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水田転換キャベツほ場での籾殻大量施用による作土透水性向上効果

印刷用ページを表示する掲載日2019年2月22日

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背景

水田転換キャベツほ場では,排水不良による湿害の発生が問題となっています(写真1)。これまで,生産環境研究部は,ほ場への1/500傾斜付与および畝立による地表排水促進技術を開発しました。今回は,水稲栽培地域で入手が容易な籾殻を,粘質の水田転換ほ場に大量一括施用し,作土の透水性を早期に高めることで,キャベツの湿害を軽減し増収できました。

内容

 ・籾殻の特徴
籾殻は水稲栽培の副産物で,作付面積1haから約10 m3(=約1t)が産出されます。はっ水性で,家畜ふん尿堆肥よりも炭素に対する窒素の割合が小さいため分解が遅く,しかも,りん酸,加里および石灰等の養分はほとんど含みません。キャベツの定植前に施用して,深耕ロータリーで耕耘を繰り返し,作土へ均一に混和します(写真2)。
・作土の気相率および養分変化
作土の空隙割合を示す気相率は,10a当たり45m3の籾殻を施用しその後の2年は施用しない45m3一括施用ほ場では,施用1年目で38%と最も高くなります。その後は低下しますが,施用から3年経過しても29%と高く維持できています(図1)。
  施用3年目の作土の全炭素は,籾殻施用することで増加します。家畜ふん尿堆肥を大量一括施用すると,作土の養分過多によりキャベツの生理障害が発生しやすくなりますが,籾殻を大量施用しても無機態窒素,可給態りん酸および交換性加里はほぼ同等で養分過多になりません。
・作土の水分状態およびキャベツの湿害発生
梅雨入りから収穫までの期間では,作土の水分過多を示すpF1.5未満の遭遇時間の比率は45m3一括施用ほ場が0%となります。また,キャベツの湿害株の発生率は45m3一括施用ほ場が3.3%と最も低く,作土の水分過多時間が短くなることでキャベツの湿害発生が軽減されます(図2)。
・キャベツの積算収量
  3作を積算した結球重は,45m3一括施用ほ場が1株当たり8.97kgで最も大きく,籾殻15m3を3年間,毎年施用した15m3連用ほ場よりも24%増加します(図3)。

以上から,籾殻の10a当たり45m3の単年一括施用は,作土養分を高めることなく施用後3年間は気相率を高く維持でき,連年分割施用よりも降雨後の水分過多の遭遇時間を短縮し,キャベツの湿害発生を軽減して増収することから,作土の早期透水性改良方法として有効です。

籾殻施用キャベツデータ

留意点

籾殻の大量一括施用によるキャベツの窒素飢餓症状の発生を回避するために,籾殻45m3当たり窒素成分で33.75kgを標準の基肥窒素量に上乗せて施用します。

担当

広島県立総合技術研究所農業技術センター 生産環境研究部

お問合せ先

広島県立総合技術研究所農業技術センター 技術支援部
TEL: 082-429-0522 メールでのお問合せはこちら

本研究は,公益社団法人農林水産・食品産業技術振興協会の支援を受けて行いました。

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