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経営戦略を法務で実現する「戦略法務」への挑戦

印刷用ページを表示する掲載日2022年11月7日

広島県未来チャレンジ資金利用者の声

氏名

坂田 英俊(サカタ ヒデトシ)氏

職種

代表弁護士

Q.大学院入学前に,どんな課題感を持っていたのかお聞かせください。

A.中小企業にこそ経営革新の余地があり,支援をしたいと考えて経営コンサルティングファームを退職しました。ただ,中小企業が戦略を掲げても,交渉力・交渉技術の乏しさから,大企業や海外企業と不利な取引をしてしまい,事業化・収益化で壁にぶつかることが想定されました。 

 素晴らしい戦略も,契約で実現できなければ,絵に描いた餅です。知的財産など,中小企業の交渉力を高めるのもやはり法務なくしては語れません。つまり,中小企業には,経営戦略を法務で実現する「戦略法務」が必要になると考えました。 そこで,企業法務・契約法務・知的財産法務について学びたいと希望しました。

Q.大学院に入学を決めたきっかけをお聞かせください。

A.弁護士法上,他人の交渉を代理できるのは弁護士だけです。このため,既存の経営戦略に関する知識を生かしつつ,企業の外部で独立して活動する法務のプロフェッショナルになることを目的として,京都大学法科大学院に入学を決めました。

Q.大学院にて,どんなことを学んだのかをお聞かせください。

A.企業法務・契約実務・知的財産法務・海外契約を中心に学びました。ただ,法律学は積み重ねの学問であり,上記の応用技術の習得のためには,基礎である民法の体系的知識の習得が必須です。また,トラブル対応の最終的な解決法である訴訟実務も熟知して見通しを立てておかないと強気の交渉はできません。

 結局,伝統的な弁護士業務(臨床法務・予防法務)を行うための前提知識は網羅的に習得することになりました。何事も下積みが大事です。

Q.大学院で学んだことを,どのように生かしたのかお聞かせください。

A.大学院で学んだ知識をもとに司法試験に一回目で合格し,司法修習を経て弁護士資格を取得しました。

 大学院で学んだ企業法務・契約実務・知的財産法務・海外契約についての知識は,司法修習や弁護士業務を通じて毎日のように交渉代理人として活動し,交渉力の評価・交渉技術の研鑽を通して,現場で使えるスキルになりました。

 司法試験に必要な基礎的な学習のみで,上記のような応用について全く学んでいなければ,特殊な仕事が来ても対応できなかったはずです。英文契約・知的財産・契約交渉などに対応できる弁護士は少ないので,自然とそのような仕事が紹介で集まって来るようになりました。

 また,広島県とホノルル市の若手ビジネスリーダープログラムに参加して,広島とハワイの経営者・弁護士と一緒に,ビジネスモデル構築・新規事業立ち上げなどの研修を受講したことがありました。大学院で得た知識と実務で鍛錬した海外展開・取引の知識があったからこそ,有意義な意見交換ができたと思います。

 県内企業の海外展開についての相談の際,経営者の視点での海外展開,弁護士の視点での海外展開の両方について勉強をしたことによって,助言の品質が飛躍的に上がりました。現在まで,海外案件の相談は継続的にあり,しかも増加傾向にあります。

Q.仕事において、大学院での研究が具体的にどのような成果につながったのか、可能であれば具体的にお聞かせください。

A.臨床法務:広島県内企業を依頼者とする訴訟や示談交渉をしてきました。これらを通じて昨年県内企業が受け取った経済的利益は5億円以上でした。

 予防法務:広島県内企業の依頼で,事業譲渡・値上げ交渉・契約打ち切り・特許ライセンス・海外展開などの契約交渉を支援し,継続的な収益を確保しています。私がチェックする契約書の金額も毎年数億円以上です。

 戦略法務:広島県内の製造業集団,一般社団法人ヤマトプロジェクトの設立から携わり,共同開発・共同出資・共同受注などで,多数の企業が同じ方向を向くお手伝いをしています。その他県内企業の特許を有効に活用するための知的財産戦略や,海外展開の支援も支援しています。

Q.今後の目標や展望があればお聞かせください。

A.まだ,中小企業には,弁護士は「裁判をする仕事」,「何かあったら相談する仕事」だと思われています。しかし,たとえ裁判で勝っても,裁判に巻き込まれた時点で本業が疎かになり費用もかかりますので,ビジネス面では失敗です。予防のために「契約書チェックをする仕事」として弁護士を活用する企業も増えていますが,契約書ができあがった時点では修正提案できる余地は少ないため,やはり手遅れのケースが多いです。

 そこで,中小企業から,もっと早く,「契約交渉についてのバックでの助言」「交渉力を上げるためにすべき戦略立案」を求めていただけるように,戦略法務の認知度と評価を上げていくことが目標です。

 海外展開では中国企業に投資の成果を奪われ,国内でも大手企業に知的財産を奪われている県内中小企業の状況を打破するためには,弁護士による戦略法務支援・契約交渉支援が不可欠です。

 日本企業は,パワーが強い方が有利な条件を押し付けるのが当たり前だと思っています。だからこそ海外企業と戦わず,国内の下請を叩いてばかりいます。これでは日本の国力は減少するばかりです。交渉結果,すなわち契約は,交渉力の評価と交渉技術によってガラリと変わります。

 日本一の戦略法務事務所,中国地方一の企業法務事務所として,県内企業の技術力を確かな法務で守りつつ,全国・グローバルに戦えるリーディング・カンパニーに育て上げる。それが私のミッションです。

Q.本制度を今後利用しようと考えている方にメッセージをお願いします。

A.他にないことを始めようとするとき,誰でも不安です。私の場合,司法試験に合格できるだろうか,事業を始めて軌道に乗るだろうか,私の問題意識と提案を,中小企業の社長さん達も聞いてくれるだろうか,などなど沢山ありました。

 そのような不安を一つ一つ乗り越えた経験が自信になります。そして,広島県が,私のチャレンジを評価し,経済的にバックアップしてくれたという点が,これらを乗り越える心の支えになったと思います。

 どんなチャレンジも,一人では実現できません。チャレンジを言語化して,広島県を投資してもらえるレベルで説得できれば,きっとその事業はあなた自身の人生をかける価値があります。あきらめずに粘り強く頑張ってください!

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