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障害者雇用企業見学会

印刷用ページを表示する掲載日2025年12月1日
障害者雇用企業見学会を、広島圏域と東部圏域の2つの日程で開催しました。

実際に障害のある方が活躍している雇用現場の様子を見学し、事例紹介を聞くことで、障害のある方への理解を深め、取組内容を参考にしていただくとともに、支援機関を交えて参加者同士の意見交流を行うことで、悩みを共有し、障害者雇用における課題解決の糸口を探りました。

(目次)

(広島圏域:11月13日(木)開催)
障害者雇用に向けて~福祉とのつながり~

1 概要

日時:令和7年11月13日(木曜日)13時00分~16時00分
場所:新和金属株式会社(安芸郡府中町茂陰一丁目8-7)
参加対象:障害者を新たに雇用しようとしている、または雇用の拡大を考えている県内の事業者の方
プログラム:

  • 事例紹介・見学(新和金属株式会社)
  • 事例紹介(広島アルミニウム工業株式会社)
  • 意見交流

2 事例紹介・見学(新和金属株式会社)

会社概要

 新和金属株式会社は、めっき等の各種表面処理を行う中小企業です。プレス品やボルト、ナット部品への防錆・装飾・機能めっきを主に行っています。
 「FACTORYからWACTORYへ」をスローガンに、障害福祉事業(就労移行支援事業所)も行っています。
 障害者雇用にも積極的で、広島県障害者雇用優良事業所表彰や、もにす認定も受けています。

事例紹介概要

 創業時から「和」を大切にする社風で、スローガンでもある「WACTORY」は、「(年齢や立場に関係なく意見が言える雰囲気づくり)」、「枠を取り除く(偏見で人を判断せず、適材適所で能力を発揮できる環境づくり)」、「ワクワク(ワクワクする会社づくり)」の3つの意味が込められています。
 地域とのつながりも大切にしており、開かれたコミュニティスペースを本社事務所に設置し、活用する中で、障害を持つ子どもの親などから、「近くで働ける場所が少ない」という話を聞き、自社だけでなく地域の企業にも障害者雇用を広めたいと思い、障害福祉サービスを開始しました。
 障害のある方の一般企業への就職を支援する通所型の福祉サービス(就労移行支援事業所「すみっこテラス」)を開始し、健康管理・日常生活管理から工場での現場実習などで能力を伸ばし、一般企業への就職、その後の定着支援を行っています。
 新和金属での評価制度は、ポイント制です。すべての業務をポイント化し、できることが増えれば給与も上がるという仕組みを作っています。
 企業が抱える不安(トラブルにならないか、社内の理解が得られるか等)については、相談先(支援者)を1つ決めておくことがおすすめです。
新和金属の事例紹介の様子

見学概要

 工場での作業の様子と、事務所内でのビーズ作業の様子を見学しました。
 工場では、匂いや音、人の行き来などのある中で、集中して作業する必要があります。重いものを持ったり、立ちっぱなしで作業したりする体力も必要です。
 事業所内では、目と手先を使う作業を見学しました。目が見えにくく、細かい物が見えにくい方でも、ちょっとした工夫(作業のトレーを三角形のものにすれば見やすい等)で、できることが増えます。最初から「これはできません」とするのではなく、「工夫や努力をしてみて、ここまではできるようにしましたが、ここからは配慮をお願いします」ということができるよう、支援しています。
工場見学の様子 工場見学の様子 作業見学の様子

3 事例紹介(広島アルミニウム工業株式会社)

会社概要

 広島アルミニウム工業株式会社は、アルミニウム製品及び樹脂製品の製造販売を行う企業です。
 企業理念として「障がいのある方も安心して長く、共に生き生きと働ける職場を目指して就業意欲のある障がい者の方の能力を発揮できる場を創出し、社会参加と経済的な自立を支援する。」を掲げ、積極的に取り組みを行っています。
 あいサポート企業でもあり、広島県障害者雇用優良事業所表彰も受けています。

