫株式会社

  • 運輸業・郵便業
  • 広島市
  • 31~100人
方針・仕組みづくり職場風土

麒麟倉庫株式会社

会社概要
所在地 広島市安芸区中野東1-7-1
URL http://kirin-warehouse.jp/
業務内容 自動車用シートや自動車用タイヤ等の保管・荷役・運送事業
従業員数 正社員80名

(2024年11月時点)

取組の
point

麒麟倉庫株式会社

麒麟倉庫株式会社(広島市安芸区)

1950年創業、現在は自動車用シートや自動車用タイヤ等の保管・荷役・運送事業を行っています。正社員約80名のうち約8割が男性社員。これまで4名の男性社員が育児休業を取得しています。

取材に答えてくれたのは...
専務取締役西亀さん
西亀 啓太(にしき けいた)さん

総務を統括する立場にあり、会社の働きやすさにつながるさまざまな取組を精査し、推進しています。
男性育児休業については、取得した社員から「子育てや家事に携わることができて、会社に感謝しかない」という評価を得ています。

 

「麒麟倉庫株式会社」男性育児休業取得促進の3つの特徴

  • 社内にポスターや実例を掲示し、制度の周知を図る
  • 対象者には育児休業取得のメリットを丁寧に説明
  • 育児休業による一時的な人員不足を補える体制を構築

貴社の男性育児休業制度の導入はいつからですか。

弊社では、2006年から育児休業制度を導入しましたが、当初、周知などの育児休業取得に向けた積極的な取組はしておらず、取得ゼロの時期が続きました。
初めて男性社員が育児休業を希望・取得したのは2021年。男性社員の育児休業取得に対して厚生労働省から助成金(両立支援等助成金)を受けられるようになるなど、社会が変化し始めた時期でした。
また、取得を相談してきた社員は総務部に所属しており、比較的業務を調整しやすかったので、制度利用の手本となる人材が手を挙げてくれたと感じました。
そして何より、思い切って相談してきた本人の希望を叶えたい、大切にしたいと考え、初めての男性の育児休業取得を後押しするに至りました。
一人目の取得で、少しずつ社内の意識が変わっていき、その後、ドライバーが2名、倉庫内勤務のリフトマン1名が男性育児休業を取得。さらに、総務部の男性社員1名が取得を予定しており、確実に取得率が上がっています。

取得促進に向けた具体的な取組内容と効果の実績を教えてください。

麒麟倉庫株式会社まず、制度を知ってもらう、興味をもってもらうことが大切だと考えています。
弊社では、2021年から男性の育児休業取得促進に向けたポスターを各営業所内に掲示。
その結果、2021年以降の男性育児休業取得率は年平均62.5%にまで上昇し、一人当たり平均26日の育児休業を取得するまでになりました。
また、2024年からは育児休業を取得した社員の事例(育児休業時の体験談等)の収集とそれをまとめたペーパーを営業所内のミーティングボードなどに掲示し、「育児休業は誰でも取得できる」ということを社員に向けてPRしています。 

男性育児休業を浸透させるまでに難しかった点、苦労した点はありますか。

男性育児休業取得にあたり、「育児休業中は収入が減少する」「育児休業前に後任者へ仕事が引継げるかどうか不安」などの理由で、取得を躊躇する男性社員が存在します。
そんな方には、機会があるごとに「配偶者の出産直後の負担軽減」「一緒に過ごせる時間が増えることで家族の絆が深まる」など、男性の育児休業取得によって生まれる多くのメリットを説明しています。
また社員を管理する立場にある方にも、会社の方針を理解してもらえるよう、制度についての理解を促しています。
希望する社員に育児休業を取ってもらうための面談や、育児休業前に後任者へ仕事が引き継げる体制づくりの積み重ねにより、徐々にではありますが、育児休業を取得したい社員が相談しやすい社内環境に移行できていると感じています。

運送業は男性育児休業取得率はあまり高くないと言われていますが、御社は何か対策を立てておられますか。

確かに、運送業を担うトラックドライバーは専門職のため、1名抜けるだけでも代替人員の確保が難しいと言われています。
しかし、弊社はドライバーチーム全体で人員配置を見直し、一時的な不足を補えるような体制をドライバーチーム全体で再構築しています。
実際にドライバーが育児休業を取得しています。

男性育児休業取得促進に関して、今後の展望があれば教えてください。

2025年度から育児・介護休業法や雇用保険法が改正されることによって、育児休業がさらに取得しやすくなることを盛り込んだポスターを掲示する予定です。
また引き続き会社として育児休業の取得を促すことで、男性社員の育児休業取得率100%を目指していきたいと考えています。

 

 

\私も育児休業を活用しました/

総務部 飯冨 真也(いいとみ まさや)さん
飯冨さん

2021年に、妻の出産前の家事代行のため5日間の育児目的休暇と、出産直後の育児を共同で行うため約1カ月の育児休業を取得しました。
社内で初めての男性育児休業取得だったので、不安もありましたが、上司や同僚などの周囲の理解を得ることができました。
取得により、妻の出産直後の育児負担を軽減することができ、一日中夫婦で育児に携わって喜びや大変さを分かち合うことで、本物の家族の絆が生まれたように感じています。飯冨さん

 

 

 

 

 

(取材日 2024年11月)