【7/17マツダスタジアム来場者用】肝炎クイズ(回答編)
回答
Q1 献血でいただいた血液について
回答は、2番目の「がん治療」です。
献血でいただいた血液は、血液製剤に姿を変えて輸血に使用されます。
「輸血」と聞くと、事故などで怪我を負った時に使われると、イメージされている方が多いかもしれません。
実際には、そうした怪我の治療で使用される血液は、全体のわずか3%程度で、
いただいた血液の80%以上は癌や白血病の治療のために毎日使用されています。
しかし、血液製剤は長期間の保存が出来ないため、皆様の毎日の献血へのご協力が必要なのです。
Q2 一緒に鍋料理を食べたときの感染確率
感染が成立するためには、ある一定量以上のウイルス量が必要となります。
ウイルス性肝炎の患者さんとの食事や鍋料理を食べることで、肝炎ウイルスに感染することはありません。
正解は、感染確率0%です。
Q3 一緒に入浴したときの感染確率
ウイルスを含んだ血液や体液が浴槽の中に入ったとしても、水で薄められるので、感染が成立することはありません。
感染が成立するためには、ある一定量以上のウイルス量が必要となるために、プールやお風呂を一緒に利用することで、肝炎ウイルスに感染することはありません。
正解は、感染確率0%です。
Q4 蚊を媒介したときの感染確率
蚊は人間を刺して吸血し、この血液にウイルスが含まれている場合には、ウイルスは蚊の中に入ります。
しかし、蚊には肝臓がありませんので、肝炎ウイルスは増殖することができません。
蚊に刺されたときに、皮膚に少量の蚊の唾液が入りますが、この唾液にはウイルスは存在しないと考えられています。
したがって、蚊に刺されることで肝炎ウイルスに感染することはありません。
正解は、感染確率0%です。
Q5 肝炎ウイルス検査の経験
肝炎ウイルス検査の経験がない場合でも、大きな外科手術、妊娠・出産、献血の経験があれば、肝炎ウイルスの検査を受けたことがある可能性があります。
B型肝炎ウイルス | C型肝炎ウイルス | |
---|---|---|
大きな外科手術 | 1981年6月 保険適用 | 1992年4月 保険適用 |
妊娠・出産 | 1985年6月 国の補助が開始 | 1992年4月 保険適用 |
献血 | 1972年4月 スクリーニング検査導入 | 1989年12月 スクリーニング検査導入 |
献血&肝炎について、どれくらい知っていましたか
感染経路を知っていれば予防することができます。
しかし、このことが十分に理解されていない結果として、偏見や差別に苦しんでいる方がいます。
感染予防のための正しい知識を身に付け、偏見・差別のない社会をみんなで目指しましょう。
肝炎マメ知識
どんなときに感染するの?
感染が起きる可能性があるのは次のような場合です。
- 注射器、かみそり、歯ブラシ、ピアスなど血液がついたものの共有
- 血液を傷のある手で触る(健康な皮膚はウイルスを通しませんが、傷のある皮膚や粘膜はウイルスを通します)
- 性交渉
- 口移しで食べ物を食べる
- 出生時の母子感染
握手、ハグ、食器の共有、お風呂の共有、くしゃみ、蚊の媒介では感染しません。
肝炎ウイルスにはどんな種類があるの?
A型は、感染しても一時的な症状(発熱、倦怠感、食欲不振など)が起こり、自然に治ることがほとんどです。
E型は、症状が出ないことも多いですが、症状が出た場合はA型とよく似た症状が現れ、自然に治ることがほとんどです。
B型とC型は、感染すると一部の人はウイルスが持続感染し、慢性的な炎症を引き起こし、肝がんになるリスクがあります。
以前は、インターフェロンという注射で治療をしていましたが、今は飲み薬だけでウイルスを排除・制御できるようになりました。
D型は、日本では感染することは少ないウイルスです。
肝炎ウイルスに感染していることが分かったらどうしたらいいの?
肝臓は沈黙の臓器です。
ウイルス性慢性肝炎は、放置すると肝硬変や肝がんに進行するリスクがあります。
肝炎ウイルスに持続感染していることがわかったら、肝臓が大きなダメージを受ける前に、専門医療機関をすぐ受診しましょう。
専門医療機関はこちら(肝炎治療関連医療機関リスト)
医療の進歩により、飲み薬のみでウイルスを制御・排除できるようになりました。
広島県では、妊婦健診、県、市町又は職域で実施した肝炎ウイルス検査、手術前の肝炎ウイルス検査で陽性と判定された方を対象に、医療機関で精密検査を受けた際の医療費の自己負担分を助成しています。
詳細はこちら(B型・C型肝炎ウイルス陽性の方の検査費用を助成しています)
妊婦健診で実施した肝炎ウイルス検査で陽性と判定された方
県、市町又は職域で実施した肝炎ウイルス検査で陽性と判定された方
肝がんの原因は?
肝がんの原因には、肝炎ウイルスの他に、肥満や糖尿病(脂肪肝)、アルコールの飲み過ぎなどがあります。
「肝臓の病気と言えばアルコールの飲み過ぎ」というイメージのある方もおられるかと思いますが、最も多い原因は、肝炎ウイルスで、半分以上を占めています。

出典:日本肝臓学会 肝がん白書 平成27年
肝炎ウイルスの感染はどうやったら分かるの?
肝炎ウイルス検査を受けましょう!!
健康診断などを受けた時によく聞くAST(GOT)やALT(GPT)は、肝炎を発症しているかどうか調べる検査で、肝炎ウイルスに感染しているかどうかは分かりません。
肝炎ウイルス検査は、HBs抗原やHCV抗体などの検査項目になり、オプションとして追加して受けることが多い項目になります。
肝炎ウイルス検査はどこで受けることができるの?
広島県にお住まいの方は、次の場所で肝炎ウイルス検査を受けることができます。
- 職場の健康診断、人間ドック
- 妊婦健診
- お住まいの市や町の健診
- 県の保健所(広島市、福山市、呉市以外にお住まいの方)
- 広島市・福山市・呉市の保健所(広島市・福山市・呉市にお住まいの方)
- 県や市町の委託医療機関
検査を受けたい場合は、事前にお問い合わせください。
詳細はこちら(肝炎ウイルス検査を受けましょう)
広島県での取り組み
広島県では、「一生に一度は肝炎ウイルス検査を受けましょう」を合言葉に、肝炎対策を推進しています。
まだ検査を受けていない方、受けたかどうか分からない方・覚えていない方は、ご自身のために、家族のために肝炎ウイルス検査を一度は受けるようにしましょう。