場垣内 優子さんと藤原 克実さん

安心や元気を届けられる存在に
ネウボラ相談員インタビュー

場垣内 優子さん

ひろしまネウボラとは?

広島県では、子育てをするすべての人が地域とのつながりを感じ、あたたかく見守られていると心から実感できるよう、市町と連携し、妊娠期からの切れ目ない相談・支援体制である「ひろしまネウボラ」の仕組みづくりに取り組んでいます。今回は三原市のネウボラ相談員に、業務の内容や心掛けていること、ネウボラの目指す姿などをインタビューしました。

INTERVIEW

インタビューに答える場垣内さん

場垣内 優子 さん (ばがうち ゆうこ)

三原市出身。三原市役所に保健師として入職後、保健福祉に関する業務に従事。2020年より三原市子育て世代包括支援センター「すくすく」での子育て支援も担当する。

取り組み多彩な三原版ネウボラの拠点

「すくすく」のスタッフ

三原市子育て世代包括支援センター「すくすく」では、保健師や助産師などの専門職が妊娠期から子育て期のお母さんとそのご家族のさまざまな相談に応じており、三原版ネウボラの拠点として多くの取り組みを行っています。

母子健康手帳の交付にはじまり、妊娠期には2回の面談を行います。産後は2カ月までに自宅訪問、4カ月以降には定期的な健康診査や育児相談を実施します。三原市では、全ての家庭を対象に子どもが3歳になるまでに計8回の面談機会を設けています。

そのほかには、電話やメールでの相談受付、「すくすく」での計測や育児相談対応、マタニティスクールや育児講座の開催など、安心して妊娠や出産、子育てを行うことができるようさまざまに支援しています。

ご家族と話せる一つ一つの機会を大切に

キッズスペースでご家族と話す場垣内さん

相談内容は、母乳や赤ちゃんの体重、離乳食に関する悩みなどさまざまです。定期的に面談があるとはいえ頻繁に会えるわけではないので、ご家族と話せる毎回の機会をいつも大切にしています。

また、お子さんの成長を一緒に見させていただけることも私自身のやりがいにつながっています。少しずつ余裕が出てきているお母さんの姿を見ると安心しますし、ご家族みんなでともに成長する様子を感じるとうれしいですね。

私自身も子育てを経験して、いろいろな方にかけてもらった言葉で救われたシーンが多くあります。子育て世帯のご家族に安心や元気を届けられる存在になれるよう、「すくすく」に相談して良かったと思ってもらえるようにしたいです。

まち全体がネウボラのような環境づくりを

ロビーでご家族と談笑する場垣内さん

妊娠や出産をされた方は皆さん一度は行政の窓口を訪れるので、こうしたつながりをきっかけに私たちの方から声掛けができるのは、行政ならではの強みだと思っています。例えば、なかなか「すくすく」へ足を運べないお母さんへも連絡をとるなどアプローチできるので、まずは最初の相談をしやすくしたいと考えています。

三原市では、WEBフォームを導入してスマホから相談予約ができるようにしたり、県の補助金を活用してサービスの種類を広げたりしています。また、住民の方にネウボラをより理解・共感していただけるよう、今年度から市内全ての支援センターの相談員が集まってワークショップをしています。

ネウボラは子育て世帯の支援の入り口です。相談内容に応じて一緒に解決してくれる関係部署・機関につないでいきます。これからもより活用しやすい場所になるよう、スキルもサービスもブラッシュアップしていきたいと思います。また将来的には、まち全体で子育てを温かく見守ることのできる環境づくりができればいいなと考えています。

徹底解剖!ひろしまラボ

子育ての悩みを相談できる「ネウボラ」

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男性の育休取得に積極的な企業とは?
経営者インタビュー

藤原 克実さん

広島県では、全国に先駆けて男性の育休取得促進に取り組んでいます。働きやすい環境づくりに取り組む企業は県内にもたくさんあります。
今回は社員がライフステージに合わせた働き方ができるように取り組んでいる、株式会社マークスラッシュ 代表取締役会長 藤原 克実さんにお話をうかがってきました。

INTERVIEW

インタビューに答える藤原さん

藤原 克実 さん (ふじわら かつみ)

大阪府出身、1992年より広島県在住。株式会社マークスラッシュ代表取締役社長を経て、2022年に会長へ就任。

社員の働き方について長年模索

ミシンで刺繍する様子

弊社では、スポーツ用品へのマーク加工や洋服の買取販売を行っています。育休はもちろん家族の介護などで休みを取りたい場面は増えていると思い、男女問わずライフステージに合わせた働き方ができるよう長年取り組んできました。

そうした背景から、2018年に男性社員が初めて育休を取得しました。改めて仕事と家庭の両立は大切だと感じ、翌2019年には「広島県仕事と家庭の両立支援登録制度」の申請を行いました。

マーススラッシュ事務所内の様子

休暇を取得しやすくするための環境改善

従業員が作業する様子

会社から男性社員の育休取得について推奨していたものの、当初は社員からの良い反応はありませんでした。ですが「家族のために取得を考えてみてほしい」と改めて説明し、そこで男性社員が初めて育休を取ることになりました。

実際に育休を取得した社員からは「妻から心強かったと言われて、育休を取って良かった」という言葉がありました。その後この社員は第二子のタイミングでも育休を取得し、他の男性社員も取得しています。

たくさんのミシンが並ぶ様子

育休を推奨するにあたって大切なのは、取得者が安心して休める環境づくりです。以前は各社員の業務を専業化していましたが、現在では複数人が業務内容を把握している状況になるよう体制を変えています。

そうすることで、社員が休みたいときに安心して休暇の申請をしてもらえるようになりました。今では男性社員の育児休暇取得率は100%、社員の有給休暇取得率も100%になっています。

従業員とその家族を大切に

男性従業員と談笑する藤原さん

男性の育休期間は今は出産前後の一週間ですが、今後はその期間を長くすることや回数を増やすことを検討しています。出産前後だけが大変なわけではないので、夫婦の都合に合わせて取得できるようにしていきたいです。

社員の家族からこの会社へ勤めることを良いと思ってもらえないと、社員本人も働き続けられないと思います。従業員はもちろんその家族も大切にすることを軸に、これからもより良い職場環境づくりに取り組んでいきます。

補足

育児休業をきっかけに男性が育児に参画することは、本人やその家族だけでなく、企業にとっても多くのメリットがあると考えられます。ヒントひろしまでは先進的な取組を行っている県内企業の事例を紹介しています。取組のヒントを見つけてみてください。

ヒントひろしま

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