異物分析マニュアル
異物分析マニュアル
食品の異物混入は、製造・流通・調理など様々な過程で、本来含まれるべきではない物が入り込むことです。健康被害や不快感を招くため、HACCP(危害分析重要管理点)などの衛生管理手法を用いた厳格な防止・検査対策が講じられています。
本来入ることのない異物が混入してしまったとき、その異物を推定するための手掛かりとなる異物の分析方法について公開します。本マニュアルは、平成28、29年に異物分析勉強会を実施した成果です。
本マニュアルの利用にあたっては利用者の責任と判断において行ってください。マニュアルの利用により生じた損害については、広島県は一切の責任を負いません。
内容
1 異物分析について
〇 異物分析の目的
・異物混入の原因を調査し、対策を講じるため
・対応の緊急性の評価(物理的な危害の評価、同一ロット製品での混入の可能性)をするため
〇 異物分析を始める前に
(1)異物とは、食品中に存在する「本来その食品を構成している成分以外のもの」。
(2)(1)以外に経時的に発生してしまうもの、原料に由来するもの、消費者に認知が低いものも視野にいれておく必要がある。
(3)分析方法に決まりはない。複数の手法を用いて、結果の矛盾が生じないことが求められる。
(4)非破壊分析から優先して分析する。(形態観察は必須)
(5)食品の付着や浸透の影響もある。
(6)異物の発生状況や製品の履歴も鑑定の手がかりである。
2 異物の分類
異物は、状況に応じて以下のような分類をすることが可能です。
〇 材質面から見た異物情報(ex.樹脂、金属)
〇 形状、色、触感から見た異物情報(ex.線状、塊状、軟らかい)
〇 侵入経路から見た異物情報(ex.人為、設備、原料、包材) など
3 異物分析方法
3-1 異物分析の流れ
異物分析おおまかに、【1】情報収集、【2】外観観察、簡易分析、【3】機器分析により判定を行います。
一般的には、下図に沿った分析フローによって分析します。
より詳細な分析をする場合や補完データが必要な場合など必要に応じて、HPLC(液体クロマトグラフィー)やGC(ガスクロマトグラフィー)など様々な分析手法による分析も行います。
その後、同定結果をもとに再発防止対策へとつなげていきます。
異物は、微小であることが多いため、観察・分析できることは限られます。各異物の特徴を把握し、分析方法を選択していく必要があります。

3-2 情報収集
分析の前に、異物の発生状況、製造方法、製造環境、原料、流通など様々な情報を収集する必要があります。分析結果と情報を確認することで、より正確な結果を導くことができます。

3-3 採取方法
異物の採取は、混入状況、付着物の状況を確認後に行います。写真の記録を忘れないようにします。
採取のポイントは以下の通り。
・ 異物の採取は、製品や異物の形態に応じた方法で行う。
・ 異物が固形かつある程度の堅さがある場合は、ピンセットやさじなどで取りだす。
・ 溶液中にある場合は、パスツールやピペット等で取り出す。
・ 採取が困難なとき、溶液中であれば、遠心分離して沈殿物を回収する。
・ ろ過による採取は、ろ紙等に付着し、採取困難及び紛失の恐れがある場合は避ける。
・ 腐敗の可能性がある場合は、冷蔵保存する。
採取した異物をテープなどで台紙に貼り付けると、その後の分析に支障をきたすことがあるため、そのままビニール袋やシャーレ等に入れます。
また、異物に類似したものがあれば比較品として採取します。
比較品としては、原材料、半製品、製品(正常品)、工程中などで類似したもの、していないもの、過去に工程中で選別・採取された異物、過去の類似異物などがあります。
1 異物物分析について、2 異物の分類、3-1~3-3 異物分析方法 (PDFファイル)(686KB)
3-4 形態観察の方法
外観観察は、始めに行います。混入状況、付着物の状況を確認やクレームの場合は状況が一致しているかを、肉眼、実体顕微鏡やデジタルマイクロスコープ、光学顕微鏡などで観察します。
3-4 形態観察の方法 (PDFファイル)(496KB)
3-5 簡易分析の方法
機器の前に、簡単に推察できる分析方法があります。
3-5 簡易分析の方法 (PDFファイル)(522KB)
3-6 呈色反応の方法
ヨウ素デンプン反応、ニンヒドリン反応、フロログルシン塩酸反応について紹介しています。
3-6 呈色反応の方法について (PDFファイル)(833KB)
3-7 機器分析の特徴
FTIR(フーリエ変換赤外分光光度計)装置及び元素分析装置の特徴を紹介しています。
3-7 機器分析の特徴 (PDFファイル)(523KB)
3-8 各異物の鑑定ポイント
次項に示すような異物の鑑定のポイントやFTIR、元素分析装置の利用の推奨について紹介しています。
3-8 各異物の鑑定のポイント (PDFファイル)(526KB)
4 各異物の分析ポイント
各異物の形態観察や、簡易分析法、機器分析、異物鑑定のポイントを紹介しています。
異物の分類によっては、混入経路の参考、異物混入事例や見間違えやすい異物についても紹介しています。
4-1 虫 (PDFファイル)(626KB)
4-2 菌、微生物 (PDFファイル)(546KB)
4-3 毛 (PDFファイル)(684KB)
4-4 金属 (PDFファイル)(550KB)
4-5 樹脂(単一素材) (PDFファイル)(783KB)
4-6 木片 (PDFファイル)(595KB)
4-7 穀物・豆類 (PDFファイル)(608KB)
4-8 野菜類(果実類) (PDFファイル)(638KB)
4-9 きのこ類 (PDFファイル)(642KB)
4-10 藻類 (PDFファイル)(654KB)
4-11 魚類・肉類 (PDFファイル)(599KB)
資料一括
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