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5-10 フレックスタイム制とはどんな制度か|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年7月31日

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5-10 フレックスタイム制とはどんな制度か

質問

私は,ある会社のソフトウェア開発の部署に勤めています。今度,私の所属する部署にフレックスタイム制が導入されると聞きました。フレックスタイム制とは,一体どのような制度で,今までとどこが変わるのでしょうか。

回答

<ポイント!>

労使協定に基づき,労働者が自分の始業時刻と終業時刻を一定の範囲で自由に決められる制度がフレックスタイム制です。

フレックスタイム制とは

フレックスタイム制とは,始業時刻と終業時刻を個々の労働者の決定に委ねるものです。ただし,使用者は,労働者が労働しなければならない時間帯(コアタイム)や,労働者がその選択により労働することができる時間帯(フレキシブルタイム)を設定することもできます。

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導入の要件

  1. 就業規則で始業・終業時刻を各労働者の決定に委ねることなどを定めること
  2. 過半数労働組合(ない場合には過半数代表者)との労使協定で次の事項を定めること
    ア.対象とする労働者の範囲
    イ.清算期間(フレックスタイム制において,労働者が労働すべき時間を定める単位時間のこと。1か月以内に限る)
    ウ.清算期間における総労働時間(清算期間を平均した週の労働時間が40時間を超えないように設定すること)
    エ.標準となる1日の労働時間(年休取得の際,基準となる時間数)
    オ.コアタイムやフレキシブルタイムを定める場合は,その時間帯の開始・終了時刻

フレックスタイムの効果

フレックスタイム制のもとでは,労働者個々人の業務や私生活に即した就業時間が設定でき,自主性を尊重することにより労働意欲や業務効率の向上を図ることができます。
また,時間外労働が短縮され,使用者にとって割増賃金などの負担が減ることもメリットと言えるでしょう。
更に,通勤ラッシュの時間帯を避けることができるなどの点も挙げられます。

コアタイム範囲外の会議等

コアタイムの範囲外の時間に会議等を開催することは,労働者に出勤を強制することになりフレックスタイム制の趣旨からは好ましくありません。したがって,フレックスタイム制の対象者が出席する会議は,できる限りコアタイムに開催することが望まれます。
やむを得ずコアタイム以外の時間帯に就労を命じる場合には,労働者の個別の同意を得る必要があります。

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時間外労働の取扱い

フレックスタイム制のもとでは,労働時間の規制は,労使協定で定める清算期間単位で行われます。したがって,1日の労働時間が8時間を超えたり,1週間の労働時間が40時間を超えても,それだけで直ちに時間外労働とはなりません。時間外労働となるのは,清算期間全体で法定労働時間の総枠を超えた分についてだけです。

有給休暇の取扱い

労働者が有給休暇を取得した場合は,その日については,労使協定で定めた「標準となる1日の労働時間」を働いたものとして取り扱われます。

こんな対応を!

フレックスタイム制導入により,労働者は,仕事と個人生活との調和をより図りやすくなります。制度のメリットを最大限に発揮できるように,御自分の始業・終業時刻を設定してください。