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10-5 契約期間途中で解雇できるか|労働相談Q&A

印刷用ページを表示する掲載日2018年7月31日

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10-5 契約期間途中で解雇できるか

 質問

パートで半年の契約で勤めており3か月になりますが,突然,仕事がなくなったので今月末で辞めてもらいたいと言われました。正社員でなければ,簡単に解雇されても仕方ないのでしょうか。

回答

<ポイント!>

  1. 「やむを得ない事由」がある場合を除き,原則として,契約期間途中の解雇はできません。
  2. 解雇する場合,使用者は少なくとも30日前にその予告をするか,30日分以上の平均賃金(解雇予告手当)を支払わなければなりません。
  3. 解雇の理由がどちらかの過失により生じたものであれば,相手方に損害賠償請求ができるとされています。

解雇には合理的な理由が必要

期間の定めのある労働契約を使用者の都合で解約することについて,労働基準法には特に規定は設けられていません。しかし,民法を見ますと,その第628条に,雇用期間を定めていても,「やむを得ない事由があるときは」契約の解除ができるとされています。
一定期間の雇用が約束された契約を一方的に解除するのですから,「やむを得ない事由」は当然合理的なものでなければなりません。労働契約法では,解雇は,客観的に合理的な理由を欠き,社会通念上相当であると認められない場合は,権利の濫用として,無効であると定められています。(第16条)
また,契約解除に当たっては,あなたの場合,契約期間は6か月ですから(労働基準法第21条参照),期間の定めのない契約と同じく労働基準法第20条の適用を受け,30日前の予告か,30日分以上の平均賃金の支払いが必要です。
さらに,契約解除の事由が一方の過失により生じたときは,相手方に対して損害賠償の責任があるとしています。(民法第628条ただし書)

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こんな対応を!

解雇の理由が「やむを得ない事由」とまで言えるのか,他の業務に従事するなどの別の方法がないのか,会社に契約期間満了までの勤務を申し出てよく話し合ってみましょう。
解雇に応じることになった場合は,労働基準法の規定どおり解雇予告手当を支払うよう求めてください。

更に詳しく

損害賠償について

一般的には,解雇の理由が使用者の過失により生じた場合,使用者は労働者について生じた損害を賠償する必要があります。その限度額は,契約で定めた期間満了までの賃金相当額と考えられます。

民法第628条

「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても,やむを得ない事由があるときは,各当事者は,直ちに契約の解除をすることができる。この場合において,その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは,相手方に対して損害賠償の責任を負う。」

解雇権濫用の法理

「人員整理のための解雇は,どこまで許されるか」の項を参照してください。