防災職インタビュー

郷田 爽真 さん
広島県 危機管理監 危機管理課 所属
東広島市出身。警視庁、大学教員を経て令和6年度に防災職として広島県に入庁。警察官として得た災害対応業務での知見や、救急救命士としての知識などを生かし、県が掲げる「災害死ゼロ」の実現に向け防災・減災対策に取り組んでいる。

広島県全体の防災力を上げることが使命
防災職は、平常時には防災計画を作り、避難行動を啓発するなど、防災・減災対策の企画・立案・実行に関する業務を行っています。非常時には災害対策本部で市町や自衛隊・警察・消防と連携して災害対応にあたりますが、令和6年度に防災職として採用されてから現在に至るまで、幸いにも大規模な災害は起こっていません。
私が所属しているのは、広島県危機管理課の「県・市町防災体制強化担当」というグループ。県内全体の防災力を上げることを目的とする部署です。
各市町では、職員対象の災害対応訓練を定期的に開催しており、私たちはその訓練を支援しています。各市町へ赴き、実際の災害に近い場面を設定した訓練を市町の担当者と協力して実施しています。

念願叶って防災の専門職へ
学生時代から災害対策関係に携わりたいという思いがあり、警視庁へ入庁しました。警察学校在籍中に平成30年の広島の豪雨災害があり、家族や友人へ安否確認の連絡をすることしかできなかったことが非常にもどかしく、災害対応に関わりたいという思いが強くなりました。
警視庁で4年間勤務し、退任後は、救急救命士の資格を生かして救急救命士を育成する大学で教員として指導にあたりました。そんな中、広島県が全国で初めて防災職を導入することを知って応募し、故郷の広島県へ帰ってきました。
警察時代は地震や台風の際に現場で活動することもあったので、そこで得た知見は現在も生かせています。大学教員時代に講演で培ったスキルも、これから役立つことがあると思います。

防災・減災のために必要な心構えや準備
災害は、いつ起こるか分からないもの。いざというときには、自治体や関係機関が被害軽減のために行う公助はもちろんですが、地域住民の皆さんが自分と周囲の身の安全を確保する自助・共助も必要です。
普段から防災に興味を持ち、情報収集や備蓄品の準備など、少しずつでもできることから備えていただけたらと思います。
地震の際は家具などが倒れる恐れがあり、下敷きになると脱出できないので、器具などを使って固定しておくことをおすすめします。

インターネットを介した備えも大切
住んでいる地区のハザードマップを確認したり、家や職場から近い避難所を調べたりすることも大切です。ハザードマップは「広島県防災Web」 open_in_newでも確認できます。
県のポータルサイト「広島県『みんなで減災』はじめの一歩」 open_in_newでは、ハザードマップの見方を紹介しています。地域や災害種別、または住所や施設名、現在地から、避難所・避難場所を検索することができます。
また、例えば建物内のトイレが使えるかどうか、車で避難できる駐車場があるかなど、各避難所にどのような施設が用意されているかの避難所情報も発信しているので、自分の住んでいる地域について、確認しておいてください。
「マイ・タイムライン」 open_in_newは、災害に備えて、避難のタイミングや避難場所、準備物など、自分の防災行動計画を登録しておく取り組みです。家族と相談して作成し、それぞれがどのように行動するかをお互いに知っておくことも大切です。

防災の専門職が実際にしている減災対策
私自身が家を建てた際には、ソーラーパネルと蓄電池をつけて非常時でも自宅にいれば電気を使えるようにしました。家には避難する際に必要となる物資を常に準備しています。災害時はお金がないと困ることもあるので、非常持ち出しの袋には現金も多少入れておくと安心です。
災害が起こったら私は県庁へ出勤することになるので、家族には常々そのことを伝えていて、「万一の時はここに避難所があるから逃げてね」という話をしています。そのように各家庭の決まりごとを作っておけば災害の際でも対応できるので、各自がどう行動するかを日頃から話して共有しておくことが大事だと思います。

今、対策が必要な災害とは
現在、警戒している災害は大きく2つあります。1つは南海トラフの地震。もう1つは豪雨災害で、土砂災害や浸水、洪水などは広島でも近年大きな被害をもたらしています。
繰り返しになりますが、災害はいつ起こるか分かりません。日頃から関心を持っていろいろな情報を集め、家族と話し合っておくことも必要です。まずは自分のできることから始めることが大事。広島県のポータルサイト「広島県『みんなで減災』はじめの一歩」 open_in_new や「マイ・タイムライン」 open_in_newなどを活用し、備えていただけたらと思います。
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