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アイゴ

印刷用ページを表示する掲載日2013年11月18日

aigo  

スズキ目アイゴ科 Siganus fuscescens

特徴

 全長30~45 cmくらいで,左右に平たい体型をしています。

緑褐色の地に褐色の横縞が数本あり,全身に白っぽい斑点があります。

よく見かけるところ

現状

暖海性の植食性の魚類で,太平洋側では千葉県以南,日本海側では青森県まで確認され,春から秋の水温が20℃以上で出現するという報告があります。冬の瀬戸内海ではあまり見かけることはないかもしれませんが,暖水に乗って回遊してくる群れだけでなく,周年定着している個体も知られています。

西日本では沿岸の藻場が消失する磯焼けの原因として,アイゴによる食害を指摘する説もあります。アイゴの分布域の拡大にともなって,藻場の食害の増加も懸念されています。

 目撃したら情報をお寄せください

近年,地球規模での環境変動が注目され,身近な地域においても気温の上昇や海水温の変化,ゲリラ豪雨や竜巻の発生といった気象の変化が報じられています。それにともなって,生きものの出現時期や分布状況の変化を示すデータも多くみられるようになってきました。

生きものの生息・生育状況の変化は,必ずしも地球温暖化が原因とはいえません。それぞれの種によって違った事情があると考えられます。しかし,私たちの周りの環境の変化を反映していることは間違いなさそうです。本調査では,瀬戸内海の海水温の上昇に関係する魚類の変化に注目しています。

 瀬戸内海の環境の変化を知るためには,皆さんからアイゴの目撃情報がたいへん役に立ちます。皆様からお寄せいただいた情報は,取りまとめてホームページ上で公開します。。

 情報提供はこちらから

 瀬戸内海の変化

瀬戸内海では冬の海水温の上昇が知られています。それにともなって,暖海性魚類(いわゆる南方系の魚)の観察例が増えてきています。また,かつては多く生息していた魚介類が採れなくなったという漁業関係者の声も聞かれます。海水温は上昇と関係する事例として,広島県でもナルトビエイの大量出現がよく知られています。ナルトビエイは集団でアサリなどの漁場へやってきて食害するため,その影響が大きな問題になっています。

近年,海域の水質は改善傾向にありますが,その一方で生態系に影響する水温の変化のような目に見えない変化が進行している可能性があります。また,ある生物の生育・生息状況の変化は,種間の相互作用を通じて地域の生物群集や生態系に影響を与えることがあります。

調査を通じて得られる分布情報は,たくさん集まれば将来の生態系の変化を知るための指標として重要な役割をもちます。

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