事例紹介概要

 障害者雇用の専門部署(人材活躍推進課)を立ち上げ、現場と支援機関との調整や実習・見学の受入れ調整、また定着支援として面談等を行っています。採用にあたっては、ミスマッチ防止のため、工場見学→職場実習→面接を行っているため、社内及び関係機関との連携は重要です。
 社員教育にも積極的に取り組み、階層研修(新入社員、新任の管理者等)で障害者への理解を深める研修を行っています。
 関係する支援機関とのつながりは重要で、特別支援学校や福祉施設からの見学や実習の受入れから雇用につながるケースもあります。また、雇用後に、職場訪問やジョブコーチ支援、ケース会議などの支援を受けることで、長く働いてもらうこと(定着)が可能になり、助かっています。
 (実際の事例として、3例ほどの対応事例をお話いただきました。)
 本人の適性に合った仕事を、怪我をすることなく、元気に長く働いてもらいたいという思いがあり、個別の問題解決には支援機関との連携が重要です。

広島アルミニウム工業の事例紹介の様子

4 意見交流

意見交換では支援機関を交えて、参加者の皆様と障害者雇用について現状抱えている課題などについて、話し合いました。
意見交流の内容を一部ご紹介します。
※解決策等は参考としてご覧ください。障害のある方への配慮は個人の状況により対応が異なるため、一度支援機関へご相談ください。

  • 「障害者雇用」でどんな方が来てくれるのか不安。
    →見学や実習をすることで、適性や相性を見ることができる。
     障害者といってもいろいろな人がおり、得手不得手がある。「障害者雇用」と無理に考えるのではなく、自社で働いてほしいと思う人を雇用していく。
  • 定着が難しい。
    →支援機関の協力なしには難しい。相談先が必要
  • 製造現場での仕事は、障害者の方には難しいと思う。
    →自動化してボタンを押すだけにしたり、サポート役をつけたり、できることを考えてみても良いと思う。業務を細分化することでできることもある。

(東部圏域:11月20日(木)開催)
適した仕事に配置する~社内配置の考え方~

1 概要

日時:令和7年11月20日(木曜日)13時00分~16時00分
場所:福山市かんなべ市民交流センター(福山市神辺町大字川北1151番地1)
参加対象:障害者を新たに雇用しようとしている、または雇用の拡大を考えている県内の事業者の方
​プログラム:

  • 事例紹介・見学(青山商事神辺商品センター)
  • 事例紹介(株式会社Asahicho)
  • 意見交流

2 見学(青山商事株式会社神辺商品センター)

会社概要

 青山商事株式会社は、各種衣料品の企画・販売に関する事業を行う企業です。神辺商品センターでは、障害のある方が多く在籍し、それぞれの特性を活かして働ける業務に就いています。
 
広島県障害者雇用優良事業所表彰も受けており​、2025年には特例子会社(株式会社青山ストーリー)を設立しました。

見学概要

 センター内の5つの部門(ピッキング(取り出し)、スラックス、プレス(仕上げ)、出荷、入荷)を見学しました。各部門で作業内容や向いている人材等について説明いただき、参加者からの質問に回答してもらいました。
 センターの従業員73人中21人が障害のある方です。(身体障害者4人、精神障害者7人、知的障害者10人)
 部門によって、動くことが好きな方、端末操作が得意な方、根気のいる作業ができる方、いろいろな作業をすることがストレスでない方など、向いている人材が異なるため、実習等で5つの部門を回ってみて、適性を見ながら本人の希望ともマッチングさせ、個人に合った仕事に就いています。また、1人でも作業ができるスペースを各所に設置しており、作業に疲れたら、別の作業をしたり休憩したりすることができます。
 数年前までは、障害のある方を1つの部門に集めていましたが、その部門だけ孤立してしまう、他部門と壁ができてしまう等の問題があったため、障害のある方を各部署に配置することで、センター全体で、みんなで一緒に働いているという意識醸成ができました。
 また、作業で注意する箇所の表示や、写真付きのマニュアルの整備、ホワイトボードに翌日の担当を掲載するなど、視覚的にわかりやすくすることも意識し、不安感の軽減につなげています。
 何かトラブル等があれば、障害者就業・生活支援センター(通称ナカポツ)に相談し、協力をお願いしています。

3 事例紹介(株式会社Asahicho)​

会社概要

 株式会社Asahichoは、ワークウェアの企画・製造販売を行う企業です。
 「障害者雇用をしよう」と取り組んだわけではなく、元々女性が多く家庭や子育て、事情を抱えながらでも働ける職場だったことから、特別支援学校からの職場実習の受け入れ依頼をきっかけに、障害のある方も雇用するようになりました。
 広島県障害者雇用優良事業所表彰も受けており、アビリンピック(障害者技能競技大会)にも出場しています。

事例紹介概要

 限られた人材が、最大限能力を発揮し、適材適所で活躍できるようにするため、障害の有無にかかわらず、適した業務を探しています。どうすれば一人ひとりの力を生かすことができるか、強味を伸ばすことができるかを考え、様々な業務を体験してもらう中で本人の適性を見極めています。互いにコミュニケーションを取りながら、実習を経て雇用することが多いです。
 また、アビリンピック(障害者技能競技大会)や国家技能検定試験への挑戦を支援することで、本人のモチベーションアップ技能伝承をすすめています。「やればできるんだ!」という自信につながり、本人のやる気が上がることで、会社全体も明るくなります。
 また、福祉事業所との連携も行っています。仕上げ作業や部品作りを、障害者就労継続支援事業所(福祉サービス施設)に外注し、雇用以外の形でも、地域の障害者就労支援に携わっています。

Asahichoの事例紹介の様子

4  意見交流

意見交換では支援機関を交えて、参加者の皆様と障害者雇用について現状抱えている課題などについて、話し合いました。
意見交流の内容を一部ご紹介します。
※解決策等は参考としてご覧ください。障害のある方への配慮は個人の状況により対応が異なるため、一度支援機関へご相談ください。

  • どんな配慮をしたら良いか。何に気をつけるべきか。
    一緒に働いていくうちにわかってくる。実習等で何ができるか、何が得意かを試すことも良い。
  • 求めるレベルに合う方が少ない。「できます」と言っていたことができないこともある。
    →実習やトライアル雇用を活用し、社内で実際の業務をやってもらい、適性をみるべき。能力を発揮できる仕事探しをしてみても。
  • 障害をオープンにするかどうか。どんな範囲で伝えるべきか。
    誰に、何を、どの程度伝えるか、本人の意向を面談等で確認しながら、配慮をするためにも上司や所属部署等に周知する。
  • 定着が課題。
    →特別支援学校からの採用であれば、社内のOBOGの指導のもとで一緒に仕事することも、定着につながる。ジョブコーチの活用も有効。

意見交流の様子

参考

●支援機関について知りたい方はこちら↓

●障害者雇用の基本もおさえておきたい方はこちら↓

●福祉施設等との連携についてはこちら↓

  • 福祉施設とのビジネスマッチング(企業と障害者就労施設を結ぶ商談会) (PDFファイル)(5MB)【令和8年2月20日(金)開催】
    参加発注企業募集中!(申込期限:12/26)​
    ​障害のある方が就労する福祉施設に、業務を外注してみませんか?
    この商談会では、発注企業の外注担当者様と福祉施設が個別に面談し、福祉施設のできる業務や提供サービス等を実際に確認することができます。
    人手不足の今、福祉施設のサービスや障害のある方ができる業務を知っていただくとともに、貴社の業務効率化と社会貢献ができる機会ですので、ぜひご参加ください。
  • 企業と就労支援機関をつなぐ交流会【令和8年1月23日(金)・3月3日(火)開催】
    参加申込受付中!(申込期限:12/19・1/30)(リーフレットのダウンロードはこちら (PDFファイル)(377KB)
    ​障害者雇用をすすめるにあたっての課題の一つが、自社に合う人とのマッチングです。
    就労支援機関と交流することで、企業への就職を希望している障害のある方の様子を聞くことができます。
    今回は、障害のある方に、一般就労のための訓練を行い、企業とマッチングさせ、入社後の定着支援も行う「就労移行支援事業所」などと交流できます。(参加機関の情報はこちら (PDFファイル)(4.07MB)
    就労支援機関とつながりをつくり、マッチングのチャンスを増やして、障害者雇用をすすめましょう。
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